ケツで抱くタイプのバブみのある騎士団長様がなぜか僕だけ犯そうとします

ひよこ麺

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06.副団長の悪役令息みが強すぎる

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あの後、いままで乗ったことがないような荷馬車に積まれて僕は辺境の地へと連れて行かれた。

あまりにもその自身の姿がシュールすぎて思わずドナドナを口ずさんでしまった。

今の気持ちはまさに市場に卸される子牛に似ている。子牛は命を、僕は人権を失わされる旅路だと考えたら辛いの通り過ぎて笑ってしまう。

そんな、荷馬車の側を餌を求めてツバメが飛んでいく姿に思わず、

「もしも翼があったなら、楽しい王都に帰れるものを~」など替え歌にして口ずさんでいた。

その虚しい歌ごだけがさみしい田園地帯に響いていた。あまりに大声で無限にドナドナを歌ったせいで、御者のおっちゃんに、

「うるせぇぞ!!」

とキレられたので途中で音量は落としたけど、ずっとドナドナを小声で歌っていたせいか、辺境の地についた頃にはおっちゃんもドナドナを歌っていた。

そんな、陰鬱な気持ちで降り立った辺境の地は想像よりはずっと栄えた場所だった。

隣国との国境なためか、戦争が起きた場合真っ先に戦火になる場所ではあるが、戦争がなければ隣国との交易で栄えているのだとなんか兄者から聞いたのを思い出した。

僕は、父親の意向で学園にも学校にも通わず家で最低限の教育だけを受けた。

だからあまり物を知らないバカだけれど兄者が疑問に思うことはなんでも教えてくれた。

(思ったよりは自由に生きれそうかな……)

と少し甘い想像をした時、そいつは現れた。

「なるほど、お前が噂の穢れた男か、僕は副団長として団長をもっとも支えている腹心のヒューブレヒト・マイヤーだ」

あまりに冷ややかな声に反射的に勢いよく振り返っていた。

そこには銀髪に蒼い瞳をした美形が立っていた。

辺境の地ににつ詳しくないその麗人は、しかし、その顔には意地悪な笑みを貼り付けて僕を見ていた。

(氷の美形ってこういう人をさすのかな??なんか、前に付き合っていた女の子がハマってた小説で主人公が好き過ぎて監禁しようとしていた悪役令息に似てるな)

など考えている間にドナドナ僕は辺境の騎士団、ではなく謎の掘立小屋に連れて行かれた。

「ハァ??」

「お前のような堕落した男は、騎士団の宿舎に入れることはできない。だから精々この物置で、他の誰にも迷惑をかけないようにしろ」

その言葉にまさに、これは悪役令息ムーブやなと思いつつ、リアル悪役令息ムーブにパッションが高まり思わず、

「プルルルル!!」

と奇声を上げたら凄い顔で見られたが、これは発作みたいなもんだから仕方ない。

「ここで自由にして良いが、ただし勝手に敷地から出ることは禁止だ」

なるほど、軟禁だなと思いつつそれなら逆にいつでも逃げられるし良いなと思った。

伊達に外泊王の名を欲しいままにはしていない。

しかし、副団長にめちゃくちゃ怪訝な顔をされたのでここは元気に返事をする。

「ヤハ!!」

「……先ほどからお前はバカにしているのか??」

なぜか怒る副団長に意味がわからず首を傾げた。

「ハァ??」

「ふざけるな!!まぁいい。お前なんて朽ち果てしまえばいい!!」

とめちゃくちゃキレながら副団長はいってしまった。

人見知りなのとあまり口が上手くないから、初対面の男相手には下手に言葉を交わすと経験上良いことがなかったので大体はこれで乗り切る形にしていたけどよくなかっただろうか。

ちなみに、「ハァ??」「ヤハ」で大体会話は王都なら出来るんだけど辺境の地だとだめらしい。

そんなことを考えながら掘建小屋の扉を開いた。

「これは!?」
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