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40.魔界が崩壊するような表情(ルカ視点)

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「どのような仕事をお望みですか??」

「……になってほしい」

大魔王様へんきょうはくさまの言葉の意味がわからず思わず考える。「こうし」ってどんな意味がある。そう考えて真っ先に浮かんだのが……

(子牛かな……子牛になってほしいってどんな意味だろう……)

そう考えて、よく考えると生贄の子羊とか、子ヤギとかいうなと考えて、もしかしたら子牛もそういう生贄シリーズなのかもしれない。だとしたらベルっちが臓物とか供物に捧げられてしまうかもしれない。

「あの、ギル様……、ベルっちを食べないでください」

「ルカ、俺はベルっちという男を食べない。ルカにそんな悲しい顔をされることがないように、この男にを開いてもらえればなんの問題もない」

(ルカこうざ??なんだ、全く分からない、こうざって普通に講座かな?知らないだけで魔界ではよく使う言葉だったりしないよね??)

珍しく色々考えて頭がおかしくなりそうだ。やはりまだまだ知らない事がたくさん世の中にはあるな。

「あの、俺もまだルカっちのこと知りませんよ」

ベルっちの言葉に、大魔王様へんきょうはくさまが首を傾げる、ちょっとだけ可愛い気がした。なんだろう僕毒されて来てるのかな……。

「だとしても、ルカがあだ名呼びするなんて完全に心を許しているだろう??羨ましい、俺もあだ名で呼ばれたい」

「えっ、あだ名でギル様は呼ばれたかったんですか??」

あまりにびっくりして叫ぶと大魔王様へんきょうはくさまは耳まで赤くしてうなづいた。ちょっと可愛い。

そんなことならお安い御用だ。大魔王様へんきょうはくさまから気に入られたら僕の童貞脱退チャレンジへの希望が広がる。恋人は無理だけど友達になるなら。

「任せて下さい!!お安い御用ですよ」

満面の笑みで答えた。すると大魔王様へんきょうはくさまがちょっと嬉しそうだ。

「じゃあ……ギルっ」

「大魔王様からまおっちとか可愛くないですか??」

なんか言いかけた大魔王様へんきょうはくさまと被ったけど大丈夫かな。

そんなことを考えて大魔王様へんきょうはくさまを見て僕は過去イチ震える。今までで一番怖い顔、魔界をその顔面で崩壊させそうな表情をしている。

「気に入りませんでしたか」

「すまない、それだけは却下したい」
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