上 下
5 / 33

04.冷血小公爵は新しい扉を開ける ※

しおりを挟む
※攻めのフェラ表現があります。苦手な方はご注意ください+挿入してませんががっつりエッチです。

「効いてきたって……どういうっ……」

マティアスの言葉に対して聞き返そうとしたが、体が思うように言うことを効かない事実に気付いた。異常な熱が先ほどマティアスが触れた足元から全身へ広がる。

(いやだ……こんなの……)

「フレデリック様、何も考える必要はありません、貴方はこれから本当のご自身を取り戻すのだ。だからもう誰からも傷付けられる必要はない……」

甘いバリトンの声色と吐息が首筋に掛かると同時にうつ伏せだった体をやすやすとひっくり返されてしまった。その結果、隠したかった僕自身が露わになる。

変な疼きのせいですでに先走りに濡れた僕のペニスは急な衝撃に震えていた。

その姿が『騎士』として情けなく、さらにマティアスという悔しいが格上の騎士にその醜態をさらしたことが許せずに反射的に睨んでいた。

「見るな……」

「なぜ??ああ、姫君。ずっとずっと貴方のがどうなのか想像してきました。この部屋に着くまでの廊下に貴方の彫像があったでしょう??あれは一番最初に貴方を想像しながら作らせたものなのです。その後百体以上つくらせましたが……ああ、やはり実際のは作りものよりずっとずっと美しい……」

まるで至高の美術品でも愛でるように、あの厚みのあるねっとりとした舌が僕のペニスに絡みついてきた。あまりのことに驚き、マティアスを見てしまった。

僕自身を口に咥えて舐る不埒で物騒な男と完全に目が合う。その瞬間、羞恥心が全てに勝った。

「なっ……だめだ、汚い」

その頭をのけようとしたがやはりビクともせず、当然、マティアスがやめることなかった。むしろ亀頭を口に完全に含むとそのまま絶妙な力加減で吸い上げられた。いきなりの行動に腰が痙攣し頭の中が真っ白になる。

「だめっ……だぁ……あっあああああああっ!!」

今までペニスを誰かに触られたことはもちろん舐められたことなどなかったため、初めての感覚にあっさり果ててしまった。

さらに、マティアスは僕が出した白濁をまるで極上のミルクででもあるように丁寧に全て舐めとり、その濃い白濁を口の中で転がす様に僕に見せつけた。

「な、なにを……」

ゴクリ

男らしい喉仏が上下する。それを飲み干したのだ。あまりのことに顔が赤くなり必死に目をそらそうとした。

「目をそらさないで、しっかりと見て」

しかし、フレデリックに顎を持ち上げられて目を逸らすこともできない。その呪縛から逃れるために何度も首を振る。

「いやだ……こんな、こんなの……!!」

「やはりフレデリック様は全てが甘い」

恍惚の表情でそんなことをいうフレデリックは間違いなく狂っている。しかし、なぜか心のどこかで渇いていた何かが満たされるような奇妙な感覚も同時に感じていた。

「きっとこの体は薔薇でできているのかな……繊細で美しく俺とは何もかもが違う」

いつの間にか取り出されたマティアスのペニスは、自身のペニスとは比べられないくらい大きく太く、そして赤黒い見た目をしていた。

「……なっ」

『騎士』として仕事をする上で、シャワー室などで他の『騎士』のペニスを見たことはあったがマティアスのそれは明かに規格外の魔物だった。

その魔物にナニをされるか考えると先ほどまでおかしな熱に侵されてはじめていた頭も正気に戻る。

「無理だ、そんなの……」

「大丈夫、貴方を傷つけることはしないから……でも貴方にはちゃんとご自身が何者か理解をしてもらわないといけない、だから……」

そう言うなりマティアスは自身のペニスと僕のペニスを密着させた。そして、胸元のポケットから取り出した潤滑油をそれらに垂らすとまるで自慰行為をするかのようにその無骨な指で2本を重ねるように扱き出した。

ぐちゅにちゅぐちゅ

いやらしい水音を立てながらも繊細な仕草で重ねられるとマティアスの硬いペニスの熱さが僕の先ほど一度落ち着いたそれを刺激し再び勃ち上がる。しかし、最大に勃起をしても大きさも色も硬さもどれひとつマティアスのペニスには叶わない。

僕の様子に気付いたのか、マティアスが熱っぽく囁いた。

「こんなに繊細で何もかも美しい方が『姫』でないはずがない、貴方は『姫』だ、至高の姫君……」

「ちがぅ……ぼ……くは!!」

『騎士だ』と紡ごうとした言葉はマティアスにより吐息ごと奪われてしまう。下半身を扱う手は丁寧なのに口づけはまるで吐息も何もかも奪うようで、その厚い舌が口腔内を貪るように犯していった。

それにより酸欠になったせいか再び体があの甘い痺れに包まれる。

(……身を委ねてはいけない、委ねたら……僕は、小公爵として築いてきたものを手放すことになる)

けれど、その逞しい肉棒の前で自身との差を知れば知るほどにその逞しい腕に抱かれて貫かれてその背にしがみつきながらただ咽び泣きたいという相対する感情が沸き立つ。

貪るような口づけから解放されると、いよいよお互いが限界を迎えようとしていた。

「ああ、とても気持ちがいい。貴方もこんなに濡れて……」

「っ……んっ」

潤滑油にお互いの先走りが混ざり合い最早どちらの体液か分からないものが泡立っている。その猥雑さは普段なら絶対に好まないものなのにその野性の獣のような臭いまで含めて今は快楽に変えてしまう。

(いきたい……一緒にいきたい)

「いっ……きぃたぃっ」

その言葉に呼応するように先ほどまで優しく扱いていた無骨な手の速度が上がる。

「……ふたりでいきましょう……」

その言葉を合図にするように再び頭の中が真っ白になった。

そして、ドロリとしたマティアスの熱い飛沫の感覚が腹を汚す。そして、互いの白濁が混ざり合ったものが睾丸を伝うのがわかった。

その瞬間、体が勝手に動いていた。マティアスの体に足を巻き付けて自然と腰を振っていた。

(足りない……もっともっと……!!)

「姫君……いけない人だ。ここでやめようと思っていたのに……もう手加減できそうにありません」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

ヤンデレ蠱毒

まいど
BL
王道学園の生徒会が全員ヤンデレ。四面楚歌ならぬ四面ヤンデレの今頼れるのは幼馴染しかいない!幼馴染は普通に見えるが…………?

処理中です...