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51.社畜サラリーマンは実父に怪しい性癖の持ち主と誤解される
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「竜帝陛下、あのなぜ父は様子がおかしくなったのでしょうか??」
いきなり、『くぁwせdrftgyふじこlp』と発狂した間違いなくSAN値の削られた父に驚く。何が起きたかというと竜帝陛下の『聖根』が父の前に伸びたかとおもうとトンボを捕まえる時のように円を描く動きをしてしばらくして急に発狂したのだ。
その奇怪な状況に呆然とする私に竜帝陛下の『聖根』から声が聞こえた。
『ああ、余とシヅルが愛し合っているということが分かる幻覚を見せたら何故かあのようになった』
「ハァ??」
思わずちいさくってかわいい生き物のひとりのような声が出た。それはちょっと竜帝陛下が意味の分からないことをいったせいだった。
「いや、その、父にナニ、もとい何を見せたのですか??場合によっては流石に怒りますが……」
父に対しては既に怒りも憎しみも何も感じないが、それでも普通に考えて親に性的なことを目撃されるのは思春期の少年でなくとも嫌なはずだ。
『安心するがいい。ただ、余、正確には『聖根』とシヅルがちょっと性的に戯れる姿をみせただけだ』
「ハァ??」
さっきの5倍くらい強い『ハァ??』が自身の口から漏れる。しかし、今はムサカリ絵馬問題を解決しないといけない。
「……とりあえず、この件については後ほどしっかり話しましょう。その際は、もちろん私は抵抗します、拳で」
思わず口にした言葉が、一時期はやった『拳で抵抗する』感じの人物みたいになったが、それはおいておいて、押し入れの前で未だに発狂する父に私は声を掛ける。
「父さん……、とりあえず私は今、幸せなのでその人物と結ばれる必要はありません、だから……」
「だめだ!!志鶴。だめだ、せめてせめて人と愛し合ってくれ!!ああ、私のせいだ、人間としての愛情を与えなかったせいで無機物と……ああくぁwせdrftgyふじこlp」
父の言葉に私は、『聖根』をジトっとした目で見つめるが当然それが今どういう心境なのかはわからない。
「……父さん、貴方はずっと私を不幸にしてきた」
発狂した父に私はそう冷たい言葉を口にした。この言葉が届いているか全くわからない。それでも続けた。
「貴方のエゴでいつも、私は多くの人に誤解されて見下されて本来なら受ける必要のない誹りをうけてきた。もし貴方が、私への仕打ちを後悔する心があるのなら今回は貴方の願いではなく私の想いをたった一度でいいから認めてくれませんか??」
気付いたら、涙が瞳から溢れていた。きっと小さくなって戻って以降、涙腺がゆるくなったらしい。
『シヅル……』
その涙を『聖根』が優しく拭った。なんだか生温かくて正直感覚的にはとても気持ち悪かったがその優しさが有難かった。
私達の様子をいつも間にか正気に戻った父が見つめているのがわかった。その瞳の濁りは消えて私の記憶にある父の瞳、私とよく似た瞳が輝きを取り戻している。
「志鶴……、わかった。お前がそう望むなら……」
そう答えた父は、手にしていたアナイスの写真を破り捨てた。すると、それはまるで元から存在しなかったように塵に姿をかえてパラパラを舞って消えてしまった。
いきなり、『くぁwせdrftgyふじこlp』と発狂した間違いなくSAN値の削られた父に驚く。何が起きたかというと竜帝陛下の『聖根』が父の前に伸びたかとおもうとトンボを捕まえる時のように円を描く動きをしてしばらくして急に発狂したのだ。
その奇怪な状況に呆然とする私に竜帝陛下の『聖根』から声が聞こえた。
『ああ、余とシヅルが愛し合っているということが分かる幻覚を見せたら何故かあのようになった』
「ハァ??」
思わずちいさくってかわいい生き物のひとりのような声が出た。それはちょっと竜帝陛下が意味の分からないことをいったせいだった。
「いや、その、父にナニ、もとい何を見せたのですか??場合によっては流石に怒りますが……」
父に対しては既に怒りも憎しみも何も感じないが、それでも普通に考えて親に性的なことを目撃されるのは思春期の少年でなくとも嫌なはずだ。
『安心するがいい。ただ、余、正確には『聖根』とシヅルがちょっと性的に戯れる姿をみせただけだ』
「ハァ??」
さっきの5倍くらい強い『ハァ??』が自身の口から漏れる。しかし、今はムサカリ絵馬問題を解決しないといけない。
「……とりあえず、この件については後ほどしっかり話しましょう。その際は、もちろん私は抵抗します、拳で」
思わず口にした言葉が、一時期はやった『拳で抵抗する』感じの人物みたいになったが、それはおいておいて、押し入れの前で未だに発狂する父に私は声を掛ける。
「父さん……、とりあえず私は今、幸せなのでその人物と結ばれる必要はありません、だから……」
「だめだ!!志鶴。だめだ、せめてせめて人と愛し合ってくれ!!ああ、私のせいだ、人間としての愛情を与えなかったせいで無機物と……ああくぁwせdrftgyふじこlp」
父の言葉に私は、『聖根』をジトっとした目で見つめるが当然それが今どういう心境なのかはわからない。
「……父さん、貴方はずっと私を不幸にしてきた」
発狂した父に私はそう冷たい言葉を口にした。この言葉が届いているか全くわからない。それでも続けた。
「貴方のエゴでいつも、私は多くの人に誤解されて見下されて本来なら受ける必要のない誹りをうけてきた。もし貴方が、私への仕打ちを後悔する心があるのなら今回は貴方の願いではなく私の想いをたった一度でいいから認めてくれませんか??」
気付いたら、涙が瞳から溢れていた。きっと小さくなって戻って以降、涙腺がゆるくなったらしい。
『シヅル……』
その涙を『聖根』が優しく拭った。なんだか生温かくて正直感覚的にはとても気持ち悪かったがその優しさが有難かった。
私達の様子をいつも間にか正気に戻った父が見つめているのがわかった。その瞳の濁りは消えて私の記憶にある父の瞳、私とよく似た瞳が輝きを取り戻している。
「志鶴……、わかった。お前がそう望むなら……」
そう答えた父は、手にしていたアナイスの写真を破り捨てた。すると、それはまるで元から存在しなかったように塵に姿をかえてパラパラを舞って消えてしまった。
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