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10.社畜サラリーマンは狙われる
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※一瞬だけ公開してしまいました。すいません。ちょっと短め。
竜帝陛下が王妃とドア越しに呼んだ時、何故か胸が痛くなる。
よく考えたなら1万年も竜帝陛下は生きているのだから、普通に妻帯していて当たり前だろう。
「申し訳ございません。しかし、どうしても陛下にお伝えしたいことがありましたので伺ったのです」
そう考えた時、竜帝陛下越しにかの王妃様が見えた瞬間、私は奇妙な既視感を覚えた。
「だとしても、竜宮へ入ることは許可していない。使いを送ればよかったはずだ」
「……大切なお話でしたので、直接お伝えしたくて……」
泣きそうな表情は誰もが見惚れるほどに美しく、私とは比べるまでもなかった。
王妃殿下はまるでスーパーモデルのように美しいプラチナブロンドのサラサラの髪に竜帝陛下と同じ金色の瞳をしている、青年だった。
ヘイズから、この世界では番いが同性のこともあるから同性結婚もよくあると聞いていたので驚きはしなかった。
儚げな雰囲気のその人はあまりに美しいのに何故か知っている気がして、そのまま、ジーっとその顔を見つめていると、王妃様と目があった。
その瞬間、バチリと雷に打たれたような感覚とともに意識が暗転していく。
『ミツケタ』
薄れゆく意識の中で、私はねっとり絡むような声を聞いた気がした。
***
(ダレカの視点)
ミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタ。
やっとミツケタ。
やっと、やっと、ワタシノワタシノアナタをミツケタ。
ずっとずっとずっと探していた。
ずっとずっと待っていた。
青い青い果実は木の高いところにあった。私には手が届かなかった。
けれど、手に入れるために、手に入れるために、私は探した。
アナタを私の場所まで堕とす方法を。
青い果実は知らない場所で誰にも誰にも触れられずに熟して、そうして帰ってきた。
ワタシノワタシノ手の中に。
「これで、今度こそ、アナタは私のモノだ、私だけの私だけの……」
ーツガイ
そう呟いた瞬間、頬が緩む。禁忌にまで手を染めて求めたアナタの魂。その甘美な味を想像した時自然と顔が綻ぶのが分かった。
「まずは、あそこから連れ出さねばいけない……私の番い……」
「アナイス様」
そう声をかけられて振り返れば見慣れた糸目に銀髪の側近が無表情に佇んでいた。
「やっとやっと私の時は動き出したのです、スタガーはじめましょう」
その言葉に、スタガーは深く頷いた。
竜帝陛下が王妃とドア越しに呼んだ時、何故か胸が痛くなる。
よく考えたなら1万年も竜帝陛下は生きているのだから、普通に妻帯していて当たり前だろう。
「申し訳ございません。しかし、どうしても陛下にお伝えしたいことがありましたので伺ったのです」
そう考えた時、竜帝陛下越しにかの王妃様が見えた瞬間、私は奇妙な既視感を覚えた。
「だとしても、竜宮へ入ることは許可していない。使いを送ればよかったはずだ」
「……大切なお話でしたので、直接お伝えしたくて……」
泣きそうな表情は誰もが見惚れるほどに美しく、私とは比べるまでもなかった。
王妃殿下はまるでスーパーモデルのように美しいプラチナブロンドのサラサラの髪に竜帝陛下と同じ金色の瞳をしている、青年だった。
ヘイズから、この世界では番いが同性のこともあるから同性結婚もよくあると聞いていたので驚きはしなかった。
儚げな雰囲気のその人はあまりに美しいのに何故か知っている気がして、そのまま、ジーっとその顔を見つめていると、王妃様と目があった。
その瞬間、バチリと雷に打たれたような感覚とともに意識が暗転していく。
『ミツケタ』
薄れゆく意識の中で、私はねっとり絡むような声を聞いた気がした。
***
(ダレカの視点)
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やっとミツケタ。
やっと、やっと、ワタシノワタシノアナタをミツケタ。
ずっとずっとずっと探していた。
ずっとずっと待っていた。
青い青い果実は木の高いところにあった。私には手が届かなかった。
けれど、手に入れるために、手に入れるために、私は探した。
アナタを私の場所まで堕とす方法を。
青い果実は知らない場所で誰にも誰にも触れられずに熟して、そうして帰ってきた。
ワタシノワタシノ手の中に。
「これで、今度こそ、アナタは私のモノだ、私だけの私だけの……」
ーツガイ
そう呟いた瞬間、頬が緩む。禁忌にまで手を染めて求めたアナタの魂。その甘美な味を想像した時自然と顔が綻ぶのが分かった。
「まずは、あそこから連れ出さねばいけない……私の番い……」
「アナイス様」
そう声をかけられて振り返れば見慣れた糸目に銀髪の側近が無表情に佇んでいた。
「やっとやっと私の時は動き出したのです、スタガーはじめましょう」
その言葉に、スタガーは深く頷いた。
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