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36.某魔界のバンド風味な(ルカ視点)

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「僕と、ベルっちの間には何もありませんから。辺境伯様、怒らないでください」

「怒っていない、ただ……」

ベルっちを今にもSATSUGAIさつがいしそうな顔をしている大魔王様へんきょうはくさま。某地獄から来た悪魔設定のメタルバンドの歌詞のようにすべてを血に染めそうな大魔王様へんきょうはくさま

(いや、大魔王様へんきょうはくさまは真実の魔王の可能性がある)

リアル魔王である大魔王様へんきょうはくさまに目をつけられたらおしまいだ。ベルっち、いい子だったけどごめんね、僕は童貞を捨てるまでは死ねない。

そんなことを考えていた時だった。

「随分と三人とも楽しそうだね」

そこには、右頬の腫れたシオン大公様が立っていた。大魔王様へんきょうはくさまを無理やり犯した代償としては割と軽いかもしれない。いや、必死に逃げたから大魔王様へんきょうはくさまも本気でSATSUGAIさつがいできなかったのだろう。

「……クソ変態、何か用か??」

大魔王様へんきょうはくさまがこの世の全てをSATSUGAIさつがいしそうな表情で睨んでいる。それなのに……。

「はぁはぁ、いいな。やはり絶対欲しいな。ギルフェルを監禁していっぱいいっぱい辱めたいな……高貴なブラックダイヤモンドのような矜持を砕いて私だけしか見ないようにして……」

と見たことないくらい、恍惚とした表情を浮かべてすごい気持ち悪いことを言っている。あまりの衝撃に基本的に僕は色々な人の性癖に考慮するタイプの人間だけどさすがにドン引いてジト目をしてしまった。

そんな僕の方をなぜか、大魔王様へんきょうはくさまがまるでいたたまれないというような表情で見ている。そりゃあ、あんな気持ち悪い妄想の餌食になったら仕方ない。ちょっと可哀そうなのでフォローしよう。この後大魔王様へんきょうはくさまに捕まっているしどうせ辺境伯領に戻らないとだし……。

「あの、シオン大公。大魔王様へんきょうはくさまも流石にドン引いていますので勘弁して頂きたく……」

「うるさい、こざかしい天使め。お前が、お前さぇ堕落させれれば愛おしい、魔王は私のものに……」

「この世界が滅んでもそれはない」

冷たい声で言い放つ大魔王様へんきょうはくさま。これは流石にシオン大公様も傷ついているかもしれないと忙しく僕はシオン大公様をみたが、心配は杞憂だったようでむしろなんか嬉しそうな顔をしていた。

「何にしてもこのまま外には出さないよ」
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