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69:清潔!消毒!殺菌!

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『なるほど、つまりルシオンを中心とした偶像崇拝あいどるぐるーぷを作り、光る棒を振るタイプの儀式ライブを行いたいんだね』

割とあっさり理解してくれた叔父上にホッとしながら、よく考えたら叔父上が倒れていたことを思い出す。

「そうでござる。ところで叔父上、目を覚ましたでござるね。何があったのかは後で聞くとしてとても心配したでござるよ」

『ああ。ただ、実は今、僕の館が包囲されていて地味に軟禁状態だったりするけれど、ルシオンは気にしないでおくれ』

物凄くすんなり恐ろしいことを言った叔父上に、拙者は錯乱する。

「いやいや、包囲って!!王国にでござるか??だとしたらまずいのではござらんか!!今すぐ助けに行かないと……」

『ああ、可愛い可愛いルシオン。おじしゃまを心配してくれるなんて可愛すぎて尻の中で荒らぶりたくなるほどだけれど、本当に問題ない。むしろこれは……』

叔父上が何か言いかけた時、突然、何の前触れもなく尻の中から響いていた音声が途切れた。

「えっ、叔父上!?」

「相変わらずアンドレイは元気なヤツだな。まぁ、そんな話をしている間に、ほら、とりあえず作れる限りの棒を作り出しといたぜ」

と何故か大量のサイリウムを持っているダン殿。物凄い短時間、目を離した隙にそれこそライブしても問題ないだろうくらいの棒がその場に生まれていた。

本当に勝手に異常発芽でもしたとしか思えない量に変な声が出た。

「えっ、どうして……」

「まぁ、俺ほどの職人に掛かればざっとこんなもんだ。儀式ライブの時は呼んでくれ」

そう物凄く良い笑顔で去って行ったが、色々問題が山積みである。

「この量の棒、どう持ち帰るべきか……」

「それなら、私が空間魔法で持っていけるから安心してほしい。ルシオンの荷物持ちなら例え訳の分からない男が尻から大量に産み出した棒でも持って帰ろう」

ずっと自分の性癖の暴露にショックを受けて土下座していたレイが恐ろしい言葉と共に復活した。レイが拙者のために動いてくれるというのは大変嬉しい。

けれど、すごく嫌な単語が聞こえたので拙者はレイに確認する。

「レイ、その、ダン殿はあの棒を尻から産みだしていたでござるか??」

「ああ。私が突っ伏している時に産んでいた。小さく『ああ、短期コースにしたせいで尻からしか出せないのが難点だが、少年のために、けつあなでがんばろう』とかブツブツいいながら産み出していた」

その瞬間、先ほどまで大変有難かった棒がとても汚い感じがしてきた。しかし、今店の床を覆わんばかりに産み落とされた棒には罪はないし、必要ではあるが、申し訳ないが拙者は割と潔癖症な部分も持ち合わせている。

「レイ、その格納前にひとつお願いがあるでござる」

「なんだい??」

「魔法で消毒できるものを可能なら出していただきたい。無理なら今から薬局に駆け込むでござる。清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!でござる」

今まで見たこと内容な目がすわっている拙者に、レイは何故か悲し気な顔をした後に、深く頷く。

「ルシオン、ああ。任せてくれ。あの汚い棒を綺麗にふたりでしよう、汚物は消毒だ」

そう言って、レイは魔法で防毒マスクと防護服を出した。

「清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!清潔!消毒!殺菌!」

「汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ汚物は消毒だ」

はた目からみたら完全に狂気溢れる防護服のふたりが、いかがわしい店の一角で大量の棒に消毒液を吹きかける異常な光景を生み出してしまった。

あまりの異様さに誰ひとりこちらに近付いてこない。そこで気付くべきだったのだ。

こんな状況で人が来ないというのが奇妙だということを……。
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