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高等部二年生

030※

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「何だ? まさか感じてるのか?」
「ちがっ……!」
「どの線だ? あぁ、これか」

 わざと胸の上にあるLANケーブルを指でズラされた。
 そして指が離されるとケーブルはすぐにまた元の位置に戻り、胸の突起部分をかすめる。

「ひぅ……! も……怜くんの、ばかぁ」

 下手に体を動かすことができないので、文句を言うしかない。
 けど、次の瞬間には、その口を塞がれた。

「んっく……ぅんんっ」

 顎を掴まれ、開けていた口から怜くんの舌が進入してくる。
 ぬるりとした生温かい感触に、思わず逃げようと腰を捻るものの、それがいけなかった。

「はうぅっ……ぁ、だめっ、怜く……!」

 お尻の割れ目から、性器の付け根に向かってLANケーブルが食い込む。
 そして浮き彫りになったぼくの中心の膨らみに、あろうことか怜くんが手を伸ばした。

「やだっ……今は、触っちゃだめ!」
「後ならいいのか?」
「そういうことじゃな……あうっ」

 少し左に向いた中心を、下から上に向かってズボン越しに、指でそっと撫でられる。
 その微かな接触にも体は反応して震えた。
 動いたつもりはないのに、LANケーブルが中心の付け根をかすめていく。

「ぁっ……あ……っ」
「たまにはこういうのも新鮮だな」
「やぁ、怜くん、これ……取ってぇ」

 ヒクヒクと下着に収まる自身が震えているのを感じる。
 こんな状況でも、体は与えられる刺激に正直だ。

「取ってやりたくても、な? それに嫌がってる割には、さっきより硬くなってるぞ」
「それは、怜くんが、触るから、でしょ!」

 腕の自由が利かないせいか、自分の中で渦巻く熱を上手く発散できない。
 早くも息が上がって、声が途切れた。
 怜くんからの接触は優しいものなのに、内に、内にと熱が溜まっていく。
 汗が浮かぶのと一緒に、トロリと先走りの液が自身の尖端から溢れるのが分かった。

「も……やだぁ」
「どうして欲しい? 言っておくが、全部のケーブルを解くには時間がかかるぞ」
「んんっ」

 もどかしさに視界が潤む。
 自分ではどうすることもできない状況が、何より歯がゆかった。
 ジリジリと微細に動くLANケーブルに責め立てられると、余計に。

「イキたい……けど、これじゃ、イケない……」
「そうだな。せめて腰周りのケーブルだけでもどうにかするか。それさえなければ前も開けられるだろ」

 それまでは辛抱しろよ、と怜くんは腰に巻き付いているLANケーブルに指をかけた。

「あっ、でも無理に動かしたら……ひゃうっ」

 案の定、縦に走るLANケーブルと絡まるところがあったのか、引っ張られた二本の線が、お尻の奥まった部分をこする。
 ズボン越しに蕾まで刺激されて、目尻に涙が浮かんだ。

「少しの間だ、辛抱しろ。……ほら、一本は解けたぞ」

 言葉通り、少しだけ体を締め付けられる圧が減った。
 怜くんは次のLANケーブルに指をかけるけど、その指の動きに不穏なものを感じる。
 脇腹は仕方ないとして、胸のほうで手を動かす必要はないよね?

「や、怜くん、どこ触って……」
「イキたいんだろ?」
「それはそうだけど、あぅっ」

 きゅうっと、胸の小さな突起を抓られて声が上がる。
 怜くんの顔もやけに近い。
 そう思った次の瞬間には、耳たぶを食まれた。
 舌が中に進入して水音を立てる。

「だめっ、動いちゃう、から……! ひうぅん」

 生々しい音と感触に首がすくんだ。
 反射的に縮こまる体を、意識して制御できない。
 結果、体を巡るLANケーブルは、少し緩んでは締め付けるのを繰り返した。

「イケない、のに……感じるの、やだぁ……!」

 怜くんからも、LANケーブルからも、与えられる刺激は中途半端なものでしかなくて。
 焦れて下着の中でヒクつく自身が切ない。

「あと一本ケーブルを解いたら、ちゃんとイカせてやるから」

 早く、早くという焦りばかりが募る。
 溜まらず正面にいる怜くんの胸に額をこすり付けた。
 浮かんでいた汗が拭われて、少しだけ気分が落ち着く。
 その間にも怜くんは手を動かし、やっと邪魔をしていたLANケーブルを解き終えた。
 すかさずズボンのチャックが下ろされる。

「あ……」
「下着まで濡れてるじゃないか」
「ん、だって……」

 じわりと先走りの液が下着に染みていることを指摘され、今更恥ずかしくなる。
 でも、ぼくは何も悪くないはずだ。多分。
 LANケーブルに絡まったのは自業自得かもしれないけど、それも原因は乱雑にダンボールに入れていた人のせいだし。

「倒錯的な格好だな」

 改めて前からぼくの姿を見下ろした怜くんが感想を述べる。
 下着から自身が取り出されているのを自分でも確認して、目を逸らした。
 隠したくても、相変わらず手はLANケーブルに阻まれて動かせない。

「真剣に見ないで」
「写真に残したいくらいなんだが?」
「絶対ダメだからね!?」
「誰にも見せないぞ?」
「食い下がらないでよ!? 絶対にダメ!!!」

 何が琴線に触れたのか分からないけど、ぼくが断固拒否すると、残念そうに怜くんは息をついた。
 こればかりは、どんな顔をされても許可できない。

「仕方ない、目に焼き付けておくとするか」
「それも今すぐ忘れて!」
「無茶を言うな」
「はうぅっ」

 下着から解放された自身を掴まれて声が漏れる。
 急所を握るなんて卑怯だ! そう思っても、続く指の動きに、喘ぎしか出せなかった。

「あっ、あぁんっ……ん、あっ……!」

 直に亀頭を撫でられ、唇が戦慄く。
 欲しかった快感を得られた効果は、絶大だった。
 歓喜に竿が脈打ち、尿道口からはまた透明な雫が溢れていく。

「いつもより声が出てるな。そんなに欲しかったのか?」
「ふっ……んん! れい、くん、も……一度、拘束されてみたら、いいんだっ」
「それは遠慮しておく」

 すっかり濡れてしまっているぼくの中心を、怜くんはにちにちと音を立てながら扱いた。
 下から上へ、熱が押し出される感触に胸が高鳴る。

「ぁあ! あっ、は……あぁっ」
「あまりいい声で啼くな。俺が我慢できなくなる」
「でも、とまんなっ、んぅう!」

 一度堰を切ってしまった声は止められない。
 そう訴えながら怜くんを見上げると口を塞がれた。
 口内で怜くんの舌が暴れ、唾液が唇の周りを汚す。

「はぅ、ちゅっ……んっ、んっ!」

 中心を上下に扱かれる快感に、はっはっと上がる息ごと吸われた。
 おかげで呼吸がままならない。
 けれどその息苦しさにさえ、熱を煽られた。
 身動きが取れない状況だからだろうか。
 いつも以上に、性急になっている気がする。
 くっついていた唇が離れても、中心に灯った火は弱まるどころか強くなる一方だ。

「あっ、あっ……! 怜くん、気持ちい……っ」

 唾液で濡れた唇でそう訴えれば、与えられる快感の速度が増した。
 下から聞こえる水音が激しくなる。
 同時に、背中にも手が回されて……。

「ひぅんん! やっ! それ、だめぇ!」

 未だ尻の割れ目に食い込むLANケーブルを引っ張られた。

「や、ぁあ! あっ、ぁあっ……!」
「嫌がってる割には、感じてるようだがな」

 今まで与えられたことのない刺激に首を振る。
 無理に閉じた口からは、唾液が糸を引いて落ちた。

「ふっ……っ……怜くん、れいくっ……もうっ、ふぁあああ!」

 太ももが痙攣し、果てる。
 意識を失いそうなほどの熱の放出に、ぼくはぐったりと怜くんに身を預ける他なかった。
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