女剣士の道は険しい?

星野 夜空

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本編

剣舞祭(後日)

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 神様へ顔向けできるように。そう思いながら過ごし始めて何日か経った頃、改めて私は天啓の凄さを知った。
 まさか冒険者の資格にそんな違いがあったなんて。食べていた物を取り落としそうになった。
 教えてくれた本人というと、やっぱり知らなかったかと苦笑している。
 だって、冒険者になれるなんて思ってなかったから知ろうともしなかった。他の職も疎いんです、はい。ごめんなさい。

「つまりラナ。少なくとも貴方には、軍以外の道が開かれたのですよ。勿論、この国に所属しても何ら問題はないと思いますが」
「僕としては、他の国へ行ってみると良いと思うよ。中には女剣士もいるだろうし」

 確かに、この国には攻撃系統の人がいないってだけで、もしかしたら他の国にはいるかもしれないもんね。どちらの方が待遇が良いとは言えないだろうけど、理解ある国へ行った方がまだ過ごしやすそう。 
 でもそれは、全部この学園を卒業してからだ。無事に卒業できなければ空想論になってしまうもの。
 それと一つ、この事でようやく納得のいくことがあった。今まで浮いていたクラスで、徐々にだけど話しかけてくる人が増えた理由だ。内容がどうにも天啓についてばかりと思ったら、そういうことだったのね。

「あれ? ねえ、何でチームの人もプラチナランクへいけるの? 神様の祝福がないと駄目なんでしょ?」
「冒険者制度では、チームランクと個人ランクが違うからですね。学生生活の間やその前で天啓や祝福を得られている方など、聖職者候補と王族以外ほぼいませんから」
「仮になるとしたら、僕らは学生が終わってから冒険者になるでしょ? だからどうしてもノーマルランクから始めることになる。でも天啓を受けた人がいる場合はチームランクのみプラチナランクになるんだよ」
「つまり、えーと……。個人では経験がないから全員ノーマルランクになる他ないけど、天啓は受けてるからチームランクはプラチナランクにしないといけない、ってこと?」
「そういうこと。ちなみに、卒業してもチームメイトとは仕事が一緒になりやすいから、必然僕らもその機会が与えられたんだ」

 いわく、考えや動きの癖が分かった者同士で動けば外での仕事はもちろん、事務もはかどることが多いらしい。だから卒業しても防御と治癒の子はペアで行動することがほとんどなんだって。攻撃は軍所属になるから、難しいみたいね。ないわけじゃないって言ってるけど、ようするにそれって護衛の任務とかだろうな。
……そっか。卒業して国預かりの身になったら、二人と一緒にいる時間は減っちゃうんだ。それは、寂しいな。
 マリもアランも、そう思ってくれてるのかな。
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