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20.何が起きているのか全く分からない(ルカ視点)

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「あの、大魔王様へんきょうはくさま……」

「前に言っただろう、俺のことはと呼べ」

「はい、ギル様」

あれ、僕は自身が言おうとしていなかった言葉が口から勝手に出てくる。それになんで僕は大魔王様へんきょうはくさまの後をついていっているの、これすごい逃げたいんだけど。

(レイモンドさんと大魔王様へんきょうはくさまってハードゲイだったんだな。僕には理解できない世界だけれどそれはそれでふたりで楽しんでくれる分には構わないんだけど……)

なんか、途中で僕が巻き込まれてたんだよな。そして、大魔王様へんきょうはくさまは難くなに僕をそのヤバイ世界に引き込もうとしているっぽいんだけど……。それは勘弁してほしいな。

(あ、でも大魔王様へんきょうはくさまは僕のこと学生時代とか嫌いそうだったし、ヤバイ世界という名の合法拷問にかけるつもりかもしれない。さっき水拷問って良く訳が分からないことも言ってたもんな)

そうこうしているうちに僕は、例の寝室に連れてこられていた。一応毎日寝ている部屋だけど今日は凄い怖い。

「あ、あのギル様、僕は……」

を好きでないことは知っている。でもな、俺は……」

とても苦しそうな顔をする大魔王様へんきょうはくさま。あれ、なんで僕が大魔王様へんきょうはくさまを好きじゃないとことをいちいち確認するんだ。

「俺は15年間お前だけを愛してきた。だからって一方的な想いを押し付けるのは良くないと思ってきた。でもお前はレイモンドが好きだったなんてな」

(あれ、えっ、大魔王様へんきょうはくさまが僕が好き??えっ15年間??えっ??)

頭の中に沢山のはてなマークが出ていた。少なくとも僕がずっと想っていたこと、大魔王様へんきょうはくさまとレイモンドさんがハードゲイカップルではないということが今明かされている。

「あの、ギル様、僕は、レイモンドさんのことは……」

「ははは、いいんだ。もう。お前の心をゆっくり手に入れてから、お前が嫌がるならそれまでは体の関係は作らないつもりだった。でも、もういい。お前が他の男が好きなら……」

大魔王様へんきょうはくさまの顔が今までで最恐の表情になる。そこで気付いた。今まで怖いって思っていた顔ってもしかしてあれでも優しくしようとしていたんじゃないかって。だって今の顔は地獄の統治者で生きとし生けるものすべてを皆殺しにしたうえで狂喜の笑いを浮かべている全世界が震えて漏らすレベルの表情だ。

ちなみに、僕はまだ、漏らしてません。漏らしてはないけど漏らしそう。

「違います!!ギル様、僕は……」

「お前の立場を分からせてやらないとな」
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