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35.ルカに好かれたいだけなのだが……
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変態反面教師のシオン大公のことをボコして出てきたら、そこに大天使、もとい俺の天使ルカがいた。最初は幻想かと思ったが間違いない。
「辺境伯様!?えっ、あ、ご愁傷様です」
しかし、すごくルカが微妙な顔をしている。なんだろうデジャヴがする。前にレイモンドとの関係を誤解していた時の表情に似ている。
(どうしてあんな顔をしている??)
まるで、とても可哀そうな人を見るような目で俺を見ているルカ。
「ルカっち、早く」
そう、見知らぬ男がルカに声を掛けた。聞き間違えでなければ「ルカっち」などと親し気に話しかけた男。しかし、それよりもルカがあの変態に何かされていないか確認しないといけない。
俺は人間の身体能力の限界くらいの速度で移動してルカを捕まえる。そして、抱きしめた時、とても落ち着く。
(ああ、久々に嗅ぐルカエルの香りは香しい、ずっと嗅いでいたい……はっ!!正気になれ、これではあの変態野郎と変わらない、ああ、また泣きそうだ)
「ルカ会いたかった、あの変態に何もされていないか??」
あの変態によって、処女を散らすようなことをされていたら、この後戻ってあいつを抹消しないといけない。抹殺ではなく全てなかったことに、この世に居なかったことにする予定だ。
「僕は大丈夫です、あ、あの辺境伯様こそ大丈夫ですか??」
さぞかし怖かっただろうに、天使のように優しいルカエルは俺の心配をしてくれている。こういう綺麗な心と綺麗な姿がまさに天使のようで愛おしい。それに比べてシオン大公は、姿は良いが中身が破綻している。色々だめだ。
「ああ、地下牢に半裸で拘束されて気持ち悪い目にあったが、ルカに比べたらなんの問題もない」
そう、ルカに比べたらただ拘束されたくらいだし何も問題ない。それなのにルカがさらに悲しげな顔をしている。ああ、きっと痛い目にあったのではないかと心配してくれているのだろう、ルカの優しさが身に染みて色々浄化されたはずだったのに……。
「僕はベルっちと仲良くなったり楽しかったですから、大丈夫です。それより……」
(ベルっち??)
どうでも良いと放置していた男、しかし、その男はルカエルからベルっちなどと愛称で呼ばれていた。
(うらやましい!!)
俺だってまだ愛称で呼ばれたことなんかない。俺だって、ギルっちって呼ばれたい。無理やりギル様って呼ばせているけどそれよりもっと親しくなりたい。一体何をすればそんなに親しくなれるんだ。
そう考えたら、とてもダサいのだがこの男にルカの心の掴み方のレクチャーをしてもらうべきかもしれない。
(うむ、それがいい。なんとかルカの心を捉えたい)
善は急げと男に声を掛ける。
「お前は、ルカに何かしたのか!!」
しかし、何故だろう、男の顔もルカの表情も険しくなる。もっとフレンドリーに言うべきだったか??ならば言いなおそう。
「ベルっちという男、ルカにどんなことをした」
少し柔らかくなった、間違いない。しかし、ルカは今にも泣きそうだし、男はなんかすごい顔している。そう言えば半裸でボロボロっぽい見た目だからそれも良くなかったかなどと考えていると。
「特になにもしてない」
と簡素に答えた。何もしないでそこまで親しくなれるなら、俺とルカは既にラブラブでひとつになっているだろう。絶対に秘訣があるはずだ。
「いや、何かしたはずだ」
「していない」
冷たく言い放ち睨む男。どうして、ただ聞いているだけなのにこんなに剣呑な雰囲気になる。疑問に思っているとルカが泣きそうになりながら俺と男の間に入る。
「僕と、ベルっちの間には何もありませんから。辺境伯様、怒らないでください」
「怒っていない、ただ……」
「辺境伯様!?えっ、あ、ご愁傷様です」
しかし、すごくルカが微妙な顔をしている。なんだろうデジャヴがする。前にレイモンドとの関係を誤解していた時の表情に似ている。
(どうしてあんな顔をしている??)
まるで、とても可哀そうな人を見るような目で俺を見ているルカ。
「ルカっち、早く」
そう、見知らぬ男がルカに声を掛けた。聞き間違えでなければ「ルカっち」などと親し気に話しかけた男。しかし、それよりもルカがあの変態に何かされていないか確認しないといけない。
俺は人間の身体能力の限界くらいの速度で移動してルカを捕まえる。そして、抱きしめた時、とても落ち着く。
(ああ、久々に嗅ぐルカエルの香りは香しい、ずっと嗅いでいたい……はっ!!正気になれ、これではあの変態野郎と変わらない、ああ、また泣きそうだ)
「ルカ会いたかった、あの変態に何もされていないか??」
あの変態によって、処女を散らすようなことをされていたら、この後戻ってあいつを抹消しないといけない。抹殺ではなく全てなかったことに、この世に居なかったことにする予定だ。
「僕は大丈夫です、あ、あの辺境伯様こそ大丈夫ですか??」
さぞかし怖かっただろうに、天使のように優しいルカエルは俺の心配をしてくれている。こういう綺麗な心と綺麗な姿がまさに天使のようで愛おしい。それに比べてシオン大公は、姿は良いが中身が破綻している。色々だめだ。
「ああ、地下牢に半裸で拘束されて気持ち悪い目にあったが、ルカに比べたらなんの問題もない」
そう、ルカに比べたらただ拘束されたくらいだし何も問題ない。それなのにルカがさらに悲しげな顔をしている。ああ、きっと痛い目にあったのではないかと心配してくれているのだろう、ルカの優しさが身に染みて色々浄化されたはずだったのに……。
「僕はベルっちと仲良くなったり楽しかったですから、大丈夫です。それより……」
(ベルっち??)
どうでも良いと放置していた男、しかし、その男はルカエルからベルっちなどと愛称で呼ばれていた。
(うらやましい!!)
俺だってまだ愛称で呼ばれたことなんかない。俺だって、ギルっちって呼ばれたい。無理やりギル様って呼ばせているけどそれよりもっと親しくなりたい。一体何をすればそんなに親しくなれるんだ。
そう考えたら、とてもダサいのだがこの男にルカの心の掴み方のレクチャーをしてもらうべきかもしれない。
(うむ、それがいい。なんとかルカの心を捉えたい)
善は急げと男に声を掛ける。
「お前は、ルカに何かしたのか!!」
しかし、何故だろう、男の顔もルカの表情も険しくなる。もっとフレンドリーに言うべきだったか??ならば言いなおそう。
「ベルっちという男、ルカにどんなことをした」
少し柔らかくなった、間違いない。しかし、ルカは今にも泣きそうだし、男はなんかすごい顔している。そう言えば半裸でボロボロっぽい見た目だからそれも良くなかったかなどと考えていると。
「特になにもしてない」
と簡素に答えた。何もしないでそこまで親しくなれるなら、俺とルカは既にラブラブでひとつになっているだろう。絶対に秘訣があるはずだ。
「いや、何かしたはずだ」
「していない」
冷たく言い放ち睨む男。どうして、ただ聞いているだけなのにこんなに剣呑な雰囲気になる。疑問に思っているとルカが泣きそうになりながら俺と男の間に入る。
「僕と、ベルっちの間には何もありませんから。辺境伯様、怒らないでください」
「怒っていない、ただ……」
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