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71話

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スパンッ!と振り上げた鞭がドラゴンの首を斬りつけ切り落とした。

首の無くなったドラゴンの巨体がぐらりと倒れて私は無事に討伐完了出来た・・・。

「あ、首・・・あった。良かった、前回は遠くに飛ばしちゃったから探すの大変だったのよね」

ドラゴンの体の近くに運良くドラゴンの首が落ちていた。私はとりあえずドラゴンの首を持ってお兄様の元へ戻った。

「お兄様お怪我は大丈夫ですか?」

「ああ、リリー大丈夫。歩ける程度まで回復したからもう安心だ。それよりもリリーは怪我して無いかい?」

服はボロボロだけどお兄様は無事だった。あのドラゴン、前に倒した奴よりは小さかったから良かったけど前回くらい大きかったらお兄様、死んでたんじゃ無いかしら?

「私は無傷ですわ。全く、お兄様は無茶しないで下さい!どうせお母様に何か言われたのかも知れませんが気にしては駄目ですわ!」

「うっ、その通りなんだが妹より弱い兄って言われるのも気にしていてな・・・つい、無茶をしてしまったんだ」

私がきつく言うとお兄様がバツの悪そうな顔をした。お兄様にそんなことを言った人は後でお仕置きですわね・・・。

「お兄様に妹より弱いと言った方を後で教えて下さい。私がお仕置きして来ますわ!」

「い、いや、大丈夫だっ!リリーは大人しくしていてくれ。うん、そうだ!僕はこのまま下山して待機場所まで戻るよ。リリーはどうするんだい?」

お兄様が下山するなら心配事は無くなるわね。私は辺りを見渡しディアス様の鳥を探した。

「・・・んー、いましたわ。お兄様が下山するのでしたら私もディアス様の元に戻りますわ。私はディアス様に転移させてもらいますのでお兄様はお気をつけて下山して下さいね?」

「ああ、分かった」

私はお兄様と別れ、岩の上に止まっている鳥の近くに行きディアス様に合図をした。

「ディアス様、終わったので転移をお願いしますわ」

『お疲れさま。今、転移させるからそのまま動かないでくれ』

鳥からディアス様の声が聞こえて私の肩に鳥が止まった。鳥を起点に魔法陣が展開され、眩しくなった。



「お帰り、ドラゴンは二回目だから倒すの楽だった?」

目を開けたらディアス様の膝の上に座っていた。直接ここに転移させたのね・・・。

「ディアス様、ただいま戻りました。二回目でも大変でしたわよ?あ、ドラゴンの首だけ持って来た気がしたのですが・・・」

持っていた首が消えた?

「アレならそこの台に置いておいた。胴体は後で回収しておこう」

「あ、そこに置いたのですか。ええ、回収お願いしますわ」

ドラゴンの首は私が開始の挨拶をした台の上にポツンと置いてあった。

「ディアス様、終了まで後何時間ですか?」

「あと、四時間くらいだな。皆、かなり狩り尽くしているから暫く討伐しなくても済みそうだぞ?」

ディアス様がモニターを観ながら教えてくれた。私もモニターを観て見ると・・・ああ、モンスターがほとんどいなくなっているわ。

「これは・・・想像以上ですわね。キャンベル領が拡大出来そうですわ」

「そうだな。それに森の辺りは資源が豊富そうだからキャンベル領が潤うだろうな」

私達は森の今後について話した。後でお父様に報告して活用していただきましょう。



さぁ、イベントも終わり優勝者の発表です!

「皆さま、お疲れさまでした。これより優勝者の発表をします。今回、最も多くモンスターを狩った方は・・・キャンベル領から参加のカルロス・カレンペアで十万二千匹討伐です!!」

まさかの二人で私は驚いてます・・・。このペア、効率良く巣を叩いて数を稼ぎ徹夜で討伐しまくっていたのだ。

「「「ウオォーーッ!!」」」

大きな歓声を受け二人が手を振っていた。

「優勝者の二人はこちらにどうぞ・・・今の気持ちはどうですか?」

私は二人を壇上に呼び今の気持ちを聞いた。

「はい、カレン様に誘われて参加したのですがとても楽しかったです。まさか優勝出来るとは思いませんでしたが参加して良かったです!」

カルロス様は興奮して参加して良かったと言った。そうか、カレン様が誘ったのね・・・。

「私も日頃の鬱憤を晴らす良い機会だったので、とても楽しくモンスターを叩きのめせて満足ですわ。次が有ったらまた参加したいと思いますわ」

カレン様、とても清々しい笑顔ですわね。よほど鬱憤が溜まっていたのかしら?

「ありがとうございます。では、これにて今回のイベントは終了いたします!皆様お疲れ様でした!!」

こうして第一回オルレウス国とキャンベル領合同イベントが終了した。
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