ぼく、魔王になります

彼は可憐なエルフだった。彼は巨根だった。故に――スカートを愛用する男の娘になった。
成人の儀を終え、愛する人と繋がった彼は、相手のご両親を訪ねる。

「む、息子さんを、ぼくにください……!」

愛する人はオーガだった。そしてオーガにはハーレムを作る慣習があった。

「ならば、こうしよう。リゼくん、君がハーレムを作りなさい」

かくして彼は、ハーレムを作るための旅に出る。
しかし異世界から召喚された勇者が、彼の前に立ちはだかった。

「また勇者パーティーなの……」

勇者パーティーは、存在しない魔王を追いかけていた。
そして彼は決意する。

「ぼくが魔王になるよ」

ハーレムを作るはずだった巨根の男の娘エルフが、巡り巡って魔王になるお話。
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