10 / 58
魔法
しおりを挟む
ドカッと乱暴にベットの横の小さな椅子に腰を掛けたニア。
服は着替えたようでギルドの制服ではなく黒のスカート、黒のシャツ スカートとシャツの裾にはオレンジのラインが入っている。
シャツの真ん中には紐で結んだリボンがありそれもオレンジだ。襟の色だけ白く黒を基調にしているのに清楚感が強く出る。
黒のハイソックスを履いた足でぎゅっとヒザ組し不機嫌な顔でアレンに問いかける。
「で。聞きたいんだけど。それは何?」
ふにょんふにょんと揺れるスライムを指さし一番初めの印象だった冷たい雰囲気で問い詰める。
「まは、ほはひふんひひはほほっはへー(また、怖い雰囲気が戻ったねー)」
ボコボコの顔でまともに話せないアレンは探るように聞き返すが ギロっ とにらみをきかせる。
「ひっ!!!」
あまりの恐怖に顔の前で両手を交差させる。
交差させた両腕の隙間からニアのスカートの中を覗こうとしたがその前にニアが
「ごまかさないで!!あれはどう見てもスライムよ。モンスターよ!!
なぜモンスターが人を襲わないの?」
当たり前の質問に困るアレン。
さすがにこの状態で嘘をついても仕方がない。
アレンはスライムとの出会いをニアに語ることにした。
「はぁ?じゃなに!!死にかけたところを手当てしたらなついたってこと?ありえないわそんなこと!!
モンスターって知ってるでしょ!!人と分かれば見境なく襲ってくるのよ。それはスライムだって同じ。
それがどうして、、、」
ニアが話している最中にスライムはピョンとアレンのベットからニアの太ももに飛び移りフヨフヨとしだす。
「たしかに疑ってもしょうがないのよね。実際に起きているんだから。」
「はひ、ほうふうほほへふか(はい、そういうことです)」
「このスライムが変なのか、あんたが変なのか。どっちにしてもこれは異常事態よ。
モンスターが人の居住区に入っているのよ。」
顔をムニムニと揉んでやっと普通には話せるようになってきたアレン。
「なんでこいつを殺さなかったんだ?野犬を追っ払った後。それどころか家に連れてきてる。」
率直に聞いた。
不思議に思っていたことだ。
先ほどニアが言った通りモンスターは絶対的に人間を襲う。
理由はわからないがそういうことになっている。
だから冒険者も問答無用でモンスターを殺す。
そういうことになっているから。
ニアは優しい目でスライムを見つめる。
「わからないわ。でもこの子、野犬を追い払った後も私を見つけるとあんたを咥えてわたしに渡そうとするの。
自分の方がボロボロなのに必死で。そんなの見せられたら、、ねぇ、、」
「ありがとう。それとこれはさらにわがままかもしれないけど、このまま誰にもこいつの事は話さないでほしい。
結局こいつはモンスターだ。広まればどうなるかわからない。」
真剣な顔で答えるアレンに少しドキッとしたニアは
「な、なによ!!わかってるわよ。私だってもうこの子が普通のモンスターには見えないし、、」
アレンはさっき初めてまともに話したばかりのニアの事を少し誤解していたなと反省する。
そういえばアレンには不思議に思うことがあった。
「なぁニア。ニアが俺を見つけたとき俺は無傷だったって言ったよな?それはニアが回復魔法を使ってくれたってことじゃなくてか?」
「気安く ニア ニア って名前で呼ばないでくれる?確かに同い年だけどそんなに仲良くなったつもりはないわよ。」
ニアも今年から冒険者になれる年齢と言っていた。年齢はアレンと同じだ。
「じゃあなんて言えばいいんだよ。」
「なによ!!めんどくさい。もう!ニアでいいわよニアで!!バカ!」
また顔が赤くなる。
「俺はアレン。バカバカ言うなニア。」
わざとニアと言って、いたずらに笑顔を浮かべるアレンに
「うるさい!!、、、、馬鹿アレン!!」
ふんっとそっぽを向くニア。
この街にきて初めて同年代の子と話ができた。
それだけだけどアレンはうれしい気持ちになっていた。
「で。俺の怪我についてだけど。」
仕切りなおすアレン。
「えぇ、あなた無傷だったわ。服はかなり破れてボロボロだったけど。」
おかしい。記憶はもう戻ってる。あの時、野犬にかなりの傷を負わされているはずだ。
ニアが嘘をついているとは思えない。
「なにかおかしいことでもあるの?」
「あぁ、俺は野犬に襲われて気を失うときには死にかけていたはずなんだ。それは覚えてる。」
「じゃあなに?誰か知らない人が野犬に襲われてるあなたを回復だけしてまた野犬のところに捨ててきたってわけ?」
「それはさすがにないと思うけど。」
考えれば考えるほど可能性は一つしかなくなってくる。
俺は可能性の方に目をやる。
ニアは俺の目の先を見るとスカートを押さえた。
「ちょっと!!どこ見てんのよ!!」
「バカ違う!!スライムだよ。スライム。」
はっといった表情でスライムを見るニア。
気持ちよさそうにニアの太ももでフヨンフヨンしている。
「まさか、、この子が?ありえないわ。スライムに回復手段なんてないはず。」
「俺にもわからない。でもこいつは普通のスライムじゃない。しかもこいつは2度死にかけてる。戦闘経験はほかのスライムと段違いで多い。
普通のスライムじゃないのかも。」
そういうとアレンはスライムに手招きをした。
スライムは嬉しそうにアレンのもとへピョンとはねる。
「見てろよ。おそらく、、、」
アレンはスライムから目を離し、急に下手な芝居をする。
「痛い痛い痛い。さっきニアに殴られたと事が痛いよーこのままじゃ死んじゃうよー」
「ちょっとなにそれ!!もとはといえばあんたが」
「しー」
アレンは口に人差し指を当てて静かにするようにニアに伝える。
スライムはしばらくその演技をフヨフヨと不思議そうに見ていたが痛がるアレンを見てフヨフヨとした動きを止めた。
スライムは体内に緑色の淡い光を宿していく。
「うそ、、こんなの、、」
その光を粒子に変えてアレンに吹きかけた。
「キュイ!!」
みるみるアレンの顔の晴れが引いていく。
そして元のきれいな顔に戻った。
「これヒール、、」
「たまげたな。」
ヒールという魔法はそれほど不思議なものではない。
回復魔法の初歩的なもので覚えている冒険者も多いだろう。
問題はそれをモンスターが使ったということ。それもスライムが。
モンスターとはそもそも気性的に狂暴すぎて回復魔法を使うものは確認されていない。
あったとしても自動修復系のスキルだし そんなモンスターはとんでもない上級モンスターであることは周知の事実。
それをこのスライムはやってのけた。
これはモンスターの概念が変わってしまうような出来事なのだ。
「いったいどうなってるの?こんなの普通じゃない。」
「キュイ!!」
スライムはアレンが元気になったのを確認すると嬉しそうに飛び跳ねた。
「もしかするとこの子、スライムの亜種的な存在なのかも。本当はギルドに報告して調査してもらわないといけないんだけど、、、」
さすがにギルドに相談してしまうと案件がモンスターの話だ。
このスライムがどうなってしまうのかは想像がつく。
悩むニア。
「まぁいいじゃないか。こいつの正体がなんだってこいつがこいつでなくなるわけじゃないわけだし。」
アレンは優しくスライムを見ながらそう伝える。
するとニアはスッと立ち上がり。
「しょうがない。おばあちゃんに相談してみましょ。」
しかたないという顔でそういう。
「いや、ニア。あまりいろんな人にこいつの事知られたくないんだ。君のおばあちゃんが悪い人じゃないってのは信じてるんだけど。」
申し訳なさそうに答えるアレンにニアは
「何言ってるの?あなたを拾ったとき、おばあちゃんも一緒にいたのよ。」
「へっ?」
「ちなみにこの家に一緒に住んでるからもうすぐ帰ってくるわ。」
「あ、そうなの?」
あっけにとられるアレン。
なに言ってるの?という顔で見るニア。
そうしているとガランガランと扉を開ける音がして「帰ったよー」としわがれた声が聞こえてきた。
「あっ ちょうど帰ってきた。今呼んでくるわ。」
「えっ ちょっと。」
アレンの言葉を聞かずにニアはおばあちゃんを呼びに行ってしまった。
ふーっとため息をひとつつき、さっきまでニアが座っていた椅子を見る。
「まったく、、ギルドの受付してる時とは大違いだな。クールでもっと怖い人かと思った。
しかも同い年だし。イメージと全然違う。」
でも今思えば冒険者登録した時もアレンを心配するそぶりは見せていた。
もとからとてもやさしい子なんだろうとアレンは思う。
「でもすごい美人だよな。モテるんだろうなあの子。好きな人とかいるのかな?」
スライムに聞いてみるアレン。
スライムはなにも返事をしなかった。
「んっ?なんだ?どうした?おい?」
返事をしないスライムをゆすってみたりしたが返事はなかった。
するとピョンとアレンの手を抜けて頭の上にベチャンと乗る。
「おっ、お前意外と温かいんだな。」
「キュイ!」
そういって頭に乗ったスライムはベターと形を崩してリラックスし始めた。
すると部屋の向こうの廊下を歩く音が聞こえてきた。
ドタドタと下品な足音としわがれた声が聞こえ始め ガチャ と部屋の扉が開いた。
「なんじゃ小童。目覚めたのか。」
入ってきた老婆とアレンは目が合うなり。
「お、お前は、、占いの婆さん!!!!」
「大変じゃ!!!小童がスライムに食われとる!!!」
そこにいたのは職業診断所でアレンの適性を占ったカレンという婆さんであった。
「まさかおばあちゃんってあんたが、、」
言い終わる前にカレンは杖による一撃をスライムにお見舞いしようとする。
がスライムが華麗に躱したおかげでアレンの頭に大きなたんこぶができたのは言うまでもない。
服は着替えたようでギルドの制服ではなく黒のスカート、黒のシャツ スカートとシャツの裾にはオレンジのラインが入っている。
シャツの真ん中には紐で結んだリボンがありそれもオレンジだ。襟の色だけ白く黒を基調にしているのに清楚感が強く出る。
黒のハイソックスを履いた足でぎゅっとヒザ組し不機嫌な顔でアレンに問いかける。
「で。聞きたいんだけど。それは何?」
ふにょんふにょんと揺れるスライムを指さし一番初めの印象だった冷たい雰囲気で問い詰める。
「まは、ほはひふんひひはほほっはへー(また、怖い雰囲気が戻ったねー)」
ボコボコの顔でまともに話せないアレンは探るように聞き返すが ギロっ とにらみをきかせる。
「ひっ!!!」
あまりの恐怖に顔の前で両手を交差させる。
交差させた両腕の隙間からニアのスカートの中を覗こうとしたがその前にニアが
「ごまかさないで!!あれはどう見てもスライムよ。モンスターよ!!
なぜモンスターが人を襲わないの?」
当たり前の質問に困るアレン。
さすがにこの状態で嘘をついても仕方がない。
アレンはスライムとの出会いをニアに語ることにした。
「はぁ?じゃなに!!死にかけたところを手当てしたらなついたってこと?ありえないわそんなこと!!
モンスターって知ってるでしょ!!人と分かれば見境なく襲ってくるのよ。それはスライムだって同じ。
それがどうして、、、」
ニアが話している最中にスライムはピョンとアレンのベットからニアの太ももに飛び移りフヨフヨとしだす。
「たしかに疑ってもしょうがないのよね。実際に起きているんだから。」
「はひ、ほうふうほほへふか(はい、そういうことです)」
「このスライムが変なのか、あんたが変なのか。どっちにしてもこれは異常事態よ。
モンスターが人の居住区に入っているのよ。」
顔をムニムニと揉んでやっと普通には話せるようになってきたアレン。
「なんでこいつを殺さなかったんだ?野犬を追っ払った後。それどころか家に連れてきてる。」
率直に聞いた。
不思議に思っていたことだ。
先ほどニアが言った通りモンスターは絶対的に人間を襲う。
理由はわからないがそういうことになっている。
だから冒険者も問答無用でモンスターを殺す。
そういうことになっているから。
ニアは優しい目でスライムを見つめる。
「わからないわ。でもこの子、野犬を追い払った後も私を見つけるとあんたを咥えてわたしに渡そうとするの。
自分の方がボロボロなのに必死で。そんなの見せられたら、、ねぇ、、」
「ありがとう。それとこれはさらにわがままかもしれないけど、このまま誰にもこいつの事は話さないでほしい。
結局こいつはモンスターだ。広まればどうなるかわからない。」
真剣な顔で答えるアレンに少しドキッとしたニアは
「な、なによ!!わかってるわよ。私だってもうこの子が普通のモンスターには見えないし、、」
アレンはさっき初めてまともに話したばかりのニアの事を少し誤解していたなと反省する。
そういえばアレンには不思議に思うことがあった。
「なぁニア。ニアが俺を見つけたとき俺は無傷だったって言ったよな?それはニアが回復魔法を使ってくれたってことじゃなくてか?」
「気安く ニア ニア って名前で呼ばないでくれる?確かに同い年だけどそんなに仲良くなったつもりはないわよ。」
ニアも今年から冒険者になれる年齢と言っていた。年齢はアレンと同じだ。
「じゃあなんて言えばいいんだよ。」
「なによ!!めんどくさい。もう!ニアでいいわよニアで!!バカ!」
また顔が赤くなる。
「俺はアレン。バカバカ言うなニア。」
わざとニアと言って、いたずらに笑顔を浮かべるアレンに
「うるさい!!、、、、馬鹿アレン!!」
ふんっとそっぽを向くニア。
この街にきて初めて同年代の子と話ができた。
それだけだけどアレンはうれしい気持ちになっていた。
「で。俺の怪我についてだけど。」
仕切りなおすアレン。
「えぇ、あなた無傷だったわ。服はかなり破れてボロボロだったけど。」
おかしい。記憶はもう戻ってる。あの時、野犬にかなりの傷を負わされているはずだ。
ニアが嘘をついているとは思えない。
「なにかおかしいことでもあるの?」
「あぁ、俺は野犬に襲われて気を失うときには死にかけていたはずなんだ。それは覚えてる。」
「じゃあなに?誰か知らない人が野犬に襲われてるあなたを回復だけしてまた野犬のところに捨ててきたってわけ?」
「それはさすがにないと思うけど。」
考えれば考えるほど可能性は一つしかなくなってくる。
俺は可能性の方に目をやる。
ニアは俺の目の先を見るとスカートを押さえた。
「ちょっと!!どこ見てんのよ!!」
「バカ違う!!スライムだよ。スライム。」
はっといった表情でスライムを見るニア。
気持ちよさそうにニアの太ももでフヨンフヨンしている。
「まさか、、この子が?ありえないわ。スライムに回復手段なんてないはず。」
「俺にもわからない。でもこいつは普通のスライムじゃない。しかもこいつは2度死にかけてる。戦闘経験はほかのスライムと段違いで多い。
普通のスライムじゃないのかも。」
そういうとアレンはスライムに手招きをした。
スライムは嬉しそうにアレンのもとへピョンとはねる。
「見てろよ。おそらく、、、」
アレンはスライムから目を離し、急に下手な芝居をする。
「痛い痛い痛い。さっきニアに殴られたと事が痛いよーこのままじゃ死んじゃうよー」
「ちょっとなにそれ!!もとはといえばあんたが」
「しー」
アレンは口に人差し指を当てて静かにするようにニアに伝える。
スライムはしばらくその演技をフヨフヨと不思議そうに見ていたが痛がるアレンを見てフヨフヨとした動きを止めた。
スライムは体内に緑色の淡い光を宿していく。
「うそ、、こんなの、、」
その光を粒子に変えてアレンに吹きかけた。
「キュイ!!」
みるみるアレンの顔の晴れが引いていく。
そして元のきれいな顔に戻った。
「これヒール、、」
「たまげたな。」
ヒールという魔法はそれほど不思議なものではない。
回復魔法の初歩的なもので覚えている冒険者も多いだろう。
問題はそれをモンスターが使ったということ。それもスライムが。
モンスターとはそもそも気性的に狂暴すぎて回復魔法を使うものは確認されていない。
あったとしても自動修復系のスキルだし そんなモンスターはとんでもない上級モンスターであることは周知の事実。
それをこのスライムはやってのけた。
これはモンスターの概念が変わってしまうような出来事なのだ。
「いったいどうなってるの?こんなの普通じゃない。」
「キュイ!!」
スライムはアレンが元気になったのを確認すると嬉しそうに飛び跳ねた。
「もしかするとこの子、スライムの亜種的な存在なのかも。本当はギルドに報告して調査してもらわないといけないんだけど、、、」
さすがにギルドに相談してしまうと案件がモンスターの話だ。
このスライムがどうなってしまうのかは想像がつく。
悩むニア。
「まぁいいじゃないか。こいつの正体がなんだってこいつがこいつでなくなるわけじゃないわけだし。」
アレンは優しくスライムを見ながらそう伝える。
するとニアはスッと立ち上がり。
「しょうがない。おばあちゃんに相談してみましょ。」
しかたないという顔でそういう。
「いや、ニア。あまりいろんな人にこいつの事知られたくないんだ。君のおばあちゃんが悪い人じゃないってのは信じてるんだけど。」
申し訳なさそうに答えるアレンにニアは
「何言ってるの?あなたを拾ったとき、おばあちゃんも一緒にいたのよ。」
「へっ?」
「ちなみにこの家に一緒に住んでるからもうすぐ帰ってくるわ。」
「あ、そうなの?」
あっけにとられるアレン。
なに言ってるの?という顔で見るニア。
そうしているとガランガランと扉を開ける音がして「帰ったよー」としわがれた声が聞こえてきた。
「あっ ちょうど帰ってきた。今呼んでくるわ。」
「えっ ちょっと。」
アレンの言葉を聞かずにニアはおばあちゃんを呼びに行ってしまった。
ふーっとため息をひとつつき、さっきまでニアが座っていた椅子を見る。
「まったく、、ギルドの受付してる時とは大違いだな。クールでもっと怖い人かと思った。
しかも同い年だし。イメージと全然違う。」
でも今思えば冒険者登録した時もアレンを心配するそぶりは見せていた。
もとからとてもやさしい子なんだろうとアレンは思う。
「でもすごい美人だよな。モテるんだろうなあの子。好きな人とかいるのかな?」
スライムに聞いてみるアレン。
スライムはなにも返事をしなかった。
「んっ?なんだ?どうした?おい?」
返事をしないスライムをゆすってみたりしたが返事はなかった。
するとピョンとアレンの手を抜けて頭の上にベチャンと乗る。
「おっ、お前意外と温かいんだな。」
「キュイ!」
そういって頭に乗ったスライムはベターと形を崩してリラックスし始めた。
すると部屋の向こうの廊下を歩く音が聞こえてきた。
ドタドタと下品な足音としわがれた声が聞こえ始め ガチャ と部屋の扉が開いた。
「なんじゃ小童。目覚めたのか。」
入ってきた老婆とアレンは目が合うなり。
「お、お前は、、占いの婆さん!!!!」
「大変じゃ!!!小童がスライムに食われとる!!!」
そこにいたのは職業診断所でアレンの適性を占ったカレンという婆さんであった。
「まさかおばあちゃんってあんたが、、」
言い終わる前にカレンは杖による一撃をスライムにお見舞いしようとする。
がスライムが華麗に躱したおかげでアレンの頭に大きなたんこぶができたのは言うまでもない。
0
お気に入りに追加
512
あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる