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なんで
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次の日は薬草の仕事がなかったので、もう少し森の奥へ入ったところで取れる不思議キノコの採取に来た。
香りがよく希少なことからなかなか高価で買い取ってくれる。
それにダンジョンから離れた森の奥というのもアレンにとっては好都合であった。
理由はもちろんスライムである。
アレンは魔晶石をかざしてスライムを出した。
相変わらずピョンピョン飛び回りよくなついている。
「さすがにこいつを魔晶石に閉じ込めっぱなしなのもなー。
ほら、遊んで来い。」
スライムはぴょんぴょん飛び跳ね嬉しそうだ。
その姿に笑顔がこぼれる。
さぁ不思議キノコを探さなくては。
アレンは森の中を探索し始めた。
さすがに珍しいと言われてるだけありなかなか見つからない。
1時間必死に探して2つしか見つけられなかった。
「なかなかみつからないなー。俺、【探索】持ってないんだよなー。」
こういった素材捜索系クエストに欠かせないスキルとなっている【探索】。
【探索】があればレベルが低くても大体の場所を知ることができる。
ただ素材レベルが高いと反応しなくなるので日々の鍛錬は必要になってくるのだが。
【探索】のないアレンは苦戦していた。
もっともこの辺りまで来るとダンジョンが遠いせいもあり野生生物が住み着いてしまっている。
不思議キノコはここではそんな野生生物の餌になってしまうゆえになかなか見つけられず希少価値が高くなってしまっている面もある。
2時間探したが見つけれたのは初めの2つだった。
現実の厳しさを感じる。
落ち込み一度休憩しようと適当な木を探し寄りかかった。
そこでふと気づいたが、そういえばスライムが見当たらない。
すっかり忘れていた。
後ろでピョンピョンしているものだと思っていたのだが。
探しに行こうと考えたがその考えを思いとどまる。
「あいつが元の野生に戻ってくれるならそれもいいか。」
この先あのスライムが人を傷つけない可能性がないとは言い切れない。
そう考えるとやはり人間とモンスターが同じ場所で生活するのは無理があると思った。
だがあいつはそんなことしないスライムなのではないかとも思った。
なぜだかわからないが。
そんな矢先、アレンは何かに囲まれてることに気づいた。
「グルルルル。」
茂みの中から光る眼がいくつも。
「ちっ、野犬か!!」
ここはダンジョンから遠い。
もちろんこういった肉食の生き物も存在する。
しかし囲まれるまで気づかない。
自分自身の途方もない冒険者適性のなさに嫌気がさした。
野犬程度ならなんとかできるかもしれない。
そう思い足元に落ちていた木の枝を手に持つ。
草むらから鋭い眼光がアレンを睨む。
グルルルルという威嚇を交え野犬が数匹茂みから出てきた。
1、2、3,4、5 5匹!!
いくら何でも多すぎる。
しかもこの野犬、狩りなれている。
アレンが戦う覚悟を決めている間にすでに周りを囲み逃げ出せないようにしていた。
「戦うしかないのか、、、」
決まらない覚悟の中、木の枝を強く握る。
その姿を見て野犬はついにアレンに襲い掛かり始めた。
まず1匹が牽制でアレンの周りで絶妙な位置取りで吠え始める。
こちらからの攻撃は届かないが気を抜いて違う野犬に集中すればすぐにこいつは襲い掛かってくるだろう。
残りの4匹は2匹づつのグループになりアレンの左右にポジションを置く。
右の2匹がアレンのスキを見て襲い掛かってきた。
2匹が交差するように網目の進路を取りアレンに標的を定めさせない。
1匹の攻撃を横っ飛びで回避した。
体制を崩すアレン。すかさずもう一匹が噛みつきにくる。
その鋭い牙を木の枝で防ぐ。
ガギガガガギギ
野犬の強力なあごに木の枝が噛み切られるのも時間の問題だろう。
しかしそれを待たず左側で待機していた2匹の別グループがもみ合いになっているアレンに襲い掛かる。
アレンは枝に噛みついている野犬ごと枝を持ちあげ向かってくる2匹に投げつけた。
しかし力のないアレンの投力では向かってくる野犬に当てられるはずもなく軽くかわされ、投げた野犬ですらしっかり受け身を取られダメージを与えられなかった。
そんな中、野犬を投げたせいで体制を崩しているアレンに1匹が十分に加速した重い体当たりの一撃を横腹に与える。
バキバキバキ
まともに食らったアレンは木が折れるような鈍い音を出しながら数メートルの距離を何度か地面にあたり跳ねながら吹き飛ばされた。
あまりの衝撃に目がチカチカし焦りのあまりどこに敵がいるのか見失っていた。
敵を探そうと起き上がったときアレンはものすごい吐き気と激痛に襲われその場で嘔吐してしまう。
わき腹が痛む。体当たりを受けた横腹が腫れあがっていくのがわかる。
少し動くだけでも先ほどの吐き気がでた。
先ほどの木が折れるような音、おそらく肋骨が折れている。しかも1本ではない。
こちらはまともに動けないのに野犬たちはほぼ無傷で5匹。
絶体絶命の中、アレンは野犬も倒せないなんて何が冒険者だ。と自分で自分を笑う。
そういえば料理包丁カバンにしまいっぱなしだ。
こういう時使わないでどうするんだよ。
野犬は慎重だ。
手負いで逃げれなくなったアレンを無理に襲うことはない。
ゆっくり体力を奪っていくだろう。
ここは街からもダンジョンからも離れた場所、助けは期待できない。
体を引きづり近くの木の根元に腰かけた。
もう立っているのも限界だ。
「はは、ここまでか、、おまえら、、せめて生きてるまま食べないでくれよ。
ちゃんと殺してから食べてくれ。」
力なく気にもたれかかるアレンの
そんな言葉は野犬たちには届かない。
ついに5匹の野犬がアレンに飛びついた。
各々がアレンの肉にかぶりつく。
いてぇ!!マジで生きたまま!!
恐怖で顔は泣きじゃくっているがすでに痛みで指一本動かせない。
俺このまま食われちまうのか。
何だったんだ俺の人生。
アレンは痛みに歯を食いしばりながら目を閉じた。
まともな冒険者にもなれず、だからといって諦められないから今の自分でもできることを一生懸命しようと思えた矢先の出来事。
こればかりは運がなかったとしか言えないのかもしれない。
悲運といえば悲運だが冒険者とはこういうものだ。
血に濡れ暖かくなっていく体の体温を感じ最後の時を待った。
だがそんなとき何かの音が聞こえてきた。
ピキュキュピ!!!!
この音、、この声、、、
キュピキュピ!!!
まさか、、、
目を開けるとアレンに群がっていた野犬はスライムを取り囲んでいた。
まさかこのタイミングで戻ってきたのか
「ばか、、、にげ、、ろ、、」
声を振り絞るがスライムには届かない。
先ほどと同じフォーメーションで野犬がスライムに襲い掛かる。
だめだ!!アレンが目を伏せたとき
キャインキャイーーーン。
スライムが発したとは思えない鳴き声。
目を開けてみると
飛び掛かった野犬の1匹の口が裂けあごが外れて口周りが血まみれになっている。
なにがあったんだ?!
するとまた1匹スライムに噛みついた。
強力なあごでかまれたらスライムといえどただでは済まない。
だが噛みついた野犬が暴れだす。どうやら噛みついたはいいが口がスライムから外れないらしい。そして、野犬の口が”バァン!!!”と破裂した。
何が起こったんだ?
アレンは薄れる意識で起きている現状を注視する。
今度は2匹同時に左右からスライムに噛みついた。
するとまた同じで野犬の口が”バァン!!!と破裂する。
それを見てアレンはようやくスライムが何をしていたのか気づいた。
「そうか、、噛まれたときにその部分だけ膨張させてるんだ。」
素早さの早い複数の野犬相手だとさすがにスライムでも後手に回る。
ましてや連携の取れた野犬たちだ。
そこでスライムは自分から攻撃するのではなく相手が攻撃を加えたまさにその瞬間
口にくわえている部分だけ極度に膨張させて野犬の口を中から破裂させたというわけだ。
まさにスライムならではの戦い方。
残り1匹になった野犬。
じりじり下がり逃げようとするがもはや1匹ではスライムに勝てるわけもなく
さらっと回り込まれ自分の体を圧縮して鉛のように固くなった渾身の体当たりをお見舞いされる。
ぐげぇえええ
強烈な一撃に犬とは思えない声を出しドサッと横に倒れ絶命した。
とうのスライムはかまれてはいたもののケロッとしている。
スライムってこんなにも強いのか、、、
そう思ったのもつかの間、
「ぐるるるるる」
複数の方向から野犬の威嚇する鳴き声が聞こえる。
さっきよりももっと多い。
仲間を呼んでいたのか。
アレンはまだまだ増える野犬の声にもはや自分の命はあきらめていた。
この傷ではもはや助からない。
「逃げろ、、お前はモンスターだ、、、スライムだ、、、俺のことはほっとけ、、、早く逃げろ!!!」
最後の強い口調にビクッとしたスライムだが、「ピキュピキュ!!!」とアレンに背を向け野犬との間に割って入った。
「なんで、、はやく、、にげ、、ろよ、、、」
アレンはスライムが何匹もの野犬に噛みつかれながらそれらを引きづってほかの野犬を体当たりで吹き飛ばしている姿を見ながら意識を失った。
この街で初めてできた友達、その身を案じながら、、、
香りがよく希少なことからなかなか高価で買い取ってくれる。
それにダンジョンから離れた森の奥というのもアレンにとっては好都合であった。
理由はもちろんスライムである。
アレンは魔晶石をかざしてスライムを出した。
相変わらずピョンピョン飛び回りよくなついている。
「さすがにこいつを魔晶石に閉じ込めっぱなしなのもなー。
ほら、遊んで来い。」
スライムはぴょんぴょん飛び跳ね嬉しそうだ。
その姿に笑顔がこぼれる。
さぁ不思議キノコを探さなくては。
アレンは森の中を探索し始めた。
さすがに珍しいと言われてるだけありなかなか見つからない。
1時間必死に探して2つしか見つけられなかった。
「なかなかみつからないなー。俺、【探索】持ってないんだよなー。」
こういった素材捜索系クエストに欠かせないスキルとなっている【探索】。
【探索】があればレベルが低くても大体の場所を知ることができる。
ただ素材レベルが高いと反応しなくなるので日々の鍛錬は必要になってくるのだが。
【探索】のないアレンは苦戦していた。
もっともこの辺りまで来るとダンジョンが遠いせいもあり野生生物が住み着いてしまっている。
不思議キノコはここではそんな野生生物の餌になってしまうゆえになかなか見つけられず希少価値が高くなってしまっている面もある。
2時間探したが見つけれたのは初めの2つだった。
現実の厳しさを感じる。
落ち込み一度休憩しようと適当な木を探し寄りかかった。
そこでふと気づいたが、そういえばスライムが見当たらない。
すっかり忘れていた。
後ろでピョンピョンしているものだと思っていたのだが。
探しに行こうと考えたがその考えを思いとどまる。
「あいつが元の野生に戻ってくれるならそれもいいか。」
この先あのスライムが人を傷つけない可能性がないとは言い切れない。
そう考えるとやはり人間とモンスターが同じ場所で生活するのは無理があると思った。
だがあいつはそんなことしないスライムなのではないかとも思った。
なぜだかわからないが。
そんな矢先、アレンは何かに囲まれてることに気づいた。
「グルルルル。」
茂みの中から光る眼がいくつも。
「ちっ、野犬か!!」
ここはダンジョンから遠い。
もちろんこういった肉食の生き物も存在する。
しかし囲まれるまで気づかない。
自分自身の途方もない冒険者適性のなさに嫌気がさした。
野犬程度ならなんとかできるかもしれない。
そう思い足元に落ちていた木の枝を手に持つ。
草むらから鋭い眼光がアレンを睨む。
グルルルルという威嚇を交え野犬が数匹茂みから出てきた。
1、2、3,4、5 5匹!!
いくら何でも多すぎる。
しかもこの野犬、狩りなれている。
アレンが戦う覚悟を決めている間にすでに周りを囲み逃げ出せないようにしていた。
「戦うしかないのか、、、」
決まらない覚悟の中、木の枝を強く握る。
その姿を見て野犬はついにアレンに襲い掛かり始めた。
まず1匹が牽制でアレンの周りで絶妙な位置取りで吠え始める。
こちらからの攻撃は届かないが気を抜いて違う野犬に集中すればすぐにこいつは襲い掛かってくるだろう。
残りの4匹は2匹づつのグループになりアレンの左右にポジションを置く。
右の2匹がアレンのスキを見て襲い掛かってきた。
2匹が交差するように網目の進路を取りアレンに標的を定めさせない。
1匹の攻撃を横っ飛びで回避した。
体制を崩すアレン。すかさずもう一匹が噛みつきにくる。
その鋭い牙を木の枝で防ぐ。
ガギガガガギギ
野犬の強力なあごに木の枝が噛み切られるのも時間の問題だろう。
しかしそれを待たず左側で待機していた2匹の別グループがもみ合いになっているアレンに襲い掛かる。
アレンは枝に噛みついている野犬ごと枝を持ちあげ向かってくる2匹に投げつけた。
しかし力のないアレンの投力では向かってくる野犬に当てられるはずもなく軽くかわされ、投げた野犬ですらしっかり受け身を取られダメージを与えられなかった。
そんな中、野犬を投げたせいで体制を崩しているアレンに1匹が十分に加速した重い体当たりの一撃を横腹に与える。
バキバキバキ
まともに食らったアレンは木が折れるような鈍い音を出しながら数メートルの距離を何度か地面にあたり跳ねながら吹き飛ばされた。
あまりの衝撃に目がチカチカし焦りのあまりどこに敵がいるのか見失っていた。
敵を探そうと起き上がったときアレンはものすごい吐き気と激痛に襲われその場で嘔吐してしまう。
わき腹が痛む。体当たりを受けた横腹が腫れあがっていくのがわかる。
少し動くだけでも先ほどの吐き気がでた。
先ほどの木が折れるような音、おそらく肋骨が折れている。しかも1本ではない。
こちらはまともに動けないのに野犬たちはほぼ無傷で5匹。
絶体絶命の中、アレンは野犬も倒せないなんて何が冒険者だ。と自分で自分を笑う。
そういえば料理包丁カバンにしまいっぱなしだ。
こういう時使わないでどうするんだよ。
野犬は慎重だ。
手負いで逃げれなくなったアレンを無理に襲うことはない。
ゆっくり体力を奪っていくだろう。
ここは街からもダンジョンからも離れた場所、助けは期待できない。
体を引きづり近くの木の根元に腰かけた。
もう立っているのも限界だ。
「はは、ここまでか、、おまえら、、せめて生きてるまま食べないでくれよ。
ちゃんと殺してから食べてくれ。」
力なく気にもたれかかるアレンの
そんな言葉は野犬たちには届かない。
ついに5匹の野犬がアレンに飛びついた。
各々がアレンの肉にかぶりつく。
いてぇ!!マジで生きたまま!!
恐怖で顔は泣きじゃくっているがすでに痛みで指一本動かせない。
俺このまま食われちまうのか。
何だったんだ俺の人生。
アレンは痛みに歯を食いしばりながら目を閉じた。
まともな冒険者にもなれず、だからといって諦められないから今の自分でもできることを一生懸命しようと思えた矢先の出来事。
こればかりは運がなかったとしか言えないのかもしれない。
悲運といえば悲運だが冒険者とはこういうものだ。
血に濡れ暖かくなっていく体の体温を感じ最後の時を待った。
だがそんなとき何かの音が聞こえてきた。
ピキュキュピ!!!!
この音、、この声、、、
キュピキュピ!!!
まさか、、、
目を開けるとアレンに群がっていた野犬はスライムを取り囲んでいた。
まさかこのタイミングで戻ってきたのか
「ばか、、、にげ、、ろ、、」
声を振り絞るがスライムには届かない。
先ほどと同じフォーメーションで野犬がスライムに襲い掛かる。
だめだ!!アレンが目を伏せたとき
キャインキャイーーーン。
スライムが発したとは思えない鳴き声。
目を開けてみると
飛び掛かった野犬の1匹の口が裂けあごが外れて口周りが血まみれになっている。
なにがあったんだ?!
するとまた1匹スライムに噛みついた。
強力なあごでかまれたらスライムといえどただでは済まない。
だが噛みついた野犬が暴れだす。どうやら噛みついたはいいが口がスライムから外れないらしい。そして、野犬の口が”バァン!!!”と破裂した。
何が起こったんだ?
アレンは薄れる意識で起きている現状を注視する。
今度は2匹同時に左右からスライムに噛みついた。
するとまた同じで野犬の口が”バァン!!!と破裂する。
それを見てアレンはようやくスライムが何をしていたのか気づいた。
「そうか、、噛まれたときにその部分だけ膨張させてるんだ。」
素早さの早い複数の野犬相手だとさすがにスライムでも後手に回る。
ましてや連携の取れた野犬たちだ。
そこでスライムは自分から攻撃するのではなく相手が攻撃を加えたまさにその瞬間
口にくわえている部分だけ極度に膨張させて野犬の口を中から破裂させたというわけだ。
まさにスライムならではの戦い方。
残り1匹になった野犬。
じりじり下がり逃げようとするがもはや1匹ではスライムに勝てるわけもなく
さらっと回り込まれ自分の体を圧縮して鉛のように固くなった渾身の体当たりをお見舞いされる。
ぐげぇえええ
強烈な一撃に犬とは思えない声を出しドサッと横に倒れ絶命した。
とうのスライムはかまれてはいたもののケロッとしている。
スライムってこんなにも強いのか、、、
そう思ったのもつかの間、
「ぐるるるるる」
複数の方向から野犬の威嚇する鳴き声が聞こえる。
さっきよりももっと多い。
仲間を呼んでいたのか。
アレンはまだまだ増える野犬の声にもはや自分の命はあきらめていた。
この傷ではもはや助からない。
「逃げろ、、お前はモンスターだ、、、スライムだ、、、俺のことはほっとけ、、、早く逃げろ!!!」
最後の強い口調にビクッとしたスライムだが、「ピキュピキュ!!!」とアレンに背を向け野犬との間に割って入った。
「なんで、、はやく、、にげ、、ろよ、、、」
アレンはスライムが何匹もの野犬に噛みつかれながらそれらを引きづってほかの野犬を体当たりで吹き飛ばしている姿を見ながら意識を失った。
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