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39.死亡フラグ立てたけど元気そうだった
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とりあえず変態を置いて、城を出ると外には待ち構えたように辺境伯側の軍勢がいた。俺の帰りに湧く軍勢の先頭には見慣れた男がいた。
「辺境伯様、大丈夫っすか??」
別れる際に盛大な死亡フラグを立てて行ったはずのレイモンドが元気に声を掛けてきた。ケガもなくいたって元気そうでムカつく。
「特に問題ない。ところで、状況は??」
「なんとか押し返しましたけど……って大公様」
俺の後ろから出てきた男を見て、レイモンドの顔が歪む。どうやらシオン大公も一緒に出てきたらしい。俺の元までくると耳元でレイモンドが囁く。
「辺境伯様、アレは結局使わなかったんっすね。逃げるのは一応成功っぽいですが、大公様いるのやばくないっすか??」
「問題ない。ルカとこのベルっちという男を連れて帰る」
そう言って、紹介するとレイモンドの顔があからさまに嫌そうなものになる。ルカを侮辱するなら後でこいつを逆さ吊りにする予定だ。
「えっ、悪魔っぽい人が増えてるじゃないっすか!?えっ!!天使1に対して悪魔2とかバランスわるっ」
ルカの悪口ではないが、レイモンドが失礼なことを言っている。それに関しては、逆さ吊りにするとして、一旦は無視する。そして、後ろにいるシオン大公に向き直りめんどくさいが話かけた。
「まだ、何か用か??」
「いや、むしろ用がないとおもっているのかい??君は……」
この後気持ち悪いことを言いそうなので急いで遮る。
「城を焼いた件と条約を破り国境を侵した件については、辺境伯領はもちろん、国からも正式に抗議させてもらう。しかし、一旦はルカが戻ってきたので猶予をやろう。次にやったら生まれてきたことを後悔させてやる」
ルカ、軍勢あたりからヒッという声がするくらいには怖い表情を浮かべたが、なぜか大公は嬉しそうだ。そのまま気持ち悪い変態を残して一旦、俺は国境にある砦に戻った。
城を焼かれてしまったので再建まではしばらくここで過ごすことになる。シオン大公の動きは監視できるが愛おしいルカのためにあつらえたものが全部燃えて怒りが抑えきれない。
(ルカの花嫁衣装も燃えた、一度ルカに着せたからまだマシだが、クソ、今考えると腹立たしい)
「あの、へんきょ……ギル様」
可愛い天使ルカがとても不安そうに話しかけてくる。その美しい顔を悲しみで歪めている原因は絶対に潰す。そう誓いながらなるべくにこやかな表情を浮かべる。しかし、心なしかさっきよりルカが震えている気がするが気のせいだ。
「なんだ、ルカ」
「……あのベルっちをどうされるおつもりで……」
そう言われて、講師に連れて来た男のことを心配そうに見ている。何故こんなに心配しているのだろう。
「心配ない。焼いたり食ったりはしない、ただ役立ってもらうだけだ」
お茶目なつもりで言ったのにルカがなんか泣き出した。なんでだ、さすがに傷つく。
「べルっちをお許しください。なんかわからないけど、焼いて食べないでください」
完全に冗談を鵜呑みにしているルカが可愛すぎるが、そう言われて庇われているベルっちはずっと無表情だった。
(こいつ何を考えているんだ??読めんな)
そう考えていると、視線に気づいたのかやっと口を開いた。
「なるほど、貴方は俺に危害は加えないのですね。なら問題ありません。しばらくこちらで働ければなお有難い」
意外に物分かりが良いみたいであっさりそう口にした。その言葉にルカがびっくりしているが、男は意に介さず続ける。
「どのような仕事をお望みですか??」
「……講師になってほしい」
「辺境伯様、大丈夫っすか??」
別れる際に盛大な死亡フラグを立てて行ったはずのレイモンドが元気に声を掛けてきた。ケガもなくいたって元気そうでムカつく。
「特に問題ない。ところで、状況は??」
「なんとか押し返しましたけど……って大公様」
俺の後ろから出てきた男を見て、レイモンドの顔が歪む。どうやらシオン大公も一緒に出てきたらしい。俺の元までくると耳元でレイモンドが囁く。
「辺境伯様、アレは結局使わなかったんっすね。逃げるのは一応成功っぽいですが、大公様いるのやばくないっすか??」
「問題ない。ルカとこのベルっちという男を連れて帰る」
そう言って、紹介するとレイモンドの顔があからさまに嫌そうなものになる。ルカを侮辱するなら後でこいつを逆さ吊りにする予定だ。
「えっ、悪魔っぽい人が増えてるじゃないっすか!?えっ!!天使1に対して悪魔2とかバランスわるっ」
ルカの悪口ではないが、レイモンドが失礼なことを言っている。それに関しては、逆さ吊りにするとして、一旦は無視する。そして、後ろにいるシオン大公に向き直りめんどくさいが話かけた。
「まだ、何か用か??」
「いや、むしろ用がないとおもっているのかい??君は……」
この後気持ち悪いことを言いそうなので急いで遮る。
「城を焼いた件と条約を破り国境を侵した件については、辺境伯領はもちろん、国からも正式に抗議させてもらう。しかし、一旦はルカが戻ってきたので猶予をやろう。次にやったら生まれてきたことを後悔させてやる」
ルカ、軍勢あたりからヒッという声がするくらいには怖い表情を浮かべたが、なぜか大公は嬉しそうだ。そのまま気持ち悪い変態を残して一旦、俺は国境にある砦に戻った。
城を焼かれてしまったので再建まではしばらくここで過ごすことになる。シオン大公の動きは監視できるが愛おしいルカのためにあつらえたものが全部燃えて怒りが抑えきれない。
(ルカの花嫁衣装も燃えた、一度ルカに着せたからまだマシだが、クソ、今考えると腹立たしい)
「あの、へんきょ……ギル様」
可愛い天使ルカがとても不安そうに話しかけてくる。その美しい顔を悲しみで歪めている原因は絶対に潰す。そう誓いながらなるべくにこやかな表情を浮かべる。しかし、心なしかさっきよりルカが震えている気がするが気のせいだ。
「なんだ、ルカ」
「……あのベルっちをどうされるおつもりで……」
そう言われて、講師に連れて来た男のことを心配そうに見ている。何故こんなに心配しているのだろう。
「心配ない。焼いたり食ったりはしない、ただ役立ってもらうだけだ」
お茶目なつもりで言ったのにルカがなんか泣き出した。なんでだ、さすがに傷つく。
「べルっちをお許しください。なんかわからないけど、焼いて食べないでください」
完全に冗談を鵜呑みにしているルカが可愛すぎるが、そう言われて庇われているベルっちはずっと無表情だった。
(こいつ何を考えているんだ??読めんな)
そう考えていると、視線に気づいたのかやっと口を開いた。
「なるほど、貴方は俺に危害は加えないのですね。なら問題ありません。しばらくこちらで働ければなお有難い」
意外に物分かりが良いみたいであっさりそう口にした。その言葉にルカがびっくりしているが、男は意に介さず続ける。
「どのような仕事をお望みですか??」
「……講師になってほしい」
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