75 / 77
68.一肌脱ぎますにゃ(ミケ(グランバート)視点)
しおりを挟む
「殿下、いえ今は国王陛下ですね」
「やめろグランバート、僕の失態で帝国の属国となってしまったのだから」
殿下はそれはそれは悲し気にそう言ったけれど、殿下が竜帝様の番だったので再びこの国は元の王家の手に戻ったのも事実だった。
公爵家の行った恐ろしい計画で最悪国ごと潰されてもおかしくない状況を救い、疲弊していた国を立て直している殿下は以前の公爵令嬢へのヤンデレ成分も抜けて、とても素晴らしい君主に成長された。
あのヤンデレは作られたものだったのもあるけれど、常軌を逸していたので正気に戻れて本当に良かったと思っているけれど、本来なら結ばれる運命の相手である番の竜帝様が童貞を拗らせて色々こらえきれず出会ったばかりの番である殿下を犯すという恐ろしいことをしでかしたせいで未だに距離があるが、一時期よりはだいぶ心の距離は近づいている印象がある。
個人的には、いくら番でもいきなり犯すのは絶対だめだと思うし、ガトーしゃんにそんなことされたら自分もやはり拒絶してしまったと思う。
まぁ、ガトーしゃんは変態ではあるけれど、それ以外はとても紳士で常に気遣いも忘れずに愛してくれる良い番なのでそういう心配は全くないけど。
竜帝様は順番を間違えたのだ。
「殿下、自分を責めないでください。殿下がいなかったら間違いなく祖国はなくなってましたから」
「……ありがとう」
はにかんで微笑む殿下の笑顔はプライスレス。本当に顔の造形とか全てが高貴な仕えるべき御方である。
「ところで、何か用事があったのではないのか??」
「はい、実は結婚することになりました」
「ああ、確かクロワの側近とお前は番なのだそうだな。有能な男と聞いているよ」
とても純粋な目でガトーしゃんを褒めてくれる殿下が眩しい。ただ、ガトーしゃんはとても有能な変態なので変態部分が割と潔癖な殿下に知られていなかったのは救いかもしれない。このことはバレるまで黙っておこう。
「そう言っていただけるとガトーしゃんも喜びます」
「式は帝国であげるのだろう??ぜひ参加させてくれ」
「もちろんです、あ、その殿下のエスコートなのですが……」
その言葉に明らかに殿下の表情が曇った。元々、殿下は常に公爵令嬢のエスコートをする側だった。しかし、竜帝様の出現によりエスコートはする側ではなくされる側になった。
ただ、公の場で竜帝様にエスコートをすることを認めることが殿下にはどうしても難しかった。
「まだクロワにエスコートはされる気はない。一時期よりは信頼している、けれど……」
「信頼しきれないんですよね。分かりました、このミケがひと肌脱ぎます!!」
殿下と竜帝様が自分たちのように少しでも心を通わせてほしい。そのためにした行為がまさかあんな大騒ぎになるなんてこの時は微塵も考えていなかった。
「やめろグランバート、僕の失態で帝国の属国となってしまったのだから」
殿下はそれはそれは悲し気にそう言ったけれど、殿下が竜帝様の番だったので再びこの国は元の王家の手に戻ったのも事実だった。
公爵家の行った恐ろしい計画で最悪国ごと潰されてもおかしくない状況を救い、疲弊していた国を立て直している殿下は以前の公爵令嬢へのヤンデレ成分も抜けて、とても素晴らしい君主に成長された。
あのヤンデレは作られたものだったのもあるけれど、常軌を逸していたので正気に戻れて本当に良かったと思っているけれど、本来なら結ばれる運命の相手である番の竜帝様が童貞を拗らせて色々こらえきれず出会ったばかりの番である殿下を犯すという恐ろしいことをしでかしたせいで未だに距離があるが、一時期よりはだいぶ心の距離は近づいている印象がある。
個人的には、いくら番でもいきなり犯すのは絶対だめだと思うし、ガトーしゃんにそんなことされたら自分もやはり拒絶してしまったと思う。
まぁ、ガトーしゃんは変態ではあるけれど、それ以外はとても紳士で常に気遣いも忘れずに愛してくれる良い番なのでそういう心配は全くないけど。
竜帝様は順番を間違えたのだ。
「殿下、自分を責めないでください。殿下がいなかったら間違いなく祖国はなくなってましたから」
「……ありがとう」
はにかんで微笑む殿下の笑顔はプライスレス。本当に顔の造形とか全てが高貴な仕えるべき御方である。
「ところで、何か用事があったのではないのか??」
「はい、実は結婚することになりました」
「ああ、確かクロワの側近とお前は番なのだそうだな。有能な男と聞いているよ」
とても純粋な目でガトーしゃんを褒めてくれる殿下が眩しい。ただ、ガトーしゃんはとても有能な変態なので変態部分が割と潔癖な殿下に知られていなかったのは救いかもしれない。このことはバレるまで黙っておこう。
「そう言っていただけるとガトーしゃんも喜びます」
「式は帝国であげるのだろう??ぜひ参加させてくれ」
「もちろんです、あ、その殿下のエスコートなのですが……」
その言葉に明らかに殿下の表情が曇った。元々、殿下は常に公爵令嬢のエスコートをする側だった。しかし、竜帝様の出現によりエスコートはする側ではなくされる側になった。
ただ、公の場で竜帝様にエスコートをすることを認めることが殿下にはどうしても難しかった。
「まだクロワにエスコートはされる気はない。一時期よりは信頼している、けれど……」
「信頼しきれないんですよね。分かりました、このミケがひと肌脱ぎます!!」
殿下と竜帝様が自分たちのように少しでも心を通わせてほしい。そのためにした行為がまさかあんな大騒ぎになるなんてこの時は微塵も考えていなかった。
0
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
目が覚めたらαのアイドルだった
アシタカ
BL
高校教師だった。
三十路も半ば、彼女はいなかったが平凡で良い人生を送っていた。
ある真夏の日、倒れてから俺の人生は平凡なんかじゃなくなった__
オメガバースの世界?!
俺がアイドル?!
しかもメンバーからめちゃくちゃ構われるんだけど、
俺ら全員αだよな?!
「大好きだよ♡」
「お前のコーディネートは、俺が一生してやるよ。」
「ずっと俺が守ってあげるよ。リーダーだもん。」
____
(※以下の内容は本編に関係あったりなかったり)
____
ドラマCD化もされた今話題のBL漫画!
『トップアイドル目指してます!』
主人公の成宮麟太郎(β)が所属するグループ"SCREAM(スクリーム)"。
そんな俺らの(社長が勝手に決めた)ライバルは、"2人組"のトップアイドルユニット"Opera(オペラ)"。
持ち前のポジティブで乗り切る麟太郎の前に、そんなトップアイドルの1人がレギュラーを務める番組に出させてもらい……?
「面白いね。本当にトップアイドルになれると思ってるの?」
憧れのトップアイドルからの厳しい言葉と現実……
だけどたまに優しくて?
「そんなに危なっかしくて…怪我でもしたらどうする。全く、ほっとけないな…」
先輩、その笑顔を俺に見せていいんですか?!
____
『続!トップアイドル目指してます!』
憧れの人との仲が深まり、最近仕事も増えてきた!
言葉にはしてないけど、俺たち恋人ってことなのかな?
なんて幸せ真っ只中!暗雲が立ち込める?!
「何で何で何で???何でお前らは笑ってられるの?あいつのこと忘れて?過去の話にして終わりってか?ふざけんじゃねぇぞ!!!こんなβなんかとつるんでるから!!」
誰?!え?先輩のグループの元メンバー?
いやいやいや変わり過ぎでしょ!!
ーーーーーーーーーー
亀更新中、頑張ります。
【R18】【BL】嫉妬で狂っていく魔法使いヤンデレの話
ペーパーナイフ
BL
魔法使いのノエルには欲しい物が何もなかった。美しい容姿、金、権力、地位、魔力すべてが生まれ持って与えられていたからだ。
ある日友達に誘われてオーティファクトという美男美女が酒を振る舞う酒場へ足を運ぶ。その店で出会った異世界人の青年ヒビキに恋をした。
彼は不吉なこの黒い髪も、赤い瞳でさえも美しいと言ってくれた。ヒビキと出会って初めて、生きていて楽しいと思えた。俺はもう彼なしでは生きていけない。
素直で明るい彼にノエルはどんどんハマっていく。そしていつの間にか愛情は独占欲に変わっていった。
ヒビキが別の男と付き合うことを知りノエルは禁断の黒魔術を使ってしまうが…。
だんだん狂っていくヤンデレ攻め視点の話です。2万文字程度の短編(全12話ぐらい)
注意⚠
最後に性描写あり(妊娠リバなし本番)
メリバです
高スペックな義兄弟が出来たのですが。
ぱふぱふ
BL
▷ 高 ス ペ ッ ク な 義 兄 弟 が 現 れ た !
どうする?
→逃げる
→諦めて捕まる
→引きこもる◀
▷ 鍵 が か か っ て い る !!
どうする?
→逃げる ◀
→諦めて捕まる
▷ 回 り こ ま れ て し ま っ た!!
・・・無理ゲーじゃね?
────────────────────
▫ファンタジー要素を含みます。
▫主人公の周りがヤバいです。
▫過激な表現(R18に引っかかりそうなもの)がある場合は※をつけます。
▫本番の時、又はそれに近い行為の時は※※をつけます。
▫おかしな表現などございましたらそっと目を瞑ってやってください。
▫話は完全に作者の趣味です。
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
【R18】【Bl】R18乙女ゲームの世界に入ってしまいました。全員の好感度をあげて友情エンド目指します。
ペーパーナイフ
BL
僕の世界では異世界に転生、転移することなんてよくあることだった。
でもR18乙女ゲームの世界なんて想定外だ!!しかも登場人物は重いやつばかり…。元の世界に戻るには複数人の好感度を上げて友情エンドを目指さなければならない。え、推しがでてくるなんて聞いてないけど!
監禁、婚約を回避して無事元の世界に戻れるか?!
アホエロストーリーです。攻めは数人でできます。
主人公はクリアのために浮気しまくりクズ。嫌な方は気をつけてください。
ヤンデレ、ワンコ系でてきます。
注意
総受け 総愛され アホエロ ビッチ主人公 妊娠なし リバなし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる