37 / 46
その他
年の瀬において
しおりを挟む
年の瀬というのは年を重ねるごとに忙しくなる。学生の時は勉強だけを考えていればよかったけど、社会人はそうもいかない。親戚の集まりや年賀、仕事のやり残しがないかどうか、大掃除は社会に出てからもやると知って、学生時代に真面目に取り組まなかったツケがきてるなぁ、という印象だ。
だけどそれも、愛しい人に会えるためだと思って今日までやってきた。
「メリークリスマス!」
「には遅く」
「ハッピーニューイヤー!」
「には早い今日」
「仕事納めだったぞ!」
「わかる」
まあすぐに仕事始めなんですがね。悲しいかな、それがシフト制の仕事の運命だ。
とりあえずご飯だー! というわけでお好み焼きを食べる。わざわざ食べに行かないからお好み焼きなんて。特に大阪なんて。観光でしか行かないから変わり種を食べる。……不味くはない、とだけ言おうか。
良いんだよ、恋人が美味いって言って食ってるならそれで。うん。良いんだよ。というか、ご飯は食べられたらそれで良いんだよ。むしろこの後のプランにどうしようだよ。
会っておしまいでも良いよ? でも寂しくない? 僕は寂しい。相手も同じだと嬉しいなあと思いながら店を出る。軽くお酒を入れたから、体は暖かい。とはいえ空気がこの頃一気に冷えて寒いのは変わりないから、帰りたいような帰りたくないような。
「帰るの寂しいー」
「わかる」
「泊まりたいー」
「わかる」
「泊まっていい?」
「……魔界だぞ?」
なんせ大掃除の為に家をひっくり返してる状態だからな。と返せば実家の部屋とどちらがマシ? と聞かれた。なるほどそういえば、この人はあの樹海を知っているのだった。
それは、うん、問題ない、いや問題はあるけど、まだまだ一緒にいたい気持ちに嘘はつけない。というわけで家へ来てもらった。
「相変わらずの魔境」
「面目ない」
「楽しいから良い」
「楽しいのか?」
何をもって楽しいというのか、不思議で仕方ない。とりあえず何か飲む? と聞いて気づいた。今水道水しか出せないよ。やべえ。やっちまった。素直に謝ると氷はあるのか聞かれた。あると答えたら氷たっぷりの水を所望された。
「水は冷やせば水道水でも美味しく感じる」
なるほど謎理論。しかし一口もらうと本当に水道水なのか? 蒸留もしてないのに? って感じだ。うん、悪くない。
しかしやることもなく、ただただボーッとする恋人同士というのも不思議だろうなぁ。まあ、幸せだからいっか。
だけどそれも、愛しい人に会えるためだと思って今日までやってきた。
「メリークリスマス!」
「には遅く」
「ハッピーニューイヤー!」
「には早い今日」
「仕事納めだったぞ!」
「わかる」
まあすぐに仕事始めなんですがね。悲しいかな、それがシフト制の仕事の運命だ。
とりあえずご飯だー! というわけでお好み焼きを食べる。わざわざ食べに行かないからお好み焼きなんて。特に大阪なんて。観光でしか行かないから変わり種を食べる。……不味くはない、とだけ言おうか。
良いんだよ、恋人が美味いって言って食ってるならそれで。うん。良いんだよ。というか、ご飯は食べられたらそれで良いんだよ。むしろこの後のプランにどうしようだよ。
会っておしまいでも良いよ? でも寂しくない? 僕は寂しい。相手も同じだと嬉しいなあと思いながら店を出る。軽くお酒を入れたから、体は暖かい。とはいえ空気がこの頃一気に冷えて寒いのは変わりないから、帰りたいような帰りたくないような。
「帰るの寂しいー」
「わかる」
「泊まりたいー」
「わかる」
「泊まっていい?」
「……魔界だぞ?」
なんせ大掃除の為に家をひっくり返してる状態だからな。と返せば実家の部屋とどちらがマシ? と聞かれた。なるほどそういえば、この人はあの樹海を知っているのだった。
それは、うん、問題ない、いや問題はあるけど、まだまだ一緒にいたい気持ちに嘘はつけない。というわけで家へ来てもらった。
「相変わらずの魔境」
「面目ない」
「楽しいから良い」
「楽しいのか?」
何をもって楽しいというのか、不思議で仕方ない。とりあえず何か飲む? と聞いて気づいた。今水道水しか出せないよ。やべえ。やっちまった。素直に謝ると氷はあるのか聞かれた。あると答えたら氷たっぷりの水を所望された。
「水は冷やせば水道水でも美味しく感じる」
なるほど謎理論。しかし一口もらうと本当に水道水なのか? 蒸留もしてないのに? って感じだ。うん、悪くない。
しかしやることもなく、ただただボーッとする恋人同士というのも不思議だろうなぁ。まあ、幸せだからいっか。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
秘密 〜官能短編集〜
槙璃人
恋愛
不定期に更新していく官能小説です。
まだまだ下手なので優しい目で見てくれればうれしいです。
小さなことでもいいので感想くれたら喜びます。
こここうしたらいいんじゃない?などもお願いします。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる