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61:色々大切そうな尻の中竜玉とそれによるヤンデレ覚醒
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「レイ、ひとつ話したいことがあるでござる。実は、拙者にも魔力があったのでござる。後、スキルにも目覚めたのでござるが今、多分、一番拙者が持ったスキルで強いものが覚醒したようでござる……」
間違いない、拙者には分かる。いままで使用不可だった『魅了∞』のスキルが目覚めたのだ。
「スキル……??ルシオン、まさか君は魔法を……」
「そう、実は……」
拙者は今までのいきさつをレイに説明した。するとレイはその内容に涙をこぼした。
「なんと酷い話だ。確かにあのゴミクソハムシやレイン叔父上達も境遇に同情すべき部分がない訳ではないが、ルシオンが得るべきだった恩恵や幸せを掠めとるようなことが許されることはない。ルシオン、やはり君こそこの国の王になるべき人だ。私がなんとしても君を……」
「レイ、拙者はこの国の人に幸せになってほしいでござるが王になりたいなんて思っていないでござるよ」
それは本当のことだった。前世を思い出してなおさらその決意は固まったかもしれない。前世ドルオタで陰キャの拙者がいくら美少年となっても中身までは変わらない。
正直な話をすれば、大切な今世の推しであるレイが許してくれるなら、静かにレイの側で暮らしたいでござる。
「ああ、ルシオンは優しい。やはりルシオンだから優しい」
興奮したように叫んだレイは再び小泉構文口調になっていたけれど、それでもやっぱりレイは素敵だ。
「そんなことないでござる。それにレイに拙者は酷いことを……」
「あれは、ルシオンのせいじゃない。いや、私がもっとしっかりルシオンを守れたら……」
「だとしても拙者がレイを傷つけた、レイ本当に申し訳ない」
拙者は、その場に土下座をした。前世を思い出したので最大限の反省を表すためにしたのだけれど……。
「ああ、ルシオン、確かに私はあの時、君をクソムシビッチに奪われたと思って辛かった。けれど、実際は『魅了』で操られていたのだろう??ならば、全くルシオンは悪くない。世の中には『魅了』にかかるなんて軟弱だとか愛が足りないという人がいるが、私はこんなに私を愛してくれるルシオンが操られるなんて禁術クラスの魔法なのだから気に病まないでおくれ」
そう言って、土下座していた拙者をレイは持ち上げてそのままお姫様抱っこをした。
「ひゅあ!!れ、れい??」
「愛おしいルシオン。むしろ君を追いつめあんな劣悪な環境にいざなった我が家を憎んでくれて構わない」
レイの綺麗な紫の瞳の中に驚いた顔の絶世の美少年、すなわち拙者が映り込んでいる。
(今のレイの瞳の中には拙者以外いないでござるか……なんか面映ゆい)
「それこそ、レイはなにも悪くないでござるよ」
「ルシオン……優しい私の愛する人」
自然とお互いの顔が近づく、拙者は瞳を閉じた。そのままあたたかい感触が唇に触れるはずだったが……。
「ルシオン殿下!!」
突然、そのいい雰囲気の部屋に急いだようにレオンハルト殿が入ってきた。
「えっ、レオンハルト殿??……んっ!!」
びっくして逃げようとしたがガッシリとレイにホールドされていてをそのままレオンハルト殿の目の前で拙者はレイとキスをしてしまった。
「……っ!!レイ!!」
「ほかの男の名前は呼ばないでルシオン……」
そこでレイが完全にヤンデレモードに入っていることに気付いた。そう言えばまだ術はとけていない。しかし、レオンハルト殿に対して何も答えないわけにはいかない。
「申し訳ございません。取り込み中に。しかし、ことは緊急を要します。ルシオン殿下が主より渡されていた竜玉を至急貸して頂きたく……」
そう言われて、微動だにしないが未だに尻の中に入っているそれのことを思い出した。そう、それはまだ尻の中に入っているのだ。
「あ、レオンハルト殿、その、アレは拙者の尻の中に……」
「出しましょう。そしてそれを……」
レオンハルト殿に、再び強制排泄っぽい感じの行為を強いられかけた時、拙者を姫抱きしているレイから漆黒のオーラが垂れ流されるのが分かった。
「だめだ!!ルシオンの尻の中のものは渡さない、なぜならルシオンの尻の中にあるからだ」
「いや、その尻の中のものは元々、我が主のもので……」
「それでもルシオンの尻の中にあるなら私の一部も同然だ」
物凄い嫌な言い争いが起きて拙者はしんどい気持ちになる。しかし、竜玉を欲しがるのにはきっと理由があるはずだ。
「レオンハルト殿、何故、竜玉を欲しているでござるか??冷静な貴殿が珍しい」
その言葉にレオンハルト殿の顔が真剣なものになる。
「主は、アンドレイ様の危険な状態を治すには、それが必要なのです」
「あ、なら、竜玉をお返しするでござる」
叔父上には色々無茶苦茶もされたが、大切な身内なので尻の中の玉で救えるならなんとかしてあげたい。しかし……。
「ルシオンの尻の中から取り除かれたものを他人に渡すなんてだめだ、ルシオンの全てを渡したくない」
ヤンデレと化したレイが焦点の合わない目でこちらを見つめている。
間違いない、拙者には分かる。いままで使用不可だった『魅了∞』のスキルが目覚めたのだ。
「スキル……??ルシオン、まさか君は魔法を……」
「そう、実は……」
拙者は今までのいきさつをレイに説明した。するとレイはその内容に涙をこぼした。
「なんと酷い話だ。確かにあのゴミクソハムシやレイン叔父上達も境遇に同情すべき部分がない訳ではないが、ルシオンが得るべきだった恩恵や幸せを掠めとるようなことが許されることはない。ルシオン、やはり君こそこの国の王になるべき人だ。私がなんとしても君を……」
「レイ、拙者はこの国の人に幸せになってほしいでござるが王になりたいなんて思っていないでござるよ」
それは本当のことだった。前世を思い出してなおさらその決意は固まったかもしれない。前世ドルオタで陰キャの拙者がいくら美少年となっても中身までは変わらない。
正直な話をすれば、大切な今世の推しであるレイが許してくれるなら、静かにレイの側で暮らしたいでござる。
「ああ、ルシオンは優しい。やはりルシオンだから優しい」
興奮したように叫んだレイは再び小泉構文口調になっていたけれど、それでもやっぱりレイは素敵だ。
「そんなことないでござる。それにレイに拙者は酷いことを……」
「あれは、ルシオンのせいじゃない。いや、私がもっとしっかりルシオンを守れたら……」
「だとしても拙者がレイを傷つけた、レイ本当に申し訳ない」
拙者は、その場に土下座をした。前世を思い出したので最大限の反省を表すためにしたのだけれど……。
「ああ、ルシオン、確かに私はあの時、君をクソムシビッチに奪われたと思って辛かった。けれど、実際は『魅了』で操られていたのだろう??ならば、全くルシオンは悪くない。世の中には『魅了』にかかるなんて軟弱だとか愛が足りないという人がいるが、私はこんなに私を愛してくれるルシオンが操られるなんて禁術クラスの魔法なのだから気に病まないでおくれ」
そう言って、土下座していた拙者をレイは持ち上げてそのままお姫様抱っこをした。
「ひゅあ!!れ、れい??」
「愛おしいルシオン。むしろ君を追いつめあんな劣悪な環境にいざなった我が家を憎んでくれて構わない」
レイの綺麗な紫の瞳の中に驚いた顔の絶世の美少年、すなわち拙者が映り込んでいる。
(今のレイの瞳の中には拙者以外いないでござるか……なんか面映ゆい)
「それこそ、レイはなにも悪くないでござるよ」
「ルシオン……優しい私の愛する人」
自然とお互いの顔が近づく、拙者は瞳を閉じた。そのままあたたかい感触が唇に触れるはずだったが……。
「ルシオン殿下!!」
突然、そのいい雰囲気の部屋に急いだようにレオンハルト殿が入ってきた。
「えっ、レオンハルト殿??……んっ!!」
びっくして逃げようとしたがガッシリとレイにホールドされていてをそのままレオンハルト殿の目の前で拙者はレイとキスをしてしまった。
「……っ!!レイ!!」
「ほかの男の名前は呼ばないでルシオン……」
そこでレイが完全にヤンデレモードに入っていることに気付いた。そう言えばまだ術はとけていない。しかし、レオンハルト殿に対して何も答えないわけにはいかない。
「申し訳ございません。取り込み中に。しかし、ことは緊急を要します。ルシオン殿下が主より渡されていた竜玉を至急貸して頂きたく……」
そう言われて、微動だにしないが未だに尻の中に入っているそれのことを思い出した。そう、それはまだ尻の中に入っているのだ。
「あ、レオンハルト殿、その、アレは拙者の尻の中に……」
「出しましょう。そしてそれを……」
レオンハルト殿に、再び強制排泄っぽい感じの行為を強いられかけた時、拙者を姫抱きしているレイから漆黒のオーラが垂れ流されるのが分かった。
「だめだ!!ルシオンの尻の中のものは渡さない、なぜならルシオンの尻の中にあるからだ」
「いや、その尻の中のものは元々、我が主のもので……」
「それでもルシオンの尻の中にあるなら私の一部も同然だ」
物凄い嫌な言い争いが起きて拙者はしんどい気持ちになる。しかし、竜玉を欲しがるのにはきっと理由があるはずだ。
「レオンハルト殿、何故、竜玉を欲しているでござるか??冷静な貴殿が珍しい」
その言葉にレオンハルト殿の顔が真剣なものになる。
「主は、アンドレイ様の危険な状態を治すには、それが必要なのです」
「あ、なら、竜玉をお返しするでござる」
叔父上には色々無茶苦茶もされたが、大切な身内なので尻の中の玉で救えるならなんとかしてあげたい。しかし……。
「ルシオンの尻の中から取り除かれたものを他人に渡すなんてだめだ、ルシオンの全てを渡したくない」
ヤンデレと化したレイが焦点の合わない目でこちらを見つめている。
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