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37.ゾウがどついても開かないらしい扉
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「随分と三人とも楽しそうだね」
折角のルカとの再会と、ルカを手に入れるための大切な講師との語らいを変態に邪魔される。あまりに頭にきたので相手が大公であることも忘れて口が悪くなる。
「……クソ変態、何か用か??」
「はぁはぁ、いいな。やはり絶対欲しいな。ギルフェルを監禁していっぱいいっぱい辱めたいな……高貴なブラックダイヤモンドのような矜持を砕いて私だけしか見ないようにして……」
とっても気持ち悪い。でも俺もルカに対してこういうところがあるという恐ろしい事実。震えながら大公を見るルカが一体どんな顔をしているのか確認した。
(ものすごく気持ち悪いなって顔をしている。ああ、それはつまり俺がルカに同じことしている時、絶対ルカは同じ顔しているし、「こいつキモイな」って思われているということじゃないか……最悪だ。辛い。いますぐ消えてなくなりたい)
自己嫌悪で死にかけていると、さらにルカが大公にトドメの一撃を刺す。
「あの、シオン大公。大魔王様も流石にドン引いていますので勘弁して頂きたく……」
(お願いだ、俺を誰か殺してくれ。天使に、俺の愛おしい天使に生理的嫌悪を抱かれているかもしれない事実に生きているのが辛い、爆ぜたい)
色々死にかけている中で、打たれ強い変態は全く気にした風でもなく俺の天使に毒を吐いたがそれすら聞きながせそうなくらい心が痛い。
「うるさい、こざかしい天使め。お前が、お前さぇ堕落させれば愛おしい、魔王は私のものに……」
「この世界が滅んでもそれはない」
それは絶対にない。世界が滅んで、俺とこいつだけになってもない。もしこいつになんかされる位なら、躊躇なくヤツを殺すか自分が死ぬ。それくらいない。流石にそれは堪えたらしくシオン大公が一瞬切なげな顔をした。
(こいつも俺に嫌悪されて死にたいのかな……いや、あいつはそれくらでへこたれないタイプだ。つまり俺よりこいつのがメンタルが強いのか、それは悔しい。なんとかしたい……)
などくだらないことを考えていたら、いきなり何かが閉まった音がする。
「何にしてもこのまま外には出さないよ」
そう言って笑う、シオン大公。ドアをロックしたらしい。まぁそれくらいは想定済みだ。
「ど、どうしましょう、閉じ込められてしまったんですかね??」
ルカが心配そうな顔をしている。ルカを悲しませるものは絶対許さない。
「心配ない、これくらいなら……」
ベルっちと呼ばれた、俺の講師になる予定の男が、魔法を打ち込もうとした。しかし……。
「ベルゼブブ、主人に君のような賢い男が背くなんてね。でも残念。その扉は魔法では壊れない、というか魔法が無効化されるから無駄なあがきだ。それに強度も……」
魔法が効かないなら、力で開ければいい。とりあえず、俺は扉を軽く手で小突いた。
バキッ
何か壊れた音がする。もう一押しかな。
「いやいや、えっ、私のギルフェルたん強すぎて好きすぎる。じゃなかった。えっ、その扉はゾウが体当たりしても壊れない強度だから人間が開けるのは無理だっていいかけ……」
何か言っているがとりあえず無視して、俺は扉を真っぷたつにした。
「いくぞ、ふたりとも」
折角のルカとの再会と、ルカを手に入れるための大切な講師との語らいを変態に邪魔される。あまりに頭にきたので相手が大公であることも忘れて口が悪くなる。
「……クソ変態、何か用か??」
「はぁはぁ、いいな。やはり絶対欲しいな。ギルフェルを監禁していっぱいいっぱい辱めたいな……高貴なブラックダイヤモンドのような矜持を砕いて私だけしか見ないようにして……」
とっても気持ち悪い。でも俺もルカに対してこういうところがあるという恐ろしい事実。震えながら大公を見るルカが一体どんな顔をしているのか確認した。
(ものすごく気持ち悪いなって顔をしている。ああ、それはつまり俺がルカに同じことしている時、絶対ルカは同じ顔しているし、「こいつキモイな」って思われているということじゃないか……最悪だ。辛い。いますぐ消えてなくなりたい)
自己嫌悪で死にかけていると、さらにルカが大公にトドメの一撃を刺す。
「あの、シオン大公。大魔王様も流石にドン引いていますので勘弁して頂きたく……」
(お願いだ、俺を誰か殺してくれ。天使に、俺の愛おしい天使に生理的嫌悪を抱かれているかもしれない事実に生きているのが辛い、爆ぜたい)
色々死にかけている中で、打たれ強い変態は全く気にした風でもなく俺の天使に毒を吐いたがそれすら聞きながせそうなくらい心が痛い。
「うるさい、こざかしい天使め。お前が、お前さぇ堕落させれば愛おしい、魔王は私のものに……」
「この世界が滅んでもそれはない」
それは絶対にない。世界が滅んで、俺とこいつだけになってもない。もしこいつになんかされる位なら、躊躇なくヤツを殺すか自分が死ぬ。それくらいない。流石にそれは堪えたらしくシオン大公が一瞬切なげな顔をした。
(こいつも俺に嫌悪されて死にたいのかな……いや、あいつはそれくらでへこたれないタイプだ。つまり俺よりこいつのがメンタルが強いのか、それは悔しい。なんとかしたい……)
などくだらないことを考えていたら、いきなり何かが閉まった音がする。
「何にしてもこのまま外には出さないよ」
そう言って笑う、シオン大公。ドアをロックしたらしい。まぁそれくらいは想定済みだ。
「ど、どうしましょう、閉じ込められてしまったんですかね??」
ルカが心配そうな顔をしている。ルカを悲しませるものは絶対許さない。
「心配ない、これくらいなら……」
ベルっちと呼ばれた、俺の講師になる予定の男が、魔法を打ち込もうとした。しかし……。
「ベルゼブブ、主人に君のような賢い男が背くなんてね。でも残念。その扉は魔法では壊れない、というか魔法が無効化されるから無駄なあがきだ。それに強度も……」
魔法が効かないなら、力で開ければいい。とりあえず、俺は扉を軽く手で小突いた。
バキッ
何か壊れた音がする。もう一押しかな。
「いやいや、えっ、私のギルフェルたん強すぎて好きすぎる。じゃなかった。えっ、その扉はゾウが体当たりしても壊れない強度だから人間が開けるのは無理だっていいかけ……」
何か言っているがとりあえず無視して、俺は扉を真っぷたつにした。
「いくぞ、ふたりとも」
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