36 / 74
34:カルナック公爵との話合い02
しおりを挟む
「えっ、その、もう少しまともな服はないでござるか??」
「いやー、ここ砦なんで、鎧かメイド服しかないですね」
とんでもない二者択一を迫られる拙者。
全裸の上から鎧を着るという斬新なフェチスタイルか、下着がないのでノーパンでメイド服を着るという薄い本が分厚くなるスタイル。どちらもどちらだが、鎧に全裸の美少年というのはなんかまずい需要の匂いしかしないので苦渋の選択でメイド服を着た。
メイド服は、一応クラシックスタイルで丈が長めで清楚な感じなので少しマシではある。ただ、その実態はクラシカルメイドスタイルの美少年(ノーパン)なのでそこが知れると途端に腐女子殿が書くBL作品に出てきそうな状態へと変貌してしまう。
(いくら外観が金髪の儚げの輝く美少年でも、拙者が本体でノーパンメイド服美少年とか無理)
色々、非常に憂鬱な気持ちになりながら、とりあえず会議室の前に戻ってきたが……。
「ふざけるな!!」
と扉の外まで、叔父上の叫び声が聞こえて来た。これはどういうことだろう、自分がいない間に帝国と王国間で戦争になりかねない会話がなされたのかと思い急いで、扉を開いて中へ入った……が、
「可愛いルシオンは何を着ても可愛い!!だからたとえ裸鎧姿であっても最高でしかない」
なんだろう、叔父上が限界オタクみたいなことを口走っている。慣れたつもりだったけれど裸鎧という新ジャンルを開拓していて流石に震えが止まらない。
「いや……その閣下の趣味嗜好はともかく私から見ても甥っ子のルシオンが裸鎧はちょっと可哀そうだ。金属が直に素肌に当たると風邪を引いてしまいそうで……しっかりした布を着てほしい……」
そして、カルナック公爵にはそこが問題ではないと言いたい。でも確かに裸鎧だと金属プレート部分に乳首が擦りそうで嫌だなとは思うので、すごく遠いところでは正しい。そんなことを考えながらジト目で再び部屋に入った。
「「ってルシオン!?」」
なんだろう、拙者が想像していた国際問題ではなさそうなのでとりあえず安心したのだが、会議室内の人達の視線と叔父ズの視線がなんだかこう物凄くしんどい。
まるで思春期の自室で親にエロ本を発見されて机に並べられているくらいの辛さがある。
「ああ、可愛いルシオンがメイド服。しかし、ここに下着はないはず、はぁ、まずい、これはまずい、新しい性癖が目覚めそうだ」
「……ううっ、可哀そうに。すまない。ついカッとなってしまったばっかりに地位どころか尊厳まで奪われるなんて……いくら兄上がルシオンに対して妙なことを言いがかりをつけて嫌っていたとはいえこんなことまでするなんて……」
かたや新しい性癖を開発し、かたやメイド服を着て現れた甥っ子に涙している。どちらの叔父を信頼すべきか一目瞭然な気もするが、一旦その件はおいておきたいので真顔で拙者はふたりに話しかけた。
「そう言えば、丁度話題にでたので公爵様にお伺いしたいのだが、何故父上はあれほど拙者を毛嫌いしているのだろうか、魔力がないからというだけでなくまるで拙者が不義の子のような言い回しをよく聞いていたのですが……」
そう話しかけると甥っ子のノーパンメイド服ショックを受けていたカルナック公爵が悲し気に話はじめた。
「実は、それについては私も真実は分からないが、兄上は何故かルシオンの容姿を銀髪青い目だと言っていた。どう見ても王家の金髪碧眼なのに……他の人間がいくらそうはなしても全く聞く耳を持たず、王妃様にもその……」
何故かすごく言いづらそうに叔父上を見ている公爵様に、気付いているようだが叔父上はそれをスルーしながらも渋々という風に口を開いた。
「兄上に何故か、あのクソ国王はルシオンは僕と兄上の子供だろうと詰め寄っていたんだ。何度も否定していたし物理的に不可能だと話しても聞く耳を持たず、しかもルシオンの魔力が0と測定されるとさらにその謂れのないことをまるで真実のように考え出したんだ。大体、もし可愛いルシオンが私の甥っ子でなくベイビーちゃんであれば、とうの昔にクソ国王の元から引きはがして尻がとろけるほど甘やかして大切に育てるに決まっているのに……」
尻が蕩ける甘やかし方のことが怖いながらも気になったが、真実を知るとSAN値が減りそうなので一旦それについては触れずに、大切な部分を抽出することにした。
「陛下は何故、拙者を叔父上と母上の子だと思ったのだろう……そして、何故これだけ間違いなく金髪碧眼なのに銀髪碧眼だとおもっていたのだろうか……」
「それについて、ひとつ気になることがある。レイモンドの行方を捜すにあたり気になっているのだが……その、ルシオンは、娼館でギムレットに会ったのだろう??」
そう控えめに聞かれて、そう言えばカルナック公爵の息子で、レイの異母兄弟疑惑が彼にはあったので拙者とビッチ氏が抱いていた疑念について話した。
すると、みるみるカルナック公爵の顔色が悪くなる。
「……不貞を働いていたのか??正直可愛いルシオン絡みでないので僕には全く興味のないところだがルシオンが気にしているからな、隠し立てなく話してほしい」
と真面目な顔で真面目な話をしながら拙者の腰を抱き寄せる叔父上。後、さりげなく尻を撫でるのは本当にセクハラなんでやめていただきたい。
「その、どうしてそのような誤解が生まれているのかが分からないのですが、ギムレットと私の間にそのような関係はありません。むしろ彼は……」
そこで何やら物思いに耽るように悲し気な顔をして、カルナック公爵はありえない一言を告げる。
「ギムレットはそもそも、私と兄上から見て腹違いの弟で庶子にあたります。間違えてもレイモンドとルシオンとは同世代ではない」
「いやー、ここ砦なんで、鎧かメイド服しかないですね」
とんでもない二者択一を迫られる拙者。
全裸の上から鎧を着るという斬新なフェチスタイルか、下着がないのでノーパンでメイド服を着るという薄い本が分厚くなるスタイル。どちらもどちらだが、鎧に全裸の美少年というのはなんかまずい需要の匂いしかしないので苦渋の選択でメイド服を着た。
メイド服は、一応クラシックスタイルで丈が長めで清楚な感じなので少しマシではある。ただ、その実態はクラシカルメイドスタイルの美少年(ノーパン)なのでそこが知れると途端に腐女子殿が書くBL作品に出てきそうな状態へと変貌してしまう。
(いくら外観が金髪の儚げの輝く美少年でも、拙者が本体でノーパンメイド服美少年とか無理)
色々、非常に憂鬱な気持ちになりながら、とりあえず会議室の前に戻ってきたが……。
「ふざけるな!!」
と扉の外まで、叔父上の叫び声が聞こえて来た。これはどういうことだろう、自分がいない間に帝国と王国間で戦争になりかねない会話がなされたのかと思い急いで、扉を開いて中へ入った……が、
「可愛いルシオンは何を着ても可愛い!!だからたとえ裸鎧姿であっても最高でしかない」
なんだろう、叔父上が限界オタクみたいなことを口走っている。慣れたつもりだったけれど裸鎧という新ジャンルを開拓していて流石に震えが止まらない。
「いや……その閣下の趣味嗜好はともかく私から見ても甥っ子のルシオンが裸鎧はちょっと可哀そうだ。金属が直に素肌に当たると風邪を引いてしまいそうで……しっかりした布を着てほしい……」
そして、カルナック公爵にはそこが問題ではないと言いたい。でも確かに裸鎧だと金属プレート部分に乳首が擦りそうで嫌だなとは思うので、すごく遠いところでは正しい。そんなことを考えながらジト目で再び部屋に入った。
「「ってルシオン!?」」
なんだろう、拙者が想像していた国際問題ではなさそうなのでとりあえず安心したのだが、会議室内の人達の視線と叔父ズの視線がなんだかこう物凄くしんどい。
まるで思春期の自室で親にエロ本を発見されて机に並べられているくらいの辛さがある。
「ああ、可愛いルシオンがメイド服。しかし、ここに下着はないはず、はぁ、まずい、これはまずい、新しい性癖が目覚めそうだ」
「……ううっ、可哀そうに。すまない。ついカッとなってしまったばっかりに地位どころか尊厳まで奪われるなんて……いくら兄上がルシオンに対して妙なことを言いがかりをつけて嫌っていたとはいえこんなことまでするなんて……」
かたや新しい性癖を開発し、かたやメイド服を着て現れた甥っ子に涙している。どちらの叔父を信頼すべきか一目瞭然な気もするが、一旦その件はおいておきたいので真顔で拙者はふたりに話しかけた。
「そう言えば、丁度話題にでたので公爵様にお伺いしたいのだが、何故父上はあれほど拙者を毛嫌いしているのだろうか、魔力がないからというだけでなくまるで拙者が不義の子のような言い回しをよく聞いていたのですが……」
そう話しかけると甥っ子のノーパンメイド服ショックを受けていたカルナック公爵が悲し気に話はじめた。
「実は、それについては私も真実は分からないが、兄上は何故かルシオンの容姿を銀髪青い目だと言っていた。どう見ても王家の金髪碧眼なのに……他の人間がいくらそうはなしても全く聞く耳を持たず、王妃様にもその……」
何故かすごく言いづらそうに叔父上を見ている公爵様に、気付いているようだが叔父上はそれをスルーしながらも渋々という風に口を開いた。
「兄上に何故か、あのクソ国王はルシオンは僕と兄上の子供だろうと詰め寄っていたんだ。何度も否定していたし物理的に不可能だと話しても聞く耳を持たず、しかもルシオンの魔力が0と測定されるとさらにその謂れのないことをまるで真実のように考え出したんだ。大体、もし可愛いルシオンが私の甥っ子でなくベイビーちゃんであれば、とうの昔にクソ国王の元から引きはがして尻がとろけるほど甘やかして大切に育てるに決まっているのに……」
尻が蕩ける甘やかし方のことが怖いながらも気になったが、真実を知るとSAN値が減りそうなので一旦それについては触れずに、大切な部分を抽出することにした。
「陛下は何故、拙者を叔父上と母上の子だと思ったのだろう……そして、何故これだけ間違いなく金髪碧眼なのに銀髪碧眼だとおもっていたのだろうか……」
「それについて、ひとつ気になることがある。レイモンドの行方を捜すにあたり気になっているのだが……その、ルシオンは、娼館でギムレットに会ったのだろう??」
そう控えめに聞かれて、そう言えばカルナック公爵の息子で、レイの異母兄弟疑惑が彼にはあったので拙者とビッチ氏が抱いていた疑念について話した。
すると、みるみるカルナック公爵の顔色が悪くなる。
「……不貞を働いていたのか??正直可愛いルシオン絡みでないので僕には全く興味のないところだがルシオンが気にしているからな、隠し立てなく話してほしい」
と真面目な顔で真面目な話をしながら拙者の腰を抱き寄せる叔父上。後、さりげなく尻を撫でるのは本当にセクハラなんでやめていただきたい。
「その、どうしてそのような誤解が生まれているのかが分からないのですが、ギムレットと私の間にそのような関係はありません。むしろ彼は……」
そこで何やら物思いに耽るように悲し気な顔をして、カルナック公爵はありえない一言を告げる。
「ギムレットはそもそも、私と兄上から見て腹違いの弟で庶子にあたります。間違えてもレイモンドとルシオンとは同世代ではない」
0
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)
藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!?
手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
悪役令嬢のペットは殿下に囲われ溺愛される
白霧雪。
BL
旧題:悪役令嬢のポチは第一王子に囲われて溺愛されてます!?
愛される喜びを知ってしまった――
公爵令嬢ベアトリーチェの幼馴染兼従者として生まれ育ったヴィンセント。ベアトリーチェの婚約者が他の女に現を抜かすため、彼女が不幸な結婚をする前に何とか婚約を解消できないかと考えていると、彼女の婚約者の兄であり第一王子であるエドワードが現れる。「自分がベアトリーチェの婚約について、『ベアトリーチェにとって不幸な結末』にならないよう取り計らう」「その代わり、ヴィンセントが欲しい」と取引を持ち掛けられ、不審に思いつつも受け入れることに。警戒を解かないヴィンセントに対し、エドワードは甘く溺愛してきて……
❁❀花籠の泥人形編 更新中✿ 残4話予定✾
❀小話を番外編にまとめました❀
✿背後注意話✿
✾Twitter → @yuki_cat8 (作業過程や裏話など)
❀書籍化記念IFSSを番外編に追加しました!(23.1.11)❀
嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる