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今までどうやって僕はこの化け物と話していたんだ?
クラウスは身を硬直させ自身の周りをくねくね回る怪しい怪物となるべく目を合わせないようにしていた。
「とりあえずおばあちゃん。今日はクラウスのステータスを見てほしいの。
異様な空気を断ち切るようにニアが本題へと話を移す。
「きゅらうす様のステータスなど見んでもわかる。100点じゃ!! 何もかも100点じゃ!!
「頼むよカレン。クラウスのステータスを見てやってくれよ。今日からクラウスは俺たちの仲間になったんだ。」
「うるさいブサイク!! 貴様はお呼びでないんじゃよ。わしに指図しないでおくれ!!」
カレンの悪いところが全部出ている。アレンは冷静にカレンを説得しようと話を続ける。
「できれば今日ダンジョンに潜りたかったんだけどもう遅いから明日仕切り直してダンジョンに潜りたいんだ。そのためにはクラウスの力を知っておく必要がある。だから頼むカレン。」
アレンはまっすぐにカレンの目を見て自分の気持ちを伝える。
カレンはそのまっすぐな目に先ほどまでのだらしない顔を正し、グッと目を見開き答えた。
「はっ? えっ? なんじゃなんじゃ? 何にもないところから声が聞こえるの? 空気がしゃべっとるわい。臭い空気じゃの~先の馬の糞のにおいはこの空気が原因じゃったのか~嫌じゃ嫌じゃ。はよ家からで出てっておくれ。」
最大限のむかつく顔でさもアレンなど存在してないかのように独り言で話すカレン。
臭いのはお前の口だ。そう心を静めるアレンだったが沸点などいきなり訪れる。
目を瞑り心を落ち着けようとしていたアレンがふと目を開くと爆裂に変顔をしアレンを侮辱するカレンの顔が目の前にあった。
「こ..この..ババアが......調子に乗り....やがって....」
「また臭い空気がしゃべりおった。滑稽じゃ滑稽じゃ。」
「このクソ干物ババア!!! クセェのはお前の息だろうが!! こっち向くんじゃねぇ!!」
「なんじゃと!! 貴様、きゅらうす様の前で何たることを。」
「どの口が言ってんだ!! 散々バカにしやがって。今日こそ息の根を止めてやる!!」
「どの口ってこの口ですけど~じゃ。バカにするでない。ステータス オール1のおぬしに後れを取るワシなわけあるかい!!」
ニアはポカーンとしていた。
アレンのキレた姿を初めて見たのだ。
「はは、初めてアレン君に会った時もこんな感じだったな。」
「クラウスはこのアレン見たことあるの?」
「ああ...まったく...同じ光景だよ。」
二人して苦笑いをする。
ふとお互いがお互い普通に話していることに気づく。
「ああそうか、僕は自分の考えしか相手に伝えてなかったんだね。ニアの考えを僕は聞き入れる耳を持ってなかった。すまないことをしたね。ニア。」
「私も少し邪険に扱い過ぎたわ。ごめんなさい。
はい!もう終わり。せっかく同じ仲間なんだもの。辛気臭いのはなしよ。」
「そうだね。助かるよ。ともあれニア。これからよろしく。」
「こちらこそクラウス。」
二人は友情の握手を交わし仲間になる心構えを新たにした。
クラウスはニアへの恋心を今は奥底にしまい込み改めてこのパーティーでやってみたいと思うようになっていた。
ニアとアレン君は面白いな。二人と共に冒険をしてみたい。二人の役に立ちたい。
職業柄か二人への貢献心が増していくクラウスだった。
「ねぇ... で、これどうするの?」
「てめぇババァこの野郎!!」
「どうじゃブサイク!! よけいにブサイクになっておるぞ!!」
ニアが途方もない顔をし、どう収集をつけるべきか悩んでいた。
今現在、アレンはカレンのキャメルクラッチを受けもがいていた。
どういう経緯でこの老婆にここまで完膚なきまでの状況に追い込まれるのだろうか?
さすがのニアもこの先の冒険が不安になる。
「年寄りに肉弾戦で負けちゃうアレンってどうなの?」
「でもこれが彼の本当の姿じゃないんだろ? もちろん僕と戦った時も。」
ニアはクラウスを驚きの表情で見る。
「僕もだてに冒険者じゃない。命のやり取りも何度か経験している。
一瞬、僕と対峙した時に途方もないほどの力差を感じた。一瞬だったけど。
もちろん彼と戦って彼のステータスは恐ろしく低いのは納得している。
だがそれだけじゃないというのも思う所がある。」
「さすが聖騎士になるだけあるわね。」
「まぁ無理に問いただしたりはしないよ。何か理由があるんだろうし。
でも僕のステータスも知るんだからそこは教えてほしいとは思っているよ。」
隠し通せるものでもない。
後は言うタイミングだけ。
どうせいずればれる。
クラウスは信用できるとはニアも思う。
頭を悩ませるニア。
はぁ と深いため息を漏らし二人の争いに再び目を移すと
ひとまずアレンが参ったをし、この場の騒動は収まっっていた。
カレンは高々と拳を振り上げ
「強い奴でてこいやぁ!!」
と謎の言葉を発している。
悩んでいるのは自分だけなのだろうか?
色々出てくる問題点にこの先の不安を覚え、頭を悩ませるニアであった。
クラウスは身を硬直させ自身の周りをくねくね回る怪しい怪物となるべく目を合わせないようにしていた。
「とりあえずおばあちゃん。今日はクラウスのステータスを見てほしいの。
異様な空気を断ち切るようにニアが本題へと話を移す。
「きゅらうす様のステータスなど見んでもわかる。100点じゃ!! 何もかも100点じゃ!!
「頼むよカレン。クラウスのステータスを見てやってくれよ。今日からクラウスは俺たちの仲間になったんだ。」
「うるさいブサイク!! 貴様はお呼びでないんじゃよ。わしに指図しないでおくれ!!」
カレンの悪いところが全部出ている。アレンは冷静にカレンを説得しようと話を続ける。
「できれば今日ダンジョンに潜りたかったんだけどもう遅いから明日仕切り直してダンジョンに潜りたいんだ。そのためにはクラウスの力を知っておく必要がある。だから頼むカレン。」
アレンはまっすぐにカレンの目を見て自分の気持ちを伝える。
カレンはそのまっすぐな目に先ほどまでのだらしない顔を正し、グッと目を見開き答えた。
「はっ? えっ? なんじゃなんじゃ? 何にもないところから声が聞こえるの? 空気がしゃべっとるわい。臭い空気じゃの~先の馬の糞のにおいはこの空気が原因じゃったのか~嫌じゃ嫌じゃ。はよ家からで出てっておくれ。」
最大限のむかつく顔でさもアレンなど存在してないかのように独り言で話すカレン。
臭いのはお前の口だ。そう心を静めるアレンだったが沸点などいきなり訪れる。
目を瞑り心を落ち着けようとしていたアレンがふと目を開くと爆裂に変顔をしアレンを侮辱するカレンの顔が目の前にあった。
「こ..この..ババアが......調子に乗り....やがって....」
「また臭い空気がしゃべりおった。滑稽じゃ滑稽じゃ。」
「このクソ干物ババア!!! クセェのはお前の息だろうが!! こっち向くんじゃねぇ!!」
「なんじゃと!! 貴様、きゅらうす様の前で何たることを。」
「どの口が言ってんだ!! 散々バカにしやがって。今日こそ息の根を止めてやる!!」
「どの口ってこの口ですけど~じゃ。バカにするでない。ステータス オール1のおぬしに後れを取るワシなわけあるかい!!」
ニアはポカーンとしていた。
アレンのキレた姿を初めて見たのだ。
「はは、初めてアレン君に会った時もこんな感じだったな。」
「クラウスはこのアレン見たことあるの?」
「ああ...まったく...同じ光景だよ。」
二人して苦笑いをする。
ふとお互いがお互い普通に話していることに気づく。
「ああそうか、僕は自分の考えしか相手に伝えてなかったんだね。ニアの考えを僕は聞き入れる耳を持ってなかった。すまないことをしたね。ニア。」
「私も少し邪険に扱い過ぎたわ。ごめんなさい。
はい!もう終わり。せっかく同じ仲間なんだもの。辛気臭いのはなしよ。」
「そうだね。助かるよ。ともあれニア。これからよろしく。」
「こちらこそクラウス。」
二人は友情の握手を交わし仲間になる心構えを新たにした。
クラウスはニアへの恋心を今は奥底にしまい込み改めてこのパーティーでやってみたいと思うようになっていた。
ニアとアレン君は面白いな。二人と共に冒険をしてみたい。二人の役に立ちたい。
職業柄か二人への貢献心が増していくクラウスだった。
「ねぇ... で、これどうするの?」
「てめぇババァこの野郎!!」
「どうじゃブサイク!! よけいにブサイクになっておるぞ!!」
ニアが途方もない顔をし、どう収集をつけるべきか悩んでいた。
今現在、アレンはカレンのキャメルクラッチを受けもがいていた。
どういう経緯でこの老婆にここまで完膚なきまでの状況に追い込まれるのだろうか?
さすがのニアもこの先の冒険が不安になる。
「年寄りに肉弾戦で負けちゃうアレンってどうなの?」
「でもこれが彼の本当の姿じゃないんだろ? もちろん僕と戦った時も。」
ニアはクラウスを驚きの表情で見る。
「僕もだてに冒険者じゃない。命のやり取りも何度か経験している。
一瞬、僕と対峙した時に途方もないほどの力差を感じた。一瞬だったけど。
もちろん彼と戦って彼のステータスは恐ろしく低いのは納得している。
だがそれだけじゃないというのも思う所がある。」
「さすが聖騎士になるだけあるわね。」
「まぁ無理に問いただしたりはしないよ。何か理由があるんだろうし。
でも僕のステータスも知るんだからそこは教えてほしいとは思っているよ。」
隠し通せるものでもない。
後は言うタイミングだけ。
どうせいずればれる。
クラウスは信用できるとはニアも思う。
頭を悩ませるニア。
はぁ と深いため息を漏らし二人の争いに再び目を移すと
ひとまずアレンが参ったをし、この場の騒動は収まっっていた。
カレンは高々と拳を振り上げ
「強い奴でてこいやぁ!!」
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悩んでいるのは自分だけなのだろうか?
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