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004.ルフナ
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リゼ様が生まれたときの生誕祭は、今でも語り草になっている。
エルフは子どもの出生率が低い分、思い入れが強い。
出産を祝う生誕祭は、村一丸となって盛大におこなわれた。
そこまでは通例どおりだった。
はじめに、かがり火が一斉に火柱を上げた。
不思議と延焼はなかった。
つぎに、雨が地上から空に向けて「降った」。
不思議と濡れることはなかった。
つぎに、風が渦を巻き、天高く舞い上がった。
不思議と傷つくものはなかった。
つぎに、土が隆起し、大地が裂けた。
不思議と落ちるものはなかった。
次々に起こる異変。
しかしすぐに元通りになる。
そしてさいごに――人間が四神と仰ぐ、精霊王様たちが姿を現された。
エルフは精霊との親和性が高い。
といっても、せいぜい下級精霊である、精霊の幼体に力を貸してもらえる程度だ。
精霊の成体である上級精霊に気に入られるのは、ほんの一握りに過ぎない。
にもかかわらず、リゼ様は精霊王様たちから祝福を受けた。
お姿を見られるのもリゼ様だけだ。
私たちはリゼ様の視線の動きで、精霊王様たちの顕現を知るしかない。
前代未聞だった。
リゼ様は、奇跡の子だった。
体から溢れる膨大な魔力を目の当たりにすれば、誰もが理解する。
我が主であると。
「あぁ、リゼ様……リゼ様……」
ご両親の希望で、他の子と変わりなく育てられているものの、心にある思いはみんな一緒だった。
魔族は、力の強さを魔力量で見極める。
リゼ様に至っては差があり過ぎて、考えるまでもない。
物心がついてからは放出される魔力を制御され、一見すると他のエルフと変わらない。
だが麗しい容姿は、隠せるものではなかった。
白磁の肌に寄り添う金の髪は、天上へ向かってそよぐ絹糸のようで。
大きな目に収まる瞳は光を宿し、太陽の如く輝く。
神々しいお姿を頭に思い描くだけで、心が温かくなった。
欲望が止まらなくなる。
声を聞きたい、見つめられたい……触れられたら、それだけで昇天しそうだった。
ぐちゅり、と挿入する張り型が卑猥な音を立てる。
リゼ様と会う前には、必ず身を清めた。そうしなければ、燻る情欲を臭いで気取られそうだった。
いつしかリゼ様も大人になる。
精通を本人から聞かされたときは、我慢汁で下着がびしょびしょになったのは懐かしい。
年を重ね、大人になったリゼ様には、当然の如く成人の儀が必要だ。
これにはリゼ様の村だけじゃなく、リゼ様の存在を知る、全てのエルフが頭を抱えた。
誰もが相手になりたがったからだ。
巨根? そんなものは穴を拡張すれば問題ない。
むしろ大きいだけ排出される精液が多くなれば、どれだけの魔力を感受できるか……想像しただけでヨダレが垂れた。
結果、四年で四種の競技がおこなわれ、私が権利を勝ち取った。
総合得点で優勝したと知れたときは、あまりの嬉しさに軽くイッた。もちろん競技については、リゼ様に伏せられている。
みんなが貪欲にリゼ様を狙っているなど、知られてはいけない。
「あっ、あっ、イクぅ……っ! リゼ様、リゼさまぁっ」
もうすぐ、もうすぐ、この身にリゼ様を迎え入れられる。
悦びを想像するだけで、拡張作業は捗った。
そして現実は、想像を越えていた。
「あっ、あっ、あっ……! リゼさま、リゼしゃまぁっ!」
リゼ様は勘が良く、教えるまでもなく巧みだった。
「おおき、大きいの、リゼ様のが、ごつごつあたってぇ……!」
すぐに後ろだけでイカされた。
その上、快感には終わりがなかった。
「あひっ、あっ、あがっ! らめ、おくまで、おおきいの! とどいて、もどれなく、なっちゃ……!」
最奥まで貫かれ、痛みに体が痙攣する。
けれどその痛みさえ、気持ち良く感じられて。
小刻みに何度もイッた。
中に出されたときは、膨大な魔力量に死ぬかと思った。それぐらい、よかった。
あ、思い出しただけで、またイキそう……。
お尻が疼く。
しかし私は成人の儀の相手に過ぎない。
次はないかもしれない切なさで、泣きそうになる。
「すみません……私は、それでも幸せなんです」
あぁ、どうか、リゼ様。
私をリゼ様の肉便器にしてくだしゃい。
エルフは子どもの出生率が低い分、思い入れが強い。
出産を祝う生誕祭は、村一丸となって盛大におこなわれた。
そこまでは通例どおりだった。
はじめに、かがり火が一斉に火柱を上げた。
不思議と延焼はなかった。
つぎに、雨が地上から空に向けて「降った」。
不思議と濡れることはなかった。
つぎに、風が渦を巻き、天高く舞い上がった。
不思議と傷つくものはなかった。
つぎに、土が隆起し、大地が裂けた。
不思議と落ちるものはなかった。
次々に起こる異変。
しかしすぐに元通りになる。
そしてさいごに――人間が四神と仰ぐ、精霊王様たちが姿を現された。
エルフは精霊との親和性が高い。
といっても、せいぜい下級精霊である、精霊の幼体に力を貸してもらえる程度だ。
精霊の成体である上級精霊に気に入られるのは、ほんの一握りに過ぎない。
にもかかわらず、リゼ様は精霊王様たちから祝福を受けた。
お姿を見られるのもリゼ様だけだ。
私たちはリゼ様の視線の動きで、精霊王様たちの顕現を知るしかない。
前代未聞だった。
リゼ様は、奇跡の子だった。
体から溢れる膨大な魔力を目の当たりにすれば、誰もが理解する。
我が主であると。
「あぁ、リゼ様……リゼ様……」
ご両親の希望で、他の子と変わりなく育てられているものの、心にある思いはみんな一緒だった。
魔族は、力の強さを魔力量で見極める。
リゼ様に至っては差があり過ぎて、考えるまでもない。
物心がついてからは放出される魔力を制御され、一見すると他のエルフと変わらない。
だが麗しい容姿は、隠せるものではなかった。
白磁の肌に寄り添う金の髪は、天上へ向かってそよぐ絹糸のようで。
大きな目に収まる瞳は光を宿し、太陽の如く輝く。
神々しいお姿を頭に思い描くだけで、心が温かくなった。
欲望が止まらなくなる。
声を聞きたい、見つめられたい……触れられたら、それだけで昇天しそうだった。
ぐちゅり、と挿入する張り型が卑猥な音を立てる。
リゼ様と会う前には、必ず身を清めた。そうしなければ、燻る情欲を臭いで気取られそうだった。
いつしかリゼ様も大人になる。
精通を本人から聞かされたときは、我慢汁で下着がびしょびしょになったのは懐かしい。
年を重ね、大人になったリゼ様には、当然の如く成人の儀が必要だ。
これにはリゼ様の村だけじゃなく、リゼ様の存在を知る、全てのエルフが頭を抱えた。
誰もが相手になりたがったからだ。
巨根? そんなものは穴を拡張すれば問題ない。
むしろ大きいだけ排出される精液が多くなれば、どれだけの魔力を感受できるか……想像しただけでヨダレが垂れた。
結果、四年で四種の競技がおこなわれ、私が権利を勝ち取った。
総合得点で優勝したと知れたときは、あまりの嬉しさに軽くイッた。もちろん競技については、リゼ様に伏せられている。
みんなが貪欲にリゼ様を狙っているなど、知られてはいけない。
「あっ、あっ、イクぅ……っ! リゼ様、リゼさまぁっ」
もうすぐ、もうすぐ、この身にリゼ様を迎え入れられる。
悦びを想像するだけで、拡張作業は捗った。
そして現実は、想像を越えていた。
「あっ、あっ、あっ……! リゼさま、リゼしゃまぁっ!」
リゼ様は勘が良く、教えるまでもなく巧みだった。
「おおき、大きいの、リゼ様のが、ごつごつあたってぇ……!」
すぐに後ろだけでイカされた。
その上、快感には終わりがなかった。
「あひっ、あっ、あがっ! らめ、おくまで、おおきいの! とどいて、もどれなく、なっちゃ……!」
最奥まで貫かれ、痛みに体が痙攣する。
けれどその痛みさえ、気持ち良く感じられて。
小刻みに何度もイッた。
中に出されたときは、膨大な魔力量に死ぬかと思った。それぐらい、よかった。
あ、思い出しただけで、またイキそう……。
お尻が疼く。
しかし私は成人の儀の相手に過ぎない。
次はないかもしれない切なさで、泣きそうになる。
「すみません……私は、それでも幸せなんです」
あぁ、どうか、リゼ様。
私をリゼ様の肉便器にしてくだしゃい。
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