2 / 40
本編
GM、神子になる
しおりを挟む
――世界が、自分の目に映るものだけで出来ているなら。
――精巧に作られたVRゲームも、一つの世界に違いない。
「資料は読んでいるわね? あなたにはこれからNPCになってもらいます」
「宗教国家オラトリオの神子としてですね」
「その通りよ。ゲーム内でGMをするのは、あなたがはじめてだから、不具合があったらすぐに報告してちょうだい」
GM――ゲームマスター――は、管理画面を駆使してプレイヤーのゲームプレイをサポートするのが仕事だ。
それが今回、GMもNPCとしてゲームに参加することが決まった。
製作会社として、より臨場感を追求するための試みらしい。
上司の指示に従い、青年はゲームプレイ専用の個室に入る。
必要最低限のスペースしかない個室には、リクライニングチェアと、ゲームコントローラーを兼ねる高性能ヘッドギア、飲み物が入った小型の冷蔵庫だけが置かれていた。
「窮屈そうだけど、人間工学を元に設計された椅子だから、座り心地は良いわよ」
実際に座ってみて、青年はおっと思う。
自然と椅子が体にフィットしたからだ。
反発なく優しく支えられ、全身から力が抜けていく。
「普段使いしたいぐらいです」
「高いわよ~。長時間プレイにも耐えられるけど、休憩はこまめにね。そのへんはヘッドギアのアラートに従ってプレイしてくれたらいいわ」
「このヘッドギアって、元は幻肢痛対策とか、医療用だったんですよね」
今やヘッドギアはVRの世界を見せるだけじゃなく、脳波を検知して、プレイヤーの思考通りにアバターを動かす。
同時に体調をモニタリングし、健康に支障が出ないよう管理もしていた。
おかげで近年では、長時間プレイによる健康被害は減少傾向にある。
「使用するアバターは作成済みよ。名前は『イリア』、ログイン地点は『大神殿』ね。設定も済んでるから、起動したらすぐイリアに入れるわ。やることはいつもと一緒よ。悪質なプレイヤーがいた場合は、あなたの権限でアカウントも停止できるし」
「ゲーム内からも垢バンできるんですね」
「えぇ、管理画面もそのまま使えるから便利よ。まだオラトリオにプレイヤーは入れないから、しばらくは他のNPCと交流して、感覚を掴んでちょうだい」
「わかりました」
MMORPG「ファンタジア」。
プレイヤーは「ソトビト」と呼ばれる異世界人となり、ファンタジー世界で自由に冒険を謳歌する。
コンセプトは「もう一つの世界」で、あなたは「生きる」。
ファンタジアが他のゲームと一線を画しているのは、最新鋭AIによるNPC制御だった。
今までの定型を捨て去り、ファンタジアではNPCも、生身の人間のように生きる。
青年もNPCとして参加する以上、交流は不可欠だ。
「あ、そうそう。これ成人指定なの忘れないでね」
「えーと?」
「エッチシーンを報告書に上げたくないでしょ? ファンタジアでは結婚はもちろんのこと、妊娠、出産もできるんだから」
「っ……き、気を付けます」
吹き出しそうになるのを寸でで止め、青年はヘッドギアを装着する。
(そういうお誘いは断りましょう……!)
報告書には、ときとしてプレイ動画の添付も求められた。
タイミングが悪ければ、アレな内容であっても提出しなければならない。
上司が個室のドアを閉めたのを合図に、青年はゲームを起動する。
開発にも携わっていた彼にとって、ファンタジアは見慣れた世界だった。
そしてこの美しい世界の開発に関われたことが、誇りでもあった。
――素朴実在論で、世界が成り立つなら。
――ファンタジアも世界である。
では世界を開発した者を、何と呼ぼう?
多数の神が存在する世界。
青年は、その世界で神子となった。
かくして幼い神の不手際により、青年は誘われる。
◆◆◆◆◆◆
宗教国家オラトリオを象徴する「大神殿」。
白い建材で建てられた大神殿の正面には、太い柱が何本も並び、大きな泉が設けられていた。
太い柱を背に、創造の神クレアーレと水の神アクア、そして芸術と予言の神アポロの像が、泉を見守るようにまつられている。
山の頂で、陽光を一身に浴びる大神殿。
その巨躯に守られた最奥。
限られた者しか入ることを許されないドムスの一室に、神子は安置されていた。
部屋の高い位置にある小さな窓から差し込んだ光が、天蓋付きのベッドで眠る神子を照らす。
輝く白い髪は滑らかな肌に重なり、ともすれば境界がわからなくなった。
老いることも死ぬこともなく、美しい姿を維持する神子は、大神殿にまつられた神の像と遜色がない。
しかし彼には色があった。
白髪に包まれ、透き通るような白い肌であっても、薄い唇は桃色だった。
長い睫毛に彩られた瞼の下にも、金色の瞳が隠されている。
そこに一つの影が差す。
黒髪の偉丈夫が、ベッドの脇に佇んでいた。
オラトリオの紋章が描かれたマントを羽織り、神子を見下ろしている。
男の視線の先で、遂に神子は目を覚ます。
(ここは……?)
絹糸のような純白の髪が肌を滑る中、青年はゆるりと金色の瞳を晒す。
宗教国家オラトリオの神子、イリアとして。
無事にログインできたなら、場所は大神殿に他ならない。
ぼやける視界でそれを確認する前に、覚えのない男の声が、彼を縛った。
「――目覚めなければよいものを」
心臓が凍るような声音だった。
イリアは見上げた男の瞳に、闇を見る。
全ての光を吸収するかのごとく、底の見えない暗闇がそこにはあった。
ぞっとしたのも束の間、すぐに男が跪く。
あとを追うように、イリアは身を起した。
天蓋付きのベッドが、かすかに軋む。
「オラトリオを代表し、神子の宿魂を心からお慶び申し上げる」
どの口で。
「目覚め」を「宿魂」と表す形式的な祝辞は、淡々としたものだった。
先に聞いた言葉と相まって、男からは一切喜びが感じられない。
男の瞳に宿る闇を思いだし、イリアは腕をさすった。
「寒いか?」
「え……」
問いを理解する前に、羽織っていたマントを肩にかけられる。
男の香りに包まれ、イリアは混乱した。
(え、え? どうしてマントを? もしかして腕をさすったのを見て?)
NPCであろう男の単調な声音に、最新鋭のAIといえども、こんなものかと思っていたところだった。
最初に聞いた声音には薄ら寒いものを感じたが、闇のような瞳と合わせて、機械的な特徴が出ただけかと。
けれど細やかな気遣いを見せられ、わからなくなる。
ファンタジアのNPCは、生身の人間のように生きる。
だとしたら。
(素で疎まれてるんですか? 神子が?)
――精巧に作られたVRゲームも、一つの世界に違いない。
「資料は読んでいるわね? あなたにはこれからNPCになってもらいます」
「宗教国家オラトリオの神子としてですね」
「その通りよ。ゲーム内でGMをするのは、あなたがはじめてだから、不具合があったらすぐに報告してちょうだい」
GM――ゲームマスター――は、管理画面を駆使してプレイヤーのゲームプレイをサポートするのが仕事だ。
それが今回、GMもNPCとしてゲームに参加することが決まった。
製作会社として、より臨場感を追求するための試みらしい。
上司の指示に従い、青年はゲームプレイ専用の個室に入る。
必要最低限のスペースしかない個室には、リクライニングチェアと、ゲームコントローラーを兼ねる高性能ヘッドギア、飲み物が入った小型の冷蔵庫だけが置かれていた。
「窮屈そうだけど、人間工学を元に設計された椅子だから、座り心地は良いわよ」
実際に座ってみて、青年はおっと思う。
自然と椅子が体にフィットしたからだ。
反発なく優しく支えられ、全身から力が抜けていく。
「普段使いしたいぐらいです」
「高いわよ~。長時間プレイにも耐えられるけど、休憩はこまめにね。そのへんはヘッドギアのアラートに従ってプレイしてくれたらいいわ」
「このヘッドギアって、元は幻肢痛対策とか、医療用だったんですよね」
今やヘッドギアはVRの世界を見せるだけじゃなく、脳波を検知して、プレイヤーの思考通りにアバターを動かす。
同時に体調をモニタリングし、健康に支障が出ないよう管理もしていた。
おかげで近年では、長時間プレイによる健康被害は減少傾向にある。
「使用するアバターは作成済みよ。名前は『イリア』、ログイン地点は『大神殿』ね。設定も済んでるから、起動したらすぐイリアに入れるわ。やることはいつもと一緒よ。悪質なプレイヤーがいた場合は、あなたの権限でアカウントも停止できるし」
「ゲーム内からも垢バンできるんですね」
「えぇ、管理画面もそのまま使えるから便利よ。まだオラトリオにプレイヤーは入れないから、しばらくは他のNPCと交流して、感覚を掴んでちょうだい」
「わかりました」
MMORPG「ファンタジア」。
プレイヤーは「ソトビト」と呼ばれる異世界人となり、ファンタジー世界で自由に冒険を謳歌する。
コンセプトは「もう一つの世界」で、あなたは「生きる」。
ファンタジアが他のゲームと一線を画しているのは、最新鋭AIによるNPC制御だった。
今までの定型を捨て去り、ファンタジアではNPCも、生身の人間のように生きる。
青年もNPCとして参加する以上、交流は不可欠だ。
「あ、そうそう。これ成人指定なの忘れないでね」
「えーと?」
「エッチシーンを報告書に上げたくないでしょ? ファンタジアでは結婚はもちろんのこと、妊娠、出産もできるんだから」
「っ……き、気を付けます」
吹き出しそうになるのを寸でで止め、青年はヘッドギアを装着する。
(そういうお誘いは断りましょう……!)
報告書には、ときとしてプレイ動画の添付も求められた。
タイミングが悪ければ、アレな内容であっても提出しなければならない。
上司が個室のドアを閉めたのを合図に、青年はゲームを起動する。
開発にも携わっていた彼にとって、ファンタジアは見慣れた世界だった。
そしてこの美しい世界の開発に関われたことが、誇りでもあった。
――素朴実在論で、世界が成り立つなら。
――ファンタジアも世界である。
では世界を開発した者を、何と呼ぼう?
多数の神が存在する世界。
青年は、その世界で神子となった。
かくして幼い神の不手際により、青年は誘われる。
◆◆◆◆◆◆
宗教国家オラトリオを象徴する「大神殿」。
白い建材で建てられた大神殿の正面には、太い柱が何本も並び、大きな泉が設けられていた。
太い柱を背に、創造の神クレアーレと水の神アクア、そして芸術と予言の神アポロの像が、泉を見守るようにまつられている。
山の頂で、陽光を一身に浴びる大神殿。
その巨躯に守られた最奥。
限られた者しか入ることを許されないドムスの一室に、神子は安置されていた。
部屋の高い位置にある小さな窓から差し込んだ光が、天蓋付きのベッドで眠る神子を照らす。
輝く白い髪は滑らかな肌に重なり、ともすれば境界がわからなくなった。
老いることも死ぬこともなく、美しい姿を維持する神子は、大神殿にまつられた神の像と遜色がない。
しかし彼には色があった。
白髪に包まれ、透き通るような白い肌であっても、薄い唇は桃色だった。
長い睫毛に彩られた瞼の下にも、金色の瞳が隠されている。
そこに一つの影が差す。
黒髪の偉丈夫が、ベッドの脇に佇んでいた。
オラトリオの紋章が描かれたマントを羽織り、神子を見下ろしている。
男の視線の先で、遂に神子は目を覚ます。
(ここは……?)
絹糸のような純白の髪が肌を滑る中、青年はゆるりと金色の瞳を晒す。
宗教国家オラトリオの神子、イリアとして。
無事にログインできたなら、場所は大神殿に他ならない。
ぼやける視界でそれを確認する前に、覚えのない男の声が、彼を縛った。
「――目覚めなければよいものを」
心臓が凍るような声音だった。
イリアは見上げた男の瞳に、闇を見る。
全ての光を吸収するかのごとく、底の見えない暗闇がそこにはあった。
ぞっとしたのも束の間、すぐに男が跪く。
あとを追うように、イリアは身を起した。
天蓋付きのベッドが、かすかに軋む。
「オラトリオを代表し、神子の宿魂を心からお慶び申し上げる」
どの口で。
「目覚め」を「宿魂」と表す形式的な祝辞は、淡々としたものだった。
先に聞いた言葉と相まって、男からは一切喜びが感じられない。
男の瞳に宿る闇を思いだし、イリアは腕をさすった。
「寒いか?」
「え……」
問いを理解する前に、羽織っていたマントを肩にかけられる。
男の香りに包まれ、イリアは混乱した。
(え、え? どうしてマントを? もしかして腕をさすったのを見て?)
NPCであろう男の単調な声音に、最新鋭のAIといえども、こんなものかと思っていたところだった。
最初に聞いた声音には薄ら寒いものを感じたが、闇のような瞳と合わせて、機械的な特徴が出ただけかと。
けれど細やかな気遣いを見せられ、わからなくなる。
ファンタジアのNPCは、生身の人間のように生きる。
だとしたら。
(素で疎まれてるんですか? 神子が?)
220
お気に入りに追加
1,485
あなたにおすすめの小説


【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる