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007.ガル
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「ガル、昼食を持ってきたよ! 休憩にしよ!」
俺の恋人は、実は精霊なんじゃないかとよく思う。
上手くは言えねぇけど、こんな可愛くて綺麗で可愛いエルフは他にいない。
今日は黄色のワンピースか。
可愛いな、ちくしょう。可愛いしか言えねぇだろ。
しかも魔力も多いってなんだよ、死角なしかよ。一緒にいればいるほど、底知れないものを感じる。
昼休憩を言付けると嘘をついて、急いで全身の汗を拭った。
クサいと思われるのは嫌だからな。
リゼが来た時点で、俺が抜けることなんて、仲間は承知の上だ。
幾分さっぱりしてから、リゼを抱き上げる。
リゼとは頭二つ分ほど身長差があるから、こうしたほうが話しやすい。
距離も縮まって一石二鳥だ。いや、他の奴らへの牽制もあるから一石三鳥か?
至近距離にリゼの綺麗な顔がある幸福感は堪らない。
鼻をくすぐる爽やかな香りにはくらりとした。やべぇ、ずっと嗅いでいたい。
視線を下げると、胸にリゼの太ももがあたっている。
いつも見える白い膝が、スカートに隠されていた。
つい出来心でスカートを捲る。
「ガル!?」
「中が気になったんだよ」
悪びれることなく返すと、みるみるリゼの頬が赤く染まっていった。あー可愛いな、ちくしょう。
肌が白い分、上気してるのがわかりやすいんだよな。
スカートに隠された部分もそうなのかと想像すると……くっ、鎮まれ、鎮まるんだ愚息よ。
しかしリゼは無自覚に欲情を煽ってくるから始末が悪い。
俺が勝手に欲情してるとも言えるが。
「チッ、今日もおままごとかよ」
仲間からよく揶揄されるフレーズに、うっせぇ! と心の中で叫ぶ。
リゼとは付き合ってそこそこ経つのに、俺がまだ手を出していないのを笑いやがるんだ。
ふざけんな、がっついて嫌われたらどうすんだよ。あ? むしろそれが狙いか?
オーガでもリゼを狙ってる奴は多い。
というかエルフのリゼがオーガでも付き合えるのを知ると、村中の男女が血気盛んになった。
体の大きさなんて関係ない。リゼには、それだけの魅力があるんだ。
リゼがハーレムを作ったとしても、俺の場所は譲らねぇからな!
って、大声で叫びたいってのに。
「ガルはぼくとしたくないの?」
何でそういう発想になる!?
したいに決まってんだろ! 今にも覆い被さりてぇよ!!!
「あーもー!」
あーもー!!!
黄金の瞳で上目遣いされて、理性がチリチリと焼かれる。
けれど抱き締めれば、リゼの体の細さを再認識させられた。
守りたくなるほど華奢な体だ。
大事にしたい。大事にしたいってのに。
耐えきれず、鼻先でリゼの首筋をなぞる。
舌を伸ばして味見をすると、艶やかな声が聞こえた。
「んっ……」
腰が痺れた。
耳から入った声に、全身の神経がビリビリと震える。
我慢の限界だった。
「チッ、真っ昼間から盛ってんじゃねぇよ!」
一瞬、本気でアミーコをぶっ殺そうと思った。
落ち着けと、残っていた理性が訴える。
確かに、こんな誰にでも見られる場所でスルのはない。
どこでもいいとリゼは言ったが、その言葉を鵜呑みにしていいのか?
そこまで考えて、ようやく頭は冷静を取り戻した。
リゼと別れ、アミーコと建設現場へ向かう。
「オレの気持ちもわかってくれよ」
「うっせぇ」
暑苦しいアミーコの手を、俺は振り払った。
俺の恋人は、実は精霊なんじゃないかとよく思う。
上手くは言えねぇけど、こんな可愛くて綺麗で可愛いエルフは他にいない。
今日は黄色のワンピースか。
可愛いな、ちくしょう。可愛いしか言えねぇだろ。
しかも魔力も多いってなんだよ、死角なしかよ。一緒にいればいるほど、底知れないものを感じる。
昼休憩を言付けると嘘をついて、急いで全身の汗を拭った。
クサいと思われるのは嫌だからな。
リゼが来た時点で、俺が抜けることなんて、仲間は承知の上だ。
幾分さっぱりしてから、リゼを抱き上げる。
リゼとは頭二つ分ほど身長差があるから、こうしたほうが話しやすい。
距離も縮まって一石二鳥だ。いや、他の奴らへの牽制もあるから一石三鳥か?
至近距離にリゼの綺麗な顔がある幸福感は堪らない。
鼻をくすぐる爽やかな香りにはくらりとした。やべぇ、ずっと嗅いでいたい。
視線を下げると、胸にリゼの太ももがあたっている。
いつも見える白い膝が、スカートに隠されていた。
つい出来心でスカートを捲る。
「ガル!?」
「中が気になったんだよ」
悪びれることなく返すと、みるみるリゼの頬が赤く染まっていった。あー可愛いな、ちくしょう。
肌が白い分、上気してるのがわかりやすいんだよな。
スカートに隠された部分もそうなのかと想像すると……くっ、鎮まれ、鎮まるんだ愚息よ。
しかしリゼは無自覚に欲情を煽ってくるから始末が悪い。
俺が勝手に欲情してるとも言えるが。
「チッ、今日もおままごとかよ」
仲間からよく揶揄されるフレーズに、うっせぇ! と心の中で叫ぶ。
リゼとは付き合ってそこそこ経つのに、俺がまだ手を出していないのを笑いやがるんだ。
ふざけんな、がっついて嫌われたらどうすんだよ。あ? むしろそれが狙いか?
オーガでもリゼを狙ってる奴は多い。
というかエルフのリゼがオーガでも付き合えるのを知ると、村中の男女が血気盛んになった。
体の大きさなんて関係ない。リゼには、それだけの魅力があるんだ。
リゼがハーレムを作ったとしても、俺の場所は譲らねぇからな!
って、大声で叫びたいってのに。
「ガルはぼくとしたくないの?」
何でそういう発想になる!?
したいに決まってんだろ! 今にも覆い被さりてぇよ!!!
「あーもー!」
あーもー!!!
黄金の瞳で上目遣いされて、理性がチリチリと焼かれる。
けれど抱き締めれば、リゼの体の細さを再認識させられた。
守りたくなるほど華奢な体だ。
大事にしたい。大事にしたいってのに。
耐えきれず、鼻先でリゼの首筋をなぞる。
舌を伸ばして味見をすると、艶やかな声が聞こえた。
「んっ……」
腰が痺れた。
耳から入った声に、全身の神経がビリビリと震える。
我慢の限界だった。
「チッ、真っ昼間から盛ってんじゃねぇよ!」
一瞬、本気でアミーコをぶっ殺そうと思った。
落ち着けと、残っていた理性が訴える。
確かに、こんな誰にでも見られる場所でスルのはない。
どこでもいいとリゼは言ったが、その言葉を鵜呑みにしていいのか?
そこまで考えて、ようやく頭は冷静を取り戻した。
リゼと別れ、アミーコと建設現場へ向かう。
「オレの気持ちもわかってくれよ」
「うっせぇ」
暑苦しいアミーコの手を、俺は振り払った。
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