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67.恋煩いの竜帝様(側近ガトー視点)
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「ルーに会いたい、王国に瞬間移動したい」
あの媚薬騒動後、なんやかんや雨降って地固まる的に距離が近くなった竜帝様と番様だが、それに伴い竜帝様が微妙にポンコツと化している。今もぼんやりとした熱のこもった目をしながら着替えをしている。
そんな竜帝様を支えるのが側近である私の使命だ。だから、ぼんやりして奇行を行おうとしている竜帝様の行いを正さないといけない。
「竜帝様、恋煩いでおかしくなったんですか??しっかりしてください。パンツを下半身に穿くなんて。頭に被らないと」
「……ガトー、朕がいくら恋煩いしていてもそんなバカなことはしないぞ」
何故かすごく怖い目で見てくる竜帝様に私は首を傾げた。
「バカなこと??いえ、割と真剣に言ってますが」
「……ならお前は何故パンツを被っていない」
「パンツはここぞという時以外は基本身につけません。今もノーパンです。そして、夜はマタタビの5番以外は身に纏いませんし……」
「マタタビの5番ってなんだ。シャネルの5番みたいなノリで意味の分からないことを言うな。大体何故朕が着替えている時にお前がここに居る」
物凄く嫌な顔をしながらパンツを何故か下半身に穿いた竜帝様がすごく嫌そうな顔で言った。それに対しては私だって愛するミケ以外の着替えなどみても楽しくはない。しかし、私は側近であるので竜帝様のおはようからおやすみまで見守る必要がある。
「側近ですので」
「……側近でも別に着替えを手伝う訳でもないのにここに居る必要はない。むしろ出て行ってほしいくらいだ」
そう言ってまるで犬猫を追い払う時のようにシッシッとする竜帝様だが、私はその程度では傷つかない。むしろもっと蔑んでくれても構わないくらいだ。
「竜帝様。私にそんな態度をとっても良いとお思いですか」
「ああ。朕は竜帝だからな。その辺りは全く問題ないと思っている」
「恋煩いでおかしい竜帝様のために、番様からのお手紙をミケ経由で預かってきたのに……」
私の言葉に今まで明らかに面倒くさそうにしていた竜帝様の表情が変わり、珍しく半裸(パンツを穿いているだけ)というスタイルで私に詰め寄る。
「それを早くいえ。ルーからの手紙を渡せ」
「……仕方ありませんね。こちらです」
私は、竜帝様に1枚の手紙を渡した。その手紙を半裸のまま開いた竜帝様。嬉しすぎたのかそのまま硬直している。
「嬉しすぎて固まっているのですか??」
そう問いかけながら、竜帝様の手元にある手紙を見て私は思わず硬直する。何故なら手紙にはただ一言しか書かれていなかったのだ。
その内容は……
『おならぷう。』
「竜帝様、しっかりしてください。番様がその、ご乱心したかもしれませんが……」
そこで竜帝様の顔を見たのが失敗だった。その顔には今までで1位2位を争うような怒りが浮かんでいた。
「ふざけるなマタタビ竜人!!これは、ルーの字ではない!!」
竜帝様がストーカー、いや重い愛スキルでどうやらそれが番様の手紙と偽装されたものだと判明して流石の私も焦った。何しろ番様からミケ、ミケから私とリレーした手紙なのだから普通に考えればそんなことになるはずがないのだ。
「一体誰がこんなことを……」
あの媚薬騒動後、なんやかんや雨降って地固まる的に距離が近くなった竜帝様と番様だが、それに伴い竜帝様が微妙にポンコツと化している。今もぼんやりとした熱のこもった目をしながら着替えをしている。
そんな竜帝様を支えるのが側近である私の使命だ。だから、ぼんやりして奇行を行おうとしている竜帝様の行いを正さないといけない。
「竜帝様、恋煩いでおかしくなったんですか??しっかりしてください。パンツを下半身に穿くなんて。頭に被らないと」
「……ガトー、朕がいくら恋煩いしていてもそんなバカなことはしないぞ」
何故かすごく怖い目で見てくる竜帝様に私は首を傾げた。
「バカなこと??いえ、割と真剣に言ってますが」
「……ならお前は何故パンツを被っていない」
「パンツはここぞという時以外は基本身につけません。今もノーパンです。そして、夜はマタタビの5番以外は身に纏いませんし……」
「マタタビの5番ってなんだ。シャネルの5番みたいなノリで意味の分からないことを言うな。大体何故朕が着替えている時にお前がここに居る」
物凄く嫌な顔をしながらパンツを何故か下半身に穿いた竜帝様がすごく嫌そうな顔で言った。それに対しては私だって愛するミケ以外の着替えなどみても楽しくはない。しかし、私は側近であるので竜帝様のおはようからおやすみまで見守る必要がある。
「側近ですので」
「……側近でも別に着替えを手伝う訳でもないのにここに居る必要はない。むしろ出て行ってほしいくらいだ」
そう言ってまるで犬猫を追い払う時のようにシッシッとする竜帝様だが、私はその程度では傷つかない。むしろもっと蔑んでくれても構わないくらいだ。
「竜帝様。私にそんな態度をとっても良いとお思いですか」
「ああ。朕は竜帝だからな。その辺りは全く問題ないと思っている」
「恋煩いでおかしい竜帝様のために、番様からのお手紙をミケ経由で預かってきたのに……」
私の言葉に今まで明らかに面倒くさそうにしていた竜帝様の表情が変わり、珍しく半裸(パンツを穿いているだけ)というスタイルで私に詰め寄る。
「それを早くいえ。ルーからの手紙を渡せ」
「……仕方ありませんね。こちらです」
私は、竜帝様に1枚の手紙を渡した。その手紙を半裸のまま開いた竜帝様。嬉しすぎたのかそのまま硬直している。
「嬉しすぎて固まっているのですか??」
そう問いかけながら、竜帝様の手元にある手紙を見て私は思わず硬直する。何故なら手紙にはただ一言しか書かれていなかったのだ。
その内容は……
『おならぷう。』
「竜帝様、しっかりしてください。番様がその、ご乱心したかもしれませんが……」
そこで竜帝様の顔を見たのが失敗だった。その顔には今までで1位2位を争うような怒りが浮かんでいた。
「ふざけるなマタタビ竜人!!これは、ルーの字ではない!!」
竜帝様がストーカー、いや重い愛スキルでどうやらそれが番様の手紙と偽装されたものだと判明して流石の私も焦った。何しろ番様からミケ、ミケから私とリレーした手紙なのだから普通に考えればそんなことになるはずがないのだ。
「一体誰がこんなことを……」
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