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17.王太子が断罪されそうすぎる
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「……ハァ??」
副団長の言葉に思わず僕は変な声が出てしまった。王太子と聞いて僕に無実の罪を着せた残念イケメンの顔が浮かんだ。
僕もピンク頭の時点でそういう小説だと断罪されそう度は高いが、人に無実の罪を着せたという実績がある王太子な分、断罪される度は王太子の方が爆上がり中だと思う。
そんなことを考えていると団長がとても心配そうな表情で僕の髪を優しくその大きな手で撫でた。
「大丈夫だ、お嫁ちゃん。辺境伯領は王家と言えど好き勝手はできない。もしお嫁ちゃんに害悪を及ぼす場合は、誰であろうと捻りつぶそう」
「捻りつぶす……」
その言葉と、団長の大きな手が似合いすぎて思わず尻穴がヒュンとなる。そんな僕を団長は周りから見えないようにとその大きな胸板の中に、抱き込んだ。
「あばば」
その時だった、わちゃわちゃ中の部屋の扉が乱暴に開いたのは。
「……王太子殿下より命を受けている。ルベルス・フィッセル侯爵令息を引き渡し願いたい」
乱暴に扉を開けた割には、丁寧な口調でそう告げた男に僕は見覚えがあった。
(あ、胃痛さんだ)
僕は彼、王家の近衛騎士団の団長であるハリーさんこと通称胃痛さんのことをよく知っている。金髪に青い瞳をした凛々しく美しい人だが、団長に比べるとほっそりして見えた。
この人は大体いつも王太子のワガママに振り回されている苦労人であり、身分の高い人の庶子にあたるが努力を重ねて現在の地位に居る人で、僕からするとすごいなとこっそり尊敬していた人だったが、だからこそ常に無理難題を押し付けられるその姿に気の毒だなと思ってこっそり胃痛さんと呼んでいた。
「断る。貴公ならお分かりかと思うがたとえ王家の命令であっても辺境伯領の自治に反する内容は受ける必要がないことを」
きっぱりと言い切った団長さんの言葉に、何故かキュンとした気がしたけれどきっと気のせいだ。
そんなことを考えていた時、後ろから見覚えのある残念なイケメンもとい断罪間近の王太子が現れた。
「ああ、確かに辺境伯領には自治権がある。しかし、例外があることをお忘れたか??」
そう言った時の得意そうな顔に、「うわぁ」と声が漏れそうになるのを我慢しつつ、団長の腕の中からその様子を眺めているとさらに得意げに王太子は続けた。
「ルベルス・フィッセル侯爵令息は『奇跡の子』であるという可能性が高いことが分かった。『奇跡の子』は国で保護監禁もとい、保護対象の存在だ。だから、引き渡してもらおう」
『奇跡の子』という言葉に映像の兄者の顔が険しくなるのがわかった。
それもそのはずで、『奇跡の子』とは最早おとぎ話レベルでしか存在しない存在。男女問わず性行為で子を為すことが出来る存在で、異国では『オメガ』と呼ばれているらしい。
特徴は、男女を魅了するような美しい容姿にはかなげで庇護欲をくすぐるような性格をしているらしい。うん、外見的な部分は間違ってにないけど僕は庇護欲は多分擽るタイプではないはず、母性ならくすぐる自身があるけど。
「いや、王太子殿下、それはありえません。僕は男にモテたりしてません。むしろ嫌われるタイプですから『奇跡の子』の条件に当てはまらないですよね??」
その言葉に王太子は何故か顔を赤面させるととんでもないことを言った。
「そんなわけあるか!!お前を狙っている男は沢山いた、全部裏側で秘密裡に処理しただけだ……」
恐ろしい事実に僕の正気度が減りかけた時、団長が冷静に告げる。
「およめ、もといルベルスが『奇跡の子』という根拠はどこにあるのですか??『奇跡の子』の管理は厳重であり、今まで検査で判明していないということは起こるはずがないと思うのですが……」
「それは、辺境伯令息、君が見初めたということが『奇跡の子』である証明になるはずだ」
副団長の言葉に思わず僕は変な声が出てしまった。王太子と聞いて僕に無実の罪を着せた残念イケメンの顔が浮かんだ。
僕もピンク頭の時点でそういう小説だと断罪されそう度は高いが、人に無実の罪を着せたという実績がある王太子な分、断罪される度は王太子の方が爆上がり中だと思う。
そんなことを考えていると団長がとても心配そうな表情で僕の髪を優しくその大きな手で撫でた。
「大丈夫だ、お嫁ちゃん。辺境伯領は王家と言えど好き勝手はできない。もしお嫁ちゃんに害悪を及ぼす場合は、誰であろうと捻りつぶそう」
「捻りつぶす……」
その言葉と、団長の大きな手が似合いすぎて思わず尻穴がヒュンとなる。そんな僕を団長は周りから見えないようにとその大きな胸板の中に、抱き込んだ。
「あばば」
その時だった、わちゃわちゃ中の部屋の扉が乱暴に開いたのは。
「……王太子殿下より命を受けている。ルベルス・フィッセル侯爵令息を引き渡し願いたい」
乱暴に扉を開けた割には、丁寧な口調でそう告げた男に僕は見覚えがあった。
(あ、胃痛さんだ)
僕は彼、王家の近衛騎士団の団長であるハリーさんこと通称胃痛さんのことをよく知っている。金髪に青い瞳をした凛々しく美しい人だが、団長に比べるとほっそりして見えた。
この人は大体いつも王太子のワガママに振り回されている苦労人であり、身分の高い人の庶子にあたるが努力を重ねて現在の地位に居る人で、僕からするとすごいなとこっそり尊敬していた人だったが、だからこそ常に無理難題を押し付けられるその姿に気の毒だなと思ってこっそり胃痛さんと呼んでいた。
「断る。貴公ならお分かりかと思うがたとえ王家の命令であっても辺境伯領の自治に反する内容は受ける必要がないことを」
きっぱりと言い切った団長さんの言葉に、何故かキュンとした気がしたけれどきっと気のせいだ。
そんなことを考えていた時、後ろから見覚えのある残念なイケメンもとい断罪間近の王太子が現れた。
「ああ、確かに辺境伯領には自治権がある。しかし、例外があることをお忘れたか??」
そう言った時の得意そうな顔に、「うわぁ」と声が漏れそうになるのを我慢しつつ、団長の腕の中からその様子を眺めているとさらに得意げに王太子は続けた。
「ルベルス・フィッセル侯爵令息は『奇跡の子』であるという可能性が高いことが分かった。『奇跡の子』は国で保護監禁もとい、保護対象の存在だ。だから、引き渡してもらおう」
『奇跡の子』という言葉に映像の兄者の顔が険しくなるのがわかった。
それもそのはずで、『奇跡の子』とは最早おとぎ話レベルでしか存在しない存在。男女問わず性行為で子を為すことが出来る存在で、異国では『オメガ』と呼ばれているらしい。
特徴は、男女を魅了するような美しい容姿にはかなげで庇護欲をくすぐるような性格をしているらしい。うん、外見的な部分は間違ってにないけど僕は庇護欲は多分擽るタイプではないはず、母性ならくすぐる自身があるけど。
「いや、王太子殿下、それはありえません。僕は男にモテたりしてません。むしろ嫌われるタイプですから『奇跡の子』の条件に当てはまらないですよね??」
その言葉に王太子は何故か顔を赤面させるととんでもないことを言った。
「そんなわけあるか!!お前を狙っている男は沢山いた、全部裏側で秘密裡に処理しただけだ……」
恐ろしい事実に僕の正気度が減りかけた時、団長が冷静に告げる。
「およめ、もといルベルスが『奇跡の子』という根拠はどこにあるのですか??『奇跡の子』の管理は厳重であり、今まで検査で判明していないということは起こるはずがないと思うのですが……」
「それは、辺境伯令息、君が見初めたということが『奇跡の子』である証明になるはずだ」
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