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そうして翌日を迎えた今、目の前には御用になってる上位天使二名。どちらも見覚えはあるけど、片方はもっと昔にも何度か見たことがあって、心配そうに見てくるアーオンさんやザレブさんへ申し訳ないほどに、体の震えが止まらない。
「っは、どうせ内心じゃこいつの部下で不満持ってんだろ! 特にザレブ! テメェは次の管理人候補だったからな、さぞ悔しいだろうさ‼︎」
「ふざけてないで黙りなよ。僕は自分の意思で彼女についたんだ、勝手に僕の感情を作らないでもらえる?」
「どうだかな、心の中じゃ何考えてるか、」
「黙りなよって言ったの、聞こえなかった?」
その人はザレブさんに槍を突きつけられ、ようやく大人しくなった。けれどもう一人の方がさっきから俯きがちで何も言わない。
反省でもしているのなら良いけど……嫌な予感がする。
「ルネ、地界への引き渡しはいつ頃?」
「……そろそろかと。向こうが迎えに来ますので、私達はその間、この方達が逃げ出さないか見張りをします」
「了解」
このまま無事に終われば良いんだけど……。
そんなささやかな思いは、すぐに打ち砕かれた。
「おやおや。一体これはなんの騒ぎですかな?」
「……一体、何のご用ですか? 上位天使長」
貴方が何故ここにいる。暗に言うと、にっこりと擬音がつきそうな笑みで。
「彼等がやったことは至極当然のこと。裁かれる必要などありません。地界の者には私がきちんとお話しますので、二人を離しなさい」
ザレブさんとアーオンさんが驚くのは、相手が天使長だからか発言か。それとも両方か。
まぁ、私は彼がここに来ることを予想してはいた。それも最悪のシナリオとして。当たってしまったとは、全く嫌なことね。
「っは、どうせ内心じゃこいつの部下で不満持ってんだろ! 特にザレブ! テメェは次の管理人候補だったからな、さぞ悔しいだろうさ‼︎」
「ふざけてないで黙りなよ。僕は自分の意思で彼女についたんだ、勝手に僕の感情を作らないでもらえる?」
「どうだかな、心の中じゃ何考えてるか、」
「黙りなよって言ったの、聞こえなかった?」
その人はザレブさんに槍を突きつけられ、ようやく大人しくなった。けれどもう一人の方がさっきから俯きがちで何も言わない。
反省でもしているのなら良いけど……嫌な予感がする。
「ルネ、地界への引き渡しはいつ頃?」
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「了解」
このまま無事に終われば良いんだけど……。
そんなささやかな思いは、すぐに打ち砕かれた。
「おやおや。一体これはなんの騒ぎですかな?」
「……一体、何のご用ですか? 上位天使長」
貴方が何故ここにいる。暗に言うと、にっこりと擬音がつきそうな笑みで。
「彼等がやったことは至極当然のこと。裁かれる必要などありません。地界の者には私がきちんとお話しますので、二人を離しなさい」
ザレブさんとアーオンさんが驚くのは、相手が天使長だからか発言か。それとも両方か。
まぁ、私は彼がここに来ることを予想してはいた。それも最悪のシナリオとして。当たってしまったとは、全く嫌なことね。
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