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06.力を示したい俺と変態とレジスの意外な能力と時々ジャン

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「力を示すと言ってもどうするつもりだ??」

訝し気に辺境伯がこちらを見ている。

それと同じように周りに居る連中も見ているがそれは辺境伯のものと違い侮蔑やら嘲笑めいている。

『竜の遅れ子』という存在はこの国においては、という認識だ。

(なら、そのクソみたいな認識を恐怖に塗り替えてやるよ)

内心で毒づきながら、まず現状までに俺が行ったこと(実施したのは変態だけど)について報告しよう。

「とりあえずこの砦と補給物資や兵士が乗っている馬車に結界を張ったので、しばらく持つし物資も安全に運ばれるようにした」

その報告に、周囲からがざわざわとしだしたが……。

「そんな見え透いた嘘なんかついてんじゃねぇよチビ!!魔法なんてつかえねぇだろうが!!」

キンキンとした聞き覚えのする声が罵倒する。

どうやら、先ほど運ばれたはずのうるさいヤツもといジャンが戻ってきたらしく、こちらを睨みつけながら吠えた。

「ああ、魔力の話か??確かに俺は魔力はねぇが魔法が使えないとは言ってねぇだろう」

ジャンの言う通り本来なら魔力がなければ魔法は使えない。

そもそも、この国では、ほぼ王族以外は全員魔法は使えない。魔法は竜の血筋の者か妖精、夢魔など魔性の血を引いているものか人間であれば竜殺しドラゴンスレイヤーのみ可能とされている。

ただ、腐っても『竜の遅れ子』である俺は、竜の血を引いているという条件を満たしてはいる。

しかし、だからと言って魔法の才能が無条件であるわけではない。『竜の遅れ子』は魔法特化型(別名:聖者ルキオ型)かそれ以外のなんかが特化しているタイプがいて俺は後者にあたる。

「ジャンはそう言っているが、君は魔法が使えるというのか??」

「ええ。正確には俺を守護してくれている変態そんざいがいて、その加護で力を行使できるため俺には魔力はありませんし、望んだ魔法が必ず使える訳ではありません」

「魔法を使える存在か、中々に心強いし、さぞや神に近しい神聖な存在なのだろうな」

何か感じるものがあったのそう言って何かに祈るように目を瞑る辺境伯だったが……。

『はぁ、ルインたんの頬っぺた柔らかい。くうう、ショタは最高だ。ああ、お膝にのせたい、お膝にのせて太ももを……』

「真性(の変態)ではあるとは思います。後、もうひとつ俺にできることを見せたいのですが……」

俺が特化している力を見せるためにどうするか考えていた時、またキンキンした声が響く。

「はん、辺境伯様、こんなチビなんて竜の血を引いていても役立たずの呪われた輩です、時間を割くだけ無駄かと」

見慣れた侮蔑した表情にカチンときた。よし、こいつを絞めようと思ったが……。

「ルインを馬鹿にするな。後、呪われているとか守ってくれてるルインによく言えるな」

レジスがその紅いルビーのような瞳を怒りに染めている。

(庇われたのははじめてだな……)

大体はひとりで物理的に解決してきたので、慣れない事態に思わずレジスを見つめていると、ヤツはニッコリ綺麗に微笑む。

その時、今まで感じたことのない熱が胸に宿るのがわかったが、それが何かはわからない。

『あああ、この天然爽やかタラシイケメン!!俺のルインたんを誘惑するなんて!!許さん!!』

(黙れ)

今にもレジスの体当たりしそうだったので、変態をとりあえず制する。

「はん、なんだよお前。さっきもだけどそのチビに気でもあるのかよ??」

「あんた、普通に仲間に優しくしようとは思わないのか??これから背中を任せる相手に敬意は示すべきだろう」

凛とした言葉でジャンに言い切ったレジスがなんだか、とても綺麗に見えてついつい見てしまうが一体どうしてそう感じるのかは分からない。

「綺麗ごとばかり言いやがって!!」

短絡的なバカであるジャンがレジスに殴りかかろうとした。俺はジャンをボコそうとそう考えたが、それより早くレジスの左手が光り輝いた。

「えっ??」

「なんだこの光は??」

傍観していた周囲の者がざわめき、俺もその光のあたたかさから目が離せなくなる。そして、次第に光はそれは見事な大槍へと姿を変えた。

「な、なんだそれ!!」

「こいつは俺の相棒の聖槍ロンギヌス。普段は俺の胎内にあるけれど、戦う時外に出すことができるんだ」

その大層は銀色に輝いていてあまりにも神秘的な姿をしていた。あまりの美しさにレジスを罵倒していたジャンさぇ黙り込んでいる。

「なるほど、確かにふたりとも即戦力であり竜の血を引くものにも対抗できる力を持っているようだな。よし、時間がなくて悪いがこれからあちらの兵の情報を渡すのでふたりには単独で奴らを叩いてほしい」
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