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03.社畜サラリーマンはいつの間にか全裸になる※
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※微弱ですが性的な表現があります。
その後、どのようなことがあったかは知らないが、私が次に目覚めたのは今までの人生で寝たことがないような大きなベッドの上だった。
「ふかふか、これは人をダメにするタイプのベッド……」
思わず癖である独り言を口にした。それくらいベッドは異常なほどに体にフィットして、いつも寝るだけのために帰っていた自宅にあるパイプベッドのマッドレスとは雲泥の差だった。
「しかし、ベッドに屈するわけにはいかない。私は起きなければいけない。今の状況をちゃんと理解しなければ」
怠惰に負けそうになる体に鞭を打ち立ち上がった。
すると、部屋の温度も快適な適温でベッドから裸足で下りた時に感じた、毛足の長い絨毯の感覚も全てが私にとって快適すぎた。
「なんだ、この完全に整った世界は……」
あまりの整い方に驚いていると、ベッド脇に置かれていた姿見に自身の姿が写っていることに気がついた。
「えっ……」
思わずその姿に驚いてしまった。何故なら、私は全裸だったのだ。
「なぜ??」
私は、裸でないと寝れないタイプではない。むしろ服を着ないと眠れないタイプだ。
いや、そんなことはどうでも良い。この状態ではうっかり外に出たりしたら猥褻物陳列罪に問われてしまう。
なんとかはおるものがないかを探そうとした時、部屋の扉が開いた。
「おはよう、可愛い子ちゃん」
そう言っていつの間にか部屋に入ってきたのは昨日最後に見た記憶のある竜帝陛下だったが、何故かバスローブのような服装をしていた。
しかも、大きくはだけた胸元からは美しい筋肉が見えていた。
「……」
「ああ、いきなり召喚されたことでショックを受けたのだね」
とても心配そうな顔でそう言ってこちらに近付いてきたが私は全裸だ。
召喚うんぬんも問題だがそれよりも、今は全裸であることの方が絶対に問題だ。
なんせ、私は30歳童貞魔法使い。贅肉などはないが自分の全裸が人前には晒せないレベルであることくらい理解している。
「その、私の服はどこですか??」
私の言葉に竜帝陛下は不思議そうな顔になるが、優しい微笑みを浮かべた。
「捨てた」
穏やかな口調でそう言われた時、思わず目を見開いて早口に捲し立てた。
「いや、人の服を勝手に捨てるのは許しがたい。流石に弁償して頂かないと、それに全裸の状態では部屋からも出れませんので弁償頂くまでは仮の服を要求したく……」
「すまない、お気に入りの物を捨ててしまったのか??それに関しては可愛い子ちゃんの気が晴れるまでいくらでも心ゆくまで誂えよう。ただ、その、異世界人は服は一部のものを除き奴隷労働時に着て、家などのプライベートスペースでは全裸で生活するとこの本に書いてあるのだが……」
少し困ったように言った竜帝陛下の手には、『異世界人のきもち』などと書かれたなんだか『いぬのきもち』みたいな感覚だと推測される本が持たれていた。
「そこは個体差があります。私は、全裸だとむしろストレスになる個体です」
「なるほど、では、すぐに可愛い子ちゃんに服を着せねばならぬな。この本によれば、異世界人はフリフリした服や、トゲトゲした服を好むのだな。可愛い子ちゃんが着ていた服とはだいぶティストが違うがすぐに準備を……」
明らかにおかしな発言をする竜帝陛下の言葉に私はその手に持たれている本を覗き込んだ。
そこには、大見出しで、
『異世界人が大好きなロリータ&パンクファッション特集』
などという明らかに間違えた情報が記載されていた。
「いや、これ私は着たくありません。元々着ていたYシャツにスーツのような服装が良いです」
「そうなのか??しかし、あの格好は社畜という異世界人の奴隷が着る服と書かれていたが……」
「私はまさに社畜ですので、その服で結構です」
いちいち説明が面倒で事実を端的に答えたのだが、何故か竜帝陛下の目には涙が浮かんでいる。
「こんなに可愛い子が、奴隷だったのか??可哀想に。ああ、安心するが良い、余のところに来たからには大切に大切にするからね」
そう言いながら全裸の私をバスローブ姿のファビュラスな竜帝陛下が抱きしめた。
(まずい、全裸だと私のが直接嫌でも竜帝陛下にあたる……)
「ちょっと、その離してください!!」
「何故だ??ああ、肌艶が酷使され続けたせいで悪くなっているが問題ない。これからピカピカに磨いてあげよう」
いきなり体を優しく撫でられる。今まで味わったことのない感覚に反射的に声が漏れた。
「あっ……やめっ」
「けれど、胸の可愛い果実は美しい薄紅色をしているのだな」
そう言って生まれてこの方触れたことのない場所に触れられた。
しかも、まるでプニプニと感覚を楽しむように触れられてよくない熱が体にこもるのがわかる。
「だめだ、こんなことしたら……」
まずいと思った時にはすでにゆるくではあるが私自身が硬くなったのがわかった。
あまりのことに真っ赤になる私に竜帝陛下が気付いた。
「ああ、すまない。あまりにも果実も可愛く触り心地が良くてつい……そのせいでそんなふうにしてしまったのなら責任をしっかり取らねばな」
その後、どのようなことがあったかは知らないが、私が次に目覚めたのは今までの人生で寝たことがないような大きなベッドの上だった。
「ふかふか、これは人をダメにするタイプのベッド……」
思わず癖である独り言を口にした。それくらいベッドは異常なほどに体にフィットして、いつも寝るだけのために帰っていた自宅にあるパイプベッドのマッドレスとは雲泥の差だった。
「しかし、ベッドに屈するわけにはいかない。私は起きなければいけない。今の状況をちゃんと理解しなければ」
怠惰に負けそうになる体に鞭を打ち立ち上がった。
すると、部屋の温度も快適な適温でベッドから裸足で下りた時に感じた、毛足の長い絨毯の感覚も全てが私にとって快適すぎた。
「なんだ、この完全に整った世界は……」
あまりの整い方に驚いていると、ベッド脇に置かれていた姿見に自身の姿が写っていることに気がついた。
「えっ……」
思わずその姿に驚いてしまった。何故なら、私は全裸だったのだ。
「なぜ??」
私は、裸でないと寝れないタイプではない。むしろ服を着ないと眠れないタイプだ。
いや、そんなことはどうでも良い。この状態ではうっかり外に出たりしたら猥褻物陳列罪に問われてしまう。
なんとかはおるものがないかを探そうとした時、部屋の扉が開いた。
「おはよう、可愛い子ちゃん」
そう言っていつの間にか部屋に入ってきたのは昨日最後に見た記憶のある竜帝陛下だったが、何故かバスローブのような服装をしていた。
しかも、大きくはだけた胸元からは美しい筋肉が見えていた。
「……」
「ああ、いきなり召喚されたことでショックを受けたのだね」
とても心配そうな顔でそう言ってこちらに近付いてきたが私は全裸だ。
召喚うんぬんも問題だがそれよりも、今は全裸であることの方が絶対に問題だ。
なんせ、私は30歳童貞魔法使い。贅肉などはないが自分の全裸が人前には晒せないレベルであることくらい理解している。
「その、私の服はどこですか??」
私の言葉に竜帝陛下は不思議そうな顔になるが、優しい微笑みを浮かべた。
「捨てた」
穏やかな口調でそう言われた時、思わず目を見開いて早口に捲し立てた。
「いや、人の服を勝手に捨てるのは許しがたい。流石に弁償して頂かないと、それに全裸の状態では部屋からも出れませんので弁償頂くまでは仮の服を要求したく……」
「すまない、お気に入りの物を捨ててしまったのか??それに関しては可愛い子ちゃんの気が晴れるまでいくらでも心ゆくまで誂えよう。ただ、その、異世界人は服は一部のものを除き奴隷労働時に着て、家などのプライベートスペースでは全裸で生活するとこの本に書いてあるのだが……」
少し困ったように言った竜帝陛下の手には、『異世界人のきもち』などと書かれたなんだか『いぬのきもち』みたいな感覚だと推測される本が持たれていた。
「そこは個体差があります。私は、全裸だとむしろストレスになる個体です」
「なるほど、では、すぐに可愛い子ちゃんに服を着せねばならぬな。この本によれば、異世界人はフリフリした服や、トゲトゲした服を好むのだな。可愛い子ちゃんが着ていた服とはだいぶティストが違うがすぐに準備を……」
明らかにおかしな発言をする竜帝陛下の言葉に私はその手に持たれている本を覗き込んだ。
そこには、大見出しで、
『異世界人が大好きなロリータ&パンクファッション特集』
などという明らかに間違えた情報が記載されていた。
「いや、これ私は着たくありません。元々着ていたYシャツにスーツのような服装が良いです」
「そうなのか??しかし、あの格好は社畜という異世界人の奴隷が着る服と書かれていたが……」
「私はまさに社畜ですので、その服で結構です」
いちいち説明が面倒で事実を端的に答えたのだが、何故か竜帝陛下の目には涙が浮かんでいる。
「こんなに可愛い子が、奴隷だったのか??可哀想に。ああ、安心するが良い、余のところに来たからには大切に大切にするからね」
そう言いながら全裸の私をバスローブ姿のファビュラスな竜帝陛下が抱きしめた。
(まずい、全裸だと私のが直接嫌でも竜帝陛下にあたる……)
「ちょっと、その離してください!!」
「何故だ??ああ、肌艶が酷使され続けたせいで悪くなっているが問題ない。これからピカピカに磨いてあげよう」
いきなり体を優しく撫でられる。今まで味わったことのない感覚に反射的に声が漏れた。
「あっ……やめっ」
「けれど、胸の可愛い果実は美しい薄紅色をしているのだな」
そう言って生まれてこの方触れたことのない場所に触れられた。
しかも、まるでプニプニと感覚を楽しむように触れられてよくない熱が体にこもるのがわかる。
「だめだ、こんなことしたら……」
まずいと思った時にはすでにゆるくではあるが私自身が硬くなったのがわかった。
あまりのことに真っ赤になる私に竜帝陛下が気付いた。
「ああ、すまない。あまりにも果実も可愛く触り心地が良くてつい……そのせいでそんなふうにしてしまったのなら責任をしっかり取らねばな」
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