17 / 68
14.社畜サラリーマンは契約内容の確認を怠る
しおりを挟む
ほぼゼロ距離に居る竜帝陛下が真剣な表情で悩んでいる。
大変な美形なのでこの最早、毛穴(竜帝陛下にはもちろんない)が見えそうな距離感でなければ良かったのにとひたすらに思いながらも、人外の力と腕の中に閉じ込められているので脱出出来ない。
「その悪夢は呪印の影響かもしれない。呪印はそれを施した者に悪影響を与えて不幸にするから……。その呪印を施したものを燃やす、もとい灰にすれば良いのだが犯人が見つかっていないので、この場合は一旦の対処だが効果を相殺する印を刻む必要がある」
つまり、呪印が解けないから別の何かで効果を軽減するということらしい。
「しかし、そんなことができる印などありますかーっ??見た感じこの呪印は強いですよーっ。多分、蛇もといイグリュウ系じゃないですかーっ??それをどうにかするのは竜帝陛下でも難しいのではーっ??」
「余は偉大なる全ての母である、ティラノもとい豊穣の女神の血を色濃く受け継ぐもの。聖竜であることを忘れたか??」
全く私にはわからない会話をされて首を傾げると竜帝陛下の角に頬が刺さりちょっと痛かった。
「まさか、聖紋を与えるおつもりですかーっ??いくらお気に入りでも本来番い様に施すものですよーっ??」
「余の番いは永遠失われているのだから問題無かろう??むしろ余は可愛い子ちゃんにだから授けたいのだ。というわけで……」
パチン!!
と竜帝陛下が指を鳴らした瞬間、ヘイズが消えた。
部屋の中には、竜帝陛下とふたりっきりになる。
「あの、聖紋とはなんですか??」
「余が祝福した証だ。それを刻めばこんな呪印など無効化できる」
私としては悪夢を見ないなら有難いが、ヘイズの話では番い様に刻むものだと言われていた。
そう言えば、番い様とはなんなのだろうか。悪夢にも出てきたが分からない。
「あの……竜帝陛下」
「ラム様と呼んでおくれ。何か気になるか??」
「聖紋は番い様に刻むとヘイズが言っていましたがそれを私が賜っても問題ないのですか??そして、番い様とはなんですか??」
その言葉に、一瞬珍しく躊躇するような様子を見せた竜帝陛下だが、すぐにいつもの笑みを浮かべた。
「番いは竜人にとってただひとりの永遠の伴侶だ。しかし、余の番いは消滅したため永遠に現れることはない。だから、可愛い子ちゃん、いやシヅルは何も気にしないで聖紋を受け取ってほしい」
竜帝陛下の笑顔が少し寂しく見えた気がした。
「わかりました。私としては有難いだけなのでお願いいたします」
その時の私は、リアルな三年寝太郎状態で危機管理を怠っていた。
聖紋がどのようにして授けられるのか、そして、それがどう維持されるのか……。
「ああ。ではまず、体をふたりで清めよう」
大変な美形なのでこの最早、毛穴(竜帝陛下にはもちろんない)が見えそうな距離感でなければ良かったのにとひたすらに思いながらも、人外の力と腕の中に閉じ込められているので脱出出来ない。
「その悪夢は呪印の影響かもしれない。呪印はそれを施した者に悪影響を与えて不幸にするから……。その呪印を施したものを燃やす、もとい灰にすれば良いのだが犯人が見つかっていないので、この場合は一旦の対処だが効果を相殺する印を刻む必要がある」
つまり、呪印が解けないから別の何かで効果を軽減するということらしい。
「しかし、そんなことができる印などありますかーっ??見た感じこの呪印は強いですよーっ。多分、蛇もといイグリュウ系じゃないですかーっ??それをどうにかするのは竜帝陛下でも難しいのではーっ??」
「余は偉大なる全ての母である、ティラノもとい豊穣の女神の血を色濃く受け継ぐもの。聖竜であることを忘れたか??」
全く私にはわからない会話をされて首を傾げると竜帝陛下の角に頬が刺さりちょっと痛かった。
「まさか、聖紋を与えるおつもりですかーっ??いくらお気に入りでも本来番い様に施すものですよーっ??」
「余の番いは永遠失われているのだから問題無かろう??むしろ余は可愛い子ちゃんにだから授けたいのだ。というわけで……」
パチン!!
と竜帝陛下が指を鳴らした瞬間、ヘイズが消えた。
部屋の中には、竜帝陛下とふたりっきりになる。
「あの、聖紋とはなんですか??」
「余が祝福した証だ。それを刻めばこんな呪印など無効化できる」
私としては悪夢を見ないなら有難いが、ヘイズの話では番い様に刻むものだと言われていた。
そう言えば、番い様とはなんなのだろうか。悪夢にも出てきたが分からない。
「あの……竜帝陛下」
「ラム様と呼んでおくれ。何か気になるか??」
「聖紋は番い様に刻むとヘイズが言っていましたがそれを私が賜っても問題ないのですか??そして、番い様とはなんですか??」
その言葉に、一瞬珍しく躊躇するような様子を見せた竜帝陛下だが、すぐにいつもの笑みを浮かべた。
「番いは竜人にとってただひとりの永遠の伴侶だ。しかし、余の番いは消滅したため永遠に現れることはない。だから、可愛い子ちゃん、いやシヅルは何も気にしないで聖紋を受け取ってほしい」
竜帝陛下の笑顔が少し寂しく見えた気がした。
「わかりました。私としては有難いだけなのでお願いいたします」
その時の私は、リアルな三年寝太郎状態で危機管理を怠っていた。
聖紋がどのようにして授けられるのか、そして、それがどう維持されるのか……。
「ああ。ではまず、体をふたりで清めよう」
73
お気に入りに追加
592
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・話の流れが遅い
・作者が話の進行悩み過ぎてる

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます


【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる