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01:隣国の王子をもふもふしたい私VS国際問題を回避したいロイド
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※()の中は主人公のルーンには見えてません。しかし、読者の皆様には正しい認識のため見えているものです。
「はぁ」
私は薔薇のようなため息をついた。ため息をつくと幸せが逃げるというけれど、私の美しい薔薇色のため息ならきっと多くの人を幸せにできるだろうから問題ない。
私は、ルーン・ヴァレッド。ここヴァレッド王国の王子で、花も綻んで破裂するくらい美しい17歳。今は、学園に通っている。
王侯貴族の通う学園は、異性間の過ちを回避すべく男子校となっている。
私が共学の学び舎にいたら可愛い女の子達が私のあまりの美しさに「ルーン王子(顔だけ)素敵です!!」とか「ルーン王子は本当に(顔だけ)良いです!!」とか「ルーン王子(の地位)を愛しています」とかもう女の子がわんさかわんさか私のために愛を囁いてしまうからやはり男子校で正解だとは思っている。
私のあまりの美しさ(と変態さと頭のおかしさと)で、今のところ婚約者もいないからね。仕方ない。
「ルーン殿下、何ため息ついてるんですか??(どうせまたくだらないこと考えているだろう)それより仕事してください」
側近のロイドがすごい嫌そうな顔で私を見ている。
きっと嫌そうな顔に見えるだけでロイドはあまりの私の美しさになんか困っているだけだろう。だってきっと発光しているのではないかってくらい私は美しいから仕方ない。
「いやね、レオンハルト王子のことで悩んでいるんだ」
「興味ないのでその話は不要です。それより……」
「私はね、あの美しい鬣とキュートなお耳とキューティクルが素晴らしく私に会うと立つ尻尾をもふもふしたくて仕方ないのだよ!!ああ、きっとそれはまるで私の家で一番に私を迎え入れてくれる玄関マットのほら、あのトラの皮みたいにオレーな感覚に違いない。それにきっとにおいも良いと思うんだ。そうまるで小さな頃から私をいつも受け止めてくれているあの玄関マットのトラの皮のような……」
「国際問題になるので玄関マットをもふってにおって我慢してください。間違えてもリアルレオンハルト王子に手出しとかはしないでください。ただでさえ殿下は(変態として)警戒されてます、絶対にやめてください」
ロイドが目を細めて見ている。パッと見は軽蔑しているようにも見えるけれどこれは美しすぎる私を見るときに眩しさのあまりになる現象でロイド以外もよくする。
私が美しすぎて眼球が破裂しないように回避するべくしている全人類の自衛行動で、これを私はこっそり『イケメティックダウト』と呼んでいる。
(※ただ、変態を軽蔑しているだけですがルーンは都合よく認識しています)
なお、私に対してロイド以外にもクラスメイトなどがよく『イケメティックダウト』して、「なんだあのナルシスト野郎」とか「廃嫡されそうな顔しているくせに生意気だ」とか「顔は良いのにあそこまで変態だとさすがに引く」「あのドMを縛って鳴かせて開発したい」「可愛い、可愛いよルーン殿下たん、はぁはぁ」など言っているけれど、全てはただの私のあふれ出てしまう美しさへの妬みや羨望に過ぎないし、実際『イケメティックダウト』しているから「私の美しさへの敬意が隠せていないよセニョール」くらいの気持ちで生ぬるく思っている。
いつもの他愛ないお話を、ロイドとしていたら、目の前に噂の元凶、いとしのもふもふ、もとい素敵なもふもふを持つ隣国の王子、レオンハルト殿下がこちらへ歩いてくる。
凛々しい顔立ちだけど、眼鏡のせいか知的でもあり、機能的な筋肉が無駄なくついたしなやかなボディを持つ、長身で褐色肌のイケメンだ。
その姿は、カモがネギ背負って、もといライオンが毛玉取り持ってきているくらい私の何かを刺激する。これはまずい、興奮が抑えられない。
「セニョールレオン。ここで会うなんて運命かな、はぁはぁ、今日こそは貴方の大切なものを触らせてもらうよ」
「……変態王子か」
「はぁはぁ、良い目だセニョールレオン。しかし、私は変態ではない、むしろ変態と言う名の紳士であり、ただ貴方の大切なところを常に触りたいと願っているだけで……」
私の説明を無視して立ち去ろうとするその姿さぇとてもオレーだ。
もふもふした過ぎて震えてはぁはぁ身悶えをしていたら、何故かレオンハルト王子が私に追加で話しかけた。いつもはスルーするので大変レアだ。
「……貴方は、本当に気持ち悪い。この国の王子じゃなければケツから手を突っ込んで奥歯をガタガタ言わせているレベルだ。消え失せろ」
『イケメティックダウト』している黄金の瞳。なんやかんや言いながら私の美しさに彼も夢中らしい。
(※ただ、変態を軽蔑しているだけですがルーンは都合よく認識しています)
「なんと、ああ、いけないよ。いくら私が美しいからって私のお尻に異物を挿れたいとこんな公衆の面前でいっては王族としての品性を疑われてしまうし、婚前にそんなことするなんて絶対だめだよ。セニョールレオン、婚前は愛を囁き見つめ合う以外はいけない。キスもハグも良くない。だいたいお尻の穴は出口で入口ではないから何かを入れるのはオススメし……」
「変態なのか、バカなのか、無垢なのかはっきりしろ!!」
ガウゥとでもいいそうなとても良い声で怒鳴られる。普段は冷静沈着でその暖色系の瞳から冷気すら漂わせる氷の獅子様なのに、その人が感情を露わに私を罵っている。実にたまらない。そこもふくめてもふりたくなるポイントだ。実に良い、実に素晴らしい。
「レオンハルト王子、申し訳ございません。ルーン殿下はむしろ全て当てはまります。バカで変態の癖にたまに無垢なのです、お許しください」
ロイドが真剣に謝っているようだけれど、若干の暴言が聞こえが気がしたのは気のせいだろうか。
「より関わりたくなくなった。……せっかく、顔だけは好みなのに(小声)」
そう言って、『イケメティックダウト』な顔をして去っていくその背中とピンと立っている尻尾ともふもふを見送るが、ものすごくあふれて発散されない、もふもふ欲が高まっていく。これはいけない。
「はぁはぁ、聞いておくれロイド、やはりレオンハルト王子をもふもふし……」
「もしそんなことされようとした場合は、俺は殿下の両手両足をへし折り動けないようにして部屋に閉じ込めます」
真顔でそう答えたロイド、真面目に監禁宣言するなんて、ロイドはヤンデレに違いない。私は思わず赤面した、監禁したらされることなんてひとつしかない。
「やめて!!ヤンデレロイド、 私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに!! エロ同人みたいに!!」
「はぁ、(脳みそが)残念ですね」
『イケメティックダウト』な目をしているロイドに私はそのままズルズル部屋まで連れていかれたが、特にエッチな展開はなかった。
「はぁ」
私は薔薇のようなため息をついた。ため息をつくと幸せが逃げるというけれど、私の美しい薔薇色のため息ならきっと多くの人を幸せにできるだろうから問題ない。
私は、ルーン・ヴァレッド。ここヴァレッド王国の王子で、花も綻んで破裂するくらい美しい17歳。今は、学園に通っている。
王侯貴族の通う学園は、異性間の過ちを回避すべく男子校となっている。
私が共学の学び舎にいたら可愛い女の子達が私のあまりの美しさに「ルーン王子(顔だけ)素敵です!!」とか「ルーン王子は本当に(顔だけ)良いです!!」とか「ルーン王子(の地位)を愛しています」とかもう女の子がわんさかわんさか私のために愛を囁いてしまうからやはり男子校で正解だとは思っている。
私のあまりの美しさ(と変態さと頭のおかしさと)で、今のところ婚約者もいないからね。仕方ない。
「ルーン殿下、何ため息ついてるんですか??(どうせまたくだらないこと考えているだろう)それより仕事してください」
側近のロイドがすごい嫌そうな顔で私を見ている。
きっと嫌そうな顔に見えるだけでロイドはあまりの私の美しさになんか困っているだけだろう。だってきっと発光しているのではないかってくらい私は美しいから仕方ない。
「いやね、レオンハルト王子のことで悩んでいるんだ」
「興味ないのでその話は不要です。それより……」
「私はね、あの美しい鬣とキュートなお耳とキューティクルが素晴らしく私に会うと立つ尻尾をもふもふしたくて仕方ないのだよ!!ああ、きっとそれはまるで私の家で一番に私を迎え入れてくれる玄関マットのほら、あのトラの皮みたいにオレーな感覚に違いない。それにきっとにおいも良いと思うんだ。そうまるで小さな頃から私をいつも受け止めてくれているあの玄関マットのトラの皮のような……」
「国際問題になるので玄関マットをもふってにおって我慢してください。間違えてもリアルレオンハルト王子に手出しとかはしないでください。ただでさえ殿下は(変態として)警戒されてます、絶対にやめてください」
ロイドが目を細めて見ている。パッと見は軽蔑しているようにも見えるけれどこれは美しすぎる私を見るときに眩しさのあまりになる現象でロイド以外もよくする。
私が美しすぎて眼球が破裂しないように回避するべくしている全人類の自衛行動で、これを私はこっそり『イケメティックダウト』と呼んでいる。
(※ただ、変態を軽蔑しているだけですがルーンは都合よく認識しています)
なお、私に対してロイド以外にもクラスメイトなどがよく『イケメティックダウト』して、「なんだあのナルシスト野郎」とか「廃嫡されそうな顔しているくせに生意気だ」とか「顔は良いのにあそこまで変態だとさすがに引く」「あのドMを縛って鳴かせて開発したい」「可愛い、可愛いよルーン殿下たん、はぁはぁ」など言っているけれど、全てはただの私のあふれ出てしまう美しさへの妬みや羨望に過ぎないし、実際『イケメティックダウト』しているから「私の美しさへの敬意が隠せていないよセニョール」くらいの気持ちで生ぬるく思っている。
いつもの他愛ないお話を、ロイドとしていたら、目の前に噂の元凶、いとしのもふもふ、もとい素敵なもふもふを持つ隣国の王子、レオンハルト殿下がこちらへ歩いてくる。
凛々しい顔立ちだけど、眼鏡のせいか知的でもあり、機能的な筋肉が無駄なくついたしなやかなボディを持つ、長身で褐色肌のイケメンだ。
その姿は、カモがネギ背負って、もといライオンが毛玉取り持ってきているくらい私の何かを刺激する。これはまずい、興奮が抑えられない。
「セニョールレオン。ここで会うなんて運命かな、はぁはぁ、今日こそは貴方の大切なものを触らせてもらうよ」
「……変態王子か」
「はぁはぁ、良い目だセニョールレオン。しかし、私は変態ではない、むしろ変態と言う名の紳士であり、ただ貴方の大切なところを常に触りたいと願っているだけで……」
私の説明を無視して立ち去ろうとするその姿さぇとてもオレーだ。
もふもふした過ぎて震えてはぁはぁ身悶えをしていたら、何故かレオンハルト王子が私に追加で話しかけた。いつもはスルーするので大変レアだ。
「……貴方は、本当に気持ち悪い。この国の王子じゃなければケツから手を突っ込んで奥歯をガタガタ言わせているレベルだ。消え失せろ」
『イケメティックダウト』している黄金の瞳。なんやかんや言いながら私の美しさに彼も夢中らしい。
(※ただ、変態を軽蔑しているだけですがルーンは都合よく認識しています)
「なんと、ああ、いけないよ。いくら私が美しいからって私のお尻に異物を挿れたいとこんな公衆の面前でいっては王族としての品性を疑われてしまうし、婚前にそんなことするなんて絶対だめだよ。セニョールレオン、婚前は愛を囁き見つめ合う以外はいけない。キスもハグも良くない。だいたいお尻の穴は出口で入口ではないから何かを入れるのはオススメし……」
「変態なのか、バカなのか、無垢なのかはっきりしろ!!」
ガウゥとでもいいそうなとても良い声で怒鳴られる。普段は冷静沈着でその暖色系の瞳から冷気すら漂わせる氷の獅子様なのに、その人が感情を露わに私を罵っている。実にたまらない。そこもふくめてもふりたくなるポイントだ。実に良い、実に素晴らしい。
「レオンハルト王子、申し訳ございません。ルーン殿下はむしろ全て当てはまります。バカで変態の癖にたまに無垢なのです、お許しください」
ロイドが真剣に謝っているようだけれど、若干の暴言が聞こえが気がしたのは気のせいだろうか。
「より関わりたくなくなった。……せっかく、顔だけは好みなのに(小声)」
そう言って、『イケメティックダウト』な顔をして去っていくその背中とピンと立っている尻尾ともふもふを見送るが、ものすごくあふれて発散されない、もふもふ欲が高まっていく。これはいけない。
「はぁはぁ、聞いておくれロイド、やはりレオンハルト王子をもふもふし……」
「もしそんなことされようとした場合は、俺は殿下の両手両足をへし折り動けないようにして部屋に閉じ込めます」
真顔でそう答えたロイド、真面目に監禁宣言するなんて、ロイドはヤンデレに違いない。私は思わず赤面した、監禁したらされることなんてひとつしかない。
「やめて!!ヤンデレロイド、 私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに!! エロ同人みたいに!!」
「はぁ、(脳みそが)残念ですね」
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