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03.冷血小公爵様は奇妙な疼きに襲われる※
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※まだ本格的ではないですが少しセクシュアルなところがあります。ご注意ください。
マティアスに言われて気付いたのが、その部屋の中にある多くの物、例えば調度品から家具に至るまで幼い頃にマティアスに『好きだ』と話したものばかりで驚愕した。
「この部屋にあるものは……どうして」
「フレデリック様を永遠に幸せにするために、貴方の好きなものだけを集めました」
普段のマティアスは凛々しい騎士の模倣のような男なのだが明かに様子がおかしい。
「……覚えていたのか」
考え事をしているうちにどこからか無表情な使用人達が現れてベッドに付属しているタイプの机に飲み物が置かれていた。
「貴方の言葉はすべて覚えています。……建国記念パーティーでお疲れでしょう??これをお飲みください」
そう言って差し出されたのは金縁のついた白いカップに入れられたホットミルクだった。幼い頃好きだったそれは懐かしいにおいがして美味しそうに湯気を立てていた。
今日1日まともに食事も飲み物も口に出来ていなかったことに今更気づいた。
「いただこう」
カップを受け取り口をつける。
「??」
しかし、想像とはミルクの風味とは違う奇妙な味がした。その味は全く知らない味で何か分からなかったため表情がわずかに歪む。
「特別なミルクにはちみつをとかしたのですがお口にあいませんでしたか??」
「……いや、大丈夫だ」
表現し難いような独特の味だったが、思った以上に飢餓状態だった僕はそれすら飲み干した。
その時に気付くべきだったのだが、それを飲み干す僕を見つめるマティアスが恍惚の表情でこちらを見ていたことに……。
ミルクを飲み干すと、軽食も出された。それらは特に変わった味はせず、むしろ僕の好みの物や味付けがされていた。
食べ終わったことで少し冷静さをとりもどしたため、マティアスを牽制する目的もこめて言葉を紡いだ。
「ごちそうさまでした。……ところで卿と不本意だが婚姻するということらしいが私はたとえ権利を失おうとも『騎士』であり『姫』になるつもりはない」
挑むような言葉と眼差しを向ける。
幼い頃のマティアスは僕が強く望んだり嫌だと言えば強硬するようなことがなかったことを思い出したためでもあった。だいぶ様子はおかしく成長したが根本的には昔の優しいマティアスでもあると先ほどの様子から感じたためだったが、その考えが甘かったことをこの後、痛感することになる。
今まで、狂気的だが実害の無かったマティアスが、突然、僕をうつ伏せの状態でベッドの上に押し倒したのだ。
「何をする!!」
痛みはないが、マティアスの様子がよくわからない状態に屈服されたことが屈辱的で抵抗を試みたが叶わない。そんな僕の耳元に熱い吐息と共にうっとりとしたバリトンの声が響いた。
「ああ、とても気高い薔薇だ。やはり貴方こそ俺の求める姫君だ。しかし、あまりにも美しいくて手折ってでも俺だけのものにしたくなるな……」
ひどく物騒な言葉にギョッとして首だけ横に向けると、黄金を高熱で溶かした時のようなドロっとした狂った眼差しと目が合ってしまった。
「まずい」と思ったが、時すでに遅く簡単に上半身に纏っていた衣服を剥ぎ取られてしまった。
その結果、剥き出しになった僕の背中を熱い手が妙にゾワゾワするように撫でた。
「何て滑らかな肌だ……ここに沢山の証を刻みつけたい」
「……何をする気だ……」
低い声で威嚇するように言うが、それに対してマティアスが嬉しそうに喉元でクックと低く笑うような声が聞こえるだけだった。
そして、その吐息が首筋に近付いたかと思うと湿った感覚がした。それがマティアスの唇でそのままチュっというリップ音を立てた。
「なっ……」
驚く僕など気付かないようにその後も何度も何度も同じ場所に舌を這わせられたりキスを繰り返される。吸ったり舐めたりを繰り返されるとなぜか次第に妙な感覚が体に生まれたのがわかった。
「やめぇ……っ…あっ」
「首筋が弱いのかな??ああ、薔薇が咲いた、真っ赤な薔薇……俺が貴方を手に入れた証……もっともっとたくさん咲かせたい……色々なところにたくさん……刻みたい」
そういうなり、顔をマティアスに横向きに固定される。無理やりの姿勢が苦しくて声が出なくなってしまったが、僕の様子に気付くこともなく、苦しさからこぼれてしまった生理的な涙すらマティアスはまるで甘露ででもあるようにねっとりと舐め取った。
(……反撃しないと)
なんとか抵抗するために足を勢いよく曲げて攻撃をはかるが、なぜか鉄を蹴ったような痛みが走る。
「いたっ」
「ああ、姫君、だめですよ。貴方の柔肌が傷ついてしまう、すぐに手当てをしないと」
顔を拘束していた手は離されたが、そのまま纏っていたズボンと下着も一緒に剥ぎ取られることになり、生まれたままの姿がマティアスに晒されてしまい赤面する。
うつ伏せのため、一番みせたくないものは見せずに済んだがそれでも無防備に尻を晒している状態であり、起き上がろうと試みるが起き上がることはできなかった。
「痛いですか??」
そう言われて先ほど負傷し腫れた部分を押された。本来なら痛みに顔をしかめる場面のはずだが、
「っあ……」
となぜか痛みと同時に奇妙な疼きが体に走った。その感覚は知っている。しかし、なぜ痛みでその感覚が想起するのか分からず戸惑う。
(ちがう、この感覚は……)
「……効いてきたみたいですね」
マティアスに言われて気付いたのが、その部屋の中にある多くの物、例えば調度品から家具に至るまで幼い頃にマティアスに『好きだ』と話したものばかりで驚愕した。
「この部屋にあるものは……どうして」
「フレデリック様を永遠に幸せにするために、貴方の好きなものだけを集めました」
普段のマティアスは凛々しい騎士の模倣のような男なのだが明かに様子がおかしい。
「……覚えていたのか」
考え事をしているうちにどこからか無表情な使用人達が現れてベッドに付属しているタイプの机に飲み物が置かれていた。
「貴方の言葉はすべて覚えています。……建国記念パーティーでお疲れでしょう??これをお飲みください」
そう言って差し出されたのは金縁のついた白いカップに入れられたホットミルクだった。幼い頃好きだったそれは懐かしいにおいがして美味しそうに湯気を立てていた。
今日1日まともに食事も飲み物も口に出来ていなかったことに今更気づいた。
「いただこう」
カップを受け取り口をつける。
「??」
しかし、想像とはミルクの風味とは違う奇妙な味がした。その味は全く知らない味で何か分からなかったため表情がわずかに歪む。
「特別なミルクにはちみつをとかしたのですがお口にあいませんでしたか??」
「……いや、大丈夫だ」
表現し難いような独特の味だったが、思った以上に飢餓状態だった僕はそれすら飲み干した。
その時に気付くべきだったのだが、それを飲み干す僕を見つめるマティアスが恍惚の表情でこちらを見ていたことに……。
ミルクを飲み干すと、軽食も出された。それらは特に変わった味はせず、むしろ僕の好みの物や味付けがされていた。
食べ終わったことで少し冷静さをとりもどしたため、マティアスを牽制する目的もこめて言葉を紡いだ。
「ごちそうさまでした。……ところで卿と不本意だが婚姻するということらしいが私はたとえ権利を失おうとも『騎士』であり『姫』になるつもりはない」
挑むような言葉と眼差しを向ける。
幼い頃のマティアスは僕が強く望んだり嫌だと言えば強硬するようなことがなかったことを思い出したためでもあった。だいぶ様子はおかしく成長したが根本的には昔の優しいマティアスでもあると先ほどの様子から感じたためだったが、その考えが甘かったことをこの後、痛感することになる。
今まで、狂気的だが実害の無かったマティアスが、突然、僕をうつ伏せの状態でベッドの上に押し倒したのだ。
「何をする!!」
痛みはないが、マティアスの様子がよくわからない状態に屈服されたことが屈辱的で抵抗を試みたが叶わない。そんな僕の耳元に熱い吐息と共にうっとりとしたバリトンの声が響いた。
「ああ、とても気高い薔薇だ。やはり貴方こそ俺の求める姫君だ。しかし、あまりにも美しいくて手折ってでも俺だけのものにしたくなるな……」
ひどく物騒な言葉にギョッとして首だけ横に向けると、黄金を高熱で溶かした時のようなドロっとした狂った眼差しと目が合ってしまった。
「まずい」と思ったが、時すでに遅く簡単に上半身に纏っていた衣服を剥ぎ取られてしまった。
その結果、剥き出しになった僕の背中を熱い手が妙にゾワゾワするように撫でた。
「何て滑らかな肌だ……ここに沢山の証を刻みつけたい」
「……何をする気だ……」
低い声で威嚇するように言うが、それに対してマティアスが嬉しそうに喉元でクックと低く笑うような声が聞こえるだけだった。
そして、その吐息が首筋に近付いたかと思うと湿った感覚がした。それがマティアスの唇でそのままチュっというリップ音を立てた。
「なっ……」
驚く僕など気付かないようにその後も何度も何度も同じ場所に舌を這わせられたりキスを繰り返される。吸ったり舐めたりを繰り返されるとなぜか次第に妙な感覚が体に生まれたのがわかった。
「やめぇ……っ…あっ」
「首筋が弱いのかな??ああ、薔薇が咲いた、真っ赤な薔薇……俺が貴方を手に入れた証……もっともっとたくさん咲かせたい……色々なところにたくさん……刻みたい」
そういうなり、顔をマティアスに横向きに固定される。無理やりの姿勢が苦しくて声が出なくなってしまったが、僕の様子に気付くこともなく、苦しさからこぼれてしまった生理的な涙すらマティアスはまるで甘露ででもあるようにねっとりと舐め取った。
(……反撃しないと)
なんとか抵抗するために足を勢いよく曲げて攻撃をはかるが、なぜか鉄を蹴ったような痛みが走る。
「いたっ」
「ああ、姫君、だめですよ。貴方の柔肌が傷ついてしまう、すぐに手当てをしないと」
顔を拘束していた手は離されたが、そのまま纏っていたズボンと下着も一緒に剥ぎ取られることになり、生まれたままの姿がマティアスに晒されてしまい赤面する。
うつ伏せのため、一番みせたくないものは見せずに済んだがそれでも無防備に尻を晒している状態であり、起き上がろうと試みるが起き上がることはできなかった。
「痛いですか??」
そう言われて先ほど負傷し腫れた部分を押された。本来なら痛みに顔をしかめる場面のはずだが、
「っあ……」
となぜか痛みと同時に奇妙な疼きが体に走った。その感覚は知っている。しかし、なぜ痛みでその感覚が想起するのか分からず戸惑う。
(ちがう、この感覚は……)
「……効いてきたみたいですね」
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