ぼく、魔王になります

楢山幕府

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 土と火の精霊に手伝ってもらい、ぼくたちはディンブラに乗って夜の内に大森林へと戻った。
 一つ誤算があったとすれば、着陸地点をあの花粉に催淫効果があるお花畑にしちゃったことかな。
 村の近くに開けた場所があると土の精霊に聞いて、それならって深く考えずに降りちゃったんだよね。
 気付いたときには遅かった。

「と、とりあえず花粉の届かない場所に移動しよう!」

 前にガルを移動させた場所へ向かう。

「あぁ、リゼ様……お尻が疼いて、我慢汁が……」
「ルフナには影響しないよね!?」

 エルフに毒性は効かない。催淫効果も。
 夜は花粉の飛沫が少ないから、ガルとディンブラに痺れが出ていないのが幸いだ。

「前に思いっきり花を散らしちゃったけど、見事に復活してるね」
「この花は生命力が強いですからね。コロニーを築いたら、他の植物を寄せ付けませんし」

 だから森の中にあって、あれだけのお花畑を形成できているのかと納得する。
 けど今はそれどころじゃない。

「回復薬はまだあったよね?」
「いいよ、勿体ねぇ。出せば楽になるんだ」
「ガル……ぅんんっ」

 藪を挟んだ場所に移動するなり、ガルに唇を奪われる。
 抱き締められ、スカートを捲られる動きは性急だった。

「早く、リゼのこのデカいのを、俺のケツにくれよ」
「ガル……」

 自身を握られ、ガルの吐息に頬を撫でられる。
 情欲のこもった瞳で見つめられたら、否はない。
 地面に腰を下ろしたガルと向き合う。
 そそり立つガルの中心には、血管が浮き出ていた。
 脈打つ動きに興奮具合がわかる。

「我慢が利かねぇんだ。おら」

 仰向けになり、ガルは自分で両足を抱えた。
 腰布がはだけて秘部が露わになる。
 催淫効果を抜くには、ガルが射精するだけでいいんだけど、お尻でイキたいと訴えられる。

「なぁ、お前のマラで犯してくれよ……」
「もう……煽られたら、加減ができなくなるから」

 雰囲気にあてられて、ぼくもすっかり臨戦態勢だ。
 好きな人のエッチな姿を見せられて、平常心を保てるわけがない。
 亀頭を蕾に押し付けただけで、襞がヒクヒクする。
 挿入をはじめれば、ガルの反応は際立った。

「あっ……! んぁああ!」

 太い首を反らせ、喉仏が存在を主張する。
 全てがガルの中に収まる頃には、褐色の太ももが痙攣していた。

「んぁっ、あっ、ぁあ!」
「っ……もしかして、イッた?」

 自身が大きなうねりに包まれる。
 休む間もなく何度も肉壁に絞られる快感に、体が一気に火照った。
 はぁ……と息を漏らしながら、腰を揺する。

「んっ、んぉおっ、おっ、あっ……! い、イクの、とまんねぇっ」

 ガルが口を戦慄かせる。
 眉間に皺を寄せて快感に震える様子が耽美で、情欲を掻き立てられた。
 我慢できないと目尻に涙を浮かべる姿が愛おしい。

「あっ、あっ……! りぜ、だめ、だ……っ、イキっぱなしで、おかしく、なる……っ」
「うん……ぼくも、もうダメかも……」

 大きな体を震わせながら啼くガルが可愛すぎて。
 熱が自身に集中する。
 打ちつけたい衝動を止めることはできなかった。

「あひっ!? ひんっ、ぁ……おくは、おっ、おく……っは!」

 ダメだと、ガルはしきりに首を振った。

「もう止まらないよ」
「そんっ、あっ……! あっ……!」
「いっぱい、奥、突いてあげるね」

 ずちゅっと接合部が水音を立てる。
 身を焼く熱に、理性は溶けていった。
 何も考えられないまま、腰を振り、眼前に迫る腹筋を舐める。
 怒張したガルの中心が、ぼくの胸を撫でた。

「ぐぅっ、ぅおっ、おっ……! おひっ、おくっ……おくぅっ……!」

 パン、パン、パン。
 音が鳴るたび、汗が飛ぶ。
 硬くなった自身が肉壁を抉り、前立腺を押し上げ、最奥を穿った。
 ガルの体重が腰に重く響く。
 快感を、共有する。

「くぅぅうううん!」
「っ……」

 イッたのは同時だった。
 ずるりと自身を引き抜けば、奪われた熱に体がふらつく。
 それを支えてくれたのは、ルフナだった。

「大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう」
「次はディンブラの相手をお願いします」
「いいの……?」

 いつもガルの次はルフナだ。
 見れば、ルフナの股間は膨らみ、染みまでできている。

「催淫効果で辛そうですので。もうリゼ様を受け入れることも可能です」
「わかった。ルフナは、順番がくるまで触っちゃダメだからね?」
「っ……はい、我慢しましゅ」

 ルフナはぼくに命令されるのが大好きだ。
 放置プレイを楽しんでもらうことにする。
 恍惚と腰をくねらせるルフナを見送って、ディンブラと向き合う。
 立っていられなくなったのか、ディンブラは蹲っていた。

「ディンブラ、大丈夫?」
「あひっ!?」

 翼を避けて背中をさすると、ディンブラが顔を跳ね上げる。
 目が合うと、いつもの眠そうな表情は消え、泣きそうになっていた。

「りぜぇ……」
「大丈夫、出したら落ち着くからね」

 自分の意思ではない催淫効果に、不安になってるんだろう。
 繰り返し背中を撫で、尻尾の付け根部分を掻く。
 するとかなり体が敏感になっているようだった。

「ひぅんっ! い、イクっ」
「いいよ。たくさんイッて」

 ディンブラの股間に手を伸ばして、中心を解放する。
 革のズボンから飛び出た瞬間、射精がはじまった。
 地面に精液が散り、立ちのぼる臭いが濃くなる。

「ディンブラの臭いがするね。少し落ち着いた?」
「う、うむ……」

 横目でぼくを見ながら、ディンブラがお尻を上げる。
 まるで脱皮でもするように革のズボンも自然に脱げ、白いお尻が姿を現した。
 ゆらゆらと大きな尻尾が揺れる。

「……リゼ、挿れて欲しい」
「うん、痛かったら言ってね」

 ルフナが言うには、拡張は済んでるみたいだけど。
 ディンブラの後ろに回り、尻尾を肩に担ぐ。
 会陰を亀頭で撫でると、ディンブラが四つん這いになった。

「あぁ、リゼ……頼む……」

 背中で漆黒の翼が震えているの見ながら挿入をはじめる。
 亀頭が抵抗を感じるけど、進入を拒むほどではなかった。

「んんっ! ぁあ……入って、くる……っ」

 弓なりにしなる背骨の筋が綺麗だった。
 尻尾が肩から滑り落ち、ぼくの腰に巻きつく。
 翼が、広がっていく。
 全てを挿れ終わる頃には、翼は完全に開いていた。

「はぁ……ぁあ……奥まで……凄い……」

 熱く呟かれるのを、翼越しに聞く。
 ぼくを飲み込んだ蕾は、限界にまで襞を伸ばしていた。
 ギチギチと絞められる圧力に、手に汗が滲む。
 キツい。
 だけど、確かにディンブラはぼくを受け入れてくれた。
 時間をかけて、馴らして。
 大変だったのは想像に難くない。
 繋がれた感動に、心が震える。
 ありがとう、って言うのは、変かもしれないけど。

「ありがとう、受け入れてくれて」

 ディンブラが振り向く気配を感じる。

「是が、欲しかったから。リゼ、リゼを……是にくれ」
「うん……っ、ぼくを、たくさん貰って」

 ぐっと腰を押し込み、引く。
 ディンブラの感じるところを探り、ここだと思うところを突いた。

「ひぁああ! あっ、あっ……!」

 背中をしならせ、身を捩りながらディンブラが喘ぐ。
 快感から逃れようとする動きを、ぼくは腰を掴んで制した。

「あっ、あっ……リゼ、すごい……っ、よすぎて、なにも、かんがえられなくなる……っ」
「ん、ぼくも……っ」

 腰に巻きつく尻尾の尖端に太ももを撫でられる。
 内と外で快感が走って、自身が脈打った。
 流れた汗が、顎を伝って落ちていく。

「は、あ……ディンブラの中、気持ち、いいっ」
「リゼ、りぜぇ……もっとぉ……っ」

 強請るディンブラが、更に亀頭を飲み込む。
 中で吸われるような快感に、目の前が白くなった。
 律動がはじまり、打ちつける間合いが短くなっていく。

「あん! あっ、あっ……! りぜ、いいっ、いい……っ! もっとぉ!」

 頭を振り乱しながら、ディンブラは嬌声を上げ続けた。
 情欲に染まった声に煽られ、体が重なる瞬間が激しさを増していく。

「うんっ、んっ、んっ! はっ、あっ、あっ……おおきい、りぜの、おおきいので、たねづけ、してぇっ」

 視界で白と黒の対比が踊る。
 しきりにディンブラが翼を動かしていた。
 腰を掴んでいた手が汗で滑り、咄嗟にディンブラの尻尾を掴む。
 けれど重心がずれ、尻尾を引っ張ってしまった。

「んぁああああ! しっぽ、しっぽらめっ」
「尻尾、っていうより、付け根が感じるのかな?」

 舌っ足らずに喘ぐ姿を見て、じゃあ……と尻尾の根元を掴みながら腰を打つ。
 ズンッと奥を穿つと、ぼくに巻きついていた尻尾が弛緩した。

「あひんっ!? らめ、らめぇ……っ、ひんっ、こし、ひびいて……っ、いっ、いきゅっ」

 力が入らないのか、ディンブラの上半身は地面に着いていた。
 藻掻く手が、落ち葉と土を握り締める。

「はっ、はひゅ……いきゅ、いきゅぅうううう!」
「……うっ」

 自身が圧迫され、肉壁のうねりに絞られた。
 熱が弾け、息が詰まる。
 視界を認識できなくなった、その瞬間。

「うわっ……!」

 突然、浮遊感に包まれる。
 ディンブラが繋がったまま羽ばたき、宙に浮いていた。
 慌てて目の前の腰に抱き付く。
 尻尾に抱き寄せられて体は安定するけど、上昇は止まらない。
 そしてぼくたちは、あっという間に、木の高さを飛び越えた。
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