ぼく、魔王になります

楢山幕府

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「遅れて申し訳ありませんっ」
「ドラゴンが出たんだから、どうしようもないよ」
「しかし大事な成人の儀が、八日も遅れてしまいました……」

 床板に額をつけたまま、一向に顔を上げようとしないルフナにぼくは慌てる。
 この姿勢は、土下座っていうんだっけ? 最敬礼の意味がある。
 普段は謝るときでも、床板の上に直に座ったりしない。

「ぼくはルフナのほうが大事だから! ケガがなくてよかったよ」
「リゼ様にそう言っていただけるなんて……光栄の極みです」
「もう、ルフナは大袈裟。それより無理はしてない? もっと休んでくれていいんだよ?」

 幸いドラゴンの出現が出立前だったことで、ルフナはドラゴンと遭遇せずに済んだ。
 ただ北の森が通れず、遠回りすることになったため、村に到着したときには予定から七日が過ぎていた。
 旅の疲れを癒やすのに一日使ってもらったものの、これからおこなう成人の儀を考えると心配が尽きない。
 何せぼくのアレを、ルフナのあそこに……。

「大丈夫です。ご覧の通り、傷一つありませんから」
「う、うん……」

 今晩、というか今から成人の儀をするにあたって、ルフナは全裸だった。
 惜しげもなく綺麗な体を見せられて目が泳ぐ。
 夜とはいえ、魔導具で照らされた室内は明るい。
 普段は服で隠されている部分も、バッチリ見えた。

「えっと、じゃあ……ベッドに……」
「はい、失礼いたします」

 ようやく立ち上がってくれたルフナを見上げる。
 百才を越えるルフナの体は出来上がっていて、身長もぼくより頭一つ分高い。
 「移り人」として旅をしているからか、つるぺたなぼくと違って、筋肉もしっかりついていた。
 それでもエルフは種族的に筋肉がつきにくいから、全体的に見たら細身だ。
 ルフナのポニーテールが背中で揺れる。

「リゼ様は変わらずお美しく、心が洗われます」
「ありがとう。美しいって言われるのは柄じゃないけど、ルフナも格好良いよ」

 にへら、と笑いながら答える。
 実際にルフナはモテた。
 ぼくの相手を務めてくれることに、罪悪感が湧くぐらいには。
 訪問する各村の女の子から、いつも告白を受けてるって聞くもんね。

「ねぇ、本当に相手をしてもらっていいの? きっと辛いよ?」
「むしろリゼ様に抱いていただけるなら、どんな困難にも立ち向かいましょう。準備も済んでいますから、心配はご無用です」

 ルフナは先にベッドへ上がり、仰向けになる。
 枕を腰の下に入れて高さを確保すると、おもむろに足を開いた。
 秘部がさらけ出される光景に息をのむ。

「さぁ、リゼ様もこちらに……」

 促されて、ベッドに膝をつく。
 ギシッと軋む音が、やけに大きく聞こえた。

「下着はつけていますか?」
「ううん」

 寝間着用の薄手のワンピースを着てるけど、成人の儀のため、下着はつけていない。
 ルフナに近付けば、自然と視線が秘部から外れて、少しほっとする。
 これじゃいけないんだろうけど、刺激が強すぎるよ……。

「閨の手順についてはご存じですね? 本来は前戯にも時間をかけるのですが、成人の儀では挿入が主体となります」
「う、うん……その、相手を傷つけないように、だよね?」
「はい。潤滑油は準備されてますか?」

 ぼくは事前に用意していたものをポケットから取り出す。

「では、それを私のここに……」

 どうやら外していた視線を戻さないといけないようだった。
 潤滑油を指にのせ、ルフナの秘部にあてがう。
 襞に触れた瞬間、勃起したルフナの中心から、透明な液が溢れた。

「これは、我慢汁です……っ……指を、中へ」
「うん……」

 指示を受けながら、頭の中で手順を繰り返す。
 何か考えていないと、雰囲気に呑まれてあわあわしそうだった。
 ぬるり、と指が入る。
 想像以上に、中が熱い。

「はっ……ぁ、そのまま、もっと奥へ」

 言われるままに指を進める。
 抵抗はあまりなかった。

「私も、準備をしてきましたので……加減を、確かめられたら、次はリゼ様を挿れてください」

 ルフナの呼吸に合わせて、中が収縮する。
 指を締め付けられる感触に、ぼくの中心もカッと熱くなった。
 まだ指でしかルフナに触れてないのに、全身から汗がにじむ。

「加減は、えっと、指を出し入れして確認するんだよね」
「はい、そうで……っぁあ!」

 指が深く入った瞬間、ルフナが大きく喘ぐ。
 突然のことにぼくは動きを止めた。

「大丈夫!?」
「だ、大丈夫です……っ……前立腺に、指があたって、感じただけで……」
「感じるのは、いいことだよね?」
「は、はい……リゼ様? あっ、ぁあ!」

 ルフナが感じた場所で指を曲げ、グイグイと押し上げる。
 目に見えて体を震わせたルフナは、尖端からとめどなくカウパーを流した。
 熱気と共に増した体臭に、欲情が煽られる。

「気持ち良い?」
「いい、気持ち良いですっ……リゼ様、お願いします! 私に、リゼ様を、挿れてください……っ」
「うん、わかった」

 そっと指を抜き、スカートを捲る。
 完全に反り立ったぼくの中心を、ルフナが凝視した。

「お、大きい……」
「今ならまだ引き返せるよ?」

 ぼくの股間にあるものは、自慢にならないほど大きかった。
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