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本編
これがGMの能力です
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「み、神子様!? 聖王様も日を改めてならと……」
「そんな玉虫色の返答に頷けますか」
なんやかんや理由を付けて、先延ばしにされる未来しか見えない。
それに正攻法の裏をかいて情報収集するのも、自由度の高いファンタジアだからできることだ。
「ですが護衛も付けず、外に出るなど危険です!」
「大丈夫ですよ、私はGMですから」
ステータスは全てMAXな上、スキルも使いたい放題だ。
ファビオに答えるなり、スキル【探知無効】を発動させる。
【探知無効】は、周囲にある罠などを見つける【探知】と対極にあるスキルで、これを使えば存在感を消すことができた。
こういった無効系のスキルは、自分より十レベル以上高い相手には通用しないことが多いが、レベルをカンストしている神子に勝る者はいない。
「え、え、神子様? どこに?」
「ね、これならバレないでしょう?」
キョロキョロと辺りを見回すファビオの前でスキルを消し、効果を証明する。
一瞬で消えたイリアが、また一瞬で現れたように見えたはずだ。
狐につままれたようなファビオの顔に、笑いが漏れた。
本来、取得できるスキルや固有スキルは職業ごとで異なるけれど、GMは職業に関係なく全スキルが扱えるから便利だ。
「ば、バレないかもしれませんが、もし事故などに遭われたらどうするのですかっ」
「遭わないよう努力します。玄関はあちらですね」
「神子様っ、お待ちください!」
ファビオが両手を広げ、立ちはだかる。
「ファビオ、邪魔しても無駄です」
「行くなら、付いて行きます!」
「……なら、どうして邪魔するんですか?」
行動と言動が合っていない気がして、こてんと首を傾げた。
付いて行くと言う割りに、ファビオは通せんぼをやめない。
「玄関を出た大神殿側には、警吏官が二人立っています。その先にもたくさん! 玄関からお出になるのは無謀です。それに玄関は大神殿へ直結しているので、すぐには外へ出られません」
「ということは、別の出口があるんですか?」
「昨日、台所を軽くご案内しましたよね? あそこなら勝手口があるのですが……やはり外には警吏官がいます。神子様の居住区周辺は、特に警備体制が万全なのです。ただ玄関に比べれば、外へ出るのは早いと思います」
「なるほど……」
【探知無効】を使えば存在感は消せるが、人に多く目撃されれば違和感は残るかもしれない。
より見つからない安全策は……と、中庭から空を見上げた。
今日は快晴らしく、空には雲一つない。
見上げる頬に柔らかい毛が触れる。ホワイティが肩まで登ってきていた。
ホワイティを一撫でし、決意する。
「よし、飛びましょう」
「はい?」
【飛翔】は、職業というより翼のある種族の固有スキルだ。
けれどGMなら、それも関係ない。
まずは同行者として、ファビオとホワイティを意識しながら【探知無効】を発動した。
一定時間を越えれば効果は消えるものの、消えるときには行動ログにその旨が表示されるので、すぐにかけ直せば問題ない。
今も行動ログを確認すれば、ファビオとホワイティにスキルが発動したことが書かれている。
行動ログを見て、スキルに【転移】もあったことを思いだしたけれど、あれは一人用だ。本来は行ったところしか選択できないが、GMは全ての地点へ移動できるので、便利なスキルではあるのだけれど。
「スキル【飛翔】を使いますので、ファビオとホワイティは私にしっかり掴まってください」
「えっ、神子様!?」
問答無用でファビオを抱き上げる。羽根のように軽い。
「ファビオ、ちゃんと食べてますか?」
「たたた食べてます! で、ですから下ろしてくださいっ」
顔を真っ赤にしながら、否定される。
確かに朝食もしっかり食べていた。
(きっとステータスの影響ですね)
神子のステータスはMAX値。
全力で殴れば、壁を壊せるかもしれない事実に気付く。
(うん、気付かなかったことにしましょう)
「飛びますよ」
「ふぁい!?」
ホワイティが肩に掴まっているのを確認して、意識を集中させる。
背中に透明な翼があるかのように。
風を感じ、羽ばたく。
ふわり。
と、一度の羽ばたきで、呆気なく居住区の屋根へと到達した。
足元に広がる金色の屋根は、さながら光のオアシスのようで。
「眩しい……まさか金でできているんですか?」
「や、屋根ですか? これは青銅の瓦にメッキが施されています」
「それはそれで豪奢ですね」
これでもかと光り輝く黄金の存在感たるや、直視するのも厳しかった。
辛うじて、アトリウム上の屋根が急勾配になっているのがわかる。雨水を流すためだろう。
再度羽ばたき、高度を上げると、居住区の広さを改めて実感する。
中庭では噴水と花壇、それと整えられた小道が、幾何学模様を作り出していた。
美しい庭園を眼下に収めながら、更に上昇する。
何せ居住区と直結している大神殿は、二階建てどころではない高さを誇っていたのだ。
「何階建てぐらいなんでしょうか」
「し、集合住宅のインスラで換算すると、十階建てぐらいらしいですぅっ」
ぎゅっとイリアに抱き付きながらファビオが答える。
居住区もそうだが、オラトリオの建物は窓が少ないため、窓の数で高さを測れない。
ただその分、造りは堅牢だった。
バルコニーもないので、壁で外が完全に遮断されるのだ。
何度も羽ばたき、ようやく大神殿の屋根に降り立つ。
吹き付ける風が強いけれど、ステータスのおかげで揺らぐこともない。
円形に作られた屋根の中央には穴が空いていた。
雨水というよりは、陽光を取り入れるためのようだ。
こちらの屋根は瓦ではなく、壁と似た建材が使われている。
「こ、こちらは万神殿ですね。大神殿の一部で、全ての神をまつる場所です。普段は聖王をはじめとする神官しか入れませんが、大晦日から元日は、一般の方も見学できます」
「大きいわけですね」
アトリウムの壁にあるように、万神殿の壁にも無数の壁龕があり、そこへ一体一体、神がまつられているという。
万神殿は列柱回廊で囲まれており、正面が大神殿のエントランスホールに繋がっていた。
神子の居住区をはじめ、王族の居住区や大神殿に連なる各施設へは回廊を介して行けるそうだ。
「大神殿」は、居住区と連なる施設を合わせた総称だった。
「万神殿の一階部分にはたくさんの個室が設けられていて、聖王様や枢機卿の方々はそちらで執務をされています」
「枢機卿は確か、首席閣僚のことでしたね」
資料に書かれていたオラトリオの政治体制を思いだす。
王政である以上、運営方法は他の国と大きく変わらないが、特殊な面もあった。
「はい、任命権は聖王様にあり、今代の聖王様は実力主義を公言されています」
「力があれば出自は問わないと?」
「……はい。神子様も気になされますか?」
「出自をですか? 私は実力があるなら、気になりませんね」
イリアの答えに、ファビオがほっと胸を撫で下ろす。
きっとこれが既存勢力と軋轢を生んでいる原因の一つなのだろう。
聖王が無能だと判断すれば、どれだけ名門の出でもはしごを外されるということだ。
外された側としては、面白くないに決まっている。
「そんな玉虫色の返答に頷けますか」
なんやかんや理由を付けて、先延ばしにされる未来しか見えない。
それに正攻法の裏をかいて情報収集するのも、自由度の高いファンタジアだからできることだ。
「ですが護衛も付けず、外に出るなど危険です!」
「大丈夫ですよ、私はGMですから」
ステータスは全てMAXな上、スキルも使いたい放題だ。
ファビオに答えるなり、スキル【探知無効】を発動させる。
【探知無効】は、周囲にある罠などを見つける【探知】と対極にあるスキルで、これを使えば存在感を消すことができた。
こういった無効系のスキルは、自分より十レベル以上高い相手には通用しないことが多いが、レベルをカンストしている神子に勝る者はいない。
「え、え、神子様? どこに?」
「ね、これならバレないでしょう?」
キョロキョロと辺りを見回すファビオの前でスキルを消し、効果を証明する。
一瞬で消えたイリアが、また一瞬で現れたように見えたはずだ。
狐につままれたようなファビオの顔に、笑いが漏れた。
本来、取得できるスキルや固有スキルは職業ごとで異なるけれど、GMは職業に関係なく全スキルが扱えるから便利だ。
「ば、バレないかもしれませんが、もし事故などに遭われたらどうするのですかっ」
「遭わないよう努力します。玄関はあちらですね」
「神子様っ、お待ちください!」
ファビオが両手を広げ、立ちはだかる。
「ファビオ、邪魔しても無駄です」
「行くなら、付いて行きます!」
「……なら、どうして邪魔するんですか?」
行動と言動が合っていない気がして、こてんと首を傾げた。
付いて行くと言う割りに、ファビオは通せんぼをやめない。
「玄関を出た大神殿側には、警吏官が二人立っています。その先にもたくさん! 玄関からお出になるのは無謀です。それに玄関は大神殿へ直結しているので、すぐには外へ出られません」
「ということは、別の出口があるんですか?」
「昨日、台所を軽くご案内しましたよね? あそこなら勝手口があるのですが……やはり外には警吏官がいます。神子様の居住区周辺は、特に警備体制が万全なのです。ただ玄関に比べれば、外へ出るのは早いと思います」
「なるほど……」
【探知無効】を使えば存在感は消せるが、人に多く目撃されれば違和感は残るかもしれない。
より見つからない安全策は……と、中庭から空を見上げた。
今日は快晴らしく、空には雲一つない。
見上げる頬に柔らかい毛が触れる。ホワイティが肩まで登ってきていた。
ホワイティを一撫でし、決意する。
「よし、飛びましょう」
「はい?」
【飛翔】は、職業というより翼のある種族の固有スキルだ。
けれどGMなら、それも関係ない。
まずは同行者として、ファビオとホワイティを意識しながら【探知無効】を発動した。
一定時間を越えれば効果は消えるものの、消えるときには行動ログにその旨が表示されるので、すぐにかけ直せば問題ない。
今も行動ログを確認すれば、ファビオとホワイティにスキルが発動したことが書かれている。
行動ログを見て、スキルに【転移】もあったことを思いだしたけれど、あれは一人用だ。本来は行ったところしか選択できないが、GMは全ての地点へ移動できるので、便利なスキルではあるのだけれど。
「スキル【飛翔】を使いますので、ファビオとホワイティは私にしっかり掴まってください」
「えっ、神子様!?」
問答無用でファビオを抱き上げる。羽根のように軽い。
「ファビオ、ちゃんと食べてますか?」
「たたた食べてます! で、ですから下ろしてくださいっ」
顔を真っ赤にしながら、否定される。
確かに朝食もしっかり食べていた。
(きっとステータスの影響ですね)
神子のステータスはMAX値。
全力で殴れば、壁を壊せるかもしれない事実に気付く。
(うん、気付かなかったことにしましょう)
「飛びますよ」
「ふぁい!?」
ホワイティが肩に掴まっているのを確認して、意識を集中させる。
背中に透明な翼があるかのように。
風を感じ、羽ばたく。
ふわり。
と、一度の羽ばたきで、呆気なく居住区の屋根へと到達した。
足元に広がる金色の屋根は、さながら光のオアシスのようで。
「眩しい……まさか金でできているんですか?」
「や、屋根ですか? これは青銅の瓦にメッキが施されています」
「それはそれで豪奢ですね」
これでもかと光り輝く黄金の存在感たるや、直視するのも厳しかった。
辛うじて、アトリウム上の屋根が急勾配になっているのがわかる。雨水を流すためだろう。
再度羽ばたき、高度を上げると、居住区の広さを改めて実感する。
中庭では噴水と花壇、それと整えられた小道が、幾何学模様を作り出していた。
美しい庭園を眼下に収めながら、更に上昇する。
何せ居住区と直結している大神殿は、二階建てどころではない高さを誇っていたのだ。
「何階建てぐらいなんでしょうか」
「し、集合住宅のインスラで換算すると、十階建てぐらいらしいですぅっ」
ぎゅっとイリアに抱き付きながらファビオが答える。
居住区もそうだが、オラトリオの建物は窓が少ないため、窓の数で高さを測れない。
ただその分、造りは堅牢だった。
バルコニーもないので、壁で外が完全に遮断されるのだ。
何度も羽ばたき、ようやく大神殿の屋根に降り立つ。
吹き付ける風が強いけれど、ステータスのおかげで揺らぐこともない。
円形に作られた屋根の中央には穴が空いていた。
雨水というよりは、陽光を取り入れるためのようだ。
こちらの屋根は瓦ではなく、壁と似た建材が使われている。
「こ、こちらは万神殿ですね。大神殿の一部で、全ての神をまつる場所です。普段は聖王をはじめとする神官しか入れませんが、大晦日から元日は、一般の方も見学できます」
「大きいわけですね」
アトリウムの壁にあるように、万神殿の壁にも無数の壁龕があり、そこへ一体一体、神がまつられているという。
万神殿は列柱回廊で囲まれており、正面が大神殿のエントランスホールに繋がっていた。
神子の居住区をはじめ、王族の居住区や大神殿に連なる各施設へは回廊を介して行けるそうだ。
「大神殿」は、居住区と連なる施設を合わせた総称だった。
「万神殿の一階部分にはたくさんの個室が設けられていて、聖王様や枢機卿の方々はそちらで執務をされています」
「枢機卿は確か、首席閣僚のことでしたね」
資料に書かれていたオラトリオの政治体制を思いだす。
王政である以上、運営方法は他の国と大きく変わらないが、特殊な面もあった。
「はい、任命権は聖王様にあり、今代の聖王様は実力主義を公言されています」
「力があれば出自は問わないと?」
「……はい。神子様も気になされますか?」
「出自をですか? 私は実力があるなら、気になりませんね」
イリアの答えに、ファビオがほっと胸を撫で下ろす。
きっとこれが既存勢力と軋轢を生んでいる原因の一つなのだろう。
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