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8.最悪の朝※
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※自慰的な描写があります。苦手な方はご注意ください。
(全てが夢だったらよかったのに……)
目を覚ました僕は、自身の体全体が全く動かないし、なんなら重すぎて自分の体かも怪しい状態になっている。
「……っ!!」
さらに、声を出そうとしたが声も出ない。そこで昨日の夜、記憶のある範囲だけでもそれこそ散々啼かされたことが蘇り顔が真っ赤になる。
そこまでひとりで百面相をしていたが、よく考えたら叔父上の気配がないことに気付いた。
(……叔父上はどこに行ったんだろう??)
なんとか起き上がり辺りを見回すと、僕のために準備されたと思われる清潔なバスローブの上に1枚の手紙が置かれていた。
その手紙は、繊細なレースの模様が施された綺麗な便せんで、思わず見入ってしまった。僕は万年筆と合わせて手紙を書く便せんも好きだった。
ただ、その趣味は今までは許されなかった。
たとえスペアであっても王子であった僕が令嬢が好むような趣味を許してはもらえなかった。兄上だけはそれくらい別にいいのではと言っていたけれど周りの目が怖くて僕にはそれをすることができなかった。
けれど、今、手の中にある綺麗な便せんにまるでこれからはそれすらも気にしないでいいとでも言われているようでうれしいけれどとても複雑な気持ちになった。
(僕は、女性が好きだ、女性が……)
そう考えて真っ先に浮かんだのが、初恋のお姉さんだったのだけれどそのお姉さんの姿が筋骨隆々叔父上に代わり、さらに昨日の夜の記憶が合わせて蘇った時、何故か体の最奥が何とも言い難い疼きを感じてしまった。
(これはよくない、これは……落ち着いて、まずは手紙を読もう……)
冷静になるべく、僕は叔父上が残した手紙を読んだ。
その内容は、叔父上がやむを得ない用事で王城へ行くということ。初夜の後に面倒を見てあげられず、側に居れず本当に申し訳ない。その埋め合わせは戻ったら必ずするということが書かれていた。
(……用事って)
今や救国の英雄となった叔父上なので、父上から呼び出されてもおかしくはない。けれど、何故かそれが酷く寂しい気がしてしまった。
手紙でも側にいられず『すまない』と謝罪はされているけれど、なぜか急に悲しい気持ちになってきた。誰も居ない場所ということもあり涙が頬を伝っていくのを止めることができなかった。
「……っふ……」
声が出ないので呻きのような掠れた音が漏れただけだった。それがより虚しくかった。悲しくて寂しくてそんなことを考えていたらなぜか僕は自分自身へ手が伸びていた。
そして、指を絡めて扱いてみた。
けれど、叔父上の手の記憶が、その手で扱かれた記憶がある今はどんなに扱いてもその違いで寂しさが増すだけだった。
それだけじゃない、いくら扱いてもあの感覚には足りず虚しい気持ちが溢れてきてしまう。それでも自身を扱くことが止められず激しくさらに扱いたけれどそれでも……。
(さみしい……どうして……)
体は熱くなるけれど、まるで寸止めされた時のようにイクことが出来なくて怖かったけれど、自身の指をゆっくり胎内へ挿れてみたけれどやはり足りない。何をしても足りないのだ。
そうして、自分が気づかないうちに叔父上にたった一晩で体を作り替えられてしまった事実に恐ろしいと思う気持ちと同時に何故かそれとは違う感情があった。
その感情の名前はまだよくわからない。
ただ、今は……。
(全てが夢だったらよかったのに……)
目を覚ました僕は、自身の体全体が全く動かないし、なんなら重すぎて自分の体かも怪しい状態になっている。
「……っ!!」
さらに、声を出そうとしたが声も出ない。そこで昨日の夜、記憶のある範囲だけでもそれこそ散々啼かされたことが蘇り顔が真っ赤になる。
そこまでひとりで百面相をしていたが、よく考えたら叔父上の気配がないことに気付いた。
(……叔父上はどこに行ったんだろう??)
なんとか起き上がり辺りを見回すと、僕のために準備されたと思われる清潔なバスローブの上に1枚の手紙が置かれていた。
その手紙は、繊細なレースの模様が施された綺麗な便せんで、思わず見入ってしまった。僕は万年筆と合わせて手紙を書く便せんも好きだった。
ただ、その趣味は今までは許されなかった。
たとえスペアであっても王子であった僕が令嬢が好むような趣味を許してはもらえなかった。兄上だけはそれくらい別にいいのではと言っていたけれど周りの目が怖くて僕にはそれをすることができなかった。
けれど、今、手の中にある綺麗な便せんにまるでこれからはそれすらも気にしないでいいとでも言われているようでうれしいけれどとても複雑な気持ちになった。
(僕は、女性が好きだ、女性が……)
そう考えて真っ先に浮かんだのが、初恋のお姉さんだったのだけれどそのお姉さんの姿が筋骨隆々叔父上に代わり、さらに昨日の夜の記憶が合わせて蘇った時、何故か体の最奥が何とも言い難い疼きを感じてしまった。
(これはよくない、これは……落ち着いて、まずは手紙を読もう……)
冷静になるべく、僕は叔父上が残した手紙を読んだ。
その内容は、叔父上がやむを得ない用事で王城へ行くということ。初夜の後に面倒を見てあげられず、側に居れず本当に申し訳ない。その埋め合わせは戻ったら必ずするということが書かれていた。
(……用事って)
今や救国の英雄となった叔父上なので、父上から呼び出されてもおかしくはない。けれど、何故かそれが酷く寂しい気がしてしまった。
手紙でも側にいられず『すまない』と謝罪はされているけれど、なぜか急に悲しい気持ちになってきた。誰も居ない場所ということもあり涙が頬を伝っていくのを止めることができなかった。
「……っふ……」
声が出ないので呻きのような掠れた音が漏れただけだった。それがより虚しくかった。悲しくて寂しくてそんなことを考えていたらなぜか僕は自分自身へ手が伸びていた。
そして、指を絡めて扱いてみた。
けれど、叔父上の手の記憶が、その手で扱かれた記憶がある今はどんなに扱いてもその違いで寂しさが増すだけだった。
それだけじゃない、いくら扱いてもあの感覚には足りず虚しい気持ちが溢れてきてしまう。それでも自身を扱くことが止められず激しくさらに扱いたけれどそれでも……。
(さみしい……どうして……)
体は熱くなるけれど、まるで寸止めされた時のようにイクことが出来なくて怖かったけれど、自身の指をゆっくり胎内へ挿れてみたけれどやはり足りない。何をしても足りないのだ。
そうして、自分が気づかないうちに叔父上にたった一晩で体を作り替えられてしまった事実に恐ろしいと思う気持ちと同時に何故かそれとは違う感情があった。
その感情の名前はまだよくわからない。
ただ、今は……。
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