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19.社畜サラリーマンは理性を取り戻し猛省する
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久々に変な夢を見なかった朝は爽やかで今までの人生の中でも最高の目覚めだった。
穏やかな微睡みの中で目を開けば、竜帝陛下の腕枕で、さらにお腹らへんを優しく撫でられているという状況まではギリギリ慣れてきている。しかし、そこでいつもはない股の間への奇妙な違和感に気付いた。
「んっ……」
寝ぼけまなこでその違和感の正体を確認しようと目を開ける。そして、その違和感の原因に気付いてしまった瞬間、穏やかな朝の静寂は悲鳴により完全に失われることになった。
「ひぃあああああ!!」
「どうした、シヅル、怖いことがあったのか??」
心配そうに私の顔を竜帝陛下に覗き込まれたが、その原因というか根源に言われるとなんだか腹立たしい。
「なんで私の股に『聖根』を挟んでるんです??今すぐ取ってください!!」
「流石に余でも『聖根』は着脱出来ない。それに、忘れているようだが『離れないで』と泣いて『聖根』を股から離さなかったのは昨夜のシヅル自身なのだがな」
竜帝陛下が妖艶な笑みを浮かべた。その言葉に流石にそんな懇願したとは思いたくないが、一部覚えている記憶の中の自分の完全なる痴態を思い出し一瞬でトマトのように顔が真っ赤に染まった。
「い、いや、あれは!!」
「いつもの、ストイックさを全て脱ぎ捨てていやらしく懇願して甘えるシヅルは本当に可愛かったよ」
チュっと、昨日からやたらあまがみされる首筋にキスをされる。昨日の行為が思い出されてあまりの恥ずかしさに思わず、手にした羽枕を背後の竜帝陛下に投げつけた。
パフっ
とメルヘンな音を立てる、一応竜帝陛下にぶつかったが竜帝陛下は当然余裕なのでとても悔しい。
「ははは、シヅルはやはり可愛いな。大丈夫、どんな淫らなシヅルも最期まで愛する」
まるで、R指定の乙女ゲームのキャラクターが言う歯の浮くような台詞を言われた。
しかし、どんなR指定の乙女ゲームのキャラクターでも股に『聖根』を挟んだままの状態でそんな台詞を言われることはないだろう。
そんな非日常な日常を味わっていると、ノックと共にいつも通りヘイズが入ってきた。
「竜帝陛下、仕事を……えっ!?だ、誰ですか、その美人さんはーっ??」
「ヘイズ、目が悪くなったのか??余がここまで寵愛しているのはシヅル、可愛い子ちゃん以外の何者でもないだろう??」
ヘイズの意味のわからない発言に私も宇宙猫のような顔になる。
この世界に来て竜人達は皆が皆元々の世界水準だと例外ないほどの美形ばかりだ。糸目ではあるが、ヘイズだって造形が整っている美青年であり、草臥れたサラリーマンが美しく見えたとしたら働きすぎで幻覚が見えている可能性もある。
元々が社畜だったので、しゃちフレとして労う気持ちもあり、ヘイズを同情の眼差しで見つめた。
「そうですよ、どう見ても私は草臥れたサラリーマンではありませんか」
「いや、確かにペット様は元々素地は良いと思ってましたがここまでとはーっ、ご自身でも確認してくださいーっ」
そう言われて、綺麗なウロボロスの絡みついた装飾のされた手鏡を差し出されたので、その中を覗いた私は先ほど叫んだばかりなのに、さらに正気度を全部喪失したのではないかといくらいに叫んだ。
「だ、誰ですかこれは!!」
「何を驚いている??どこからどう見てもシヅルだが??」
不思議そうに首を傾げる竜帝陛下だが、鏡の中にはカラスの濡れ羽色と表現するのが正しいと思えるようなセミロングの黒髪に、艶々した毛穴ひとつない白い肌、長い睫毛に漆黒の黒曜石のように美しい瞳は見慣れたダサイ眼鏡をしていてもなお大きくはっきりしている。さらに血のように紅く思わずキスしたくなるようなぷるんとした唇をした全裸の絶世の美人が映り込んでいた。
「あっ、眼鏡しか原型がない、いや、眼鏡がむしろ私の本体だったか??」
「眼鏡はシヅルの付属品だろう??それがシヅルの真の姿だよ。不摂生などによるすべてのバッドステータスを取り除いて磨いて元の輝きの一部が取り戻されたにすぎない」
穏やかな微睡みの中で目を開けば、竜帝陛下の腕枕で、さらにお腹らへんを優しく撫でられているという状況まではギリギリ慣れてきている。しかし、そこでいつもはない股の間への奇妙な違和感に気付いた。
「んっ……」
寝ぼけまなこでその違和感の正体を確認しようと目を開ける。そして、その違和感の原因に気付いてしまった瞬間、穏やかな朝の静寂は悲鳴により完全に失われることになった。
「ひぃあああああ!!」
「どうした、シヅル、怖いことがあったのか??」
心配そうに私の顔を竜帝陛下に覗き込まれたが、その原因というか根源に言われるとなんだか腹立たしい。
「なんで私の股に『聖根』を挟んでるんです??今すぐ取ってください!!」
「流石に余でも『聖根』は着脱出来ない。それに、忘れているようだが『離れないで』と泣いて『聖根』を股から離さなかったのは昨夜のシヅル自身なのだがな」
竜帝陛下が妖艶な笑みを浮かべた。その言葉に流石にそんな懇願したとは思いたくないが、一部覚えている記憶の中の自分の完全なる痴態を思い出し一瞬でトマトのように顔が真っ赤に染まった。
「い、いや、あれは!!」
「いつもの、ストイックさを全て脱ぎ捨てていやらしく懇願して甘えるシヅルは本当に可愛かったよ」
チュっと、昨日からやたらあまがみされる首筋にキスをされる。昨日の行為が思い出されてあまりの恥ずかしさに思わず、手にした羽枕を背後の竜帝陛下に投げつけた。
パフっ
とメルヘンな音を立てる、一応竜帝陛下にぶつかったが竜帝陛下は当然余裕なのでとても悔しい。
「ははは、シヅルはやはり可愛いな。大丈夫、どんな淫らなシヅルも最期まで愛する」
まるで、R指定の乙女ゲームのキャラクターが言う歯の浮くような台詞を言われた。
しかし、どんなR指定の乙女ゲームのキャラクターでも股に『聖根』を挟んだままの状態でそんな台詞を言われることはないだろう。
そんな非日常な日常を味わっていると、ノックと共にいつも通りヘイズが入ってきた。
「竜帝陛下、仕事を……えっ!?だ、誰ですか、その美人さんはーっ??」
「ヘイズ、目が悪くなったのか??余がここまで寵愛しているのはシヅル、可愛い子ちゃん以外の何者でもないだろう??」
ヘイズの意味のわからない発言に私も宇宙猫のような顔になる。
この世界に来て竜人達は皆が皆元々の世界水準だと例外ないほどの美形ばかりだ。糸目ではあるが、ヘイズだって造形が整っている美青年であり、草臥れたサラリーマンが美しく見えたとしたら働きすぎで幻覚が見えている可能性もある。
元々が社畜だったので、しゃちフレとして労う気持ちもあり、ヘイズを同情の眼差しで見つめた。
「そうですよ、どう見ても私は草臥れたサラリーマンではありませんか」
「いや、確かにペット様は元々素地は良いと思ってましたがここまでとはーっ、ご自身でも確認してくださいーっ」
そう言われて、綺麗なウロボロスの絡みついた装飾のされた手鏡を差し出されたので、その中を覗いた私は先ほど叫んだばかりなのに、さらに正気度を全部喪失したのではないかといくらいに叫んだ。
「だ、誰ですかこれは!!」
「何を驚いている??どこからどう見てもシヅルだが??」
不思議そうに首を傾げる竜帝陛下だが、鏡の中にはカラスの濡れ羽色と表現するのが正しいと思えるようなセミロングの黒髪に、艶々した毛穴ひとつない白い肌、長い睫毛に漆黒の黒曜石のように美しい瞳は見慣れたダサイ眼鏡をしていてもなお大きくはっきりしている。さらに血のように紅く思わずキスしたくなるようなぷるんとした唇をした全裸の絶世の美人が映り込んでいた。
「あっ、眼鏡しか原型がない、いや、眼鏡がむしろ私の本体だったか??」
「眼鏡はシヅルの付属品だろう??それがシヅルの真の姿だよ。不摂生などによるすべてのバッドステータスを取り除いて磨いて元の輝きの一部が取り戻されたにすぎない」
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