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弟は羞恥心を知らない
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足早に外で待つ弟の元へ行く。ガサガサと音がする黒のビニール袋を引っ提げて私は自動ドアを出た。
キョロリと弟を探すと、店の端に置いてあるベンチに座り、ケータイをいじっていた。まったく呑気な奴め・・・。
「お待たせ。買ってきたから帰るよ」
「あ、姉ちゃん遅かったね。待ちくたびれたからそこの自販機でジュース二本も買って飲んじゃったよー」
弟が空き缶を二本持ち、待ちくたびれたとアピールした。そんなに時間は経ってない筈だけど・・・喉渇いていたのかな?
「えー、コレ買って来てあげたのにそんな事言うんだ?良いのかな~コレ渡さないよ~?」
ガサリとクロのビニール袋を揺らして弟の目の前にぶら下げた。弟が袋と私を見て目を輝かせた。
「流石、姉ちゃん!姉ちゃん大好き!ありがとう、姉ちゃん!」
「グハッ!?」
なんて奴だ!?スラスラと姉を瀕死にさせるワードを言うなんて・・・恐ろしい子だ!?
アレが純粋に言うのだから、ついつい甘やかしてしまうのはしょうがないと思う。私は目の前でワクワクしている弟に袋を渡した。
「ほら、袋の中身は出しちゃ駄目だからね?せめて車の中で見て・・・って、言ったそばから出すな!この馬鹿タレが!?」
スパーンッ!
「いってぇ!?姉ちゃんごめんって~ほら、ついつい戦利品の確認しちゃうの分かるだろ?」
私が弟の頭を引っ叩くと弟がよほど痛かったのか涙目で同意を求めて来た。
「分からなくも無いけど買ったものがアダルト過ぎだから、それは袋から出しちゃ駄目です!」
「ブー・・・じゃぁ、早く車に行こう!」
言うが早いが弟は私の手を取り車まで引っ張って行った。
「ちょ、ちょっと待って歩けるから!引っ張るなー!!」
ただでさえ歩幅が違うのにズルズルと引っ張られて私は早足気味について行くしかなかった。
ガチャッ・・・バタン!
「よし、車に乗ったし買った物見て良いよね!?」
私が良いと言う前からガサガサと袋から買った物を出し始めた。
「はぁ、箱とか見ても面白く無いんじゃ無い?家に帰ってから見ればいいのに・・・」
私はため息を一つ吐き、車のエンジンをかけて発進した。
「アレ?姉ちゃん、俺が渡した物以外が入ってるけど・・・これってコンドーム?」
エロゲーの箱を眺め終わったのか、袋に戻そうとして気づいたらしい。
「ああ、それね。実はさっきの店の店長がまさかの同級生だったの、それで事情を話したらソレをくれたんだよ。試供品だから余ってたんだって~」
私は運転中だったので横目でチラリと弟を見た。
「ふーん、俺・・・ゴムの付け方、授業で習ったっきりだから忘れちゃった。姉ちゃんコレどうやって着けるの?」
「は・・・?」
馬鹿なの?姉に何でも聞くなよ!?いや、知ってるけどね?そんなエロ漫画展開期待してねぇ・・・。
「だから教えてよー、ジェスチャーで!」
「馬鹿言ってないでケータイで調べろ弟よ。姉ちゃんをからかい過ぎると漏れなくお母さんにそのエロゲーと前から隠し持ってたアダルト系の存在をチクるよ?」
「うげっ!?分かったってば、ちゃんと自分で調べるよ・・・てか、俺に彼女はいないからゴム使わないんだよね」
頬を膨らませてブスくれてる弟がボソリと言った。
「そのゴムの使い道なんだけど・・・同級生が言うにはオナニーする時に着けると事後処理が楽らしいよ?」
「事後処理・・・?ああ、なるほどね。分かった!今度使ってみる」
「あ、うん」
弟は想像がついたのか納得顔をしていた。私にはアレが付いてないからよく分からないけど、色々大変なんだろうな。
そんな話しをしているうちに実家に着いた。私は弟を降したら直ぐ帰る予定だったから、駐車場に停めて弟を降した。
「はい、到着!私は帰るからソレ、見つからないように隠しておきなよ?」
「はーい。姉ちゃん今日はありがと!楽しかったからまた連れてってよ?」
ガチャリと車のドアを開けながら弟が言って出た。顔を見ると本当に楽しかったのか邪気の無い笑顔で言っていた。
「えー!?今度は18歳になってから一人で行きなよ。姉ちゃん的には弟と一緒は恥ずかったから・・・」
「でも俺、姉ちゃんと一緒じゃなきゃああいう店に入り難い・・・から、一緒にまた行こう?姉ちゃん駄目?」
私が拒否したら弟が小型犬の様な眼差しで見てきた。何てこった、私がその目に弱いのを知っててやってやがるな弟よ。
「はぁ、しょうがないから一緒に行ってあげるけど、次は卒業するまで行かないからね!それ以降なら良いよ」
「やった!姉ちゃんありがと、やっぱり姉ちゃんは優しいなぁ。卒業式後の楽しみ出来たぜ!」
その表情の切り替えがすげーな!姉ちゃんビックリよ・・・。小型犬から一気に大型犬みたいな笑顔になり凄いと思った。
「ほら、早く家に入りな?お母さんは今出かけてるみたいだし今の内に隠しときなよ?」
「うん。姉ちゃん今日はありがと!じゃあ、またね~」
ガチャ、バタン。
弟は手をひらりと振り、鍵を開けて家に入って行った。
「はぁ、卒業した後も弟に姉に対して羞恥心が無かったら何で教えたら良いんだろう・・・」
私はとりあえず車を走らせ、自分の家に帰った。弟の羞恥心・・・まぁ、その内身につくかな?
次は卒業後か・・・姉ちゃん、頑張るよ!!
キョロリと弟を探すと、店の端に置いてあるベンチに座り、ケータイをいじっていた。まったく呑気な奴め・・・。
「お待たせ。買ってきたから帰るよ」
「あ、姉ちゃん遅かったね。待ちくたびれたからそこの自販機でジュース二本も買って飲んじゃったよー」
弟が空き缶を二本持ち、待ちくたびれたとアピールした。そんなに時間は経ってない筈だけど・・・喉渇いていたのかな?
「えー、コレ買って来てあげたのにそんな事言うんだ?良いのかな~コレ渡さないよ~?」
ガサリとクロのビニール袋を揺らして弟の目の前にぶら下げた。弟が袋と私を見て目を輝かせた。
「流石、姉ちゃん!姉ちゃん大好き!ありがとう、姉ちゃん!」
「グハッ!?」
なんて奴だ!?スラスラと姉を瀕死にさせるワードを言うなんて・・・恐ろしい子だ!?
アレが純粋に言うのだから、ついつい甘やかしてしまうのはしょうがないと思う。私は目の前でワクワクしている弟に袋を渡した。
「ほら、袋の中身は出しちゃ駄目だからね?せめて車の中で見て・・・って、言ったそばから出すな!この馬鹿タレが!?」
スパーンッ!
「いってぇ!?姉ちゃんごめんって~ほら、ついつい戦利品の確認しちゃうの分かるだろ?」
私が弟の頭を引っ叩くと弟がよほど痛かったのか涙目で同意を求めて来た。
「分からなくも無いけど買ったものがアダルト過ぎだから、それは袋から出しちゃ駄目です!」
「ブー・・・じゃぁ、早く車に行こう!」
言うが早いが弟は私の手を取り車まで引っ張って行った。
「ちょ、ちょっと待って歩けるから!引っ張るなー!!」
ただでさえ歩幅が違うのにズルズルと引っ張られて私は早足気味について行くしかなかった。
ガチャッ・・・バタン!
「よし、車に乗ったし買った物見て良いよね!?」
私が良いと言う前からガサガサと袋から買った物を出し始めた。
「はぁ、箱とか見ても面白く無いんじゃ無い?家に帰ってから見ればいいのに・・・」
私はため息を一つ吐き、車のエンジンをかけて発進した。
「アレ?姉ちゃん、俺が渡した物以外が入ってるけど・・・これってコンドーム?」
エロゲーの箱を眺め終わったのか、袋に戻そうとして気づいたらしい。
「ああ、それね。実はさっきの店の店長がまさかの同級生だったの、それで事情を話したらソレをくれたんだよ。試供品だから余ってたんだって~」
私は運転中だったので横目でチラリと弟を見た。
「ふーん、俺・・・ゴムの付け方、授業で習ったっきりだから忘れちゃった。姉ちゃんコレどうやって着けるの?」
「は・・・?」
馬鹿なの?姉に何でも聞くなよ!?いや、知ってるけどね?そんなエロ漫画展開期待してねぇ・・・。
「だから教えてよー、ジェスチャーで!」
「馬鹿言ってないでケータイで調べろ弟よ。姉ちゃんをからかい過ぎると漏れなくお母さんにそのエロゲーと前から隠し持ってたアダルト系の存在をチクるよ?」
「うげっ!?分かったってば、ちゃんと自分で調べるよ・・・てか、俺に彼女はいないからゴム使わないんだよね」
頬を膨らませてブスくれてる弟がボソリと言った。
「そのゴムの使い道なんだけど・・・同級生が言うにはオナニーする時に着けると事後処理が楽らしいよ?」
「事後処理・・・?ああ、なるほどね。分かった!今度使ってみる」
「あ、うん」
弟は想像がついたのか納得顔をしていた。私にはアレが付いてないからよく分からないけど、色々大変なんだろうな。
そんな話しをしているうちに実家に着いた。私は弟を降したら直ぐ帰る予定だったから、駐車場に停めて弟を降した。
「はい、到着!私は帰るからソレ、見つからないように隠しておきなよ?」
「はーい。姉ちゃん今日はありがと!楽しかったからまた連れてってよ?」
ガチャリと車のドアを開けながら弟が言って出た。顔を見ると本当に楽しかったのか邪気の無い笑顔で言っていた。
「えー!?今度は18歳になってから一人で行きなよ。姉ちゃん的には弟と一緒は恥ずかったから・・・」
「でも俺、姉ちゃんと一緒じゃなきゃああいう店に入り難い・・・から、一緒にまた行こう?姉ちゃん駄目?」
私が拒否したら弟が小型犬の様な眼差しで見てきた。何てこった、私がその目に弱いのを知っててやってやがるな弟よ。
「はぁ、しょうがないから一緒に行ってあげるけど、次は卒業するまで行かないからね!それ以降なら良いよ」
「やった!姉ちゃんありがと、やっぱり姉ちゃんは優しいなぁ。卒業式後の楽しみ出来たぜ!」
その表情の切り替えがすげーな!姉ちゃんビックリよ・・・。小型犬から一気に大型犬みたいな笑顔になり凄いと思った。
「ほら、早く家に入りな?お母さんは今出かけてるみたいだし今の内に隠しときなよ?」
「うん。姉ちゃん今日はありがと!じゃあ、またね~」
ガチャ、バタン。
弟は手をひらりと振り、鍵を開けて家に入って行った。
「はぁ、卒業した後も弟に姉に対して羞恥心が無かったら何で教えたら良いんだろう・・・」
私はとりあえず車を走らせ、自分の家に帰った。弟の羞恥心・・・まぁ、その内身につくかな?
次は卒業後か・・・姉ちゃん、頑張るよ!!
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退会済ユーザのコメントです
初感想ありがとうございます!
そうなんですよ!人妻にしちゃったから分岐出来ないんですがIFルートは脳内で展開してたんです(>_<)
弟ネタはまた仕入れたら書きたいと思っているので書いたらアップする予定です。