ケツで抱くタイプのバブみのある騎士団長様がなぜか僕だけ犯そうとします

ひよこ麺

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13.門番が軽いけど有能過ぎる

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「入れ」

「えっ??」

お姫様抱っこ状態で門番を迎えるとは想定していなかった僕は焦ったがそれより先に扉が開いてしまった。門番を部屋に招くと、団長は椅子に座ったので、結果的に僕はその膝の上にちょこんと抱き込まれる形になった。

完全なる羞恥プレイである。

「あの……だん……」

「お嫁ちゃん、大丈夫だ、怖くないし何があっても守ってあげるから」

そう耳元で囁かれて恥ずかしくて顔が赤くなるのが分かる。

「新入り……ううん。おくさまぁかなぁ」

とからかうような調子の門番の声がしたけれど僕にはその顔は見えない。

「……それで話とはなんだ」

先ほどまでの僕への甘い声とは打って変わって騎士団長らしい威厳のある声で問えば、門番は話はじめた。

「団長、やっぱりオレの勘はあってたみたぃ。おくさまのことここに来てから見たのって、オレと団長と副団長しかいないんだって」

その言葉に、新しい扉を開いたことで色々忘れていたが、そう言えば来て早々悪役令息もとい副団長に嫌がらせをされたことを思い出したのでそれを伝えようとしたが……、

「そっらぁ……あくやくれいしょくっ」

喉がカスカスで声がちゃんと出なかった。

「お嫁ちゃん、可愛い声は俺以外に聞かせないで」

そう言って門番の前なのに優しく小鳥が啄むような口づけをされる。

声がでないのは昨日の行為ゆえなので非常に不本意だけど、そう言い返すよりも先に門番が全てスルーするように話を続いた。

「でもぉ、それって変ですよね。うちって大所帯だからぁ、宿舎にきたなら誰かとは会うはずなのに。だからちょっとカマかけたら口をすべらせたヤツがいてぇ、おくさまは騎士の宿舎じゃないとこに連れてったらしいんです。そいつにどこに連れてったか確認したら北倉庫に連れてったって答えたんだよね」

「北倉庫だと……それは間違いないのか??」

「はい、あのなんもないボロボロの掘っ立て小屋。だから、ついでに何があったか確認するために監視用のこれを持って来たんです」

とても苦し気に答えた団長に門番が何か薔薇の刻印が刻まれた金色の玉のようなものを渡した。

(なんだろうあれ??もしかして竜玉りゅうたまかな……)

竜玉りゅうたまとは、この国の高位貴族が所有している記録録画媒体で、その場で起こった出来事が見れるものなのだけれど僕は生まれてこのかた本物は見たことがなかった。

竜玉りゅうたまを団長が僕の目の前でゆっくりかざすと、そこには僕が昨日案内された小屋の内部が浮かび上がった。

映像的には僕が中に入ったところしか映ってなかったが、音声で僕と副団長が交わした会話がすべてばっちり取れていた。

その映像が終わると、部屋の気温が明らかに下がったのがわかった。

団長が静かに怒っていたのだ。

(はわわ、怖い!!)

その様子はまさに鬼神だった、辺境伯令息おそるべしなど考えていた時、団長が僕の頬を優しく両手で包み、今までとうってかわってなぜかその瞳には涙を浮かべていた。

「お嫁ちゃん、すまない。俺の部下が、酷いことをした」

「あ、その、まぁそこまで実害はなかったので……」

実際、団長の部屋で新しい扉は開いてしまったが、その分、現在全力で団長が大切にしてくれてるし色々あったけど結果的によかったのではと思い始めていたのでそう答えたが、団長は僕の髪を撫でながら首を振った。

「これは俺がお嫁ちゃんの人間性を知らないうちに嫉妬して良くない印象を持っていたせいで、それを察した団員が行ったことだ。全ては団長である俺の責任だ。お嫁ちゃん、いや、ルベルスが望む通りに罰して欲しい」

そう真剣に言われて、正直困ったし、それとは別でひとつとても気になることがあった。

「……あの僕への嫉妬とはなんですか??その、モテ男だからとかですか??」

違う意味でモテモテの団長が僕に嫉妬している理由が良くわからずつい聞いてしまった。それに対して、団長はとても罰が悪そうに答えた。

「それは……」
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