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BBA
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「仲間の能力を確認しておくのは必要だわ。」
とりあえず今日はもう日も暮れている。
ニアの一言でダンジョンは明日に予定をずらしカレンにクラウスのステータスを見てもらうことになった。
「クラウスはあんまり自分のステータスとか気にならないんだな。」
クラウスは自分のステータスを把握していないようだった。
「そうだね。僕はこう見えても実践はなんだ。体で覚えていきたいタイプなんだよ。」
さらりとかっこいいことを言うクラウスにアレンは
「クラウスって面白いな。」
とからかいもなく話す。
「そこが師匠の...アレン君の素晴らしいところだよ。」
「???」
言葉の意味は理解できなかったがクラウスがそれ以上説明する気がないことを悟るとアレンもそれ以上問うこともなかった。
話しているうちにあっという間にニアの家の前についた。
「カレンびっくりするかな? カレンはクラウスの事大好きだからな。」
「家にいるときもずっとクラウスの話してるもん。嫌になっちゃう。」
「えっ!? そうなのか!? というか嫌になっちゃうとはどういう意味だ!」
「まぁまぁ、とりあえず中に入ろう。」
また騒がしくなるんじゃないかと察知したアレンは二人を仲に誘導していく。
しかしさすがクラウスだ。あんな薄気味悪い干物ババアに好意を寄せられても全く動じない。
アレンはこういう男にならないといけないのかもな。俺はいつもカレンを邪険に扱い過ぎる。
そう思い今日からいつもよりそういったところを意識してカレンと話すようにしようと思った。
「ただいま。おばあちゃん帰ったわよー。さっそくなんだけど一人占ってほしい人がいるのー。」
ニアは家に入るなり奥の部屋にいるであろうカレンに向かって話し始めた。
「はぁ? なんじゃと!? こんな時間に占えじゃと!?」
ドタドタとうるさく響く足音と共に日干しにより水分を蒸発させたのかと疑ってしまうようなしわがれた恐ろしい形相の老婆が慌ただしく玄関に歩いてきた。
相変わらず恐ろしい顔のインパクトだ。
「どこの馬の骨じゃこんな時間に。馬のクソでも喰ろうて来たような臭いじゃ。くそーてたまらん。
心が腐っているんじゃ。こんな時間に人の都合もお構いなしで占ってくれなど心が腐っておる。
なんでわしが営業時間外に馬のクソを占わんといけないんきゅらうすさむぁ~!!!!!!」
もはやわかりやすすぎるババアのリアクションにクラウスも背筋を伸ばしながら固まってしまった。
二重人格なのか? このババアは?
アレンは先ほど思った決意も早々に鈍り顔が引きつりだす。
しかしながらいつもなら
「やぁカレン。いつもお疲れさまだね。営業時間外で申し訳ないんだが、実は今日は僕を占ってほしいんだ。」
と爽やかな一面を見せるのだが今日は先ほど家の前でカレンがクラウスの事が好きとかいう話を聞いてしまっている。
クラウスは顔を青くしながらクネクネと腰を振る、ある種のモンスター感を感じながら自身の体長が次第に悪くなっていくのを感じていた。
「や、やぁカレン...元気かい?」
苦々しい顔であいさつするクラウスではあったがカレンは
「むちゅあ! むちゅあ! きゅらうすさまぁ~。」
ブンブンと汚いケツを振り、唇を激しくむちゅあ!むちゅあ!させクラウスに近づいてくる。
「ひ、ひぃぃぃいいいい!!!!」
今まで何の意識もなく話せていたカレンだったがひとたび意識するとここまでおぞましいものなのか。
とはいえ彼女もまぎれもなく女性、失礼があっては紳士であるクラウスの風評に係る。とは思うのだがそれを超えてこの恐ろしい化け物は人の心を食い荒らす。
「きゅ、きゅらうしゅしゃまぁぁぁあああん!!!!」
「ぎ、ぎぃやあああああああああ!!!!!」
その日、まだ若い青年の心に確かに傷が一つ入った。
とりあえず今日はもう日も暮れている。
ニアの一言でダンジョンは明日に予定をずらしカレンにクラウスのステータスを見てもらうことになった。
「クラウスはあんまり自分のステータスとか気にならないんだな。」
クラウスは自分のステータスを把握していないようだった。
「そうだね。僕はこう見えても実践はなんだ。体で覚えていきたいタイプなんだよ。」
さらりとかっこいいことを言うクラウスにアレンは
「クラウスって面白いな。」
とからかいもなく話す。
「そこが師匠の...アレン君の素晴らしいところだよ。」
「???」
言葉の意味は理解できなかったがクラウスがそれ以上説明する気がないことを悟るとアレンもそれ以上問うこともなかった。
話しているうちにあっという間にニアの家の前についた。
「カレンびっくりするかな? カレンはクラウスの事大好きだからな。」
「家にいるときもずっとクラウスの話してるもん。嫌になっちゃう。」
「えっ!? そうなのか!? というか嫌になっちゃうとはどういう意味だ!」
「まぁまぁ、とりあえず中に入ろう。」
また騒がしくなるんじゃないかと察知したアレンは二人を仲に誘導していく。
しかしさすがクラウスだ。あんな薄気味悪い干物ババアに好意を寄せられても全く動じない。
アレンはこういう男にならないといけないのかもな。俺はいつもカレンを邪険に扱い過ぎる。
そう思い今日からいつもよりそういったところを意識してカレンと話すようにしようと思った。
「ただいま。おばあちゃん帰ったわよー。さっそくなんだけど一人占ってほしい人がいるのー。」
ニアは家に入るなり奥の部屋にいるであろうカレンに向かって話し始めた。
「はぁ? なんじゃと!? こんな時間に占えじゃと!?」
ドタドタとうるさく響く足音と共に日干しにより水分を蒸発させたのかと疑ってしまうようなしわがれた恐ろしい形相の老婆が慌ただしく玄関に歩いてきた。
相変わらず恐ろしい顔のインパクトだ。
「どこの馬の骨じゃこんな時間に。馬のクソでも喰ろうて来たような臭いじゃ。くそーてたまらん。
心が腐っているんじゃ。こんな時間に人の都合もお構いなしで占ってくれなど心が腐っておる。
なんでわしが営業時間外に馬のクソを占わんといけないんきゅらうすさむぁ~!!!!!!」
もはやわかりやすすぎるババアのリアクションにクラウスも背筋を伸ばしながら固まってしまった。
二重人格なのか? このババアは?
アレンは先ほど思った決意も早々に鈍り顔が引きつりだす。
しかしながらいつもなら
「やぁカレン。いつもお疲れさまだね。営業時間外で申し訳ないんだが、実は今日は僕を占ってほしいんだ。」
と爽やかな一面を見せるのだが今日は先ほど家の前でカレンがクラウスの事が好きとかいう話を聞いてしまっている。
クラウスは顔を青くしながらクネクネと腰を振る、ある種のモンスター感を感じながら自身の体長が次第に悪くなっていくのを感じていた。
「や、やぁカレン...元気かい?」
苦々しい顔であいさつするクラウスではあったがカレンは
「むちゅあ! むちゅあ! きゅらうすさまぁ~。」
ブンブンと汚いケツを振り、唇を激しくむちゅあ!むちゅあ!させクラウスに近づいてくる。
「ひ、ひぃぃぃいいいい!!!!」
今まで何の意識もなく話せていたカレンだったがひとたび意識するとここまでおぞましいものなのか。
とはいえ彼女もまぎれもなく女性、失礼があっては紳士であるクラウスの風評に係る。とは思うのだがそれを超えてこの恐ろしい化け物は人の心を食い荒らす。
「きゅ、きゅらうしゅしゃまぁぁぁあああん!!!!」
「ぎ、ぎぃやあああああああああ!!!!!」
その日、まだ若い青年の心に確かに傷が一つ入った。
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