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本編
神子、立ち位置を知る
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(門外漢だと自覚があるのに、寂しく感じるのは何故でしょうか)
切なさを訴える胸に、手を添えた。
ファンタジアの神より万能だとしても、それは単に使える手段――スキル――に制限がないだけだ。
政治に関わったことがないイリアは、神子としても距離を置くしかない。
(何もできないのが、こんなにもどかしいなんて)
GMの力があるから、余計そう思ってしまうのか。
はらりと落ちた前髪が、イリアの顔に影を差す。
エヴァルドは指先でそれを払うと、俯くイリアの顎を持ち上げ、視線を合わせた。
光を飲み込むほど深い闇を湛えていた瞳は、今や黒蜜のように甘く蕩けていた。
「そんなに余のことを思ってくれるのか」
「っ……わ、私だって、心配ぐらいします!」
鼻先が触れ、慌てて顔を背ける。
頬が熱い。
甘い瞳で見つめられただけで、体が熱を持った。
「好きかわからない男のことを?」
「……エヴァルドのことを心配しているんです」
答えになっていないことは、イリアもわかっていた。
けれどエヴァルドはふっと笑みをこぼすと、イリアから顔を離す。
「神子は心まで真っ白なのだな。仕方ない、今はこれぐらいにしておこう」
「バカにしてませんか?」
「まさか。初心なイリアを追い詰めないよう加減しているだけだ」
楽しそうに言われてると、ますますバカにされた気になる。
(確かにそっち方面の経験は皆無でしたけど!)
友達がいれば恋人は必要なくて。
特にゲーム開発に携わってからは、恋愛と無縁の人生を送っていた。
だからか、こうしてエヴァルドと密な時間を過ごしていると、頭がぐちゃぐちゃになって思考が定まらない。
(しかも恋人どころが、称号では婚約者になっていますし)
魂の相性が良いからだろうか。
考えれば考えるほど足を取られ、前へ進めなくなる。
エヴァルドに対して抱いている好感が、どういったものなのか。
まだ答えは出ない。
「気分転換に大神殿を巡るか? 今日は人払いしているゆえ、歩き回っても構わないぞ」
「いいんですか?」
「案内はファビオに任せればいい。余は少し外すがな」
ヴィルフレードが神子と聖王に誓いを立てたことで、聖王派の陣営も浮き足立っているようだ。
エヴァルドは落ち着くよう、活を入れに行くという。
「あとで合流する。ファビオ、任せたぞ」
「かしこまりました」
ファビオが頭を下げ、エヴァルドを見送る。
イリアもいつもの装いに戻っていたが、出かけるならと、以前身につけたフード付きのローブを着せられた。
「チュニックだけのお姿は、居住区の外では刺激が強いので」
「刺激……?」
「肩やおみ足が露出しておりますから」
そう言って、ファビオは顔を赤くする。
刺激といわれ、日焼けを心配されているのかと思った。
しかしファビオの反応に、考えを改める。
言われてみれば、神子の衣は薄手のワンピースを着ているだけに見えなくもない。
なるほど、外を出歩くには薄着過ぎるのかとイリアは一人納得した。
実際、チュニックの上から羽織ったローブの裾は足首まである。
「わかりました。では案内をお願いできますか?」
「はい、今日はどこへ行きましょう? また万神殿へ向かわれますか?」
「いえ……とりあえず大神殿の他の施設を見て回りたいです」
今のところ差し迫った謎はない。
それより真実、神子になってしまった以上、こちらの環境に馴れるべきだろう。
「あ、【探知無効】は必要ありませんが、フードは被っていてください」
「わかりました」
ファビオの指示に従って玄関を出る。
すると跪く人影があった。
制服の上から羽織られたマントが揺らめく。
「本日は引き続き、我々が護衛を務めさせていただきます」
「よろしくお願いします」
イリアが口を開く前に、ファビオが護衛官に答える。
居住区の外では声を出さないほうがいいのか考えていると、ファビオが澄んだ青空のような瞳をイリアに向け、にこりと微笑んだ。
「ぼくにはいつも通りお話しくださって大丈夫です。ぼくは『神子の世話係』ですから!」
まるで護衛官を牽制するように、ファビオは世話係であることを強調する。
一瞬ファビオと護衛官の間で空気が張り詰めた気がして、イリアは首を傾げた。
(警吏官とは普通に話していた気がするんですけど)
夜に万神殿へ向かったときのことを思いだす。
しかし考えてみれば、あのときは【探知無効】を使っていて、他の人にイリアの姿は見えていなかった。
今回は姿を見せているので、ファビオも気を張っているのかもしれない。
護衛官は立ち上がったものの、相変わらずイリアを直視することを避けていた。
先ほどより人数が減っているので、神子と聖王で護衛を分けたらしい。
「神子様、まずは回廊沿いに施設を見ていかれますか?」
「そうですね」
りん、と鈴を鳴らしたかのようなイリアの声が廊下に響く。
それだけで護衛官たちは肩を小さく弾ませた。
何か驚かせてしまっただろうかと、護衛官に視線を向ける。
「……護衛官のクセに」
「ファビオ?」
「みんな、神子様を前にして浮かれているのです。ちゃんと立場をわからせますので、ご安心ください!」
言うなり、ファビオは護衛官を睨みつける。
今までにないファビオの厳しい表情に、水を差すのは悪いかと思いつつも、彼の頭を撫でた。
「私は心配していません。エヴァルドも話を通しているでしょうから。ファビオがそこまで気負う必要はありませんよ」
要は、お互いに馴れていないのだ。
イリアはそう結論付けた。
自分がこの環境に馴れていないように、護衛官たちも神子の存在に馴れていない。
それをファビオは感じとって怒っているのだろうと。
イリアの言葉に、ファビオはつんっと唇を尖らせる。
「むう、邪な思いを抱いて神子様の護衛にあたるなんて言語道断です」
「わ、我々は邪な思いなど抱いておりません!」
「だったら護衛に集中してください! 神子様の神々しさにあてられる気持ちはわかりますけど、一々反応されていたら、神子様が気になさるでしょう!」
「っ……申し訳ありません」
「神子様が髪の先、指の先までお美しいのは最早当然のことです! お話しされれば、歌を聞いている心地になるのも!」
「仰る通りですっ」
完全に護衛官のほうが折れていた。
小さい子に大人が言い負かされている光景を見て、イリアの視線は遠くなる。
(なんでしょうか、この状況は)
気を張らなくていいんですよ、とファビオに伝えたかっただけなのに、明らかに流れがおかしな方向へ向かっていた。
「お優しい御心もオーラとなって溢れ出ているのでしょうけど、神子様は至高の存在、ぼくたちの光です。超然たる光の前に、あなたたちの存在など無価値! はい、復唱してください!」
「「「我々の存在など無価値!」」」
ついには護衛官たち全員が声を合わせはじめる。
「神子様の前では、塵芥!」
「「「神子様の前では、塵芥!」」」
信仰って怖い。
イリアは改めて自分の立ち位置について考えさせられた。
切なさを訴える胸に、手を添えた。
ファンタジアの神より万能だとしても、それは単に使える手段――スキル――に制限がないだけだ。
政治に関わったことがないイリアは、神子としても距離を置くしかない。
(何もできないのが、こんなにもどかしいなんて)
GMの力があるから、余計そう思ってしまうのか。
はらりと落ちた前髪が、イリアの顔に影を差す。
エヴァルドは指先でそれを払うと、俯くイリアの顎を持ち上げ、視線を合わせた。
光を飲み込むほど深い闇を湛えていた瞳は、今や黒蜜のように甘く蕩けていた。
「そんなに余のことを思ってくれるのか」
「っ……わ、私だって、心配ぐらいします!」
鼻先が触れ、慌てて顔を背ける。
頬が熱い。
甘い瞳で見つめられただけで、体が熱を持った。
「好きかわからない男のことを?」
「……エヴァルドのことを心配しているんです」
答えになっていないことは、イリアもわかっていた。
けれどエヴァルドはふっと笑みをこぼすと、イリアから顔を離す。
「神子は心まで真っ白なのだな。仕方ない、今はこれぐらいにしておこう」
「バカにしてませんか?」
「まさか。初心なイリアを追い詰めないよう加減しているだけだ」
楽しそうに言われてると、ますますバカにされた気になる。
(確かにそっち方面の経験は皆無でしたけど!)
友達がいれば恋人は必要なくて。
特にゲーム開発に携わってからは、恋愛と無縁の人生を送っていた。
だからか、こうしてエヴァルドと密な時間を過ごしていると、頭がぐちゃぐちゃになって思考が定まらない。
(しかも恋人どころが、称号では婚約者になっていますし)
魂の相性が良いからだろうか。
考えれば考えるほど足を取られ、前へ進めなくなる。
エヴァルドに対して抱いている好感が、どういったものなのか。
まだ答えは出ない。
「気分転換に大神殿を巡るか? 今日は人払いしているゆえ、歩き回っても構わないぞ」
「いいんですか?」
「案内はファビオに任せればいい。余は少し外すがな」
ヴィルフレードが神子と聖王に誓いを立てたことで、聖王派の陣営も浮き足立っているようだ。
エヴァルドは落ち着くよう、活を入れに行くという。
「あとで合流する。ファビオ、任せたぞ」
「かしこまりました」
ファビオが頭を下げ、エヴァルドを見送る。
イリアもいつもの装いに戻っていたが、出かけるならと、以前身につけたフード付きのローブを着せられた。
「チュニックだけのお姿は、居住区の外では刺激が強いので」
「刺激……?」
「肩やおみ足が露出しておりますから」
そう言って、ファビオは顔を赤くする。
刺激といわれ、日焼けを心配されているのかと思った。
しかしファビオの反応に、考えを改める。
言われてみれば、神子の衣は薄手のワンピースを着ているだけに見えなくもない。
なるほど、外を出歩くには薄着過ぎるのかとイリアは一人納得した。
実際、チュニックの上から羽織ったローブの裾は足首まである。
「わかりました。では案内をお願いできますか?」
「はい、今日はどこへ行きましょう? また万神殿へ向かわれますか?」
「いえ……とりあえず大神殿の他の施設を見て回りたいです」
今のところ差し迫った謎はない。
それより真実、神子になってしまった以上、こちらの環境に馴れるべきだろう。
「あ、【探知無効】は必要ありませんが、フードは被っていてください」
「わかりました」
ファビオの指示に従って玄関を出る。
すると跪く人影があった。
制服の上から羽織られたマントが揺らめく。
「本日は引き続き、我々が護衛を務めさせていただきます」
「よろしくお願いします」
イリアが口を開く前に、ファビオが護衛官に答える。
居住区の外では声を出さないほうがいいのか考えていると、ファビオが澄んだ青空のような瞳をイリアに向け、にこりと微笑んだ。
「ぼくにはいつも通りお話しくださって大丈夫です。ぼくは『神子の世話係』ですから!」
まるで護衛官を牽制するように、ファビオは世話係であることを強調する。
一瞬ファビオと護衛官の間で空気が張り詰めた気がして、イリアは首を傾げた。
(警吏官とは普通に話していた気がするんですけど)
夜に万神殿へ向かったときのことを思いだす。
しかし考えてみれば、あのときは【探知無効】を使っていて、他の人にイリアの姿は見えていなかった。
今回は姿を見せているので、ファビオも気を張っているのかもしれない。
護衛官は立ち上がったものの、相変わらずイリアを直視することを避けていた。
先ほどより人数が減っているので、神子と聖王で護衛を分けたらしい。
「神子様、まずは回廊沿いに施設を見ていかれますか?」
「そうですね」
りん、と鈴を鳴らしたかのようなイリアの声が廊下に響く。
それだけで護衛官たちは肩を小さく弾ませた。
何か驚かせてしまっただろうかと、護衛官に視線を向ける。
「……護衛官のクセに」
「ファビオ?」
「みんな、神子様を前にして浮かれているのです。ちゃんと立場をわからせますので、ご安心ください!」
言うなり、ファビオは護衛官を睨みつける。
今までにないファビオの厳しい表情に、水を差すのは悪いかと思いつつも、彼の頭を撫でた。
「私は心配していません。エヴァルドも話を通しているでしょうから。ファビオがそこまで気負う必要はありませんよ」
要は、お互いに馴れていないのだ。
イリアはそう結論付けた。
自分がこの環境に馴れていないように、護衛官たちも神子の存在に馴れていない。
それをファビオは感じとって怒っているのだろうと。
イリアの言葉に、ファビオはつんっと唇を尖らせる。
「むう、邪な思いを抱いて神子様の護衛にあたるなんて言語道断です」
「わ、我々は邪な思いなど抱いておりません!」
「だったら護衛に集中してください! 神子様の神々しさにあてられる気持ちはわかりますけど、一々反応されていたら、神子様が気になさるでしょう!」
「っ……申し訳ありません」
「神子様が髪の先、指の先までお美しいのは最早当然のことです! お話しされれば、歌を聞いている心地になるのも!」
「仰る通りですっ」
完全に護衛官のほうが折れていた。
小さい子に大人が言い負かされている光景を見て、イリアの視線は遠くなる。
(なんでしょうか、この状況は)
気を張らなくていいんですよ、とファビオに伝えたかっただけなのに、明らかに流れがおかしな方向へ向かっていた。
「お優しい御心もオーラとなって溢れ出ているのでしょうけど、神子様は至高の存在、ぼくたちの光です。超然たる光の前に、あなたたちの存在など無価値! はい、復唱してください!」
「「「我々の存在など無価値!」」」
ついには護衛官たち全員が声を合わせはじめる。
「神子様の前では、塵芥!」
「「「神子様の前では、塵芥!」」」
信仰って怖い。
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