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言葉じゃない
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「あんたってほんっとにバカなのね!!」
ニアの怒りは収まらない。
クラウスはギルドのみんなの前で堂々とニアを婚約者だといったのだ。
「なぜだニア? 君も僕のことが好きなはずだ。」
痛いし気持ち悪いのはみんな気づいているがそれでもここまでストレートに気持ちを押し出されると
何か勘違いしてしまいそうだ。
ニアも顔が赤くなりだす。
「ちょっと顔近い! とにかく私は冒険者なのよ! いきなり結婚だなんて言われても困る。」
「もちろんさ。いきなり結婚してくれなんて言わない。もちろん君のやりたいことも尊重するつもりさ。」
「だからそうじゃなくて。もぅ! だから嫌なのこの人!」
「まぁまぁとりあえず話を聞こうよ。クラウスはニアをどうしたいんだ?」
「よく聞いてくれたアレン君よ。」
「ちょっとアレン余計なこと聞かなくていいわよ。」
「でもずっとついてくるし邪険に扱ってもかわいそうだろ。」
「どこがかわいそうなのよ!! 被害者は私よ!!ってもう! 顔近づけないでってば!!」
ニアは無意味に近づけてくるクラウスの顔を両手で汚いものを触るかのような表情をし押し返す。
「照れているんだね。かわいい。かわいいよニアァァ!!」
さすがのアレンも顔をしかめる。
「ところで二人に相談なのだが......」
形の整った顔をさらに凛々しくしクラウスが話し出す。
「まずアレン君、どうすればニアとパーティーを解散してくれる?」
先ほどのふざけたテンションではない若干背筋がゾクゾクする感じをアレンは覚えた。
凍るような冷たい青目。これが宝石だったらいくらするのだろうか? それほど綺麗で冷たい目をアレンに見せる。
「ちょっと何かってなこと言ってんのよ!」
ニアが1歩前に体を進めたところでクラウスは片手をニアの方へ向け制止を促すように
手の平を向けた。
すると不思議なことにニアの体はそこから前へ進めなくなる。
「ちょっとなにこれ!? あれ? あれ?」
横にも後ろにも動けるが前だけ行けない。
「悪いねニア。これは男の話なんだ。少しだけアレン君と話させてほしい。」
先ほどとは違う騎士の目。本物の冒険者が目の前にいる。
クラウスの何かに気づき始めたのか魔晶石から二匹が一気に警戒の気配を出し始めた。
「で? おっかない空気出して、クラウス。
俺が嫌だって言ったらどうするの?」
たじろぐ気配のないアレンに ほう と感心したしぐさを見せる。
「僕の【威圧】にたじろがない所を見るとかなり腕を上げたようだね。しかもこんな短期間に。」
賛辞を贈るクラウスだが目は相変わらず冷たい。
「回りくどいのは僕も好きじゃない。ストレートに言わしてもらうよ。」
冷たい目はさらに冷たくなる。
「君じゃニアは守れない。
もしニアに何かあれば僕は一生自分を許す事はできないだろう。
そうなる前にニアとパーティーを解散してくれ。」
「それを決めるのは俺じゃない。ニアだ。」
お互い目をそらさず真っ向から対立する。
「それは僕も尊重したい意見だ。だがそうも言ってられなくなった。
アレン君、君のステータスは覚えている。かわいそうだけど仕方のない事実だ。
そんな君と冒険を共にするとなると必ず危険が伴う。もちろんニアの意見は尊重したいが背に腹は代えられないというやつだよ。」
「クラウス! 違うわ。アレンは...」
「ニア!!!」
ニアの言葉をアレンが止める。
「なんで?」
「こういう人は言葉じゃないんだ。」
アレンのその言葉にクラウスも ふぅ とため息を漏らし
「アレン君、君に決闘を申し込む。」
「受けて立つ。」
「僕が勝ったらニアとのパーティーは解散してもらう。」
「ちょっと!勝手に決めないでよ!」
トントンと訳の分からないところで話が決まっていく。
しかしこれで終わらないからアレンなのだ。
「なら俺が勝ったら......」
「もちろん君の好きな願いを言うがいいよ。僕のできる範囲になってしまうが。」
「なら、答えは決まった。クラウス、俺が勝ったらクラウスは俺のパーティーに入ってもらう。」
「あぁいいともお安いごよう.....はぁ?」
あの超絶美形ナルシスト、クラウスでもこの言葉に はぁ? という顔で問い返す。
もちろん抜群の美人のニアもこの言葉には はぁ? という顔をやらざるおえなかった。
そんな二人のリアクションにアレンも えっ? となんか変なこと言った?という顔で答え返す。
三人の間に微妙な空気が流れたのは言うまでもない。
ニアの怒りは収まらない。
クラウスはギルドのみんなの前で堂々とニアを婚約者だといったのだ。
「なぜだニア? 君も僕のことが好きなはずだ。」
痛いし気持ち悪いのはみんな気づいているがそれでもここまでストレートに気持ちを押し出されると
何か勘違いしてしまいそうだ。
ニアも顔が赤くなりだす。
「ちょっと顔近い! とにかく私は冒険者なのよ! いきなり結婚だなんて言われても困る。」
「もちろんさ。いきなり結婚してくれなんて言わない。もちろん君のやりたいことも尊重するつもりさ。」
「だからそうじゃなくて。もぅ! だから嫌なのこの人!」
「まぁまぁとりあえず話を聞こうよ。クラウスはニアをどうしたいんだ?」
「よく聞いてくれたアレン君よ。」
「ちょっとアレン余計なこと聞かなくていいわよ。」
「でもずっとついてくるし邪険に扱ってもかわいそうだろ。」
「どこがかわいそうなのよ!! 被害者は私よ!!ってもう! 顔近づけないでってば!!」
ニアは無意味に近づけてくるクラウスの顔を両手で汚いものを触るかのような表情をし押し返す。
「照れているんだね。かわいい。かわいいよニアァァ!!」
さすがのアレンも顔をしかめる。
「ところで二人に相談なのだが......」
形の整った顔をさらに凛々しくしクラウスが話し出す。
「まずアレン君、どうすればニアとパーティーを解散してくれる?」
先ほどのふざけたテンションではない若干背筋がゾクゾクする感じをアレンは覚えた。
凍るような冷たい青目。これが宝石だったらいくらするのだろうか? それほど綺麗で冷たい目をアレンに見せる。
「ちょっと何かってなこと言ってんのよ!」
ニアが1歩前に体を進めたところでクラウスは片手をニアの方へ向け制止を促すように
手の平を向けた。
すると不思議なことにニアの体はそこから前へ進めなくなる。
「ちょっとなにこれ!? あれ? あれ?」
横にも後ろにも動けるが前だけ行けない。
「悪いねニア。これは男の話なんだ。少しだけアレン君と話させてほしい。」
先ほどとは違う騎士の目。本物の冒険者が目の前にいる。
クラウスの何かに気づき始めたのか魔晶石から二匹が一気に警戒の気配を出し始めた。
「で? おっかない空気出して、クラウス。
俺が嫌だって言ったらどうするの?」
たじろぐ気配のないアレンに ほう と感心したしぐさを見せる。
「僕の【威圧】にたじろがない所を見るとかなり腕を上げたようだね。しかもこんな短期間に。」
賛辞を贈るクラウスだが目は相変わらず冷たい。
「回りくどいのは僕も好きじゃない。ストレートに言わしてもらうよ。」
冷たい目はさらに冷たくなる。
「君じゃニアは守れない。
もしニアに何かあれば僕は一生自分を許す事はできないだろう。
そうなる前にニアとパーティーを解散してくれ。」
「それを決めるのは俺じゃない。ニアだ。」
お互い目をそらさず真っ向から対立する。
「それは僕も尊重したい意見だ。だがそうも言ってられなくなった。
アレン君、君のステータスは覚えている。かわいそうだけど仕方のない事実だ。
そんな君と冒険を共にするとなると必ず危険が伴う。もちろんニアの意見は尊重したいが背に腹は代えられないというやつだよ。」
「クラウス! 違うわ。アレンは...」
「ニア!!!」
ニアの言葉をアレンが止める。
「なんで?」
「こういう人は言葉じゃないんだ。」
アレンのその言葉にクラウスも ふぅ とため息を漏らし
「アレン君、君に決闘を申し込む。」
「受けて立つ。」
「僕が勝ったらニアとのパーティーは解散してもらう。」
「ちょっと!勝手に決めないでよ!」
トントンと訳の分からないところで話が決まっていく。
しかしこれで終わらないからアレンなのだ。
「なら俺が勝ったら......」
「もちろん君の好きな願いを言うがいいよ。僕のできる範囲になってしまうが。」
「なら、答えは決まった。クラウス、俺が勝ったらクラウスは俺のパーティーに入ってもらう。」
「あぁいいともお安いごよう.....はぁ?」
あの超絶美形ナルシスト、クラウスでもこの言葉に はぁ? という顔で問い返す。
もちろん抜群の美人のニアもこの言葉には はぁ? という顔をやらざるおえなかった。
そんな二人のリアクションにアレンも えっ? となんか変なこと言った?という顔で答え返す。
三人の間に微妙な空気が流れたのは言うまでもない。
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