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06:ネコ科動物の性感帯を撫でまわす好きな人(レオンハルト視点)

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「はぁはぁ、セニョールレオン、私は貴方をずっと……」

美しい姿はまさに天使だが、俺はその天使にこれからずっと待ち望んでいた告白の後に、犯される。そう考えたら心が凪のように静かだ。

(いや、むしろ愛する相手なだけ襲われても許せる。これが今まさに俺を襲おうとしているアルベルトが相手なら時間が戻ったら殺しただろうからな……)

そう考えながら必死に泣いてしまいそうな色々を、受け止めたが、耳元でルーンが甘い甘い愛おしい声で囁いた。

「もふりたかった」

(はっ??)

耳を疑う。ここは「好きでした」か「愛しています」な場面だ、なんだ、もふりたかったって??意味がわからない。

そんなことを考えていた時、ふんわりと柔らかな良い香りがする、まさにあの日心を鷲掴みにしてあの香り。

愛おしい人の匂い。

夢見心地になりながら、なんだかおかしいことに気付いた。説明し難いが、普通は良い匂い→正気→良い匂いのような感覚なのが今は良い匂い→良い匂い良い匂い→良い匂い良い匂い良い匂いみたいに、正気がはさまらずにずっと気持ち良いのだ。

(この蓄積はまずい……あっ、まさか)

俺は時間停止のエロ本で、時間が止まった間の快楽が蓄積し、時を戻した瞬間濃縮されたそれが一気に爆発してビクビクって感じになるのを思い出した。

つまり今、俺は来るべき解放に向かい快楽を濃縮されているみたいだ……。

(それはだめだ!!人間、いや獣の王である尊厳が著しく欠損する、我慢しろ、我慢!!)

しかし、「その者甘い香りを纏いて金色の獅子を勃たすべし」とでも言うようにルーンの繊細な指が触れた。

(ばっ、やめろ!!耳の付け根は……ふっあ、やめろっ!!頭のてっぺんも喉はっ……ゴロゴロ、ゴロゴロ。違う!!鳴るな喉、やめてくれ、気持ちい……っあ)

体がさっきから完全におかしい。ただただ、頭の辺りが痺れるようなさらに下半身が熱くて気持ち良いとしか思えない、まずすぎる。

そんな状況の中、ルーンがしゃがみ込む。

(ま、まさか、だめだ、俺自身に触れちゃ……あっ)

下半身に感じた違和感、俺は愛するルーンに掘られちゃうのを想像したが、ルーンは俺自身には目もくれず何故か尻尾の付け根に触れて、あろうことかトントンをしている。

(ばっ、ばか……そこはっ!!)

先ほどからネコ科の性感帯を問答無用に、しかし、匠なテクニックで触るルーン。あまりの快感に思考がまとまらなくなる。

ただ、これがアーサーとかいう恋人に仕込まれたと思うと悲しいし、むしろここまでのテクニックがあるなら非処女かもしれない。辛い。
(※レオンハルト王子もまだ若いのでルーンのはじめてが欲しかったのです。ちなみに誤解がありますがルーンはもちろん処女で童貞です)

そんなことなどお構いなしに俺を愛撫しまくったルーン。

もう、時間が戻れば間違いなくビックンビックンする、尊厳と処女と理性へのさよならバイバイを覚悟した時だった。

「ありがとう、セニョールレオン。素晴らしいもふもふだったよ」

そう甘やかな声で囁いてスキップしながらルーンが立ち去ってしまう。何か銀色の煌めくものを落として。

(まっ……)

「待て!!」

時間が戻る際に勢いよく立ち上がったおかげで、アルベルトを自然に交わした。

ドカッ!!

という音でどうやら壁にぶつかりアルベルトは、気絶したらしい。しかし、今はそれどころではない。

ルーンを追わねばと思った、が……

「あっ……うっ……はぁ!!」

ルーンの神テク愛撫の余波が一気に押し寄せて思わず射精した。そのあまりの感覚と絶望に眩暈がする。少しでも気を張らないと体がビックンビックン跳ねてまた達してしまう。

(嫌だ!!絶対ルーンに責任を取らせる!!このビックンビックンして今にも吐き出しそうなそれはのは、ルーンのに叩きこんでやる!!)

「あの甘やかな香りのする番に、絶対に俺自身をマーキングしてやると」という獣人としての本能に支配されて完全に理性が死んだ状態の俺の脳内に奇妙な囁きが聞こえた。

『そこなネコ科の王よ。そなたの足元にある我を拾え。さすれば願いをひとつ叶えよう』

明かに詐欺商法のような、言葉。いつもならスルーするが、俺は完全に理性が死んでいたのと、間違いなく先ほどルーンが落としたものだったので、そのまま声に従うように、足元に落ちていた銀色の指輪を拾う。

(……ルーンの匂いがする)

『我は願いを叶える指輪。ただ、願いを叶えるまで外れない指輪でもある。ただ、ネコ科の王。そなたは我の声を聞いているのですぐ外せる安心して嵌めるがよい』

嵌めるという言葉さえ卑猥に聞こえる頭で、それを指に嵌めた瞬間それは照り輝いた。

『そなたの望みはなんだ??』

「少し待って欲しい、どうしても見つけるべき相手がいる!!」

俺は火事場のバカ力で本来、ライオンには出せないだろうチーター並みの速度で駆け抜けていた。そのおかげか油断してそこまで遠くにいなかった、ルーンの後ろ姿を見つけたので、その背後ににじり寄った。

「お前、この俺の体を好き勝手に触って、ただですむと思っているのか??」

俺は艶やかに微笑みながら、ルーンの首根っこを掴む。

(逃がすものか、絶対に絶対に犯してやる)

その不埒な欲望に気付いたのかルーンが今更怯えだす。

「だめだよ!!私には婚約者もいないし、手を繋いだこともまだキスもしたことがない、獣欲を抑えておくれ、もふもふならいくらでもして……」

などと言いながら、先ほどの愛撫を思い出すいやらしい手つきをした。完全に煽っている。これは犯しても仕方ない。色々自分を正当化しながら、吠える。

「散々卑猥な手つきで体を撫でまわした癖に何を言っている??おとなしく犯されろ!!」
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