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03:熊耳男子の故郷の方言は多分語尾に「おぶ」
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「ああああああ!!虎の皮!!君に早く会いたい、ああああ!!!」
レオンハルト王子に会い、もふ欲が抑えきれなくなってしまった私は発狂していた。早く家に帰って玄関マットである虎の皮にダイブしてもふってくんかくんかしたい。
「落ち着いてください。ただでさぇ(色々変態で)問題だらけなのに気が狂ったとまで思われたらいよいよ幽閉まったなしですよ」
「確かに、私はこの世で一番美しいからね。その至宝の宝を監禁しようと父が思っているんだろう??そして、エロ同人みたいに……」
「いえ、それはないです。ただ、頭がおかしいとして薄汚い塔に幽閉されます」
ロイドはいつも通りの『イケメティックダウト』な目でこちらを見ながら言った。悲しいけれど私はあまりに美しいから監禁したいという人は沢山いる。特に私の父である王は最近よく、「そろそろ(王家の恥なので)本格的にアレを(頭がおかしいので)病ということで幽閉しようか」と言っているらしいことをロイドが話してくれた。
私が、傾国の美姫と呼ばれた母によく似ている上にさらに、美しいからと言って監禁しようとするなんて、いけない薄い本のようだ。
しかし、申し訳ないが私は近親相姦とかは現実ではいけないと思うし、そういう獣欲を抑えきれずにエロ同人みたいに私を監禁して虎の皮とも離れ離れにされるというならば徹底的に戦うつもりではある。
「薄汚いか。まぁ、私が今住んでいる場所も虎の皮以外は特に綺麗ではないのでそれについてはその分私が美しいので問題ないとして、聞いてほしいロイド、どうしてもこのあふれ出る欲が抑えきれそうにないんだ、これはそう、こんな小春日和の……」
私が美しい詩を朗読しようとした時、何故かいきなり部室のドアが開いた。
ちなみに今、私とロイドがいるのは『珍奇部』という私が設立した学園の部活で、とても奇妙で美しい(とルーンが思っているだけのもふもふかなんかゴミみたいな)ものを愛でる部活なのだけれどそこへ、とても大きなもふもふ、もとい熊の獣人がやってきた。名前を知らないから熊耳男子と仮称しよう。
「なんだい、君は入部希望かな??ああ、少し毛足が硬そうだけれど十分もふれ……」
「ルーン殿下、単刀直入に言います。我が国の王子であるレオンハルト殿下に金輪際一切近づかないで頂きたい」
あまりに真っすぐな言葉に驚いていると、ロイドが彼を静かに睨みつけた。
「それはどのような理由ででしょうか。確かにルーン殿下は変態で奇行が目立ちますがだからといってレオンハルト殿下に(直接的な)被害などは与えていません。ただすれ違ったり、他愛無い会話(大体一方的に罵られる)しかしていません」
ロイドがこんなに怒っているところは初めて見た。むしろロイドはいつも『イケメティックダウト』な目で私を見てツンデレなことを言うタイプなのに。
でもこの間は両手両足を折って監禁しようとしていたので、ツンデレヤンデレ、つまりツンヤンな子なのに珍しいなと思ってみていると熊耳男子が『イケメティックダウト』な目で私を見つめた。
「それが悪影響なのです。正直、ルーン殿下はおぶ……もとい王族としての諸々が足りないばかりか周りに迷惑までかけているのです、そのおぶ……ルーン殿下は居るだけで迷惑です」
その言葉を聞いた時、僕の家族の顔が浮かんだ。彼等も私の美しさに嫉妬してよく同じことを言っていた。持つものは持たざるものに常に優しくあるべきだ。優しさとは余裕だ。私は神に眩い美しさを与えられたのだから、多少のことは許さねばならない。微笑み優しい声で熊耳男子に答える。
「セニョール、すまない。私が美しいばかりに周りが黙っていないことで、セニョールレオンにも迷惑をかけているのだね。仕方ない、私は世界の至宝、美しさの塊、むしろ美とは私自身とも言える存在だから……」
「確かに、ルーン殿下は居るだけで周りに(色々と)影響は与えます。しかし、確かに変態で頭がおかしいですが、貴方や周りにそういう不敬でしかない暴言を吐かれてもルーン殿下は許されるのです。そんな優しい(ただすごく変態である)殿下は本当に悪影響を与えていますか?むしろレオンハルト殿下は(無害な変態)を会うたびに罵っています。ルーン殿下は優しい(変態)だからいつも申し訳なさげにしてますが、汚物などと言われては流石に側近として許すことはできません」
ロイド、熊耳男子は「汚物」等とはいっていない。「おぶ」とはいったけれど、それは多分なんかこう彼の故郷の方言かもしれない。「なんとかおぶ」とかいうそういう口癖かもしれない。そうフォローを入れようとしたのだが……。
「ふん。罵られて当然の行いしかしていないということだろう。なんにしても金輪際、貴方のようなおぶ、もとい変態な王子とは関わりにならないようにさせて頂く」
やはり、「おぶ」は方言だなと確信してロイドを諭そうとしたのに、熊耳おぶ男子は部室のドアを乱暴に閉じて出て行ってしまった。
「いくら殿下が、変態王子と言われていてもあまりに不敬ですね。確か彼はレオンハルト殿下の側近のアルベルト・バルバロイです。これについては直接抗議を……」
「そんなことしなくて良いよ、彼も私の美に嫉妬した哀れな子熊だ」
「汚物って言ってくる人間がですか??ルーン殿下、貴方は変態で、頭がおかしいですが優しすぎます。その優しさがいつか貴方の足を引っ張らないかと思うと……」
「ロイド、優しさは余裕があるものが持つものだ。私はこの世で一番美しいからそれだけ恵まれているし、余裕もあるんだ」
そう言って微笑んだ。てっきり『イケメティックダウト』するかと思ったのに、何故かロイドは珍しく泣いていた。
その理由は分からないけれど、多分私があまりに美しくて『イケメティックダウト』通り越して目が溶けて液体が漏れたに違いない。後で医師を呼ばねば。我ながら自分の美しさが改めて恐ろしくなった。
レオンハルト王子に会い、もふ欲が抑えきれなくなってしまった私は発狂していた。早く家に帰って玄関マットである虎の皮にダイブしてもふってくんかくんかしたい。
「落ち着いてください。ただでさぇ(色々変態で)問題だらけなのに気が狂ったとまで思われたらいよいよ幽閉まったなしですよ」
「確かに、私はこの世で一番美しいからね。その至宝の宝を監禁しようと父が思っているんだろう??そして、エロ同人みたいに……」
「いえ、それはないです。ただ、頭がおかしいとして薄汚い塔に幽閉されます」
ロイドはいつも通りの『イケメティックダウト』な目でこちらを見ながら言った。悲しいけれど私はあまりに美しいから監禁したいという人は沢山いる。特に私の父である王は最近よく、「そろそろ(王家の恥なので)本格的にアレを(頭がおかしいので)病ということで幽閉しようか」と言っているらしいことをロイドが話してくれた。
私が、傾国の美姫と呼ばれた母によく似ている上にさらに、美しいからと言って監禁しようとするなんて、いけない薄い本のようだ。
しかし、申し訳ないが私は近親相姦とかは現実ではいけないと思うし、そういう獣欲を抑えきれずにエロ同人みたいに私を監禁して虎の皮とも離れ離れにされるというならば徹底的に戦うつもりではある。
「薄汚いか。まぁ、私が今住んでいる場所も虎の皮以外は特に綺麗ではないのでそれについてはその分私が美しいので問題ないとして、聞いてほしいロイド、どうしてもこのあふれ出る欲が抑えきれそうにないんだ、これはそう、こんな小春日和の……」
私が美しい詩を朗読しようとした時、何故かいきなり部室のドアが開いた。
ちなみに今、私とロイドがいるのは『珍奇部』という私が設立した学園の部活で、とても奇妙で美しい(とルーンが思っているだけのもふもふかなんかゴミみたいな)ものを愛でる部活なのだけれどそこへ、とても大きなもふもふ、もとい熊の獣人がやってきた。名前を知らないから熊耳男子と仮称しよう。
「なんだい、君は入部希望かな??ああ、少し毛足が硬そうだけれど十分もふれ……」
「ルーン殿下、単刀直入に言います。我が国の王子であるレオンハルト殿下に金輪際一切近づかないで頂きたい」
あまりに真っすぐな言葉に驚いていると、ロイドが彼を静かに睨みつけた。
「それはどのような理由ででしょうか。確かにルーン殿下は変態で奇行が目立ちますがだからといってレオンハルト殿下に(直接的な)被害などは与えていません。ただすれ違ったり、他愛無い会話(大体一方的に罵られる)しかしていません」
ロイドがこんなに怒っているところは初めて見た。むしろロイドはいつも『イケメティックダウト』な目で私を見てツンデレなことを言うタイプなのに。
でもこの間は両手両足を折って監禁しようとしていたので、ツンデレヤンデレ、つまりツンヤンな子なのに珍しいなと思ってみていると熊耳男子が『イケメティックダウト』な目で私を見つめた。
「それが悪影響なのです。正直、ルーン殿下はおぶ……もとい王族としての諸々が足りないばかりか周りに迷惑までかけているのです、そのおぶ……ルーン殿下は居るだけで迷惑です」
その言葉を聞いた時、僕の家族の顔が浮かんだ。彼等も私の美しさに嫉妬してよく同じことを言っていた。持つものは持たざるものに常に優しくあるべきだ。優しさとは余裕だ。私は神に眩い美しさを与えられたのだから、多少のことは許さねばならない。微笑み優しい声で熊耳男子に答える。
「セニョール、すまない。私が美しいばかりに周りが黙っていないことで、セニョールレオンにも迷惑をかけているのだね。仕方ない、私は世界の至宝、美しさの塊、むしろ美とは私自身とも言える存在だから……」
「確かに、ルーン殿下は居るだけで周りに(色々と)影響は与えます。しかし、確かに変態で頭がおかしいですが、貴方や周りにそういう不敬でしかない暴言を吐かれてもルーン殿下は許されるのです。そんな優しい(ただすごく変態である)殿下は本当に悪影響を与えていますか?むしろレオンハルト殿下は(無害な変態)を会うたびに罵っています。ルーン殿下は優しい(変態)だからいつも申し訳なさげにしてますが、汚物などと言われては流石に側近として許すことはできません」
ロイド、熊耳男子は「汚物」等とはいっていない。「おぶ」とはいったけれど、それは多分なんかこう彼の故郷の方言かもしれない。「なんとかおぶ」とかいうそういう口癖かもしれない。そうフォローを入れようとしたのだが……。
「ふん。罵られて当然の行いしかしていないということだろう。なんにしても金輪際、貴方のようなおぶ、もとい変態な王子とは関わりにならないようにさせて頂く」
やはり、「おぶ」は方言だなと確信してロイドを諭そうとしたのに、熊耳おぶ男子は部室のドアを乱暴に閉じて出て行ってしまった。
「いくら殿下が、変態王子と言われていてもあまりに不敬ですね。確か彼はレオンハルト殿下の側近のアルベルト・バルバロイです。これについては直接抗議を……」
「そんなことしなくて良いよ、彼も私の美に嫉妬した哀れな子熊だ」
「汚物って言ってくる人間がですか??ルーン殿下、貴方は変態で、頭がおかしいですが優しすぎます。その優しさがいつか貴方の足を引っ張らないかと思うと……」
「ロイド、優しさは余裕があるものが持つものだ。私はこの世で一番美しいからそれだけ恵まれているし、余裕もあるんだ」
そう言って微笑んだ。てっきり『イケメティックダウト』するかと思ったのに、何故かロイドは珍しく泣いていた。
その理由は分からないけれど、多分私があまりに美しくて『イケメティックダウト』通り越して目が溶けて液体が漏れたに違いない。後で医師を呼ばねば。我ながら自分の美しさが改めて恐ろしくなった。
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