神子ですか? いいえ、GMです。でも聖王に溺愛されるのは想定外です!

楢山幕府

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本編

朝まで愛されて

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 片や、答えを得られたイリアは混乱の最中にあった。
 考えを全て覆され、理解が追いつかなかった。
 けれどエヴァルドの言葉に、うそがないことだけはわかる。
 真剣に愛されているのだと知り、声が震えた。

「わ、私は……自分のことも、よくわからなくて」

 自信がなかった。
 エヴァルドに思ってもらう資格はあるのか。
 同じだけの愛を、自分は返せるのか。

「あなたへの気持ちも、わかっていません」
「そうか」

 不誠実なことを言っているのは、自覚していた。
 体を許している時点で、答えは出ているようなものだけれど。
 この世界の住人として生きる実感が伴っていなかった。
 戸惑いを隠せないイリアに、エヴァルドは微笑むばかりだ。

「少なくとも余は現状に満足しているし、そなたが負い目を感じる必要は微塵もない。それだけは理解してくれるか?」
「……はい」
「ならば、いいだろうか? そろそろ我慢の限界だ」

 閉じていた足を開かれる。
 肌に直接エヴァルドの熱が触れ、イリアは慌てた。

「えっ、あ、それは……っ!」

 次の瞬間には、エヴァルドの先漏れで濡れた尖端に蕾を撫でられ、身が竦んだ。
 恐怖からじゃない。
 昨夜の快感が、体に蘇ったからだ。
 疼くような感覚に、腰を捻る。

「あ、だめ……っ」
「ヒクついて、今にも咥えたそうにしているが?」
「ちが、違います!」
「イリアは自分に疎いようだな」
「だめ、挿れたら、またおかしくなっ……んぁあっ」

 制止は聞かれなかった。
 ぬるりと怒張したエヴァルドの中心が進入し、イリアの蕾を開く。
 亀頭で内壁を撫でられるたびに、背中が小刻みに跳ねた。

「あっ、あっ……!」
「挿れるだけで、感じているのか?」
「ちがっ、こんな、なんでぇ……っ」

 勝手に感じる体に、涙が浮かぶ。
 そんなイリアをあやすように、エヴァルドは抱きかかえた。

「昨夜の熱が残っていたのかもしれぬな。余としては、嬉しい限りだが」

 言いながらイリアの体を持ち上げ、膝の上にのせる。
 対面して座る形で繋がることになり、慌ててエヴァルドの肩にしがみつく。

「ひんっ! やだ、放さないでっ」

 重力に従い、蕾がエヴァルドを飲み込んでいった。
 今は抱えられて腰が沈むスピードも遅いが、支えを失えばどうなるかは、熱に浮かされた状態でも簡単に想像できる。
 必死にしがみつくが、力の入らない体では重力に抗えない。

「ぁあ……だめ、深くまで、入って……っ」
「そうだな」

 早くも汗で頬に張り付く髪を、エヴァルドが丁寧に払う。
 露わになったところへ口付けし、イリアの耳を食むと、そのまま声を発した。

「一度奥で出したほうが、滑りが良くなりそうだ」
「え?」

 言われた内容を理解する前に、エヴァルドが腰を弾ませる。

「ひぁぁあっ!」

 もうほとんどが中に埋まっていたエヴァルドの中心は、これで完全に見えなくなった。
 けれどイリアを襲う衝撃は、まだ終わらない。
 続けざまに奥を突かれ、一瞬体が硬直した。

「いっ、あっ、あっ!」

 視界が真っ白になる。
 甘い痺れを通り越した痛みに、イリアの目から涙が溢れた。
 痛い。
 痛いけど、それだけじゃなくて。
 昨夜感じた快感とはまた違うものに、体が支配される。

「あっ、あっ、あっ!」

 重ねて穿つように揺さぶられ、喘ぐことしかできない。
 けれど奥では、ジン……とした熱が生まれていた。
 その熱が奔流となって、イリアの中で荒れ狂う。
 渦巻き。
 出口を求める。
 快感に跳ねる体から、理性が溶けた。

「やぁっ、いく、イッちゃうぅぅ」
「あぁ、余も、イキそうだ」

 エヴァルドの肌にも、多くの汗が浮かんでいた。
 彼が腰を弾ませれば、それが次々と雨粒のように流れ落ちていく。
 二人の熱で生まれた蒸気に包まれながら、イリアは解放を求める自身に、ぎゅっと目を瞑った。

「ふっ、っ……ぁああっ!」

 大きく背が反り、後ろへ倒れそうになるのをエヴァルドが支える。
 そのエヴァルドも、眉間に深いシワを刻み、自身の熱を放っていた。

「イリア……っ」
「ぁ……ぁあ……」

 余韻に浸り、まだ小さく震えている体を、エヴァルドが力強く抱き締める。
 イリアは全身から力が抜け、されるがまま体を預けた。

「大丈夫か?」
「……大丈夫じゃ、ありません」
「痛かったか?」
「……」

 痛かったような気もする。
 昨夜とは全く違う責め方をされたのは確かだった。

「どこか傷むか?」
「それは、ありません」
「なら続けられるな」
「え、エヴァルド!?」

 エヴァルドの指先が敏感になっている脇腹をなぞる。
 それだけで、イリアは簡単に熱を取り戻した。

「や、待って、無理ですっ」
「そうは見えないが? 言っただろう、貪りたいと。ほら、余の息子もやる気だ」

 エヴァルドの中心が、中で大きくなる。
 その直接的な感触で、未だ深く繋がったままだったことに気付いた。

「あ、だめ、そんな……」
「今度は昨夜のように、前立腺を責めてやろう」

 ぽすんっ、と座っていた姿勢から、優しく仰向けにされる。
 そしてイリアが見る前で、エヴァルドは上着を脱いだ。
 鍛えられた腹筋が晒される。

「エヴァルド、お願いです、これ以上は」

 逃げられないとわかっていても、口にせずにはいられなかった。
 快感責めにあう自分が、容易に想像できたから。
 上半身裸になったエヴァルドはサッパリした様子で髪をかき上げ、イリアに笑いかける。

「もっと欲しいとは言ってくれないのか?」
「い、言いません!」
「人を煽るのは上手いクセに、イリアは恥ずかしがり屋だな」

 チュニックを脱がされ、白魚のような肢体を晒す。
 何となく髪で胸元を隠すと、両手を掴まれ、ベッドに縫い合わされた。

「お互い手を使えない状態で、頑張ってみるか」

 早くもエヴァルドは腰を動かしはじめる。
 その動きは、確実にイリアの感じるところを狙っていた。

「やっ、エヴァルド、放してくださいっ」
「こうして拘束されているほうが感じるか?」
「何を言って……っんん!」

 エヴァルドの尖端が、前立腺をとらえる。
 ゆるゆると押し上げられ、イリアの瞼は震えた。

「感じるみたいだな。さっきからしきりに余を締め付けているぞ」

 短いストロークで弱い部分を往復される。
 繰り返される抽送に、先に放たれた精液が蕾から溢れてきた。
 ぐちぐちといやらしい水音が立つのに合わせて、イリアは快感に身を焼いていく。

「あっ、あっ……! エヴァルド、そこばかり、やめっ」
「他も責めて欲しいのか? なら」

 長い髪で隠されていた乳首を、エヴァルドが口に含む。
 既に尖端は果実の種のように硬くなっていた。
 舌でコリコリとなぶられ、イリアの背中がベッドから浮く。

「ちがっ、だめぇ……!」
「あぁ、吸って欲しいのか」

 言うなり、エヴァルドは頬を窄めた。
 二か所同時に責められることになったイリアは、身悶え、嬌声を上げる。
 甘い痺れで腰の感覚がなくなりそうだった。

「おねが、エヴァルド……もう、いじめないで……」
「いじめているつもりはないのだがな。ここが気持ち良いのだろう?」

 前立腺を押し上げられ、息が詰まる。
 そして――。

「っ……ぁああ!」

 イリアは小さく熱を放った。
 しかし解放感はなく、体はくすぶり続ける。

「やら、また、またイッちゃ……っ」

 絶頂が、何度も訪れていた。
 快感の波にのまれ、イリアは小刻みに体を震わせる。

「好きなだけイクといい」

 エヴァルドは優しくイリアの頭を撫でる。
 大丈夫と、あやすように。
 でもだからといって腰の動きを止めることはなかった。
 蕾から溢れた精液が泡を作り、水音を立てる。
 ぐちっ。

「あっ、あっ……!」

 ぐち。

「らめ、エヴァルドぉ」

 ぐち。

「んあっ、あっ、ぁあああ!」

 何度も何度も。
 身を責める音が鳴る度に、イリアは果てた。
 執拗にイリアを責める中で、エヴァルドは捕まえた白魚を貪っていく。
 しまいには拘束を解き、イリアの姿勢を変えては、あらゆるところへ舌を這わせた。
 夜が明ける頃には、エヴァルドが口付けていない場所はなくなっていた。
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