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ディアドラ
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倒れ伏して大きく体で息をするウォーウルフ。
その眼は血走りすべてに敵意を向けた。
アレンとニアはもう戦う力など残っていない。
ゴンゾウは【自動修復】の力で体力と魔力を回復させつつあった。
「こいつどうするの?早くとどめを刺さないと。」
とはいえかなりの傷を負っている。
もしかするとこいつはほっておいても息絶えてしまうのかもしれない。
グルルルル
低く唸り声をあげ威嚇するがそこに力はない。
アレンは無言でウォーウルフに近づいていく。
「ちょっと!!危ないわよ!!まだ何するかわからない!!!」
慌てるニアだがゴンゾウは動かない。
アレンが何をするかわかっているからなのかもしれない。
ニアの忠告も聞かずアレンは雷切が刺さっていた場所に手を当てる。
ドクドクと血が流れ出ている。
今見るとアレンたちと戦う前に冒険者からかなりのダメージを与えられていたようだ。
「この傷であんなに強いのかよ。ほんとにお前バケモンだな。」
アレンは心を静め精神を集中させていく。
アレンの手からウォーウルフの記憶が流れ込んでくる。
同時にアレンの心がウォーウルフに流れ込む。
そしてそれらは波紋となってニアとゴンゾウの中にも流れ込んできた。
こういうことができると分かっていたわけではない。
なぜかこうすれば何かがわかるんじゃないかと、そう思っただけだ。
「なにこれ‥‥ねぇ。これって‥‥ウォーウルフの……」
ニアはパニックになりながらも不思議そうに頭の中に出てくる記憶を見ていく。
ウォーウルフがモンスターになる前、外の世界の狼の王であったこと。
ある時、冒険者の罠にはまり殺されかけたこと。
ダンジョンに逃げ延び傷を癒したがそこはモンスターの縄張りだったこと。
ウォーウルフはいつ自分が殺されるかわからない環境でずっと生きてきた。
傷だらけでモンスターを喰い殺し魔力を蓄え強くなり、より強い魔力を求めて下の階層へ潜った。
生き残るために強くなった。
いつしかモンスターは自分に敵意を向けなくなった。
恐れ恐怖する立場が逆になった。
そしてウォーウルフはモンスターになった。
なぜなれたかはわからない。
蓄えた魔力の力なのか。
それを知るすべなどなかった。
しかし今度は冒険者たちが自分を襲い始めた。
彼は思った。
自分は世界から生きることを否定されているかのように困難が付きまとう。
生きていてはいけないのか? 存在してはいけないのか?
そう思うと世界が憎くなりすべてに敵意を向けるようになった。
そうなってからどのくらいの時が流れただろうか?
日増しに強くなる冒険者の猛攻。
ついに自分は冒険者に倒されてしまった。
冒険者共は自分が死んだと勘違いした。
魔晶石へ入れられ運ばれる。
死体を人間の前にさらされ鳥や虫に体を食われ腐るまでさらされる。
そして人間は言うのだ。
「あぁ怖かった。 さぁ次は何を殺そうかと。」
もはや思う通りに動かない体ではあったが一瞬の隙をつき魔晶石を打ち砕き近くにいた冒険者を襲った。
私を倒した冒険者の姿は見えなかったがそばにいたやつには致命傷を与えてやった。
痛い……憎い……苦しい……憎い……
せめてこのまま死ぬのなら自分を打ち倒したあの者もせめて道連れに……
そこで出会ったのがこの者たちだった。
この者たちは自分へ殺意はなかった。
生き残るために立ち向かったのだろう。
勇敢な者達だ。
流れ込んでくるこやつの思いも心地がいいものだ。
敵意のない視線はいつぶりか。
ウォーウルフは幸せだった狼だった頃を、群れでの生活を思い出した。
あの頃は安息の暮らしだった。
自分は永く生き過ぎた。
皆、もう生きてはいないだろう。
これで皆のところへ行けるだろうか?
自分はモンスターになってしまった。
だから死んでもお前たちの元へは行けないはいけないだろうな。
死んでもまたダンジョンに魔力は帰り 新しいモンスターへと生まれ変わるだけだ。
ウォーウルフは群れの仲間を思い
うぉぉぉぉぉぉぉ……
力なく遠吠えをする。
自分の声は聞こえているかと。
これが最後の意思を持った自分の声だと
ダンジョンに弱弱しく仲間を思う声がこだましている。
そっと手を放しアレンは二人に振り返る。
「なぁ。こいつの傷を治してやろう。」
ニアはウォーウルフの姿に涙していた。
こんなのかわいそうすぎる。冒険者に追いやられ常に死と隣り合わせに生きてきた。
最後に思うのはもう生きてはいない仲間を思って声を上げるだけ、、、
ニアはアレンの顔を見て覚悟を決めた。
ゴンゾウは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。
アレンはゴンゾウの方を見てコクリとうなずき
「治してやってくれ。」
ゴンゾウは自分に任せろとズイズイと前に来て胸を張った。
魔力も十分回復していないので完全回復は無理だができるだけの回復をしてやろう。
ゴンゾウもアレンと同じ気持ちだった。
不安に杖を握りしめるニア。
ゴンゾウの内側から優しい光があふれた。
光の粒子がウォーウルフに降りかかる。
これは……
そうか私の傷を癒すか……
先ほど流れたこの男の思いは偽りではなかったということだな。
久しく忘れていたこの温かさ……
深く痛々しい傷が消えていく。
憎しみの傷も、悲しみの傷も、全部全部。
じきに立ち上がれるくらいには回復しゆっくりと体を起こすウォーウルフ。
「ひえぇぇぇ!!!起きたわよ!!!どうするのよ?!!」
覚悟を決めたとはいえ いざ動き出すとパニックに陥るニア。
すると3人の頭の中に直接語り掛けてくるような言葉がこだました。
”なぜ私を殺さなかった?”
警戒した声だったが殺意はなくなっていた。
テレパシーみたいなものなのか?
一部の知能あるモンスターが使えると聞いたことがある。
ウォーウルフは殺意こそないが警戒は解いていなかった。
言葉次第ではまたまた殺しあわなくてはいけない。
そこからくる警戒心であった。
しかし……
「わからん。」
アレンはそう言い切った。
予想になかった答えだった。
この言葉に先ほどまでパニックだったニアは自分が慌てている事に馬鹿らしくなりクスクスと笑ってしまった。
彼の良さが大きく出た一言だった。
ゴンゾウは嬉しそうに飛び跳ねている。
その光景を見てやっとこの男を理解できたのかウォーウルフが警戒を解く。
”ふふ、面白い者達だ。”
大きな口で笑みを浮かべる。
アレンは右手をウォーウルフに差し出した。
「なぁ、一緒に行こう。お前の力が欲しい。」
まっすぐ見つめる目。
やれやれとキリっとしていた大きな目もゆるく垂れさがる。
”ここまでされて断ってはお主の立場がないな。”
アレンの力強いその目に恥じぬよう。
そう思い力強く吠え空気を振動させた。
強烈な振動に肌がビリビリと震える。
”よかろう人間!!存分に私の力を使うがよい。”
力強いその声は体の芯に響き渡るようだった。
信じられないという顔で涙ぐむニア。
「とりあえずお前傷だらけだしな。帰ったら治療してやるよ。これからよろしくな。えーと、、、」
頭を掻きながらウォーウルフを見る。
”ディアドラだ。私の名はディアドラ。わが主よ。世話になるぞ。”
「こちらこそ。」
そう言うとアレンはディアドラに魔晶石をかざす。
ディアドラは光の粒子に変化していき バシュ!! と魔晶石に吸い込まれていった。
そしてそのままどさっと腰から砕けるようにへたり込んだ。
「すげぇ迫力。ちびりそうだった。」
ははは、と引きつりながら笑うアレン。
こればかりは納得するニア。
あのウォーウルフを仲間にしてしまったのだ。
「この人……本当に冒険者の歴史を変えてしまうかもしれない……」
ニアは改めて自分が初めに思った、この男は偉大な冒険者になるという感覚は間違っていなかったと確信した。
それはウォーウルフを仲間に入れたことじゃない。
ゴンゾウの力のおかげでもない。
あのウォーウルフに臆することなく戦ったこの男を間近で見たニアだからこそ確信に至ったことだ。
今は腰が抜けて立てなくなっているこの男
深淵に潜むダンジョンの謎に迫る日は近いのかもしれない。
その眼は血走りすべてに敵意を向けた。
アレンとニアはもう戦う力など残っていない。
ゴンゾウは【自動修復】の力で体力と魔力を回復させつつあった。
「こいつどうするの?早くとどめを刺さないと。」
とはいえかなりの傷を負っている。
もしかするとこいつはほっておいても息絶えてしまうのかもしれない。
グルルルル
低く唸り声をあげ威嚇するがそこに力はない。
アレンは無言でウォーウルフに近づいていく。
「ちょっと!!危ないわよ!!まだ何するかわからない!!!」
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アレンが何をするかわかっているからなのかもしれない。
ニアの忠告も聞かずアレンは雷切が刺さっていた場所に手を当てる。
ドクドクと血が流れ出ている。
今見るとアレンたちと戦う前に冒険者からかなりのダメージを与えられていたようだ。
「この傷であんなに強いのかよ。ほんとにお前バケモンだな。」
アレンは心を静め精神を集中させていく。
アレンの手からウォーウルフの記憶が流れ込んでくる。
同時にアレンの心がウォーウルフに流れ込む。
そしてそれらは波紋となってニアとゴンゾウの中にも流れ込んできた。
こういうことができると分かっていたわけではない。
なぜかこうすれば何かがわかるんじゃないかと、そう思っただけだ。
「なにこれ‥‥ねぇ。これって‥‥ウォーウルフの……」
ニアはパニックになりながらも不思議そうに頭の中に出てくる記憶を見ていく。
ウォーウルフがモンスターになる前、外の世界の狼の王であったこと。
ある時、冒険者の罠にはまり殺されかけたこと。
ダンジョンに逃げ延び傷を癒したがそこはモンスターの縄張りだったこと。
ウォーウルフはいつ自分が殺されるかわからない環境でずっと生きてきた。
傷だらけでモンスターを喰い殺し魔力を蓄え強くなり、より強い魔力を求めて下の階層へ潜った。
生き残るために強くなった。
いつしかモンスターは自分に敵意を向けなくなった。
恐れ恐怖する立場が逆になった。
そしてウォーウルフはモンスターになった。
なぜなれたかはわからない。
蓄えた魔力の力なのか。
それを知るすべなどなかった。
しかし今度は冒険者たちが自分を襲い始めた。
彼は思った。
自分は世界から生きることを否定されているかのように困難が付きまとう。
生きていてはいけないのか? 存在してはいけないのか?
そう思うと世界が憎くなりすべてに敵意を向けるようになった。
そうなってからどのくらいの時が流れただろうか?
日増しに強くなる冒険者の猛攻。
ついに自分は冒険者に倒されてしまった。
冒険者共は自分が死んだと勘違いした。
魔晶石へ入れられ運ばれる。
死体を人間の前にさらされ鳥や虫に体を食われ腐るまでさらされる。
そして人間は言うのだ。
「あぁ怖かった。 さぁ次は何を殺そうかと。」
もはや思う通りに動かない体ではあったが一瞬の隙をつき魔晶石を打ち砕き近くにいた冒険者を襲った。
私を倒した冒険者の姿は見えなかったがそばにいたやつには致命傷を与えてやった。
痛い……憎い……苦しい……憎い……
せめてこのまま死ぬのなら自分を打ち倒したあの者もせめて道連れに……
そこで出会ったのがこの者たちだった。
この者たちは自分へ殺意はなかった。
生き残るために立ち向かったのだろう。
勇敢な者達だ。
流れ込んでくるこやつの思いも心地がいいものだ。
敵意のない視線はいつぶりか。
ウォーウルフは幸せだった狼だった頃を、群れでの生活を思い出した。
あの頃は安息の暮らしだった。
自分は永く生き過ぎた。
皆、もう生きてはいないだろう。
これで皆のところへ行けるだろうか?
自分はモンスターになってしまった。
だから死んでもお前たちの元へは行けないはいけないだろうな。
死んでもまたダンジョンに魔力は帰り 新しいモンスターへと生まれ変わるだけだ。
ウォーウルフは群れの仲間を思い
うぉぉぉぉぉぉぉ……
力なく遠吠えをする。
自分の声は聞こえているかと。
これが最後の意思を持った自分の声だと
ダンジョンに弱弱しく仲間を思う声がこだましている。
そっと手を放しアレンは二人に振り返る。
「なぁ。こいつの傷を治してやろう。」
ニアはウォーウルフの姿に涙していた。
こんなのかわいそうすぎる。冒険者に追いやられ常に死と隣り合わせに生きてきた。
最後に思うのはもう生きてはいない仲間を思って声を上げるだけ、、、
ニアはアレンの顔を見て覚悟を決めた。
ゴンゾウは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。
アレンはゴンゾウの方を見てコクリとうなずき
「治してやってくれ。」
ゴンゾウは自分に任せろとズイズイと前に来て胸を張った。
魔力も十分回復していないので完全回復は無理だができるだけの回復をしてやろう。
ゴンゾウもアレンと同じ気持ちだった。
不安に杖を握りしめるニア。
ゴンゾウの内側から優しい光があふれた。
光の粒子がウォーウルフに降りかかる。
これは……
そうか私の傷を癒すか……
先ほど流れたこの男の思いは偽りではなかったということだな。
久しく忘れていたこの温かさ……
深く痛々しい傷が消えていく。
憎しみの傷も、悲しみの傷も、全部全部。
じきに立ち上がれるくらいには回復しゆっくりと体を起こすウォーウルフ。
「ひえぇぇぇ!!!起きたわよ!!!どうするのよ?!!」
覚悟を決めたとはいえ いざ動き出すとパニックに陥るニア。
すると3人の頭の中に直接語り掛けてくるような言葉がこだました。
”なぜ私を殺さなかった?”
警戒した声だったが殺意はなくなっていた。
テレパシーみたいなものなのか?
一部の知能あるモンスターが使えると聞いたことがある。
ウォーウルフは殺意こそないが警戒は解いていなかった。
言葉次第ではまたまた殺しあわなくてはいけない。
そこからくる警戒心であった。
しかし……
「わからん。」
アレンはそう言い切った。
予想になかった答えだった。
この言葉に先ほどまでパニックだったニアは自分が慌てている事に馬鹿らしくなりクスクスと笑ってしまった。
彼の良さが大きく出た一言だった。
ゴンゾウは嬉しそうに飛び跳ねている。
その光景を見てやっとこの男を理解できたのかウォーウルフが警戒を解く。
”ふふ、面白い者達だ。”
大きな口で笑みを浮かべる。
アレンは右手をウォーウルフに差し出した。
「なぁ、一緒に行こう。お前の力が欲しい。」
まっすぐ見つめる目。
やれやれとキリっとしていた大きな目もゆるく垂れさがる。
”ここまでされて断ってはお主の立場がないな。”
アレンの力強いその目に恥じぬよう。
そう思い力強く吠え空気を振動させた。
強烈な振動に肌がビリビリと震える。
”よかろう人間!!存分に私の力を使うがよい。”
力強いその声は体の芯に響き渡るようだった。
信じられないという顔で涙ぐむニア。
「とりあえずお前傷だらけだしな。帰ったら治療してやるよ。これからよろしくな。えーと、、、」
頭を掻きながらウォーウルフを見る。
”ディアドラだ。私の名はディアドラ。わが主よ。世話になるぞ。”
「こちらこそ。」
そう言うとアレンはディアドラに魔晶石をかざす。
ディアドラは光の粒子に変化していき バシュ!! と魔晶石に吸い込まれていった。
そしてそのままどさっと腰から砕けるようにへたり込んだ。
「すげぇ迫力。ちびりそうだった。」
ははは、と引きつりながら笑うアレン。
こればかりは納得するニア。
あのウォーウルフを仲間にしてしまったのだ。
「この人……本当に冒険者の歴史を変えてしまうかもしれない……」
ニアは改めて自分が初めに思った、この男は偉大な冒険者になるという感覚は間違っていなかったと確信した。
それはウォーウルフを仲間に入れたことじゃない。
ゴンゾウの力のおかげでもない。
あのウォーウルフに臆することなく戦ったこの男を間近で見たニアだからこそ確信に至ったことだ。
今は腰が抜けて立てなくなっているこの男
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