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高等部一年生
005
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生徒会室を出ると、足早に風紀委員室を目指す。
風紀委員室は、生徒会室との間に二つ会議室を挟んだところにあって、距離はさほど離れていない。調度品を除いて、部屋の間取りも一緒だ。
固く閉ざされた木製の重厚なドアをノックすると、内側から開けられた。
出迎えてくれたのは、眞宙くんの親衛隊長である南くんだった。綿菓子のような、ハニーブラウンのふわふわとした髪が視界に入る。
どうやら同じように呼び出しを受けて、ちょうど室内側のドア前に立っていたらしい。
「すぐに集まれるのは、いつもの三人だけか……」
ぼくの顔を見るなり、顔なじみで次期風紀委員長になることが決まっている上村くんが呟く。
親衛隊関連の問題については、上村くんが担当なんだけど、一年生が担当するのは珍しいと聞いた覚えがあった。それだけ上村くんの力が、風紀委員で見込まれている証だ。
どうやら他の親衛隊長からは、集まれない旨の連絡があったらしい。
みんな、反応が早い。
ただそれ以上に、生徒会室から間を置かずに来たぼくよりも、早く集まっていた二人に舌を巻く。
「いつもの三人」というのは、ぼくを含めた親衛隊長のことだ。
親衛隊長は同級生から選ばれる決まりがあるため、今期は一年生が多かった。
怜くん担当のぼく、眞宙くん担当の南くん、そして上村くん担当の柳沢くんと、みんな同級生だ。
上村くんも学園内で目立つ存在だから、親衛隊があるんだよね。
はい、彼もBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラです。
上村 一紗、通称、一紗様。
呉服屋の御曹子である上村くんは、長い黒髪をいつも後ろで結っている。
背筋の伸びた立ち姿は彼の雰囲気を鋭くさせ、腰に刀を差していても不思議じゃない。
ぼく以上に和の雰囲気がある人で、上村くんの親衛隊長である柳沢くんによると、着痩せするタイプらしく、脱いだら筋肉も凄いとのこと。
あ、柳沢くんは上村くんと同じ合気道の道場に通っていて、裸を見る機会があるだけで、二人はとても清い関係です!
柳沢くんは、ぼくや南くんとはタイプが違い、体格も上村くんより大きい。
サイドが刈り上げられた短髪には清潔感があって、とても頼りがいがありそうな見た目をしている。上村くんも柳沢くんも黒髪だから、同じ黒髪仲間のぼくとしては親近感が湧く相手だ。
風紀委員室にいる他の風紀委員にも目礼で挨拶しながら、ぼくは上村くんに向かって口を開いた。
「いつも通り、他の親衛隊長にはメールを送る形でいいんじゃないかな? ところで被害状況は?」
親衛隊関連の問題が起こったときは、各親衛隊長に連絡するのが決まりだ。
これは「誰の」親衛隊にかかわらず、情報をいち早く共有するために必要なことだった。
「被害者は板垣の親衛隊員。どうやら友人だと思っていた相手に襲われたらしい」
「相手は一人?」
「そうだ。加害者曰く、板垣の相手をしてるなら、自分の相手をして欲しかったと」
「いやいや、それならまず告白しようよ。何でいきなり襲っちゃうの……」
話を聞いて頭が痛くなる。
けど悲しいかな、こういった学園内での強姦事件は、ままあることだった。
BLシミュレーションゲームの舞台だからかもしれないけど、犯罪行為が横行するのはどうかと思うよ!?
私立鳳来学園高等部の生徒は、全寮制の男子校という特殊な環境下のせいか、石を投げればホモかバイに当たるというレベルで、同性愛に対し寛容だった。
思春期という同性に憧れを抱きやすい頃に、外界から隔てられた学園へ集められているせいかもしれない。
ぶっちゃけると、性欲を持て余した結果、手近なところで済ませてしまう傾向にある。
外泊届を出せば外泊することも可能だけど、それで足りないことは確かだった。
両者合意の上なら、問題にはならない。
しかし現実はというと――。
「板垣のところには、再三注意を入れてるのだがな」
「今回は相手を信用して、警戒が緩んじゃったのが原因?」
板垣 八雲、通称、八雲様。
ぼくより一学年上の先輩の実家は、国内では知らない人がいないほど有名な警備会社を運営している。
名前からもお堅いイメージを受けるけど、本人は見た目からしてチャラい。
ぼくは心の中で、ずっとチャラ男先輩と呼んでいる。
常に親衛隊の子たちを侍らせて、体の関係も好き放題。これは、まぁ、親衛隊の子たちも好きで体を許してるからいいんだけど。
ちなみに、彼もBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラです。
問題は、チャラ男先輩と親衛隊の関係を他の生徒が見て、親衛隊は下半身が緩い、所謂ビッチだと勘違いしてしまうことだった。好きな人の相手をするのと、それ以外とじゃ話は別です!
しかもチャラ男先輩の親衛隊だけじゃなく、親衛隊全てを引っくるめてそう思われているから始末が悪い。何度でも言うけど、好きな人以外は別!
普通に考えたらわかるよね!?
しかし親衛隊関連の問題で一番多いのは、親衛隊の子が他の生徒に襲われるというケースだった。
だからぼくたち親衛隊の人間は横の繋がりを大事にし、「誰の」親衛隊か関係なく、情報を共有することで自衛に徹している。単独行動はなるべく避ける、とかね。
また風紀委員とも連携して、怪しい人物を見かけたらすぐに報告を入れる連絡網を築いていた。
人気のない場所は、風紀委員が重点的に見回りをしてくれてるけど、人手があることに越したことはない。
おかげ様で、親衛隊以外の生徒が襲われるのを未然に防いだこともあるんだよ!
「いつも通り、注意喚起するしか手立てはない、か……」
「そうだね。既にある親衛隊のイメージを払拭するのは難しいと思うから、自分の身は自分で守るようにしないとダメかなぁ」
暗澹たる気持ちで、眞宙くんの親衛隊長である南くんに視線を向けると、儚げに眉尻を落とした微笑みが返ってきた。あぁ、守りたい、この笑顔。
髪がハニーブラウンという色合いなのもあって、南くんにはテディベアを持たせたくなる。赤いリボンも似合いそうだ。ちょうどいい感じのテディベアが寮の部屋にあるから、一度抱いたところを写真に撮らせてもらおうかな……。
南くんはぼくと身長が変わらないんだけど、見た目の線の細さも相まって、庇護欲をそそられる。
可愛いなぁと眺めていると、上村くんからぼくたちも注意するようお声がかかった。
「言わずもがなだが、お前たちも気を付けろよ。柳沢は……大丈夫だと思うが」
「ウッス!」
上村くんの親衛隊長である柳沢くんは、テディベアではなくヒグマのようなガチムチのイケメンで、一見すると襲うほうだからね。
本人は、自分よりも一回り以上細身である上村くんに襲われたいらしいけど。
「ぼくや南くんは最悪、怜くんや眞宙くんの名前を出したら、相手が逃げてくれるのが救いだよね」
虎の威を借るキツネでも、背に腹は代えられない。
実際、高等部に上がってすぐの頃は、ぼくも何度か人気のないところへ連れ込まれかけたことがあるけど、怜くんの名前を出したらすぐに解放してもらえた。怜くんのネームバリューは凄いんだ。
けど他の人はそれが使えないので、人気のない場所での単独行動についてはよく注意を促している。
「それも万能ではないだろ。慢心してると足をすくわれるぞ。特に湊川」
「何でぼく!?」
「お前が一番危なっかしいんだ」
保くん、無自覚なところが多いですから、と南くんにまで言われて肩を落とす。
そんな……風紀委員からの呼び出しにも、可能な限り対応して頑張ってるのに。
「はぁ……名法院家の威光を気にしない人間もいることを忘れるなよ」
「そんな人、この学園にはいないよ!?」
「灯台下暗しとはよく言ったものだな」
どうしてか、小さい子を見るような目をしながら上村くんに頭を撫でられる。
その横で柳沢くんが羨ましそうな視線を送ってくるけど、ごめんね、ぼくにはどうすることもできない。
「そうだ、上村くん、ちょっと耳に入れておきたいことがあるんだけど」
ちょうどいい機会だし、ポスターの件を伝えておく。
文句がある場合は、怜くんに直接言えば聞いて貰えることも。
「いつもは何枚刷ってるんだ?」
「資料によると二百枚」
「暴動になるな」
「なるよね」
暴動は言い過ぎかもしれないけど、あちらこちらでポスターを巡って小競り合いが発生するのは目に見えていた。
もういっそ、一人一人に配ったらいいんじゃないかとすら思う。
「ポスターの件については了解した。必要数をこちらでも計算して、風紀委員長に進言してもらう。ということで委員長、よろしくお願いします」
突然上村くんに話を振られた風紀委員長が目を丸くする。
心なしか血の気が引いているようにも見えた。大丈夫かな、もう倒れそうな顔をしてるけど。
上村くんに見送られながら、ぼくたち親衛隊長の三人は、風紀委員室を後にする。
どうやら南くんも柳沢くんも、隣の空いている会議室で自分の親衛隊たちの子と、それぞれ眞宙くんと上村くんを待っていたらしい。
いつも気付いたら傍にいると思ってたけど、常に待機してたんだね……。
風紀委員室は、生徒会室との間に二つ会議室を挟んだところにあって、距離はさほど離れていない。調度品を除いて、部屋の間取りも一緒だ。
固く閉ざされた木製の重厚なドアをノックすると、内側から開けられた。
出迎えてくれたのは、眞宙くんの親衛隊長である南くんだった。綿菓子のような、ハニーブラウンのふわふわとした髪が視界に入る。
どうやら同じように呼び出しを受けて、ちょうど室内側のドア前に立っていたらしい。
「すぐに集まれるのは、いつもの三人だけか……」
ぼくの顔を見るなり、顔なじみで次期風紀委員長になることが決まっている上村くんが呟く。
親衛隊関連の問題については、上村くんが担当なんだけど、一年生が担当するのは珍しいと聞いた覚えがあった。それだけ上村くんの力が、風紀委員で見込まれている証だ。
どうやら他の親衛隊長からは、集まれない旨の連絡があったらしい。
みんな、反応が早い。
ただそれ以上に、生徒会室から間を置かずに来たぼくよりも、早く集まっていた二人に舌を巻く。
「いつもの三人」というのは、ぼくを含めた親衛隊長のことだ。
親衛隊長は同級生から選ばれる決まりがあるため、今期は一年生が多かった。
怜くん担当のぼく、眞宙くん担当の南くん、そして上村くん担当の柳沢くんと、みんな同級生だ。
上村くんも学園内で目立つ存在だから、親衛隊があるんだよね。
はい、彼もBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラです。
上村 一紗、通称、一紗様。
呉服屋の御曹子である上村くんは、長い黒髪をいつも後ろで結っている。
背筋の伸びた立ち姿は彼の雰囲気を鋭くさせ、腰に刀を差していても不思議じゃない。
ぼく以上に和の雰囲気がある人で、上村くんの親衛隊長である柳沢くんによると、着痩せするタイプらしく、脱いだら筋肉も凄いとのこと。
あ、柳沢くんは上村くんと同じ合気道の道場に通っていて、裸を見る機会があるだけで、二人はとても清い関係です!
柳沢くんは、ぼくや南くんとはタイプが違い、体格も上村くんより大きい。
サイドが刈り上げられた短髪には清潔感があって、とても頼りがいがありそうな見た目をしている。上村くんも柳沢くんも黒髪だから、同じ黒髪仲間のぼくとしては親近感が湧く相手だ。
風紀委員室にいる他の風紀委員にも目礼で挨拶しながら、ぼくは上村くんに向かって口を開いた。
「いつも通り、他の親衛隊長にはメールを送る形でいいんじゃないかな? ところで被害状況は?」
親衛隊関連の問題が起こったときは、各親衛隊長に連絡するのが決まりだ。
これは「誰の」親衛隊にかかわらず、情報をいち早く共有するために必要なことだった。
「被害者は板垣の親衛隊員。どうやら友人だと思っていた相手に襲われたらしい」
「相手は一人?」
「そうだ。加害者曰く、板垣の相手をしてるなら、自分の相手をして欲しかったと」
「いやいや、それならまず告白しようよ。何でいきなり襲っちゃうの……」
話を聞いて頭が痛くなる。
けど悲しいかな、こういった学園内での強姦事件は、ままあることだった。
BLシミュレーションゲームの舞台だからかもしれないけど、犯罪行為が横行するのはどうかと思うよ!?
私立鳳来学園高等部の生徒は、全寮制の男子校という特殊な環境下のせいか、石を投げればホモかバイに当たるというレベルで、同性愛に対し寛容だった。
思春期という同性に憧れを抱きやすい頃に、外界から隔てられた学園へ集められているせいかもしれない。
ぶっちゃけると、性欲を持て余した結果、手近なところで済ませてしまう傾向にある。
外泊届を出せば外泊することも可能だけど、それで足りないことは確かだった。
両者合意の上なら、問題にはならない。
しかし現実はというと――。
「板垣のところには、再三注意を入れてるのだがな」
「今回は相手を信用して、警戒が緩んじゃったのが原因?」
板垣 八雲、通称、八雲様。
ぼくより一学年上の先輩の実家は、国内では知らない人がいないほど有名な警備会社を運営している。
名前からもお堅いイメージを受けるけど、本人は見た目からしてチャラい。
ぼくは心の中で、ずっとチャラ男先輩と呼んでいる。
常に親衛隊の子たちを侍らせて、体の関係も好き放題。これは、まぁ、親衛隊の子たちも好きで体を許してるからいいんだけど。
ちなみに、彼もBLゲーム「ぼくきみ」の攻略キャラです。
問題は、チャラ男先輩と親衛隊の関係を他の生徒が見て、親衛隊は下半身が緩い、所謂ビッチだと勘違いしてしまうことだった。好きな人の相手をするのと、それ以外とじゃ話は別です!
しかもチャラ男先輩の親衛隊だけじゃなく、親衛隊全てを引っくるめてそう思われているから始末が悪い。何度でも言うけど、好きな人以外は別!
普通に考えたらわかるよね!?
しかし親衛隊関連の問題で一番多いのは、親衛隊の子が他の生徒に襲われるというケースだった。
だからぼくたち親衛隊の人間は横の繋がりを大事にし、「誰の」親衛隊か関係なく、情報を共有することで自衛に徹している。単独行動はなるべく避ける、とかね。
また風紀委員とも連携して、怪しい人物を見かけたらすぐに報告を入れる連絡網を築いていた。
人気のない場所は、風紀委員が重点的に見回りをしてくれてるけど、人手があることに越したことはない。
おかげ様で、親衛隊以外の生徒が襲われるのを未然に防いだこともあるんだよ!
「いつも通り、注意喚起するしか手立てはない、か……」
「そうだね。既にある親衛隊のイメージを払拭するのは難しいと思うから、自分の身は自分で守るようにしないとダメかなぁ」
暗澹たる気持ちで、眞宙くんの親衛隊長である南くんに視線を向けると、儚げに眉尻を落とした微笑みが返ってきた。あぁ、守りたい、この笑顔。
髪がハニーブラウンという色合いなのもあって、南くんにはテディベアを持たせたくなる。赤いリボンも似合いそうだ。ちょうどいい感じのテディベアが寮の部屋にあるから、一度抱いたところを写真に撮らせてもらおうかな……。
南くんはぼくと身長が変わらないんだけど、見た目の線の細さも相まって、庇護欲をそそられる。
可愛いなぁと眺めていると、上村くんからぼくたちも注意するようお声がかかった。
「言わずもがなだが、お前たちも気を付けろよ。柳沢は……大丈夫だと思うが」
「ウッス!」
上村くんの親衛隊長である柳沢くんは、テディベアではなくヒグマのようなガチムチのイケメンで、一見すると襲うほうだからね。
本人は、自分よりも一回り以上細身である上村くんに襲われたいらしいけど。
「ぼくや南くんは最悪、怜くんや眞宙くんの名前を出したら、相手が逃げてくれるのが救いだよね」
虎の威を借るキツネでも、背に腹は代えられない。
実際、高等部に上がってすぐの頃は、ぼくも何度か人気のないところへ連れ込まれかけたことがあるけど、怜くんの名前を出したらすぐに解放してもらえた。怜くんのネームバリューは凄いんだ。
けど他の人はそれが使えないので、人気のない場所での単独行動についてはよく注意を促している。
「それも万能ではないだろ。慢心してると足をすくわれるぞ。特に湊川」
「何でぼく!?」
「お前が一番危なっかしいんだ」
保くん、無自覚なところが多いですから、と南くんにまで言われて肩を落とす。
そんな……風紀委員からの呼び出しにも、可能な限り対応して頑張ってるのに。
「はぁ……名法院家の威光を気にしない人間もいることを忘れるなよ」
「そんな人、この学園にはいないよ!?」
「灯台下暗しとはよく言ったものだな」
どうしてか、小さい子を見るような目をしながら上村くんに頭を撫でられる。
その横で柳沢くんが羨ましそうな視線を送ってくるけど、ごめんね、ぼくにはどうすることもできない。
「そうだ、上村くん、ちょっと耳に入れておきたいことがあるんだけど」
ちょうどいい機会だし、ポスターの件を伝えておく。
文句がある場合は、怜くんに直接言えば聞いて貰えることも。
「いつもは何枚刷ってるんだ?」
「資料によると二百枚」
「暴動になるな」
「なるよね」
暴動は言い過ぎかもしれないけど、あちらこちらでポスターを巡って小競り合いが発生するのは目に見えていた。
もういっそ、一人一人に配ったらいいんじゃないかとすら思う。
「ポスターの件については了解した。必要数をこちらでも計算して、風紀委員長に進言してもらう。ということで委員長、よろしくお願いします」
突然上村くんに話を振られた風紀委員長が目を丸くする。
心なしか血の気が引いているようにも見えた。大丈夫かな、もう倒れそうな顔をしてるけど。
上村くんに見送られながら、ぼくたち親衛隊長の三人は、風紀委員室を後にする。
どうやら南くんも柳沢くんも、隣の空いている会議室で自分の親衛隊たちの子と、それぞれ眞宙くんと上村くんを待っていたらしい。
いつも気付いたら傍にいると思ってたけど、常に待機してたんだね……。
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