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14.兄者の過去が意外すぎる
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『それについては私から説明するべきだろう』
突然、その部屋にいないはずの聞きなれた声が響いた。
「兄者が半透明??」
そこには半透明の兄者がいた。あまりの出来事に僕は驚いたが、門番も団長も驚いていない。どう考えても半透明の兄者が現れるのは奇妙なはずなのだけれど、もしかしたら辺境伯領では半透明兄者が現れることはまれではないのかもしれない。
「……レイが半透明なのは通信映像だからだよ」
優しく団長が僕の髪を撫でながら言ったので、これが立体映像通信だということを理解した。確か竜玉のほかの使い方だったはずだけど僕は今まで無縁だったので『なるほど』などわからないのに呟いてみた。
『……分かっていない顔だな。まぁいい。ルベルス、ギーは私の学生時代の親友だ、そして……お互い初めての相手でもあった』
兄者の言葉の意味が分からず、常日頃から頭の悪い顔をしている僕だけど完全に作画があたまのわるいひとになった。
そんな僕をいつもの男らしい表情ではなく恥じらう乙女のような顔をした団長と、少し気恥ずかしそうな兄者が見つめ合っている。
それはさながらお互い気がありながら別かれたカップルの間に挟まっているような居心地の悪い気分だったが、そこへ空気を読まない門番が愉快そうにとんでも発言をした。
「つまり、小侯爵さまと団長が掘った掘られたで、団長とおくさまぁも掘った掘られたでお互い初めて同士だったってことなんだぁ、なにそれぇおもしれぇww」
「レイのことはいまでも特別な人だと思っている、けれど……俺は見つけてしまったんだ」
と言って団長が僕のことを再度抱き寄せて顔中に軽いキスの雨を降らせた。
「はわわ、だ、だん……」
『旦那さんだと!?ギー、ま、まさかルベルスを……』
何故かワナワナと震えている。なんでそんな顔をするのかと思ったし、なぜ『旦那さん』などと言ったのかよく分からないが、女好きの僕が男である団長と寝てしかもいちゃついている事実が兄者には信じられないのだろうと考えて説明しようと思ったがそれより早く、団長が口を開いた。
「すまない、レイ。お嫁ちゃん、ルベルスは必ず幸せにするから結婚を許して欲しい」
団長が僕をお姫様抱っこしたまま椅子から立ち上がり頭を下げるという奇妙な状態だけれど、もうどこからどう理解すればいいかわからなくなった僕は思考を放棄しはじめていた。
『ははははは、なんてことだ、ギーなら、ルベルスにそんな気は起こさないと思ったのに……可愛い可愛い私の弟のルベルスに……ブツブツ』
兄者が何故か虚ろな瞳でブツブツ呟いていて怖いと思ったとき、執務室の扉が乱暴に開いた。
「団長、大変です、王都から騎士団が……って、何故お前が団長に抱かれている!!脱走騎士のお前如き!?」
団長の腕の中にいる僕に気付いた悪役令息もとい副団長が焦ったように叫ぶと僕の方へ勢い良く近づいてきた。
突然、その部屋にいないはずの聞きなれた声が響いた。
「兄者が半透明??」
そこには半透明の兄者がいた。あまりの出来事に僕は驚いたが、門番も団長も驚いていない。どう考えても半透明の兄者が現れるのは奇妙なはずなのだけれど、もしかしたら辺境伯領では半透明兄者が現れることはまれではないのかもしれない。
「……レイが半透明なのは通信映像だからだよ」
優しく団長が僕の髪を撫でながら言ったので、これが立体映像通信だということを理解した。確か竜玉のほかの使い方だったはずだけど僕は今まで無縁だったので『なるほど』などわからないのに呟いてみた。
『……分かっていない顔だな。まぁいい。ルベルス、ギーは私の学生時代の親友だ、そして……お互い初めての相手でもあった』
兄者の言葉の意味が分からず、常日頃から頭の悪い顔をしている僕だけど完全に作画があたまのわるいひとになった。
そんな僕をいつもの男らしい表情ではなく恥じらう乙女のような顔をした団長と、少し気恥ずかしそうな兄者が見つめ合っている。
それはさながらお互い気がありながら別かれたカップルの間に挟まっているような居心地の悪い気分だったが、そこへ空気を読まない門番が愉快そうにとんでも発言をした。
「つまり、小侯爵さまと団長が掘った掘られたで、団長とおくさまぁも掘った掘られたでお互い初めて同士だったってことなんだぁ、なにそれぇおもしれぇww」
「レイのことはいまでも特別な人だと思っている、けれど……俺は見つけてしまったんだ」
と言って団長が僕のことを再度抱き寄せて顔中に軽いキスの雨を降らせた。
「はわわ、だ、だん……」
『旦那さんだと!?ギー、ま、まさかルベルスを……』
何故かワナワナと震えている。なんでそんな顔をするのかと思ったし、なぜ『旦那さん』などと言ったのかよく分からないが、女好きの僕が男である団長と寝てしかもいちゃついている事実が兄者には信じられないのだろうと考えて説明しようと思ったがそれより早く、団長が口を開いた。
「すまない、レイ。お嫁ちゃん、ルベルスは必ず幸せにするから結婚を許して欲しい」
団長が僕をお姫様抱っこしたまま椅子から立ち上がり頭を下げるという奇妙な状態だけれど、もうどこからどう理解すればいいかわからなくなった僕は思考を放棄しはじめていた。
『ははははは、なんてことだ、ギーなら、ルベルスにそんな気は起こさないと思ったのに……可愛い可愛い私の弟のルベルスに……ブツブツ』
兄者が何故か虚ろな瞳でブツブツ呟いていて怖いと思ったとき、執務室の扉が乱暴に開いた。
「団長、大変です、王都から騎士団が……って、何故お前が団長に抱かれている!!脱走騎士のお前如き!?」
団長の腕の中にいる僕に気付いた悪役令息もとい副団長が焦ったように叫ぶと僕の方へ勢い良く近づいてきた。
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