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27.社畜サラリーマンは小さくって可愛いタイプな感じになる
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その瞬間、無意識に体が震えるのがわかる。もう長らく顔を見て居なかったが、間違いなくそこには義弟が居たのだ。
ただ、不思議なのはなぜか義弟の方が私より年上に見えたことだった。
記憶の中の義弟は童顔で、可愛らしい顔に栗色の艶艶な髪をした甘いルックスの美形だったはずだ。
それは、両親から可愛がられて居たので苦労した雰囲気がないのもありいつも幸せそうだった。
しかし、今、目の前にいる義弟は明らかにくたびれ疲れ果てやつれていた。
まるで前にこの世界に召喚された時の私のように……。
「どうして、俺の名前を……まさか」
私を見た瞬間、志鶯がかたまるのが分かった。それは私が誰か察したからかもしれない。
「まさか……兄さん??」
志鶯の言葉を聞いた瞬間完全に体がかたまり震えていた。
そして、思わず竜帝陛下に目線を移した。
竜帝陛下は私が召喚された時、迷わず私を抱きしめて救い上げてくれた。
けれど、それは私が可哀想な異世界人だったからだ。
今のこの状況の志鶯はまさにあの日の私とほぼ差がなかった。
「イヤッ……ヤダーッ!!」
気付いたら涙をこぼしながらそう叫んでいた。今まで、私は私の全てをこの弟に奪われてきた。
志鶯が悪くないのはわかるが、竜帝陛下だけは渡したくなかった。
竜帝陛下に小さな子供のように縋り付いた。それはあまりにも30歳男性がやるには幼稚な仕草だった。
「可愛い子ちゃん……、そこの異世界人、可愛い子ちゃんはお主の兄ではない。余の唯一無二の可愛い子ちゃんだ。しかし、急にこの世界に連れてこられて恐ろしかっただろう。異世界の客を手厚くもてなそう、ヘイズ、異世界人について後は頼んだ。余はリュカやその配下に聞くべきことがまだある」
その言葉に、いつの間にか騎士を引き連れてこちらの部屋まで移動して居たヘイズが頷きそのまま義弟を連れて行ったので思わず安堵した。
「すいません……すいませ……」
チュッ
瞼にキスを落とした竜帝陛下が優しく体を抱きしめる。
「余の可愛い子ちゃんはシヅルだけだから心配しないで良い」
「わぁ……あっ」
感極まり言葉にならないまま泣いている背中を優しくトントンされて落ち着いた時、セシル以外の目の前の竜人が皆呆然とした顔をしているのが分かった。
特にあの時、一番威勢が良かった若い騎士は何度も何度も目を擦り私を見ていた。
いい年したおっさんが小さくって可愛いみたいなムーヴをしたのだから仕方ないがそんな風に見られたら恥ずかし過ぎる。
「……こんな美人じゃなかった、絶対もっと汚い浮浪者みたいなおっさんだったはずだ」
「嘘だ、こんなに美しいならあの召喚は成功していたんじゃないか??」
「……まるで番い様の時のようだ。どうして急に美しくなる??」
皆が放心状態になる中で、ヘイズと一緒にやってきたひとりの騎士が前に出た。
間違いない、あの日、唯一暴力に参加しなかったあの黒髪の騎士だった。
「やはり、やはり暗示がかかっていたようだ」
ただ、不思議なのはなぜか義弟の方が私より年上に見えたことだった。
記憶の中の義弟は童顔で、可愛らしい顔に栗色の艶艶な髪をした甘いルックスの美形だったはずだ。
それは、両親から可愛がられて居たので苦労した雰囲気がないのもありいつも幸せそうだった。
しかし、今、目の前にいる義弟は明らかにくたびれ疲れ果てやつれていた。
まるで前にこの世界に召喚された時の私のように……。
「どうして、俺の名前を……まさか」
私を見た瞬間、志鶯がかたまるのが分かった。それは私が誰か察したからかもしれない。
「まさか……兄さん??」
志鶯の言葉を聞いた瞬間完全に体がかたまり震えていた。
そして、思わず竜帝陛下に目線を移した。
竜帝陛下は私が召喚された時、迷わず私を抱きしめて救い上げてくれた。
けれど、それは私が可哀想な異世界人だったからだ。
今のこの状況の志鶯はまさにあの日の私とほぼ差がなかった。
「イヤッ……ヤダーッ!!」
気付いたら涙をこぼしながらそう叫んでいた。今まで、私は私の全てをこの弟に奪われてきた。
志鶯が悪くないのはわかるが、竜帝陛下だけは渡したくなかった。
竜帝陛下に小さな子供のように縋り付いた。それはあまりにも30歳男性がやるには幼稚な仕草だった。
「可愛い子ちゃん……、そこの異世界人、可愛い子ちゃんはお主の兄ではない。余の唯一無二の可愛い子ちゃんだ。しかし、急にこの世界に連れてこられて恐ろしかっただろう。異世界の客を手厚くもてなそう、ヘイズ、異世界人について後は頼んだ。余はリュカやその配下に聞くべきことがまだある」
その言葉に、いつの間にか騎士を引き連れてこちらの部屋まで移動して居たヘイズが頷きそのまま義弟を連れて行ったので思わず安堵した。
「すいません……すいませ……」
チュッ
瞼にキスを落とした竜帝陛下が優しく体を抱きしめる。
「余の可愛い子ちゃんはシヅルだけだから心配しないで良い」
「わぁ……あっ」
感極まり言葉にならないまま泣いている背中を優しくトントンされて落ち着いた時、セシル以外の目の前の竜人が皆呆然とした顔をしているのが分かった。
特にあの時、一番威勢が良かった若い騎士は何度も何度も目を擦り私を見ていた。
いい年したおっさんが小さくって可愛いみたいなムーヴをしたのだから仕方ないがそんな風に見られたら恥ずかし過ぎる。
「……こんな美人じゃなかった、絶対もっと汚い浮浪者みたいなおっさんだったはずだ」
「嘘だ、こんなに美しいならあの召喚は成功していたんじゃないか??」
「……まるで番い様の時のようだ。どうして急に美しくなる??」
皆が放心状態になる中で、ヘイズと一緒にやってきたひとりの騎士が前に出た。
間違いない、あの日、唯一暴力に参加しなかったあの黒髪の騎士だった。
「やはり、やはり暗示がかかっていたようだ」
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