30 / 58
BBA
しおりを挟む
「仲間の能力を確認しておくのは必要だわ。」
とりあえず今日はもう日も暮れている。
ニアの一言でダンジョンは明日に予定をずらしカレンにクラウスのステータスを見てもらうことになった。
「クラウスはあんまり自分のステータスとか気にならないんだな。」
クラウスは自分のステータスを把握していないようだった。
「そうだね。僕はこう見えても実践はなんだ。体で覚えていきたいタイプなんだよ。」
さらりとかっこいいことを言うクラウスにアレンは
「クラウスって面白いな。」
とからかいもなく話す。
「そこが師匠の...アレン君の素晴らしいところだよ。」
「???」
言葉の意味は理解できなかったがクラウスがそれ以上説明する気がないことを悟るとアレンもそれ以上問うこともなかった。
話しているうちにあっという間にニアの家の前についた。
「カレンびっくりするかな? カレンはクラウスの事大好きだからな。」
「家にいるときもずっとクラウスの話してるもん。嫌になっちゃう。」
「えっ!? そうなのか!? というか嫌になっちゃうとはどういう意味だ!」
「まぁまぁ、とりあえず中に入ろう。」
また騒がしくなるんじゃないかと察知したアレンは二人を仲に誘導していく。
しかしさすがクラウスだ。あんな薄気味悪い干物ババアに好意を寄せられても全く動じない。
アレンはこういう男にならないといけないのかもな。俺はいつもカレンを邪険に扱い過ぎる。
そう思い今日からいつもよりそういったところを意識してカレンと話すようにしようと思った。
「ただいま。おばあちゃん帰ったわよー。さっそくなんだけど一人占ってほしい人がいるのー。」
ニアは家に入るなり奥の部屋にいるであろうカレンに向かって話し始めた。
「はぁ? なんじゃと!? こんな時間に占えじゃと!?」
ドタドタとうるさく響く足音と共に日干しにより水分を蒸発させたのかと疑ってしまうようなしわがれた恐ろしい形相の老婆が慌ただしく玄関に歩いてきた。
相変わらず恐ろしい顔のインパクトだ。
「どこの馬の骨じゃこんな時間に。馬のクソでも喰ろうて来たような臭いじゃ。くそーてたまらん。
心が腐っているんじゃ。こんな時間に人の都合もお構いなしで占ってくれなど心が腐っておる。
なんでわしが営業時間外に馬のクソを占わんといけないんきゅらうすさむぁ~!!!!!!」
もはやわかりやすすぎるババアのリアクションにクラウスも背筋を伸ばしながら固まってしまった。
二重人格なのか? このババアは?
アレンは先ほど思った決意も早々に鈍り顔が引きつりだす。
しかしながらいつもなら
「やぁカレン。いつもお疲れさまだね。営業時間外で申し訳ないんだが、実は今日は僕を占ってほしいんだ。」
と爽やかな一面を見せるのだが今日は先ほど家の前でカレンがクラウスの事が好きとかいう話を聞いてしまっている。
クラウスは顔を青くしながらクネクネと腰を振る、ある種のモンスター感を感じながら自身の体長が次第に悪くなっていくのを感じていた。
「や、やぁカレン...元気かい?」
苦々しい顔であいさつするクラウスではあったがカレンは
「むちゅあ! むちゅあ! きゅらうすさまぁ~。」
ブンブンと汚いケツを振り、唇を激しくむちゅあ!むちゅあ!させクラウスに近づいてくる。
「ひ、ひぃぃぃいいいい!!!!」
今まで何の意識もなく話せていたカレンだったがひとたび意識するとここまでおぞましいものなのか。
とはいえ彼女もまぎれもなく女性、失礼があっては紳士であるクラウスの風評に係る。とは思うのだがそれを超えてこの恐ろしい化け物は人の心を食い荒らす。
「きゅ、きゅらうしゅしゃまぁぁぁあああん!!!!」
「ぎ、ぎぃやあああああああああ!!!!!」
その日、まだ若い青年の心に確かに傷が一つ入った。
とりあえず今日はもう日も暮れている。
ニアの一言でダンジョンは明日に予定をずらしカレンにクラウスのステータスを見てもらうことになった。
「クラウスはあんまり自分のステータスとか気にならないんだな。」
クラウスは自分のステータスを把握していないようだった。
「そうだね。僕はこう見えても実践はなんだ。体で覚えていきたいタイプなんだよ。」
さらりとかっこいいことを言うクラウスにアレンは
「クラウスって面白いな。」
とからかいもなく話す。
「そこが師匠の...アレン君の素晴らしいところだよ。」
「???」
言葉の意味は理解できなかったがクラウスがそれ以上説明する気がないことを悟るとアレンもそれ以上問うこともなかった。
話しているうちにあっという間にニアの家の前についた。
「カレンびっくりするかな? カレンはクラウスの事大好きだからな。」
「家にいるときもずっとクラウスの話してるもん。嫌になっちゃう。」
「えっ!? そうなのか!? というか嫌になっちゃうとはどういう意味だ!」
「まぁまぁ、とりあえず中に入ろう。」
また騒がしくなるんじゃないかと察知したアレンは二人を仲に誘導していく。
しかしさすがクラウスだ。あんな薄気味悪い干物ババアに好意を寄せられても全く動じない。
アレンはこういう男にならないといけないのかもな。俺はいつもカレンを邪険に扱い過ぎる。
そう思い今日からいつもよりそういったところを意識してカレンと話すようにしようと思った。
「ただいま。おばあちゃん帰ったわよー。さっそくなんだけど一人占ってほしい人がいるのー。」
ニアは家に入るなり奥の部屋にいるであろうカレンに向かって話し始めた。
「はぁ? なんじゃと!? こんな時間に占えじゃと!?」
ドタドタとうるさく響く足音と共に日干しにより水分を蒸発させたのかと疑ってしまうようなしわがれた恐ろしい形相の老婆が慌ただしく玄関に歩いてきた。
相変わらず恐ろしい顔のインパクトだ。
「どこの馬の骨じゃこんな時間に。馬のクソでも喰ろうて来たような臭いじゃ。くそーてたまらん。
心が腐っているんじゃ。こんな時間に人の都合もお構いなしで占ってくれなど心が腐っておる。
なんでわしが営業時間外に馬のクソを占わんといけないんきゅらうすさむぁ~!!!!!!」
もはやわかりやすすぎるババアのリアクションにクラウスも背筋を伸ばしながら固まってしまった。
二重人格なのか? このババアは?
アレンは先ほど思った決意も早々に鈍り顔が引きつりだす。
しかしながらいつもなら
「やぁカレン。いつもお疲れさまだね。営業時間外で申し訳ないんだが、実は今日は僕を占ってほしいんだ。」
と爽やかな一面を見せるのだが今日は先ほど家の前でカレンがクラウスの事が好きとかいう話を聞いてしまっている。
クラウスは顔を青くしながらクネクネと腰を振る、ある種のモンスター感を感じながら自身の体長が次第に悪くなっていくのを感じていた。
「や、やぁカレン...元気かい?」
苦々しい顔であいさつするクラウスではあったがカレンは
「むちゅあ! むちゅあ! きゅらうすさまぁ~。」
ブンブンと汚いケツを振り、唇を激しくむちゅあ!むちゅあ!させクラウスに近づいてくる。
「ひ、ひぃぃぃいいいい!!!!」
今まで何の意識もなく話せていたカレンだったがひとたび意識するとここまでおぞましいものなのか。
とはいえ彼女もまぎれもなく女性、失礼があっては紳士であるクラウスの風評に係る。とは思うのだがそれを超えてこの恐ろしい化け物は人の心を食い荒らす。
「きゅ、きゅらうしゅしゃまぁぁぁあああん!!!!」
「ぎ、ぎぃやあああああああああ!!!!!」
その日、まだ若い青年の心に確かに傷が一つ入った。
0
お気に入りに追加
512
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?!
異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。
#日常系、ほのぼの、ハッピーエンド
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/08/13……完結
2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位
2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位
2024/07/01……連載開始
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる